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再審を認めた裁判官は出世コースから外れてしまう
http://www.asyura2.com/12/lunchbreak52/msg/279.html
投稿者 中川隆 日時 2012 年 5 月 26 日 08:02:32: 3bF/xW6Ehzs4I
 

(回答先: 名張ぶどう酒毒殺事件の真犯人は? 投稿者 中川隆 日時 2012 年 5 月 16 日 00:38:59)


   ┌○┐     
   │奥│
   │西│
   │再│
   │審 |∧,,∧
   │不 |`Д´#>
   │可│ ノノ
   └○┘(⌒)
      し⌒

名張毒ブドウ酒事件、再審請求認めず 名古屋高裁 2012年5月25日10時11分

三重県名張市で1961年、5人が死亡した名張毒ブドウ酒事件で、名古屋高裁(下山保男裁判長)は25日、奥西勝(まさる)死刑囚(86)の再審請求を棄却する決定をした。
弁護側は今回の決定を不服として、最高裁に特別抗告する方針。

奥西死刑囚は全国の確定死刑囚の中で2番目に高齢で、確定からの収監期間も42年8カ月間と2番目に長い。


389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/25(金) 13:52:48.58 ID:???

最高裁が差し戻した場合は、結果的には被告人に有利になる結果になるケースが多いけど、
この事件に関しては、名古屋高裁はかなり抵抗するよなぁ


364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/25(金) 10:06:48.47 ID:cJbt+fqX

しかし裁判所も検察も、なぜここまで死刑に固執してんのかね?
もう40年経ってんだからどうだっていいだろ
いい加減釈放してやれよ

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/25(金) 10:08:48.27 ID:ST9xCooU

争点は自白って言ってるけど、その自白が強要されたんじゃってなってるんでしょ

http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/archives/1318440442/

203 :名無しさん@12周年:2012/05/26(土) 07:40:55.55 ID:HBN3/Cg5P

去年かな?特番やってた
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/15th/06-204.html

裁判所もムラ社会とかわらないんだな
再審を認めると出世コースから外れてしまうらしい

204 :名無しさん@12周年:2012/05/26(土) 07:43:01.47 ID:ymvfRSqZ0

これ、鑑定人がまだ生きてるからな。
最高裁クラスじゃないと、鑑定人に遠慮して元の判決を破棄するのは、
出世の道を閉ざす覚悟ないと無理だよ。

205 :名無しさん@12周年:2012/05/26(土) 07:45:13.18 ID:vNFfYOic0
>>203
今回の無茶な論理は特別抗告してねってことなのか?


206 :名無しさん@12周年:2012/05/26(土) 07:49:53.38 ID:AbsrKVWf0
>>204
それ、富山の事件だったか足利事件だったかの時にも言われたな。
とっくに冤罪だとわかってたのに関係者が全員退職するまで放置。

http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1337954853/l50


昭和36年、三重県名張市で起きた「名張毒ぶどう酒事件」。


 奥西勝死刑囚(80)は独房から無実を訴え続け、昨年4月、ついに再審開始決定を勝ち取った。事件から44年目のことだった。この間、奥西は何を思い、何を失ったのか。

 7月8日(土)放送の第15回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『「重い扉」〜名張毒ぶどう酒事件の45年〜』(東海テレビ)<深夜3時10分〜4時05分>では、事件直後から東海テレビが追い続けた貴重な映像をもとに、死刑囚と家族の苦しみや支援者の思い、弁護団の努力、そして、なぜ裁判官と検察官(国家権力)が再審開始を拒むのか、その理由について考える。

【番組の狙い】

 「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚に対し、名古屋高裁は去年4月、「再審開始」=「裁判のやり直し」の決定を出した。逮捕から実に44年後の決定。

 しかし3日後、検察は異議を申し立て、現在も再審裁判は行われていない。なぜ再審の扉は重く、そして長い時間がかかるのか。そこには、現在の司法制度の問題点が浮かび上がる。

 たとえば、裁判所に横たわるタテ社会。裁判所も所詮、ひとつの役所に過ぎず、最高裁判所で確定した有罪判決を、覆すことは極めてむずかしく、その判断をした裁判官は“コース”から外れる。

 また、現在の制度では検察は、不利な証拠を提出しなくてもいいことになっていて、検察に不利な証拠、つまり被告人の無罪につながる証拠を提出する義務はない。まるで、裁判官も検察官も“間違いはしない”との前提で、組織と制度が組み立てられているかのようだ。

 折りしも今、司法改革が叫ばれている。裁判員制度の導入もいいが、どこか本質を置き去りにしていないのか…。

 「名張毒ぶどう酒事件」の再審開始決定をきっかけに、司法の問題を考えた。

【番組内容】

 「再審」とは有罪の確定判決に対し、裁判のやり直しをすること。これまで死刑確定後に「再審」で無罪となった事件は4件ある。

 松山事件(逮捕から28年7ヵ月)、財田川事件(逮捕から33年11ヵ月)、免田事件(逮捕から34年6ヵ月)、島田事件(逮捕から34年8ヵ月)。

 そして、5件目となる可能性が高いのが「名張毒ぶどう酒事件」だ。

 昭和36年3月、三重県名張市の小さな村の懇親会で、農薬入りのぶどう酒を飲んだ女性17人が中毒症状を起こし、うち5人が死亡した。

 事件から6日後、逮捕された奥西勝(当時35歳)は裁判で無実を訴え、1審は無罪だったものの、2審で逆転死刑判決を受け、昭和47年、最高裁で死刑が確定した。

 その後も奥西は無実を訴え続けて再審請求を繰り返し、事件から44年後の去年4月、7度目の請求で再審開始が認められた。しかし、その3日後、検察は異議を申し立て、再審は先送りとなった。あまりにも長き、「再審」までの道のり。その理由は何なのか?

 徳島ラジオ商事件で再審開始の決定を下した元裁判官の秋山さんは「裁判所のタテ社会」が原因だと証言する。

 裁判官のポストは「最高裁判所長官」を頂点に「最高裁判事」、その下に8つの「高等裁判所の長官」、そして全国50の「地方裁判所の所長」が出世ポスト。

 これらの人事はすべて最高裁が握る。出世コースから外れた裁判官は地方の支部を転々と異動し、給料でも差がつく。そのため、一度、最高裁で確定した判決を覆してまで、再審決定を決断する裁判官が少ないのが実情だと話す。

 検察幹部として松山事件や財田川事件の再審請求に関わった元仙台高検検事長の小嶌さんは、検察官が証拠の一部のみを裁判所に提出する「最良証拠主義」が問題だと指摘。検察官は自分が起訴した事件を守ろうとするがために、「検察の不利な証拠」=「被告に有利な証拠」があったとしても、裁判所に提出しないことがあると言う。


 実際、4つの死刑冤罪事件では、検察の未提出記録が再審無罪につながっている。まさに国家権力が再審の扉を閉ざしている現状があるのだ。

 この間、奥西の無実を信じ続けた両親は死亡。事件当時、幼かった二人の子供は、その後、死刑囚の父を拒絶し、村を離れ、いまも息を潜めて暮らしている。

 事件直後から東海テレビが追い続けた貴重な映像をもとに、45年間の死刑囚の苦しみや肉親や支援者の思い、再審開始を勝ち取った弁護団の努力、そして再審を拒む国家権力の理由に迫る報道ドキュメントをお届けする。


<制作担当者のコメント>

 「名張毒ぶどう酒事件」をご存知ですか。ワインがぶどう酒と呼ばれていた昭和36年、今から45年前の事件です。奥西勝死刑囚(80歳)は、逮捕後から無実を訴え続け、昨年4月ようやく裁判のやり直し=再審が認められました。

 35歳で逮捕された奥西死刑囚。当時、中1の長男と小学校入学を控えた長女がいました。事件が起きたのは3月28日。奥西死刑囚は警察で昼夜、厳しい取調べを受けました。事件で妻を亡くし、早く家に戻り、長女の入学準備をしたかったそうです。そして警察から「自白すれば家に帰してやる」と言われ、自供したといいます。逮捕された奥西死刑囚がその後、二人の子供と再会したのは、警察の現場検証の時でした。手錠引き縄姿の父をみて「お父ちゃん、お父ちゃん」と何度も叫び、駆け寄ってきた二人の姿が今でも頭から離れないそうです。事件後、家族はバラバラとなり、二人は名張から遠く離れた地で今も息を潜めて暮らしています。

 そして、今年1月、80歳になった奥西死刑囚。3年前、ガンで胃を3分の2切除しました。再審開始決定からまもなく1年が経ちますが、検察の異議申し立てにより、再審裁判はいまだ開かれていません。毎日、死刑の恐怖に怯え、人生の半分を拘置所で暮らした男。なぜ、日本の司法は長い間、彼に手を差し伸べなかったのでしょうか。その理由をぜひ番組で確かめて下さい。

(東海テレビ報道部・斉藤潤一)
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/15th/06-204.html

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関連投稿

裁判官がミラーマンを無罪にできなかった理由
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/300.html

 

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コメント
 
1. 中川隆[-5760] koaQ7Jey 2017年12月10日 10:22:46 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

名張毒ぶどう酒事件に関する映画について

2012年公開、約束・名張毒ぶどう酒事件・死刑囚の生涯 動画
https://www.youtube.com/watch?v=CSXhi51sbkU

出展: http://www.47news.jp/movie/treasure_international/326/

名張毒ぶどう酒事件に関する映画は東海テレビが制作しています。映画の制作にあたり名張毒ぶどう酒事件についてすべての裁判資料を読み、たくさんの関係者に取材し、その事実関係を理解したうえで奥西死刑囚は無実で、これは冤罪事件であることを確信したと映画制作者は述べています。


映画の内容


それらのことから映画は、「名張毒ぶどう酒事件は冤罪事件である」とした明確な立ち位置での内容になっています。

一審では無罪判決、二審では有罪・死刑判決と真逆な判決を下され最高裁判所で死刑が確定し、確定死刑囚となった奥西勝死刑囚が独房から自分の無実を訴え続け、何度も何度も再審請求をする心情に深く入り込み、そこに「冤罪」を風刺させています。

「再審」とは、裁判所が確定した判決に重大な瑕疵がある場合に裁判をやり直すという制度です。ということは、裁判所がその瑕疵を認めない限り再審への道は開くことはありません。

「昼食の配給があるとホッとし、それ以外の時間帯は地獄の中で生きているようなもの」
まさしくこれこそが確定死刑囚の心情そのものでしょう。映画は確定死刑囚の心情から「司法制度の在り方」というものをわれわれに訴えています。

名張毒ぶどう酒事件は「冤罪」の可能性が高い。このことを伝えなくてはならない。それが、われわれの使命だと映画制作者は語っています。


名張毒ぶどう酒事件の裁判官について

出展: 空撮映像で巡る現在と過去 震災から4年迎える被災地 : 動画 - 47NEWS (よんななニュース)

名張毒ぶどう酒事件は、現段階で第10次の再審請求がされていますので、裁判に関係した裁判官の数も多いといえます。その中から、印象的な裁判官についてみてみましょう。


印象的な裁判官


1964年12月23日
一審:津地方裁判所
小川潤裁判長:証拠不十分で無罪判決
       「疑わしきは被告人の利益」の刑事裁判の鉄則が適用されています。

1969年9月10日
二審:名古屋高等裁判所
上田孝造裁判長:一審の無罪判決を覆して有罪・死刑判決を下しました。

1972年6月15日
最高裁判所
岩田誠裁判長:上告を棄却し、死刑を確定しました。

2005年4月5日
名古屋高等裁判所刑事1部
小出じゅん一裁判長:再審開始を決定し、死刑執行の仮処分を命じました。

その後、20006年2月依願退職しています。

2006年12月23日
名古屋高等裁判所刑事2部
門野博裁判長:再審開始決定を取り消す決定を下しました。(死刑執行停止も取り消し)

その後、2007年東京高等裁判所への栄転を果たしています。

専修大学教授

差し戻しや棄却


2010年4月5日
最高裁判所第三小法廷
堀籠幸男裁判長:再審開始決定を取り消した名古屋高等裁判所決定を審理不尽として破棄し、審理を名古屋高等裁判所に差し戻しました。

2012年5月25日
名古屋高等裁判所
下山保男裁判長:捜査段階での被告人の自白に信用性が固いとし、検察側の異議申し立てを認めて、再審開始の取り消しを決定しました。

2013年10月16日
最高裁判所第1法廷
桜井龍子裁判長:名古屋高等裁判所の再審取り消し決定を支持し、第7次再審請求にかかる特別勧告について棄却する決定を下しました。このことで、再審の道はまた閉ざされてしまいました。


封鎖的な縦社会


以上のように名張毒ぶどう酒事件にはたくさんの裁判官が関わっていることがわかります。司法の世界は封建的な縦社会だと言われています。

裁判官が再審の道を開くということは、自分の出世を諦めることに繋がります。
前任裁判官たちの決定を全否定することは、裁判所を否定することになり上級の裁判所に席を置かせてはもらえなくなります。法の番人である司法は官僚社会と言えます。


学び考えることとは?

出展: 非母国語圏の英語勉強法 スペインの教育事情を紹介 - 経済・トレンドニュース一覧 - ORICON NEWS - エンタメ - 47NEWS(よんななニュース)

名張ぶどう酒事件の裁判および再審請求が、社会に与えた影響は大きいといえます。その理由は物的証拠もなにもない状況にもかかわらず、司法はただ本人の透明性にかける自白のみを根拠に死刑判決を下している点です。

死刑判決を下した後、再審請求が認められたのは一度きり、それもすぐに取り消されています。その後、何度再審請求を起こしてもその厚く重い扉は開くことはありません。そして現在、第10次再審請求を起こしている状態にあり、司法との闘いは今なお続いています。

こうした司法の現実をわれわれは知って、学んで、考えて、そして行動に移すことで社会に変化が生まれ、冤罪により塀の中で生涯を終える受刑者や死刑囚の数は減ることでしょう。
https://uranaru.jp/topic/1009051


2. 中川隆[-13723] koaQ7Jey 2018年12月01日 21:58:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21517] 報告

閉ざされた再審請求審を裁判員裁判にしてオープンに!〜名張毒ぶどう酒事件の再審請求棄却決定から考える
江川紹子 2017/12/8
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20171208-00079067/


決定を受けて裁判所を出る弁護団


 56年前、三重県名張市で地域の懇親会に出されたぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した「名張毒ぶどう酒事件」で、名古屋高裁(山口裕之裁判長、出口博章裁判官、大村陽一裁判官)が8日、第10次再審請求を棄却する決定を出した。三者協議もやらない裁判所の姿勢から、この結論は予想していたが、様々な証拠に照らして確定判決を検討することにも拒否的で、毒物鑑定の検証実験などを「無意味」と突き放すなど、「これ以上裁判所の手を煩わせるな」と言わんばかりの拒絶感に満ちた態度が決定要旨からあふれているのには、唖然とさせられた。

三者協議さえ開かず

弁護人が描いた晩年の奥西さんの似顔絵。よく似ている
弁護人が描いた晩年の奥西さんの似顔絵。よく似ている

 本事件で起訴された奥西勝さんは、一審の津地裁は無罪だったが、二審の名古屋高裁で逆転有罪で死刑を言い渡された(このため、再審請求は地裁ではなく、高裁に提出することになる)。奥西さんは、判決確定後も無実を訴え続け、裁判のやりなおしを求めてきた。第7次再審請求で、ようやく名古屋高裁刑事第1部(小出じゅん一裁判長、「じゅん」はカネヘンに「享」)が再審開始を決定したが、検察の即時抗告による異議審で取り消された。第9次請求の最中に、奥西さんは死亡。第10次請求は、実妹の岡美代子さんが請求人となった初めての再審請求である。

奥西勝さんの遺影と共に記者会見する岡美代子さん
奥西勝さんの遺影と共に記者会見する岡美代子さん

 弁護側は使われた毒物が確定判決で示されたニッカリンTとは別の農薬であるとする主張を補強するため、事件当時の鑑定方法を再現する実験を行う一方、ぶどう酒の瓶の封緘紙ののりの成分を分析。製造過程で使用されたのとは異なる、一般家庭などで使われているのりが付着していたとして、奥西さん以外の誰かが、事前に開栓して毒物を入れた後に、再び封緘紙を貼り直した可能性があると主張した。 

 弁護側は鑑定を行った科学者の話を直接聞く機会を設けるよう、再三要請したが、裁判所は受け付けなかった。裁判所、弁護人、検察官による三者協議は、途中で請求を取り下げ第9次請求審に切り替えたために短期間で終わった第8次請求審でも行われたが、今回は一度も行われていない。

 決定では、毒物に関する再現実験は、当時の器具は入手不能などとして「再現を試みたところで、何の意味も持たない」「かかる再現実験をいくら重ねても無意味である」と切り捨てた。のりの成分についての再現実験でも、「意味をなさない」「意味をもたない」という言葉が繰り返された。

 専門的な知識や経験が必要な分野について、鑑定人の詳細な説明を求めることもなく、他の専門家の見解も聞かずとも、裁判官の非科学的な頭で科学鑑定の是非を判断できるんだと言わんばかりの対応は、傲慢の極みを言えよう。

証拠の吟味も行わず

 今回の決定は、確定判決を支えた証拠だけをつまみ食いしたうえ、当時の状況をまったく無視した評価をしている。

奥西さんの死後も支援活動は続くが…
奥西さんの死後も支援活動は続くが…

 確定判決は、ぶどう酒に毒を入れる機会があったのは、懇親会会場の公民館で奥西さんが10分間1人でいた時間帯だけである、と認定した。ただ、このぶどう酒はその前に、懇親会を主催する生活改善クラブの会長Nさん宅に一定時間置かれていた。ぶどう酒の購入は、事件当日の朝にNさんが決めたこともあり、当初はNさんにも強い疑いが向けられていた。ところが、ぶどう酒到着時刻に関する関係者の供述は、途中ですべて、一斉に不自然な変化を遂げ、N宅に置かれていた時間がぐんと短くなり、ここで毒を入れる機会はないことになった。

 これによって、犯行の機会があった者は奥西さんのみだと主張する検察側に対し、一審の無罪判決は、証言の変遷は「検察官のなみなみならぬ努力の所産」と皮肉っている。

 しかし、今回の決定はそうした経緯は一切無視し、確定判決に合う証言のみをつまみ食いした。そのうえ、当時の状況は一切無視している。

 たとえば、ぶどう酒到着時刻に関する証言をしているT女の供述について、決定は「明確で一貫しており、うそをつく理由もない」と断言した。しかし、捜査の初期のT女供述は証拠として提出されていないので、果たして一貫しているのか不明だ。しかも、T女はNさんの実の妹である。

 第7次の再審開始決定では、T女ら関係者の供述の取扱いについて、次のような注意を述べている。


〈重要な供述者全員、特にNをはじめその家族(K女、T女)が、いずれも事件との強い利害関係を有する複雑な立場であって、供述の対象事項が、自らや親族らの嫌疑に直接、間接に関係し、虚偽供述を行いやすい強い動機が認められる〉

〈特にN女は嫁ぎ先から実家に帰っておりぶどう酒を一時的に保管していた家族として強い利害関係を有する者であり、兄Nとは供述当時の時点で同居していたこと(中略)などの背景事情があった〉

〈このような当時の背景事情を念頭に置いた上で、各供述の信用性の判断に当たり、供述の変遷、その理由、供述内容の自然さ、他の証拠との整合性などの観点から、慎重な検討を要する〉

2005年に再審開始決定が出たのだが……
2005年に再審開始決定が出たのだが……

 こうした「慎重な検討」もなく、証拠を十分に吟味しないまま、T女供述が「明確で一貫しており、うそをつく理由もない」などと断定した今回の決定は、控えめに言っても、あまりに軽率だ。こんな軽率な判断は、裁判記録全体を読み直し、これまでの再審請求審で明らかになった事実(弁護人が書面で丁寧に解説している)を新証拠とともに総合して検討していればできないだろう。今回の裁判所が、まともに再審の訴えに向き合っていなかったことが、ここに現れている、と思う。

歴史に学ばない裁判官

 自白の取扱いもひどいものだ。

 決定は、捜査段階の自白について次のように認定している。

〈身柄拘束前の任意調べで犯人と供述した。本件のような重大な事犯について特段の強制もなく自白した以上、任意性に問題がないことはもとより、信用性も高いと考えられる〉

 本件被害者の中には、奥西さんの妻も含まれている。まもなく小学校に上がる娘を含め、2人の子供がいた。そういう状況下で、奥西さんは連日警察に呼び出されて深夜まで厳しい追及を受け、「新聞記者がうるさいから家に帰ってはいかん」と近くの宿屋に泊まるよう求められた。なんとか頼んで自宅に帰らせてもらっても、刑事がついてきて家の中まで強引に上がり込み、トイレもドアを開けたまま用を足させるなど、徹底的な監視をした。果たしてこれが、「任意」の取り調べと言えるだろうか。

 逮捕前の「任意捜査」の段階で、虚偽の自白に追い込まれた事例は、過去にいくつもある。足利事件で菅家利和さんは、午前7時に自宅にやってきた刑事に警察署に連れていかれ、自白の強要を受け、午後10時頃には虚偽自白に追い込まれた。それでも、警察に連れて行ったのは「任意同行」であり、自白強要は「任意の取り調べ」で、「任意捜査」による「任意」の自白として扱われた。

松橋事件では、連日の「任意」での取り調べの末にとられた「自白」の信用性を裁判所も否定した
松橋事件では、連日の「任意」での取り調べの末にとられた「自白」の信用性を裁判所も否定した

 先日、熊本地裁に続いて福岡高裁が「自白」の信用性を否定して再審開始を認めた松橋事件でも、事件発生後13日間に9日もの取り調べを受け、「ポリグラフ検査で陽性反応が出た」などと告げられ、取り調べがない日も自宅待機を命じられるなど、完全に捜査当局の支配下に置かれた状況が続く中で、「自白」に追い込まれた。

 冤罪の歴史から、名古屋高裁の裁判官はまったく教訓を学んでいない。こういう裁判官が、刑事司法の現場にいて、今日も人を裁いているのである。

「自白」に引きずられる裁判官

名古屋地・高裁
名古屋地・高裁

 ただ、こうした姿勢は、今回の裁判体に限ったものではない。第7次請求審での再審開始決定をひっくり返し、再審請求を棄却した2006年の名古屋高裁刑事2部(門野博裁判長)による異議審決定でも、自白が「任意捜査の段階」で行われたことを重視し、「そう易々とうその自白をするとは考えにくい」として、長々と自白を引用している。

 裁判所が、このように自白に引きずられて有罪認定するからこそ、刑事訴訟法の改正によって捜査段階での可視化が導入されるに至ったのだ。ただ、それだけでは過去の事件は救われない。しかも、多くの裁判官は、再審に対しては極めて消極的だ。今回の裁判所に至っては、様々な証拠から確定判決を見直すことさえ拒否するような態度で事件に臨んでいる。

再審請求制度改革私案

 こういう裁判官たちが、密室で判断を下しているのが、今の再審請求審だ。公開の法廷で証人尋問を行うなど、一部の過程をオープンにすることは、今の法律でもできる。過去には、日産サニー事件の再審請求審で福島地裁いわき支部は証人尋問を公開の法廷で行った前例もある。けれども、多くの裁判所は、国民の目が届かない密室を好む。名張事件でも、ずっと密室審理が行われてきた。

 このような状況では、よほど奇特な裁判官に当たらない限り、救われるべき者も救われない。そろそろ、本気で再審請求制度の見直しが必要ではないか。

 私の提案はこうだ。


1)名張事件のように、現在であれば裁判員裁判で行われるような重大事件に関しては、職業裁判官のみではなく市民を入れた裁判員方式で審理する。

2)公開の法廷で請求人・弁護人、検察側の主張を述べ合う。

3)証人尋問などは公開の法廷で行う。

 再審請求審の取材は、多くの場合、検察が非協力的なので、報道陣は弁護人からしか情報を得られない状況だく。提供される情報には弁護人というバイアスがかかっているという前提で報道しなければならない。しかし、公開の法廷で双方のやりとりや証人尋問が行われれば、客観的な立場で取材し、だからこそ確信を持って報道できる。国民も、傍聴席に座って、あるいは報道を通して、再審請求審がどのように行われているかを確認することができる。

 憲法で裁判の公開が決められているのは、裁判の公正さを担保し、それによって国民の司法への信頼を確保するためだ。

 再審請求審も、国民の目に、審理の過程がある程度見える状況が確保されてこそ、裁判官も緊張感をもって、公正な態度で審理に取り組むだろうし、その姿勢が見えることで国民の司法への信頼も醸成されるだろう。 
https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20171208-00079067/

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