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【ロン・ポール氏の演説（完）　（渡邉良明のブログ「日本の天命・日本人の使命」）】

2012年3月 5日 (月)

ロン・ポール氏の演説（完）

　今年のアメリカ大統領選挙において、沖縄に在る米軍基地を始

め、世界に700以上も存在する海外基地の全面撤廃だけでなく、

アメリカによる対外干渉戦争の「即時停止」を主張する米国大統領

候補がいるとすれば、多くの日本国民が、目を見張ることだろう。

　だが、中には、”そんな大統領候補など、いるわけがない！”と、

思う人がいるかも知れない。むしろ、そのような方が多いだろう。　

　しかし、これらの外交政策の実現の可能性は、一応置くとして、

そのような事を主張する大統領候補がいることは、事実である。

　ロン・ポール候補が、それである。　

　同氏は、海外米軍基地の全廃や、すべての対外戦争に反対する

だけでなく、他国に対する「経済制裁」にも反対する。この演説にも

あるように、「経済制裁は、戦争の第一歩である」というのが、ポー

ル氏の持論である。

　優れた国際政治学者・藤井厳喜(げんき）氏の説によれば、ポー

ル氏は、NAFTA（北米自由貿易協定）やTPPにも、無条件に反対

している。

　なぜなら、これらの貿易協定が、実は一部の多国籍企業の利益

になる”管理貿易協定”であって、真の自由貿易協定ではないと考

えているからだ。

　ポール候補はまた、「愛国者法の廃止」を訴える。同法が、個人

の自由を侵害していることが明確だからである。

　さらには、「CIAの廃止」も、ポール氏の主張だ。確かに、インテリ

ジェンス活動は必要だが、外国の要人暗殺を含むような現行の

CIA活動には反対で、抜本的な組織改編が必要である、と同氏は、

考える。

　驚くべきことに、同氏は、WTO(世界貿易協定）や国連からの脱退

さえも主張する。

　彼は、国家主権を超越した国際組織が、国家アメリカを規制する

ことに反対するのである。

（藤井厳喜氏論文「リバタリアン、ロン・ポールの挑戦」　『月刊日本』

〔2月号〕参照）。

　実に、思いきった主張だ。

　これらの政治姿勢や政治信条は、現下のオバマ政権のそれと、

真正面から対峙している。無論、共和党のロムニー候補やサント

ラム候補とも、明らかに異なっている。

　正直、ロン・ポール氏が、共和党選出の大統領候補になる可能性

は、極めて少ないと思う。

　だが、同氏が、われわれ日本国民にも、真に理解・共感し易い政治

信念・政治信条の持ち主であることを、充分、銘記する必要があろう。

　今日、権力に隷属する「イエスマン」は多い。だが無論、決して

そんな人ばかりではない。それは、日本だけでなく、アメリカにつ

いても言えよう。

　ロン・ポール氏は、その代表的な政治家・政治指導者だと思うのだ。　

　皆様に、彼の「イラン制裁反対演説」を、直に聴いて頂きたい。

　ロン・ポール氏の対イラン制裁反対演説（You Tube)
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=plDC7eTqTxY
　

コメント
01. 2012年3月05日 23:24:30 : VBBYgF81p2 アメリカにもユダ金に毒されない人がいるのですね。ロン・ポールの演説に拍手します。ただこれがガス抜きでなく行われている事を信じます。だいぶお年のようにみえますが事故死されないことを望みます。 しかし、どうして今まで日本ではこの方の話が出て来なかったのでしょうか。まるで突然変身して演説をしたように、まるで今まで隠れていて突然現れたような感じです。この方のアメリカになれば世界は平和になります。その時はアメリカからユダ金を追い出さねばなりません。アメリカにそれが出来るでしょうか。残念ながらそれは出来ないでしょう。アメリカの頭が無くなるのですから。 出来ない事は分かっていても日本は平和を追求している国として独立を目指している国としてロン・ポール氏を当然のことながら応援しなければなりません。当たり前の事です。
02. 2012年3月05日 23:29:48 : I9goRsHAtg 渡邊先生、ありがとうございます。 こうした投稿に出会えたこと、阿修羅に感謝です。
03. 2012年3月06日 09:33:49 : QW9RLZuPUs ロン・ポール氏はもう何年も前からずーと同じことを言っています。 いつか、殺されるのではと案じていましたが、 まだそれほど言っていることが現実味を帯びていないということなのか。 アメリカ国民の１割の人々が共感しだすともしかしたら、ということもありそう。 ただし、未確認だがアメリカも大きな変化がありそうなので、まあ大丈夫でしょう。
04. 2012年3月06日 23:22:43 : hRDjDy0sIM 01.さま ＞だいぶお年のようにみえますが事故死されないことを望みます。 ロン・ポール氏のご子息、ランド・ポール氏が一昨年（だったと思う）、 ケンタッキー州選出の上院議員になられてお父上と同じ考えの下、 活躍されているので（不謹慎ですが）万が一の時でも大丈夫だと思います！ 勿論、お父上とのキャリアの差は言うまでもありませんが、理念は失われず 立派な後継です。（お父上は下院ですが、ランド氏は上院ですし尚更） また、関係ありませんが、ランドさんの奥様は物凄く美しい方です！ 本当にビックリするほどです、、、 個人的には沖縄の人々のことを第一に考えて、「米軍の沖縄駐留不要」を主張して 下さってきた民主党下院のバーニー・フランク議員が大好きだったのですが、 今期一杯で引退されると知って、一層ポール親子に望みを託しています、、、 キッシンジャーとかアーミテージとかジャパンハンドラーズの面々など アメリカが嫌いどころか憎くて滅んでしまえ！と思っておりますが、 「アメリカの良心」みたいな人も少なくないのですよね。 アメリカ国民が覚醒して、ポール氏を大統領に選べるような民度になれば 世界も変わっていけるのでしょう。。。
05. 2012年3月07日 19:17:33 : Q1AShcAlNU ロン・ポール下院議員の政治理念に心酔した大学生など若者たちを中心に、、彼の選挙運動が展開されているが、支持率平均７％とパッとしない。 その理由の一つは矢張り、「オバマ大統領に勝てる候補者」に投票する傾向が強いからだと思っている。 彼は最後までこの共和党大統領予備選挙で戦うと言っているのも、彼の理念と信念をできるだけ多くの人たちに拡散したい意向があるからだろう。 私個人は、彼の政策の一つ「ＦＲＢ廃止＝中央銀行」には同意をしかねるが、「外国の米軍基地撤回」にはとても魅力がある。 沖縄辺野古移設問題も、彼に懇願すれば米国会で取り上げてくれると思っている。

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