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AIJ事件で明らかとなった厚労省の「実力」(陽光堂主人の読書日記)
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/157.html
投稿者 判官びいき 日時 2012 年 3 月 26 日 09:06:28: wiJQFJOyM8OJo
 

証券取引等監視委員会は、23日になって金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で、AIJ投資顧問や実質傘下のアイティーエム証券など関係先の強制調査に乗り出しました。同委員会によってAIJの運用資産の大部分が消失していることが明らかとなったのは今年1月下旬のことですから、発覚後2カ月も経っています。明らかに遅すぎます。証券取引等監視委員会は金融庁に所属していますが、内閣府設置法第54条に規定する「審議会等」に過ぎません。

「外局」である公正取引委員会や、米国の証券取引委員会(SEC)などとは違って独立性が乏しく、権限も限られています。(金融商品取引法上の強制調査権はあり、それが今回発動されたのですが…)ということで、この超スローな対応の責任は、金融庁にあります。発覚後2カ月も経っていますから、今更強制調査を行っても、既に証拠は隠滅されているでしょう。その猶予を与えるために対応を遅らせたと言われても仕方ありません。しかし、AIJと金融庁には余り繋がりはないようです。

もちろん、監督官庁ですからこうした不祥事は揉み消したいのですが、ここまで事態が明らかになった以上、徹底捜査して再発を防いだ方が組織防衛の上では得策のはずです。敢えて世論の顰蹙を買うようなことをしたのは何故でしょうか?AIJ事件でピンチに立たされているのは、厚生労働省です。年金の運用は厚労省の担当であることに加えて、2009年5月の時点で、全国614基金のうち約3分の2に当る399基金にOBが天下っていたことが判明しています。今後、こうした甘い汁が吸えなくなる可能性が出てきましたから、厚労省としては大変な事態です。厚労省の役人は、「金融庁のヤローども、何ていうことをしてくれたんだ。ただじゃすまないぞ!」と怒り心頭に発していることでしょう。

OBが詐欺行為に手を貸したことなど、全く反省していないはずです。官僚は、自分たちの利権しか念頭にありませんから。金融庁のスローな仕事振りが、厚労省に対する配慮から来ていることは容易に想像が付きます。金融庁と厚労省の力関係が窺われますが、その力関係の差は国民が想像するより遥かに大きいようです。的確な予測をすることで定評のある「闇株新聞」は、この辺りの事情に鋭く切り込んでいます。3月21日付の記事の一部を以下引用します。
(http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-403.html)

  旧・内務省の亡霊が支配する日本  その1
   …(前略)…
AIJ投資顧問事件では、事件そのものは非常に単純なのですが、事件化して1ヶ月もたつのに「関係者」は自由に歩き回り、「近々、強制捜査」と「予告」だけが出てくる異常な状態が続いています。これについては3月14日付け「AIJ投資顧問へやっと強制捜査の意味するもの」でも書いたように、証券取引等監視委員会から「登録取り消し」の行政処分の勧告を待って(3月23日予定)登録を取り消し、金融庁の「直接監督下」から外してから「刑事事件化」するためなのですが、実はそれだけでも全部は説明できません。

ここは、旧・大蔵省と検察庁以外に厚生省(現在は厚生労働省)を考慮に入れて考えなければならないのです。厚生省は、戦前まで「官庁の中の官庁」と言われて絶大的な権力を保持していた旧・内務省の「本流」なのです。普通、旧・大蔵省である財務省や金融庁、あるいは検察庁と比べると、厚生省(厚生労働省)の力は落ちると考えられています。

ところが、そうでもないのです。だから旧・内務省について理解しておく必要が出てくるのです。旧・内務省の詳しい解説は次回にするとして、非常に象徴的な現在進行形の「事件」を1つだけ挙げておきます。昨日(3月19日)、政治資金規正法違反で検察審査会の起訴決議により強制起訴されていた小沢一郎・元民主党代表の裁判が結審しました(判決は4月26日)。

これについては、ちょっとした事情があるためコメントしませんが、そもそも強制起訴を決めた検察審査会へ提出した捜査報告書に明らかな虚偽が含まれていたことが明らかになってきています。しかしこれに対する検察庁の対応が、2010年9月の郵便不正事件で証拠を改竄した担当検事を逮捕した時の「迅速さ」「深刻さ」と全く違い、問題視する気配すら見えないのです。どちらもその背景(どこまでが了承していたかなど)は絶対に明らかにされないとしても、問題の重要性・悪質性は全く同質のものであるはずです。

その対応の違いは、郵便不正事件はターゲットが厚生労働省(繰り返しますが厚生省は旧・内務省の本流なのです)の高級官僚であったのに対し、小沢一郎氏は高級官僚ではないところから来ているのです。確かに小沢氏は有力政治家で、官僚組織が「仮想敵」とみなしていることも重要なのですが、そもそも郵便不正事件では検察庁が「高級官僚」を「被害者」にしてしまい、さらにその高級官僚が厚生労働省であったことが検察庁の「迅速に」かつ「全面的に非を認めた」ことの根本的理由だと思うのです。

「全面的に非を認めた」といっても実行者の元・担当検事と元上司(2人)だけを切り捨てて組織としての検察庁を守っただけなのですが、高級官僚ではない小沢氏に関しては「全く同質の改竄事件」であるにもかかわらず、全く気にしていないのです。 (下線は引用者による) 確かに、郵便不正事件と陸山会事件等で明らかになった検察の犯罪性には、甲乙付け難いものがあります。しかし、前田元検事と違って、捜査報告書を偽造した田代政弘検事の犯罪は検察内で問題視されていません。(新潟地検で謹慎中という人を食ったような噂は流れていますが…)

戦前に強大な権限を有していた内務省の系統である厚労省の局長をターゲットにしてしまったことで、さしもの検察も身内を逮捕せざるを得なかったのです。検察であれ厚労省であれ、官庁間にはヒエラルキーが存在し、それに従って力関係も変わってきます。検察は虎の尾を踏んでしまったのです。

小沢氏は剛腕を謳われていたとは言え官僚ではなく、検察は余り気にする必要はないのです。ましてや非力な一般国民であれば虫けらの如くですから、冤罪を作り上げても平気で、これが有罪率99.9%という輝かしい数字となって表れています。厚労省の前身である内務省は、明治維新直後の1873年に設置され、当初は大蔵省・司法省(現在の法務省)・文部省の所管事項を除く内政の全般を管轄していました。

この外は内務省の担当ですから、凄い権限です。悪名高い特別高等警察も管轄していましたから、軍と並ぶ権力を有していました。戦後の1947年に、内務省はGHQによって解体されましたが、その利権の多くは、分離されてもそのまま内務省系の各省庁に引き継がれています。その一つが厚生労働省なのです。

官僚のトップである内閣官房副長官(事務担当)は、旧内務省の警察庁、旧自治省、旧厚生省の次官経験者から選ばれるのが慣例でしたから、相変わらず旧内務省系列が幅を利かしていることが判ります。宮内庁長官も旧内務省系列の事務次官か、それに準じる警視総監経験者が就任していて、習近平副主席が来日した際の対応で顰蹙を買った羽毛田氏は、元厚生事務次官でした。内務省の亡霊が、未だに宮中に取り憑いているのです。

官僚組織は、律令時代以降1300年の伝統がありますから、改革したり解体するのは容易なことはありません。坂道から転がり落ちる岩のようなもので、加速度が付いていますから、前に立ちはだかるものを全部押し潰してしまいます。あのGHQでさえ、これを成し遂げることはできませんでした。民主党が初めてこれに挑戦しましたが、政治経験が少ないので直ぐに官僚に籠絡されてしまいました。

1300年もの年季がありますから、赤子の手を捻るようなものです。司令塔の小沢氏は検察に嵌められて思うように活動できず、天下りの根絶など夢のまた夢といった状態です。 AIJ事件も、厚労省OBが関与している疑いが濃厚ですが、金融庁は金融商品取引法違反で幕引きを図ろうとしています。検察も適当な捜査しかしないでしょう。

厚労省OBまで捜査の手は伸びず、浅川社長ら証券関係者だけの立件で終わるものと思われます。郵便不正事件での借りを返す必要もありますし…。我国は、官僚による官僚のための国と化してしまっています。日本の将来に悲観的な見方をする人が多いですが、この体たらくを知れば当然と言えましょう。しかし、このままでは一層、貧窮化・奴隷化の道を辿るだけです。大人しい日本人も立ち上がらなくてはなりません。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-573.html
 

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コメント
 
01. 2012年3月26日 10:11:57 : SHCZDI8Zqk
老後の年金を少しでも増やそうとした為に職を失いそうな所まで出ている。
この事件は規模が小さい民間だからバレただけ。

厚労省は厚生年金の運用の失敗で3兆円の損失を出していると言う。
こちらは保険料を引き上げたり、支給開始年齢を引き上げたり、支給額を引き下げたりして、
何とか破綻を隠そうとしている。
厚生年金は人口ネズミ講で制度設計に誤りがあるのだから、損害が大きくならない内に潔くやめた方がいい。

ここに良い解決策が出ているよ ↓

http://www.asyura2.com/11/senkyo123/msg/785.html
 


02. 2012年3月27日 17:17:18 : JrPYjVYQO2
>大人しい日本人も立ち上がらなくてはなりません

暴動が起きないのが不思議です。


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