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野田首相のアタマとココロを診断する 指導者が問題人物の場合の危機危険
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2012/2/22 日刊ゲンダイ ：「日々担々」資料ブログ
震災からの復興､原発事故の収束が内閣の使命といいながら使命そっちのけで国民の望まぬ増税へ突進している異常政治の現在
まったく往生際が悪い｡いい加減､ﾄﾞｼﾞｮｳ首相は､消費税ｱｯﾌﾟなど諦めたらどうだ｡
国民を消費税ｱｯﾌﾟに賛成させるために､野田内閣は消費税PRの全国行脚を先週土曜日(18日)から始めた｡初日は､長野､富山､滋賀､長崎の4ｶ所で行われたが､どこも参加者の反応は｢消費税増税の前にﾑﾀﾞの削減をすべきだ｣｢公務員の人件費2割ｶｯﾄはどうしたのか｣と反対が圧倒的｡｢97年に消費税を3%から5%にｱｯﾌﾟした時は景気悪化を招き税収も減った｣と､具体的な反対論も多かった｡
国民が消費税ｱｯﾌﾟに反対するのも当然だ｡ただでさえﾃﾞﾌﾚ不況が深刻化しているのに､消費税をｱｯﾌﾟしたら生活がどうなるか､さすがに国民だって分かっている｡いくら全国を行脚しようが､国民が簡単に｢はい､承知しました｣と消費税10%に賛成するはずがない｡
なのに､ﾄﾞｼﾞｮｳ首相は｢不退転の決意でやりとげる｣｢たとえ民主党が分裂しようが消費税法案を提出する｣と､ひとりｺｰﾌﾝ状態なのだから､どうかしている｡なぜ､国民が｢嫌だ｣と意思表示しているのに､消費税ｱｯﾌﾟで突っ走るのか｡あまりにも国民の意識とｽﾞﾚている｡
◆同時に2つのことが出来ない前代未聞の低ﾚﾍﾞﾙ
いったい､ﾄﾞｼﾞｮｳ首相はどういう神経をしているのか｡こうなってくると､一度､野田首相の｢ｱﾀﾏ｣と｢ｺｺﾛ｣の中をのぞいてみたくなる｡
そもそも､野田首相は､施政方針演説でも｢被災地の復興と原発収束が最優先課題だ｣と口にしたくせに､震災復興と原発収束に本気で対応しようとしないのだから､ふざけている｡震災から1年も経つのにｶﾞﾚｷの処理は全体の5%しか進んでいない｡ﾃﾞﾀﾗﾒもいいところだ｡
角栄以降､23人の首相を取材してきた政治ｼﾞｬｰﾅﾘｽﾄの泉宏氏はこう言う｡
｢野田首相は非常に珍しい総理大臣です｡大平正芳にしろ､宮沢喜一にしろ､細川護煕にしろ､歴代総理は少なくとも3つ､4つの仕事を同時にこなしていました｡ところが､野田首相を見ていると､消費税のことだけでｵｰﾊﾞｰﾋｰﾄしている｡歴代首相に比べて明らかにｷｬﾊﾟｼﾃｨｰが小さい｡ｷｬﾊﾟｼﾃｨｰが小さいから､消費税以外のことに関心を向ける余裕がない｡最近はTPPについても発言しなくなっています｡驚いたのは､田中直紀を防衛大臣に就けたことです｡いかに消費税以外に目を向ける余裕がなくなっているかを証明しています｡少しでも外交､安保､沖縄問題を気にしていたら､この時期にｼﾛｳﾄを防衛相には就けませんよ｡関心がないから深く考えもせず､民主党の参院から言われるままに入閣させたのは明らかです｡訓練されていないから仕方ないのでしょうが､野田首相はひとつのことしか出来ない前代未聞の総理になっています｣
そのひとつが｢消費税ｱｯﾌﾟ｣ということだ｡
◆高校の同窓会に何度も出席する異常な心理状態
政治家の心理分析に詳しい心理学博士の鈴木丈織氏は､野田首相のﾊﾟｰｿﾅﾘﾃｨｰをこう分析する｡
｢野田首相の言動を分析すると､能力がないのに社長に就いたｹｰｽとよく似ています｡恐らく､野田首相は､自分は能力が高くなく､政策がないということを自覚していたと思います｡こういうﾀｲﾌﾟがﾄｯﾌﾟに立つと､能力が劣っていることを隠すために､難しいことをやろうとする｡能力のない社長ほど“新規事業”をやりたがるのと同じです｡財務官僚から『消費税をｱｯﾌﾟさせたら後世に名前が残りますよ』などと囁かれたのでしょう｡恐ろしいのは､本当は財務官僚から与えられた政策なのに､何度も“消費税ｱｯﾌﾟ”を訴えているうちに､自分で自分を暗示にかけるようになり､いつの間にか､『消費税ｱｯﾌﾟこそ正義だ』『俺は消費税と心中してもいい』と信じ込んでいくことです｡どんどん冷静さを失っていく｡普段､冷静さを装っている野田首相が､党大会で『消費税法案を潰したらどうなるか』と､野党をﾄﾞｰｶﾂした時は､強烈な違和感を覚えました｣
正常な判断力を失ったﾄﾞｼﾞｮｳ首相は､ひょっとして､ほんの3年前､自分が｢消費税ｱｯﾌﾟ反対｣の大演説をしていたことも忘れているのではないか｡
明大講師の関修氏(心理学)は､野田首相の精神状態を､こう読み解く｡
｢驚いたのは､母校･県立船橋高の同窓会に､今年に入って2回も出席したことです｡忙しいのに何度も顔を出すのは尋常じゃありません｡同窓会に行けば､当然ﾁﾔﾎﾔしてくれる｡本来､政治家は､自分と反対意見を持つ者のところに足を運び耳を傾けるべきなのに､野田首相は正反対です｡政治家がﾁﾔﾎﾔしてくれる仲間とばかり会うようになったら要注意です｡客観的な判断力を失っている可能性が高いからです｡自分の意見に同意してくれる者とばかりいると､誰も間違いを指摘しないから､視野が狭くなり､思い込みが強くなり､『やっぱり俺は正しい』と暴走しかねない｡独裁者は､ほとんどこのﾀｲﾌﾟです｡現実が見えなくなり､妄想だけを強めていくことになります｣
いま野田首相は､消費税ｱｯﾌﾟに勝手に大義を感じ､高揚しているに違いない｡
◆無能な権力者の暴走ほど怖い
しかし､自分で｢内閣の最優先課題｣に掲げた震災復興と原発収束に見向きもせず､国民が｢ﾉｰ｣と声を上げている消費税ｱｯﾌﾟに突っ走る野田首相は､どう考えても異常だ｡
冷静な判断力を失った問題人物がﾄｯﾌﾟに立ったら､国民生活はどうなるか｡これ以上､消費税ｱｯﾌﾟの妄想にとりつかれた男を首相に就けていてはﾀﾞﾒだ｡
｢このﾃﾞﾌﾚ不況下で消費税をｱｯﾌﾟしたらどうなるかは､誰にだって分かることです｡大変な不況になりますよ｡それでも消費税ｱｯﾌﾟを強行しようとするのは､それだけでも野田首相は正気を失っている｡よく『誰が総理をやっても政治は変わらない』という声を聞きますが､実際は､どんな人物がﾄｯﾌﾟになるかで政治も国民生活も大きく変わる｡ﾋﾄﾗｰや東条英機の例を出すまでもなく､おかしな人物がﾄｯﾌﾟに立ったら､国民生活はあっという間にｶﾞﾀｶﾞﾀにされてしまいます｣(政治評論家･本澤二郎氏)
ﾋﾄﾗｰも東条英機も､最初は国民からﾊﾞｶにされていた｡無能な男が暴走した時ほど怖い､というのが歴史の教訓である｡
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