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小沢裁判と二・二六事件 (成瀬裕史 :JANJAN )
http://www.asyura2.com/12/senkyo126/msg/542.html
投稿者 堀川 日時 2012 年 2 月 20 日 20:27:50: YXgkZLRTFAguM
 

http://www.janjanblog.com/archives/63302
成瀬裕史 (JANJAN 2012年 2月 19日)

■「小沢氏関与」検察調書を“却下”した東京地裁

 2月17日、東京地裁・大善文男裁判長は、小沢一郎・民主党元代表に対し元秘書の石川知裕氏が“虚偽記載”を「報告し、了承を得た」と認めた検察官調書を、「証拠採用しない」と決めた。

 「検事が再逮捕を示唆したり『元代表の関与を否定していると元代表が起訴される』などと懐柔・説得して調書に応じさせた疑いがある」とし、調書の任意性を否定した。

 平成22年10月4日に「作成」された(「議決」は9月14日というのに…)東京第五検察審査会の「起訴議決」の「被疑事実」は、
《小沢氏は、石川氏と「共謀」の上、世田谷区の土地取得に係る支出及び資産を平成16年分の陸山会の収支報告書に「記載せず」に総務大臣に提出した》
というものであった。

 この「共謀」の唯一の証拠となっていた、石川氏の供述調書が“否定”されたのである。

(もう一の「被疑事実」である、《池田元秘書と共謀の上、前年の土地取得を平成17年分の収支報告書に「記載」した》ことを、「小沢氏に説明した」という池田氏の供述調書は採用されたことから、「必ずしも無罪となるとは断言できない」と語る元地検特捜部長の弁護士もいるが…)

■“利益誘導”の筈の「供述維持」が“起訴議決”の根拠に

 東京地裁の証拠採否の決定要旨では、石川氏が録音した平成22年5月の再聴取について、
「検事は、収支報告書への4億円の不記載を『小沢被告に報告して了承を得た』との従前の供述を覆せば、『検察内部の強硬な考えの持ち主が小沢被告を起訴にするよう主張する』と働きかけ、関与を認める供述の維持を推奨した。
強力な利益誘導で、虚偽供述に導く危険性が高い手法だ」
としている。
 さらに、
「検事はまた『覆すと検察審査員を刺激して起訴議決に至る可能性がある』と述べ、石川議員の別件での再逮捕も示唆した。
そもそも調書の案文は検事が一方的に作成したとうかがわれ、取り調べは違法不当で許容できない」
としている。

 
 平成22年10月4日の検察審査会「起訴議決」での「石川被告供述の信用性」では、
「石川被告は尊敬する小沢氏を罪に陥れる虚偽の供述をするとは考え難い。
再捜査でも、検察官から小沢氏に不利となる報告・相談などを認める供述をした理由を聞かれ、合理的に説明し再捜査前の供述を維持していることなどから、石川被告の供述には信用性が認められる」
とされている。

 石川氏は、検察審査会に報告する前提での再聴取の際、検事から、
「覆すと検察審査員を刺激して起訴議決に至る可能性がある」とされたが、
実際の検察審査会では、
「再捜査前の供述を維持していることなどから、石川被告の供述には信用性が認められる」とされ、
検事の“利益誘導”だった筈の「供述維持」が、全く逆の、「起訴議決」の“根拠”とされてしまったのであった…。

■裁判所が“組織的”と疑う、検察の「圧力」的な取り調べ

 さらに、東京地裁の証拠採否決定要旨では、
「平成22年1月19,26日作成の調書にも報告・了承が記載されている。
5月17日の録音では、石川議員が『ここは恐ろしい組織だから何するか分からないと検事が諭してくれた』と述べ、検事があいづちを打った。
このやりとりからすれば、1月ごろ検事がそう発言したとうかがわれ、強い圧力になった」
とし、また、
「検事が5月の取り調べ後に作成した捜査報告書の記載は、隠し録音によれば事実に反する。
記憶の混同が生じたとの検事の説明は信用できず、検事の公判での説明内容も疑いを生じさせる。
また特捜部副部長が取り調べメモを石川議員の目前で破り、石川議員の政策秘書も厳しい取り調べを受けた。
こうした取り調べは組織的だったと疑われる」
とし、
「このような経緯で作成された以上、供述の任意性に疑いがあり、特信性は否定される」
として、石川氏の調書の大半を「不採用」とした。

■検察を「告発」した市民団体を「追認」した東京地裁?

 「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(代表:八木啓代)は、1月12日、最高検に対して、検察審査会を悪用した、検察庁の一連の組織的犯行を偽計業務妨害罪(同法233条)、並びに、元東京地検特捜部検事を虚偽有印公文書作成罪(刑法第156条)および同行使罪(同法158条)で告発する告発状を提出したと、代表者のブログで公表している。(その後のブログでは「告発状は東京地検刑事部で受理された」とのこと)
http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-date-201201-8.html

 今回の東京地裁の決定の中での、
「調書の案文は検事が一方的に作成したと うかがわれ、取り調べは違法不当で許容できない」
「検事が5月の取り調べ後に作成した捜査報告書の記載は、隠し録音によれば事実に反する」
「記憶の混同が生じたとの検事の説明は信用できず、検事の公判での説明内容も疑いを生じさせる」
「こうした取り調べは組織的だったと疑われる」
との判断は、
上記市民団体による《検事による虚偽有印公文書作成罪》と
《検察庁の一連の組織的犯行による偽計業務妨害罪》
とする告発を、“追認”したことにはならないか?

 「検察の正義」の著書のある元検察官の郷原信郎氏は、今回の地裁の決定について、自らのツイブログで、
「事実上、検事の偽証と虚偽公文書作成の犯意を認めたものと言え、東京地検の告発事件の捜査に決定的な影響を与えるものと思われる」
「しかも、決定書では、副部長も取調べで石川氏に圧力をかける行為を行っていたことを認め、不当な取調べが、個人的なものではなく、組織的なものであったことまで認定している」
「市民団体の告発事件は、最高検から東京地検刑事部に回付されたとのことだが、東京地検刑事部は、今回の東京地裁の決定を受けて、早急に、捜査に着手することになるだろう」
と述べている。
http://www.twitlonger.com/show/fvb62s

■一部検察の“青年将校化”という名の「トカゲの尻尾切り」?

 先の大阪地検特捜部による「証拠ねつ造事件」では、二・二六事件と対比し、「政治とカネ」の摘発に焦る前田元検事を「青年将校」、その「部隊長」を大坪元特捜部長になぞらえる論評もあったが、二・二六事件では「首謀者」の多くが“極刑”に処され、陸軍内部でも「皇道派」が排除された。

 しかし、これにより「軍部」の力が削がれた訳ではなく、その前の五・一五事件と併せた「政治家へのテロ」の恐怖により、「政治」に対する軍部の「圧力」は増して行き、陸軍内部では東條英機などの「統制派」が主流となり、首魁とされた北一輝の「社会主義」は憲兵に弾圧され、軍部主導による「国家総動員体制」が、着々と進められることとなった。

 今回の東京地裁の決定を受け、大阪地検による「証拠ねつ造事件」と同様に、東京地検でも何人かの検察官が「虚偽公文書作成」などの容疑で、取り調べを受けることになるのであろうか…。

 そして、その際も、小沢氏の「政治とカネ」の摘発に焦った一部の検察官が“青年将校化”してしまい、「一線を超えてしまった」と総括されてしまうのであろうか…。

■「政治とカネ」に踊らされた国民が「行き着く先」は?

 五・一五事件や二・二六事件では、その背景として、世界恐慌に端を発した大不況や農村恐慌といった「社会不安」に対して、「政治家の不正」や「党利党略優先の政党政治」で何も出来ずにいる「政治」への世論の“不信”の高まりが、青年将校たちの「決起」の一因となったとされる。
 このため、世間では彼らに対するある種の「同情」や「共感」があり、当時のマスコミ・世論も「軍部」に対するよりも、「既存政党」に対する“批判”の方が強まり、それが近衛文麿首相を総裁とした「大政翼賛会」の結成に繋がり、我が国は「戦争」に対する「ブレーキ」を失うこととなった。

 今回の検察の“青年将校化”に対しても、小沢一郎氏及び元秘書らによる政治資金規正法違反という「政治とカネ」の摘発については、検察に「拍手」を送る国民も未だに多いのではあるまいか?

 しかし、何故、小沢一郎氏だけが狙われるのであろうか?

 小沢氏と同じように政治団体が不動産を取得した政治家は少なくない。
 マスコミ等から「疑惑」を指摘され、政治資金報告書を「修正」した政治家も多数にのぼる。
 秘書を有罪とする「推認」の根拠となった水谷建設から多額の献金を、実際に受け取った政治家も何人もいる。

 しかし、「検事総長の政治任用」などを主張した政治家は稀であろう。
 さらに、「在日米軍は第七艦隊で十分」などと発言できる度胸のある政治家は、小沢氏しかいないであろう…。

 そんな小沢氏とは対照的に、マスコミの「全面支援」を受けながら、いまや世間での「首相候補No.1」となった橋下徹・大阪市長ではあるが、その主張には「国旗国歌条例」をはじめ「TPP参加・日米同盟基軸」や「参院廃止」など、「アメリカと一体となった全体主義」の気配を感じるのは、私だけであろうか…。

 国民的人気を誇った近衛文麿をトップに据えた「翼賛体制」により、太平洋戦争に突入してしまった、戦前の我が国・日本。

 今度はアメリカとの“翼賛体制”により、「新たな戦争」に突入しなければ良いのだが…。   

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