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↑:「金持ちでない人を貧乏にすることで我々は豊かになるのだろうか?僕は「否」だと思う」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/226.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 4 月 21 日 14:29:28: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 金持ち様がいるからみんな生きていける 投稿者 kibou101 日時 2012 年 4 月 21 日 08:19:14)


 紹介されているブログは、タイトルが「小さな政府を語ろう」で、「世界の流れを見つめ、日本の将来を語り合い、世の中の画一的で単純な見方に対して論点を提示しみんなで考えいくブログです。アメブロを中心に活動している「小さな政府を支持する」5人が中心になって立ち上げた共同ブログです。」というキャプションが付いている。

 紹介された文章以外はまったく読んでいないが、NHKがご執心のマイケル・サンデル教授の「白熱教室」で見たハーバード大学の学生や東京の大学(院)生の発言を思い起こさせるような内容に思わず微笑んだ。

 「1970年代に見られたような停滞に世界中の先進国が陥る可能性は高そうだ。いや、それで済めばいい。もっともっと事態は深刻で多くの先進国が破綻する可能性すらある」という認識は、“破綻”はともかく、昨日も投稿したように基本的に共有している。
 しかし、その根拠や理由付けが倒錯的なものであるのには驚かされる。

 先進国が停滞する理由は「嫉妬と不満にあふれるこの社会に未来はないかもしれない」であり、停滞や破綻を防ぐ手立ては「金持ちを貧乏にすることで我々は豊かになるのだろうか?僕は「否」だと思う」ということらしい。

 どうでもいいことから先に言うと、「嫉妬と不満」という心理に関する見方が、紋切り型というか薄っぺらのように思える。
用語法の問題なのかもしれないが、嫉妬や不満がなかったり少なかったりの世の中は、善し悪しは別として、停滞に陥りがちなものである。

 筆者は「嫉妬と不満」に危惧を示す一方で、「意欲・能力・アニマルスピリットを持った若者を前向きにさせる社会の制度が必要」とも書いている。
 「意欲・能力・アニマルスピリット」を持ちながらそれを発揮できないという「不満」を、社会制度で解消していくべきという趣旨であろう。「不満」の背後には、自分とあまり能力が違わない人が活躍の場を手に入れているのに自分は?という「嫉妬」もあるかもしれない。


 本題に移るが、経済成長には才能に満ちたクリエーターや才覚あふれるビジネスマンが必要という考えを否定するものではないが、彼らは、税制や社会制度を孵化器として生まれてくるものではなく、より広く深い歴史性と現在性に支えられている出現すると考えている。

 日本が、明治維新後、それほど時間をかけずに欧米諸国に近づいたのも、江戸時代までに培われてきた共同体意識や物作り能力があったがゆえである。

 私は物作り能力がない社会を否定的には捉えていないが、自然の生り物に恵まれた南方の島の人たちに、「お金をいくら稼いでも税金はゼロ」だとか「ビッグビジネスを生み出した人には莫大な報償金」といったインセンティブを設定しても、興味を示すかどうかが問題だが、実りのある効果は期待できないと思う。

 ホンダの本田宗一郎氏も、戦前戦中の浜松で育ったことがバイクなど輸送機器のクリエーターとしての才能を開花させたのであって、同じ時代に生まれていても人里離れた農村で育っていれば違った才能を開花させていたはずだ。

 次に現在性だが、ビジネスの才覚にあふれた人に、「ビジネスにどれほどの才覚があるのか、自然の生り物に恵まれた南方の島でみせてくれ」と頼むと尻込みするだろう。
 歴史的経緯から衣類や日用品を買う生活に馴染んでいるが、それを質量面でよりよく手に入れる目的でしゃかりきになってお金を手に入れようという気はないという島で、商売を大きく成功させるのは至難である。

 筆者は、「新しいビジネス・革新は社会のあり方を一変させるのはそういった才能である。そして、そういった才能が過去の日本の発展に貢献し、日本の製造業は世界を席巻した。その結果として数多くの雇用が生まれた。もちろん、その企業の雇用だけではない、その企業があることでその周囲に多くのビジネスが生まれたのである」と書いている。

 私も個々の生身の生き様が好きなので、そのような見方を嫌うわけではないが、“才能”は、歴史性や現在性そして共同体性を抜きには出現しないとも考えている。

 逆に、歴史性や現在性そして共同体性という基盤があれば、Aさんが“才能”として出現しなくても、Xさんが“才能”として出現するものだと思っている。

 エジソンしかりで、エジソンが電球を発明しなくても、それほど時間が経過しないうちに別の人が電球を発明し、エジソンほどビジネスに才覚がなければ、また他の誰かがビジネスとして大きく育てたであろう。

 また、「そういった才能が過去の日本の発展に貢献し、日本の製造業は世界を席巻した。その結果として数多くの雇用が生まれた」時代の所得税は、最高税率が75%にも達していた。法人税も45%という時代である。

 根源的に言えば、ビジネスの才覚が尊ばれるのも時代性の産物なのであり、時代が移ろえば、ビジネスの才覚は疎まれるようになるかもしれないのである。


 筆者にもっとも欠落している視点は、買う能力を持つ人がいなければ、“才能”も発揮されないということである。
 パソコンや携帯電話に象徴されるデジタル製品は、かつて雇用を支えた重化学工業製品やアナログ家電製品のような大量の雇用を生み出さず、開発者を別にすれば熟練労働者も必要としない。
 デジタル製品は、高給の雇用者をたいして必要としないからこそ、成功した企業に高収益をもたらすのである。そして、高収益を得るためには、自国を見捨てて世界で商売に励むしかない。
 多くのひとは雇われてお金を稼ぐことで様々な商品を買うことができるのだから、雇用を生み出さないで、売上や利益を手に入れようと思ったら、他の誰かが雇用してくれることでお金を稼いでいる人が多くいる場所で商売するしかないからだ。


 筆者は、結論的に、「金持ちを貧乏にすることで我々は豊かになるのだろうか?僕は「否」だと思う」と書いている。

 センセーショナルな表現を使っているが、金持ちを貧乏にする政策は、共産主義中国でさえ現在は行われていない。
 先進諸国で政策になるのは、せいぜい、金持ちにもう少し多く税の負担をして欲しいというものであろう。
 “僕”の所得水準は知らないが、それを通じた“所得再分配”によって、害悪を生じさせないまま、低中所得者が今より少し豊かになれる“可能性”はある。

 何より、「金持ちでない人を貧乏にすることで我々は豊かになるのだろうか?」という問いのほうが重要であると指摘したい。


 「金持ちを貧乏にすることで我々は豊かになるのだろうか?」という問いには、やり方次第だよと答えておく。


 NHKの「白熱教室」を見ている限りの印象でしかないが、出演している日本の大学(院)生の半数ほどが筆者に近い考え方をしているようなので一言書かせてもらった。


 

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コメント
 
01. 2012年4月21日 15:42:03 : N72P0vAZ1Q
> NHKの「白熱教室」を見ている限りの印象でしかないが、出演している日本の大学(院)生の半数ほどが筆者に近い考え方をしているようなので一言書かせてもらった。

そうなんですか。この筆者のような考え方をする人間はどちらかというと年長者に多く、かつ少数派だろうと思っていた当方にはショックですね。

なので、まるで学生が書いたかと思わせる思慮の浅いこの記事には、まじめに反論するほどの価値もないと考えていましたが、そういう状況であれば、こういうものに対して地道に反論したり、これとは違う考え方を発信するのが大事なんでしょうね。


02. 2012年4月21日 16:06:12 : VakF4nKSH2

ポイントがずれている。

元記事が言いたいことは以下の部分。

『本来であれば、マイナスのリターンしかないとことにこのような成熟した社会から飛び込む。そのためには高いリターンが約束されることが必須ではないだろうか?なぜ、それが認められないのだろうか?』

この主張はまったくもって正しい。

起業して失敗し破産すれば本人の責任、儲かれば分け前を国にたっぷりよこせ。
これではリスクを背負って起業する人間などいなくなってしまう。

リスクを背負って起業し高収入を得た人に、起業する意欲も能力もない貧乏人(多くのサラリーマン)は感謝すべきなのだ。

そういう金持ち起業家から無能な貧乏人は職を貰い、所得分配(累進課税)も貰っているのである。

つまり、元投稿記事の主張はまったくもって正しい。
  
  


03. あっしら 2012年4月21日 17:39:35 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

VakF4nKSH2さん、お久しぶりです。

「起業して失敗し破産すれば本人の責任、儲かれば分け前を国にたっぷりよこせ。
これではリスクを背負って起業する人間などいなくなってしまう 」

 様々な人に経済的損失を与える破産を引き起こしながら本人の“有限”責任で済むのなら恵まれているとも言えるし、人的資源を含め国家社会が営々として築いてきたインフラを利用して儲けながら、最終利益や個人所得の半分未満((配当は15%ほど)が巻き上げられるほどで済むのなら幸いとも言えます。

 失敗と成功を並列してあれこれ書かれていますが、事業の失敗については、借り入れの個人保証でもしていない限り、寛大な措置になっていますよ。

 ゼニ儲けで起業したいのなら出て行けという関東軍みたいなことは言いませんが、国家からその程度でも召し上げられるのがイヤだから起業したくないという人は、起業家になる資質はないと言えるでしょう。

 要は、国家社会の基礎的条件の整備を誰がどういう割合で負担するのかという問題です。

 経済論理的にも倫理的にも決まっているではありませんか、国家社会の基礎的条件を利用することでより大きな経済的利益を手にする人が、より高い割合で負担しなければならないことは。

 近代世界は、グローバルなレベルで「利潤なき経済社会」へと向かっています。
 先進諸国の停滞は、「利潤なき経済社会」のあるかたちでの先取りなのです。
 むろん、「利潤なき世界」という現実が、今日明日訪れるわけではありません。 だからこそ、消費税がどうしたといった、別に私がどうこう言う必要もないテーマも取り上げています。
 しかし、世界全体が利潤を得ることができない経済状況を迎えるという論理をどこかできちんと押さえておかなければ、現実も見えず判断も誤ってしまうことになりかねません。


04. 2012年4月21日 17:45:41 : E6mpDGpv5M
>>。リ本来であれば、マイナスのリターンしかないとことにこのような成熟した社会
>>から飛び込む。そのためには高いリターンが約束されることが必須ではないだろ
>>うか?なぜ、それが認められないのだろうか?』
>この主張はまったくもって正しい。
>>起業して失敗し破産すれば本人の責任、儲かれば分け前を国にたっぷりよこせ。
>>これではリスクを背負って起業する人間などいなくなってしまう。

それ、バクチですよね。
まっとうな日本人は、バクチにのめり込まないもんですよ。
あっしらさんが正しいでしょう、日本では。
税率は70年代が良かったと思いますよ。
ホンダもソニーも先進的だったけど、バクチじゃなかった・・・


05. 2012年4月21日 19:01:59 : ht1IxZOoaA

>>02 VakF4nKSH2  
> ポイントがずれている。
> 元記事が言いたいことは以下の部分。
> 『本来であれば、マイナスのリターンしかない…

全然ポイントずれてねえだろ。
あっしら氏のこの文章には、当然その部分への反論も含まれている。
論理的に。

それが分からないのは、それを読み取れないのは、お前の落ち度。

相変わらず、部分しか見えない、従って読解力ゼロの超低脳だなー、VakF4nKSH2 は。


06. 2012年4月21日 22:11:41 : oHlSAnXKE6
経済もサンデルも興味ない人間ですが、
才能の使い方が曖昧じゃないですか?。
生得的なもの、潜在性を指しているのだろうけど、
それは努力で学習、獲得可能な類のものを指すのか。
大半で<技術>と混合してないですか?
ビジネスに限ってるならわかるが、エジソンは事後的にビジネス化したにせよ
営利が彼の目的ではないでしょう。
歴史とか江戸がどうのってのもどうも議論の混合じゃないかな。
エジソンの発明は、自然科学からみたクリエイションでご指摘通り
他者が遅れていずれ発見する作業だったでしょう。
しかし文学や音楽や絵はそうはいきません。
ドイツでは個発でありながら普遍に到達到達している点で、
アイシュタインよりも、ゲーテやバッハの方が偉大という言説をよくききます。



07. 2012年4月22日 08:56:56 : VakF4nKSH2
>>03=あっしらさん

あなたの主張は本末転倒ですね。

何十万という職を発生させている大企業の多くが、元をただせば個人の企業で始まったものが多い。
東芝しかり、ソニーしかり、パナソニックしかり、ダイエーしかり。

そしてさっきも書いた通り、
『起業して失敗し破産すれば本人の責任、儲かれば分け前を国にたっぷりよこせ。
これではリスクを背負って起業する人間などいなくなってしまう。』

あなたは例外ケースのごとく書いていますが、金融機関から借り入れをする場合は起業した社長が個人保証するケースが圧倒的に多い。
まともな保証なしで金を貸すほど金融機関はお人よしではないからです。

このように大きなリスクを背負って起業する以上は、リターンが大きくなければ起業する人間が減るのは当然です。
おまけに日本では、ただでさえ起業する人間が激減しているのです。

あなたの主張では、さらにそれに輪をかけることになる。
その挙句は、起業のさらなる激減→将来の多くの職の喪失。

後に残るのは、起業する意欲も能力もない膨大な数のプータローだらけということになる。

あなたの主張では、日本は将来そうなるということです。

起業する意欲もなくリスクの低い正社員の座を求めるだけの人間は、職を与えてくれた起業家に感謝すべきなのです。
  
  


08. 2012年4月22日 09:37:27 : 42nGc6judU
>>02,>>07

高度に発達した現代社会は、最早マルクスの時代のような個人企業家が社会経済を引っ張る時代ではありません。

大企業が国家と結びつき、また大企業同士がイノベーションの合法的カルテルを結び、またトラスト化によりイノベーションを担う時代になりました。

今の時代に、大手都市銀行が個人企業家に融資するなど時代遅れです。

例えば、半導体産業での国際半導体技術ロードマップ(http://www.itrs.net/)を見て御覧なさい。世界中の大学と産業界が結託して、資本主義の根幹となるイノベーションの計画経済化を進めています。世界的大企業にイノベーションのカルテル化が起こっています。

エルピーダのような、イノベーションのカルテル化集団に加われない企業群は倒産します。まして、個人の企業化がイノベーションに加わるなど、全く無謀であり、不可能です。

しかし、イノベーションはやがて衰退します。半導体の微細化も、物理法則の限界には勝てません。今後20年も満たないうちに、ムーアの法則(半導体の集積度が一定期間ごとに倍になる)は崩壊します。半導体のムーアの法則が崩壊すれば、それに立脚する情報通信産業のイノベーションも枯渇します。

その後に来たるのはイノベーションなき形骸化した資本主義社会です。
資本主義はイノベーションにより発展しますが、イノベーションなき社会は、官僚主義社会となり、それは社会主義社会と同義語です。
シュムペータの経済発展の理論を学んでください。


09. 2012年4月22日 09:38:19 : 42nGc6judU
>>08(訂正)

まして、個人の企業家がイノベーションに加わるなど、全く無謀であり、不可能です。


10. 2012年4月22日 14:36:35 : 7RU088Xctk
会社ってさ、元々はカンパニーだよね。コンパ。
「おれたちでなにか面白い事をやろうぜ。」っていうかんじの。
そういうカンパニーが乱立する世の中が楽しいと思う。

基本的には太陽さえあれば食べる物は勝手にできる。
“仕事”を、「労働」ではなく「楽しみ」に。1qmOy4Hy0U


11. 2012年4月22日 15:15:02 : yWfHJYUxo6
>>10

多分、人間は苦役が好きなの。
そして、人間同士の順位付けも大事。猿社会だから。

食糧を平等に分けたら、餓死者は出ないかも知れないけれど、それだと社会がつまらなくなるの。

順位付けして、末端の方は食えないくらいにしておかないと、人間の獣性は満たされないものなの。


12. 2012年4月22日 18:38:00 : 7RU088Xctk
>>11

食べる物に困らなくても競争はできる、というかなくならないと思うよ。
自分の(生物学的&生き方的な)イデンシを増やすための競争。

世の中で人気者になる事(=社会的な生命力)を人は競う。
勝った“イデンシ”がふえていく。“進化”とも関係があると思う。by>>10 1qmOy4Hy0U


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