ロシア議会が恩赦法案を可決した。同法によって、プッシー・ライオットのメンバーやボロトナヤ広場事件で拘禁されている人びとが釈放される可能性がある。グリーンピースの外国人活動家「北極の30人（Arctic 30)」も、出国を許される可能性がある。

ロシア当局は、すべての良心の囚人を即時かつ無条件に釈放するべきだ。

ロシア連邦議会下院によって可決された恩赦法は、歓迎できない。同法が、不当な裁判によって収容された多くの犠牲者に恩恵をもたらすことは間違いない。だが、誤った判決を受けた人びとの犯罪歴が消されるわけではない。しかも2012年のボロトナヤ広場事件に関連して現在係争中の人びとなど、アムネスティ・インターナショナルが認定した良心の囚人すべてには、適用されない。

したがって、恩赦法は、実効性のある独立した司法制度に代わるものにはなり得ない。逆に、ロシアにおいて司法の政治化が進んでいることを裏づけるものだ。

ロシア政府が連邦憲法20周年を記念する最も良い方法は、真に憲法を遵守することだ。

アムネスティが良心の囚人と認定した人びとは、そもそも拘束・起訴されるべきではなく、懲役刑を受けるべきでもなかった。彼ら・彼女らは、単に自らの意見を表明しただけで囚われている。 ロシア当局は、恩赦法に基づいて釈放されようとしている良心の囚人に対するすべての有罪判決と容疑を、取り下げるべきである。 また、ミハイル・ホドルコフスキーさんやプラトン・レベジェフさんなど、引き続き拘禁されている良心の囚人は、 即時かつ無条件に釈放されなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2013年12月18日

http://www.amnesty.or.jp/news/2013/1220_4381.html 　

コメント
01. あっしら 2013年12月21日 02:24:34 : Mo7ApAlflbQ6s : 1PAzsyBp5s ＞ロシア当局は、すべての良心の囚人を即時かつ無条件に釈放するべきだ。 　日本の刑法を読めばわかるが、近代刑法は、行為そのものを問題にし、その行為の善悪判断や行為（犯罪）に駆り立てた価値観の問題を持ち込まないというのが大前提である。 　殺人は悪いことだから罪というわけではなく、殺人は罪というのが近代法の論理である。 　「アムネスティが良心の囚人と認定した人びとは、そもそも拘束・起訴されるべきではなく、懲役刑を受けるべきでもなかった」という」という言葉が恥ずかしげもなく出てくることに笑ってしまう。 　アムネスティの良心に関する基準が、普遍的でもないし、正しいわけでもない（そのようなものがあるとしたらだが）。 　西欧や米国の良心基準の変遷史をたどれば、それがよくわかるはずだ。
02. 2013年12月22日 17:22:09 : MO1UNwmURs 人権・人道を大義名分とした西側諸国による内政干渉、あるいは軍事介入の正当化 はもはや通用しなくなりつつあると認識した方がいい。 ワンパターンの欺瞞、人権屋劇場による出し物がそう何度も通用するはずもない。 ダイナモも歯噛みして悔しがったであろうオバマのシリア軍事介入断念が、 歴史の分水嶺とされることだろう。

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