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ギリシャと資本主義の世界的危機  (ROCKWAY EXPRESS )
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/277.html
投稿者 新世紀人 日時 2012 年 5 月 26 日 06:56:20: uj2zhYZWUUp16
 

http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/736/

ギリシャと資本主義の世界的危機

再選挙で戦うことになった各政党党首

◆5月20日

 ヨーロッパで起きていることは要するに人類が到達した今の体制である金融資本主義体制というものの矛盾の顕現である。世界統一政府を目指す世界的金融資本勢力はヨーロッパ連合と統一通貨ユーロの導入で、ヨーロッパ合衆国を目指しているが、その目論見が成功するか失敗するかの瀬戸際にきている。

 ギリシャに対して再度資金注入をしても、所詮それはギリシャの負債となり、ギリシャ国民はその膨大な債務のくびきに拘束される期間が延びるだけであり、債務が残っている限り彼らの生活は奴隷のそれに陥るだろう。既に今の現状がそれに近いものになっている。そして彼らにはその負債を返せる見込みはないのだから、ギリシャ国民は永遠にその債務のための奴隷状況に甘んじねばならなくなるのである。

 ヨーロッパのそれぞれの国民は、その歴史的に異なる発展内容をもっているのであり、仕事に対する姿勢も、人生に対する姿勢も異なるものであるから、その国に適合した産業と、財政と金融があって初めてその国に合った国家運営が可能である。それを金融をヨーロッパ中央銀行に託してしまえば、各国の財政との間に齟齬が生じざるをえず、ギリシャのように強い産業が少ない国家は衰退するしかなくなるであろう。

 ユーロ圏から離脱することが現実的なギリシャの復活の唯一の方法である。勿論一時的には輸入物資の高騰などで生活は苦しくなるであろうが、その代わり安いドラクマのために一番の産業である観光が大いに盛んになり、時間の経過とともにゆっくり経済も軌道に乗るようになるだろう。

 しかし、その道を辿るかどうかは分からないし、その間に他のヨーロッパ諸国がギリシャと似た状況に陥る可能性が高い。それが悪化すれば金融資本主義体制そのものの崩壊という道程を辿るであろう。それが天の意思かもしれない。

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●ギリシャと資本主義の世界的危機
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=30901
【5月18日 by Chris Marsden】

 ギリシャの政治的、経済的、社会的崩壊は、より一層大きいレベルでのヨーロッパと世界の資本主義の危機の直截的な顕れである。

 この小さな国家の運命は、世界的金融資本と各国政府首脳としての彼らの政治的代表者等の強欲のあり方、及びヨーロッパ連合、欧州中央銀行、国際通貨基金のトロイカにのみに懸っている。

 ギリシャの労働者にとっては、このインパクトは破壊的だ。彼らは既にナチスによる占領以来の生活水準の最大限の低下に苦しんできている。失業率は22%で青年層では50.8%であり、数百万人が不定期あるいはパートである。大量失業と貧困は一体となって悪化している。

 ギリシャの反革命は全ヨーロッパのベンチマークとなりつつある。 経済危機が統制できなくなりつつあり世界が2008年のリーマンショックで引き起こされた時以上の不況に陥りつつある。

 5月6日の選挙後のギリシャの政治的行き詰まりはヨーロッパ、アメリカ、アジアの悪化する経済状況の中で起きている。世界の株式市場の不況、失業率の増加、そして停滞し低下する成長率は不況に陥りつつあることを示している。

 アメリカでも、大量の失業者、貧困、ホームレスが蔓延している。そしてヨーロッパで進められている緊縮財政のやり方が州やその他の地方自治体で行われている。スペインより大きくイタリアに匹敵する経済規模のカリフォルニアでは、州知事がヘルスケア、教育、公務員給与の大幅削減を要求している。

 ギリシャで行われている公的な議論には現実的でない雰囲気がある。政治家とメディアのコメンテーターは銀行に更に資金が供給され、労働者に更なる苦難を押し付けるために、経済崩壊と社会的荒廃がすぐにも起きるようなことを語っている。 

 危機に対処するために提案されたやり方は、危機を更に深めるものである。ギリシャに支払われたはずの資金は主要な債権者の金庫にまっすぐに入ったのだ。そして追加のローンは同じ貪欲な獣の食欲を満たすことになるであろう。

 更なる犠牲を要求することは不可能となっている。大勢の労働者階級の緊縮財政に対する抗議はヨーロッパ中で高まっている。これはギリシャの選挙で示されただけでなく、緊縮財政を主張する政党を拒否したフランスその他のイギリスやドイツでの選挙でも示されたのだ。

 これは大衆の基本的な要求と資本主義的ヨーロッパの制度との間の両立できない矛盾の存在を源とする社会的緊張の頂点を示すものである。 

 ギリシャの労働者は救済条件に妥協することに直接介入した政党−PASOK(全ギリシャ社会主義運動)と新民主主義党を拒否することで自分たちの抗議の姿勢を表したのである。しかしこの感情の主な受益者は、債務削減の面で大衆の抗議を懐柔するために経済崩壊と表面的な改革を避けるために債務返済の拡大を望んでいるギリシャのブルジョワのある階層の代弁者であるSYRIZA(急進左派連合)である。SYRIZAはヨーロッパ連合とユーロを擁護しているが、自分たちを緊縮財政反対の政党としている。しかしこれは一致しない。緊縮と労働者階級に対する強められた攻撃は銀行家らのEUとそれを守る資本家グループの一致した要求である。

 ギリシャ共産党によって示された解決策はユーロ離脱とドラクマへの回帰であるが、これは世界中のコメンテーターたちに受け止められている。しかしこれもギリシャの労働者を世界的金融業者らの成すがままの状態に置くことになり、資本家たちの支配は無傷のままにさせる反面、労働者の住宅、賃金、少ない貯金はたちまち80%ほどの価値を失うであろう。

 支配階級のかつてないほどの拡大された階層は、ギリシャがユーロ圏を離脱せざるを得なくなるだろうと言う結論を持ち始めている。これは何とかできると豪語し、ギリシャは最後のユーロが人々から引き出されるまでただ叩くべきだという者がいる。他の者は金融危機がヨーロッパ中に、更にそれを超えて伝染しているのでユーロの存続は脅かされていると警告している。

 この後者の見方が現実により一層根ざしている。世界の金融機関はギリシャに5360億ドルの債権を持っているが、国際金融協会はギリシャがユーロを離脱する場合には「殺人的損失」と言われる1.2兆ドルになると予測している。ヴィルトシャフト・ヴォッヘ誌は、ギリシャのユーロ離脱はユーロ圏諸国だけでも、3000億ドルの負担になり、ヨーロッパは1930年代の恐慌型の不況に押しやられるかもしれないと言っている。

 更に重要なのはギリシャの離脱は、スペインやポルトガル、イタリアなどの奈落の淵をふらついているより大きい経済をもつ国々の崩壊を必然的に早めるであろうということだ。2010年以来既に三分の一の預金を失ったギリシャの銀行の経営には危機が迫っている。銀行の全面的な取次騒ぎが起きればヨーロッパの銀行に連鎖反応が起きる可能性がある。

 ギリシャとヨーロッパの労働者は資本主義システムの失敗の結果と直面している。目の前の経済危機のその時その時の解決策というものが、更なる社会的破壊と野蛮性の増長をもたらしてきたのだ。 

 ギリシャの二度目の選挙は6月17日に予定されているが、今月起きたこと以上の危機解決の可能性はない。

 唯一もっとも急進的な解決策だけが現実的であるという新しい時代が来ている。ギリシャの労働者は前に横たわる問題を基礎づけるための革命的社会的かつ国際的展望を持つべきである。同じことがヨーロッパやアメリカ、そして世界的に言える。

 支配階級は階級闘争の高まりを予想しかつ期待し準備をしている。その闘争でギリシャの運命が決まることを彼らは知っている。PASOKのミハリス・フリソコイディは、ユーロからの離脱で、「カラシニコフを持ったギャングが出てきて、誰が一番カラシニコフを持っているかが争われ、ギリシャは内戦状態に陥るだろう」と警告した。

 歴史的に、ギリシャのブルジョワは自分たちの支配を維持できるならば軍事独裁も含めて平気でなんでもやることを示してきた。労働者階級はこのことを知って行動すべきである。

 求められていることは、労働者たちの政府を生み出すことを目指して産業的、政治的攻勢を強化することである。そのよな政府は、ギリシャ経済の指導的立場を握ることをしなければならないし、銀行と企業のアセットを握り、資本のフライトを防止しなければならない。トロイカの代表たちは退場するべきであり、ギリシャの資源は、人々の苦難を軽減するため、しっかりとした仕事を供給するため、そして教育、住宅、医療分野で必要とされるあらゆる施策の資金に使用されるべきである。

 これらの施策は、ギリシャの悲劇と苦難を生み出した者たちに対するヨーロッパの労働者階級の広範な政治的動員の一部としてのみ実現可能であろう。ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、そしてイギリスの労働者は、その国の政府に対する戦いを始めるべきである。ヨーロッパ連合の大きな資本と金融パラサイトに対抗して、統一的な社会主義的ヨーロッパ合衆国が展望されるべきである。

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2012/05/20 (Sun) 経済


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