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内部通報事実の事前開示はリスクが高い(橋下徹=大阪市の事例より)
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/215.html
投稿者 賢者の石 日時 2012 年 3 月 28 日 00:10:10: Qf5ShLuWtoZHs
 

http://blogos.com/article/35034/

昨日に引き続き、内部通報制度に関するお話であります。橋下大阪市長が「法律家として危ういのではないかと思っていた」と述懐するほどに「トホホな結果」になってしまった市交通局の選挙支援職員リスト疑惑事件でありますが、本日(3月26日)大阪市は、内部告発の根拠とされた職員リストが嘱託職員によってねつ造されたものであることが判明したと公表しております。

市長就任直後に内部告発を奨励する制度を導入し、その甲斐あってか、前市長の応援に関する職員リスト問題が内部資料によって発覚したことが維新の会によって明らかにされ、市長は調査のための特命チームを発足する方針、と述べておられました。その後、労働組合側が「資料はねつ造」と反論し、反論に合理性が認められたため、維新の会も刑事告訴を行う、と混迷を深めていたところであります。そして結局のところ、不誠実な通報があったということになります(正確には資料作成者と内部告発者との関係はいまだ不明でありますが)。

先日講演させていただいた日本監査役協会主催のセミナー「内部通報・内部告発への監査役の対応」では、対応実務の解説を「不誠実な通報への対応」に絞りましたのも、まさにこういったことが一般企業でもよく起きるからでありまして、しかも取り返しのつかない状況に至るケースも散見されるからであります。今回は形式的には外部(政党)への告発事例でありますが、そもそも市長が内部告発を奨励し、その結果として維新の会に告発が届いておりますので、一般企業の内部通報制度に近い運用とみてよいかと思われます。したがいまして、内部通報制度が機能する場面において、通報事実を開示してしまった場面に等しいものと考えてよいのではないかと。

一般企業において内部通報制度が機能し、社員間に周知されるようになりますと、不誠実な通報が増えるのは当然のことであり、企業としましても、限りある人的・物的資源が、これらの不誠実通報の調査に費やされることを回避しなければなりません。しかし、窓口段階で簡単に「不誠実な通報」を仕分けできるわけでもないので、そのバランスをどうとるか、ということが問題となります。ましてや大阪市のようにトップ自らが内部通報や内部告発を奨励する、ということになりますと、窓口担当者および調査担当者は要注意であります。

「法律家として危ういのではないか」と考えるのは、私も同じであります。不誠実な通報は当然に増えるわけですから、その真偽が危ういのは何ら問題ではなく、むしろ当然であります。しかし問題は、告発事実の真偽もはっきりしないまま「告発事実ありき」で告発を受理した者がこれを開示してしまった点であります。「法律家として危うい」と感じなければならないのは、むしろこの告発を受理した者の行動であります。内部告発者は私利私欲、面白半分、あるいは組織に対する害意をもって、あるいは誰かを貶める意図をもって虚偽事実を通報してくる可能性があるわけですから、通報事実の調査は担当者間で厳格に情報管理を行い、その信ぴょう性を判断しなければなりません。したがいまして、内部通報・内部告発に基づく不正調査の運用実務からすれば、調査の途中で事実開示を行うことはありません。もしあるとすれば、すでに同様の事実がマスコミに内部告発され、マスコミからの取材に対して「そういった事実は内部でも問題視しており、現在鋭意調査中です」と回答する場合だけであります。

今回の事例では、維新の会側が内部告発を受けての発言が発端となりましたので、直接大阪市に責任が発生することはないのかもしれません。しかし、企業が内部通報や外部者からの告発を受理して、特定職員の不正事実に関する事実を途中で開示するのであれば、組織として「名誉毀損」に基づく損害賠償責任を負担する可能性が出てまいります。また、それ以上に問題なのは、今後の内部通報制度に関する組織内での信頼性であります。いったん通報事実が開示されながら、その内容が虚偽であった、ということが組織の内外に明白になりますと、今後は不正調査に関する信頼性が失われ、「またガセネタでは」と誰もが考えますし、調査の秘密が守られないことへの恐怖感から、まともな通報が上がってこなくなる、という事態となります。

市議会を構成する特定の政党と内部通報者との関係なども取りざたされておりますが、これは本件の特殊事情であり、あまりそういったことには関心がございません。むしろ、こういったトラブルが、せっかく軌道に乗り出した内部通報制度の機能を喪失させてしまうリスクがあること、これは大阪市だけでなく、どこの企業においても同様のリスクがあることを認識することが肝要ではないでしょうか。
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どちらにしても事実確認が行われてもいないのに市議会で
この問題を取り上げた維新の杉村幸太郎市議は軽率だ。
杉村幸太郎市議は現在も同じパターンで労組の選挙中のビラ配布をネタに
公職選挙法違反で労組側の告訴の姿勢を見せているが
これもまたガセネタで司法判断で却下されるなら
もはや橋下主導の内部告発制度は足腰たたなくなるだろう。  

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