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10電力から相見積を取ろう「電力会社vs電力会社」の構図を作る日経BP電力会社に危機感がなく、怒りを通り越して呆れる
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/691.html
投稿者 gikou89 日時 2012 年 4 月 10 日 00:33:54: xbuVR8gI6Txyk
 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120404/230568/?ST=rebuild

電力会社に危機感がなく、怒りを通り越して呆れる」

 「こんな苦しい時に、電力会社の放漫経営ぶりを見ていると腹が立って仕方がない」

 取材で企業を回っていると、こんな本音がポロリと出てくる。ただし、いずれもオフレコだ。東京電力の値上げに対しても、日本経済団体連合会をはじめとして、容認姿勢を見せる企業は少なくない。そこには、電力会社との深く、長いビジネスの歴史が横たわる。

 「電力会社に文句を言いたくても、言えない人は山のようにいる」。ある企業幹部は、そうつぶやく。

 電力会社は圧倒的な力を持つ独占企業だ。事実上、地域独占を認める電気事業法の庇護の下、企業体力を高めてきた。2000年の電力自由化以降、PPS(特定規模電気事業者)などの新規参入はあったものの、ライバルとはとても言えない状況が続く。PPSの電力販売量におけるシェアは約1%。自由化領域でも約3.5%にとどまる。

 詳細は、日経ビジネス4月9日号の特集「電力維新 東電から電力を奪う方法」をご覧いただきたいが、電力会社は地域独占を磐石なものにするべく、商流までも掌握してきた。産業界が、東電の値上げに対して正面から批判しきれない理由もそこにある。

制度改革だけで地域独占を崩すのは難しい
 東電・福島第1原子力発電所事故を経て、政府は電力業界が正常な経済原理の働く市場に変えようと動き出してはいる。

 「地域独占を認め、料金を規制する」という従来のやり方では、電力会社が顧客を向いてより良いサービスの提供に邁進するという、民間企業として当然の姿にはならないことが分かってきたためだ。

 現在、1兆円規模の公的資金を東電に注入したあとの「新生東電」の議決権を巡って、政府と東電の攻防が続いている。政府は、東電の議決権の過半を得ることを求めている。発送電分離といった組織分割には、3分の2以上の特別決議が必要だからだ。

 しかし、仮に東電を発送電分離まで持ち込んだとしても、東電を除く9電力の組織分割は容易ではない。3分の2以上の特別決議を通過するのが困難なうえ、財産権の保障といった問題も出てくる。電力会社側も、みすみす地域独占を手放すようなことはしないから、猛烈な反発が沸き起こることは想像に難くない。

そこで、東電問題とは別に、電力業界にメスを入れるための委員会が、枝野幸男・経済産業相の肝いりで始まっている。総合資源エネルギー調査会電力システム改革委員会だ。

 4月3日の第3回会合では、電力取引市場を正常化するための方策が議論された。現在は、10電力会社がほぼすべての需要家に直接、電力を供給しているため、日本卸電力取引所(JPEX)で取引される量はごくわずか。とても、JPEXが電力価格を適正化するための調整弁として機能しているとは言い難い状況だ。委員会は、市場機能にテコ入れすることで、新規参入者が電力を購入しやすい仕組みにするという。

 このほか、家庭など10電力以外には販売が認められていない規制領域の小売り自由化や、電力会社の送電網を他の事業者も公平に使えるようにするルール整備など、制度を変更する余地はある。

 こうしたきめ細かい方策は、着実に実行していく必要がある。ただ、現状の電力会社はあまりにドミナント(支配的)な存在だ。PPSなどはライバルとして心許ない。この状況では、いくら新規参入を促しても、「電力会社ありき」のビジネスモデルが新たに加わるだけで終わってしまう可能性がある。

 例えば、東電が売却する火力発電設備を新規参入者が買ったとする。確実に利益を上げるビジネスモデルは、買った火力発電所で発電した電力を東電に買い取ってもらうことだ。JPEXへ卸したり、自ら企業に販売するよりも、手間がかからず、確実な商売だからだ。実際、「発電所のデューデリジェンスはやっているが、東電が電力を買い取ってくれるのが前提」という声が聞こえてくる。これでは、いくら新規参入者が現れたとしても、本質的には何も変わらない。

 そして、市場をこじ開けようとする力を少しでも緩めれば、電力会社はあっという間に元の姿に戻っていくだろう。ではどうするか。

「電力会社vs電力会社」の戦いを引き起こす
 巨人である電力会社同士を、正面切って競争させる。電力市場を正常な市場に変えていくのに最も効果のある手法は、電力会社間競争を引き起こすことだ。例えば、関西電力と中部電力がライバル関係で、大口需要家を取り合うような状況になれば、サービス向上や料金低廉化はおのずと起こる。

 そのためには、それぞれの供給エリアを超えたビジネスをするように仕向ければいい。実は、制度的には全く問題がない。

 その証拠に、九州電力は2005年11月から、中国電力の営業地域内にある広島市のジャスコ宇品店に電力を販売している。当時の報道によれば、ジャスコ宇品店は中国電力から九州電力に契約先を変えることで、約7%のコスト削減になったという。2005年4月の電力自由化第2弾によって、営業地域をまたいで電力を送る際の送電費用が安くなったことで実現した。

 ところが、供給エリアを超えて電力を販売したケースは、広島市のジャスコが唯一。「九州電力に他の電力会社からの非難が殺到。供給エリアを超えての販売はお互い顔を見合わせて、やらないようにしている状況だ」(電力業界関係者)。

「電力料金は公共料金だと思っていた。店舗ごとの契約は各店長がやっている。新店オープン時は電気工事事業者に任せきりで、料金メニューを精査することもなく、言われるがままに契約していた」

 ある流通企業は、電力会社との契約状況をそう説明する。電力自由化以降、電力会社は自由化領域の料金メニューをホームページなどでは公開していない。営業マンに問い合わせてはじめて、「御社に合う料金プランはこれです」と提示してくる。ある省エネコンサルタントは、「より安いプランがあったとしても、企業側に知識がなければ提示しないのが電力会社」と明かす。

 これは、流通企業に限った話ではない。製造業でも、電力契約は工場など事業所ごとに管理しているケースが大半。原材料を調達する時のように、各事業所で使う資材をまとめて発注することで、ボリュームディスカウントを引き出したり、複数の見積を取って最も条件の良いところを選択するといったコスト削減策が、こと電力料金に関しては実行できなかった。

 企業の電力契約への意識の甘さは、東電の値上げでも露呈した。自由化領域の電力料金は、毎年1回、契約を見直して翌年の料金を決める。4月1日以降にやってくる契約更新日までは、料金値上げを了承しなくてもよかった。ところが、企業側もぎりぎりになるまで、4月1日から強制的に値上げになるものだと思い込んでしまった。

 ある製造業幹部は自戒する。

 「ほかの資材では当たり前のことが、電力についてはできていなかった。電力危機が起きてはじめて、本社で電力契約について見直している」

 例えば、全国に散らばる工場の電力契約を、どこか1社にまとめて、ボリュームディスカウントを得る。コストが安くなるだけでなく、事業所単位で行うよりも、より簡単にピークカットが実現できる。事業所同士で稼働時間を調整することが可能だからだ。供給不安を抱える電力会社にとっても、悪い話ではないはずだ。

「10電力から相見積もりを取ろう」キャンペーンを
 電力会社同士を競争させるためのカギは、需要家が握っている。10電力に相見積もりを取り、最も安いところ、条件の良いところを選択するという通常の調達と同じスキームを取る。

 おそらく、しばらくの間、電力会社は供給エリアを超えての販売を拒否するだろう。実際、東京都が2月、東電の値上げを理由に、中部電力に電力の販売を求めた際も、「関西電力への融通のため、東京都には供給できない」と中部電力はすげなく断った。

 ただ、よく考えてみれば、中部電力の回答は理屈が通っていない。50/60Hzという周波数の問題はあるにせよ、電力業界は自由化されており、関西電力と中部電力は競争関係にあるというのが建前だ。本来であれば、「関西電力管内の大口需要家よりも東京都の方が高い値段で買う」となれば、東京都に販売するのが筋だろう。

 ある資源エネルギー庁幹部は、「中部電力には東京都以外にも、同様の相談が10件以上あったようだが、いずれも同じ理由で断っている」と明かす。ただ、これが100件、1000件と膨らんでいったらどうか。筋の通らない回答を押し通すことは、困難になるのではないか。

 電力制度改革は、これまでも何度となく政府内で議論が繰り広げられてきたが、一応の自由化を経てなお、“自由の効かない市場”で在り続けている。電力危機を経験し、電力業界のいびつさが白日の下にさらされた今こそ、需要家が動く時だ。「10電力から相見積もりを取る」というキャンペーンを、需要家側から展開することが、電力会社を動かすきかっけになる。

 かつて競争がなかった通信業界。あるNTT幹部はこう話す。

 「ソフトバンクの新規参入などの荒波が襲ってきて、大変な時期もあった。だが、民間企業として顧客の方を向いてビジネスをやり始めたら面白い」

 日本有数の巨大企業で、日本中の家庭と企業を顧客に抱える電力会社が、本気で顧客満足度を考え始めたら、それはパワフルで魅力的な企業になるだろう。これまでの旧態依然とした企業体質を改め、潜在力を発揮できるかどうか。電力問題が身近な危機になった今こそ、官民を挙げて取り組むべき課題だ。
 

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