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太陽光買取42円は高過ぎる―相次ぐ電池メーカー破綻が示す環境激変-WSJ-全量買取制度は柔軟に運用されなければならないの
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/318.html
投稿者 gikou89 日時 2012 年 4 月 24 日 23:40:05: xbuVR8gI6Txyk
 

http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_432168

今年7月から実施される「再生可能エネルギー全量買取制度」で、経済産業省の「調達価格等算定委員会」が太陽光発電の買取価格を「1キロワット(kw)時あたり42円」で調整する方向だと報じられている。これは、最近悪名高くなった電力会社の「総括原価方式」と同様、太陽光の電力事業会社の利ザヤを保証する制度である。この買取価格が適正であれば問題ないが、そうとは言えない状況が世界の太陽電池市場で起きている。

大手太陽電池メーカーの相次ぐ破綻

 ドイツの太陽電池メーカー、Qセルズは今月、法的整理を申請する方針を明らかにした。Qセルズは「太陽光発電大国ドイツ」を象徴する企業で、2005年に株式を上場した後、2007年には日本のシャープを抜いて世界最大の太陽電池メーカーになった。しかし、その後、主に中国メーカーの追い上げに苦しみ、2009年にはトップの座を明け渡した。財務内容も急激に悪化し、株式時価総額は2007年の約80億ユーロをピークに、過去1年間で約93%も減少した。また、Qセルズ破綻から時を空けずして米カリフォルニア州のソーラー・トラスト・オブ・アメリカも破産申請を発表。同社は出力100万kwの世界最大級のメガソーラー計画を進めていたが、資金繰りが続かなくなったことが破綻の原因である。

 実は大手太陽電池メーカーの破綻は約半年前から急速に増えている。昨年8月には、米政府から5億2700万ドルの融資保証を受けていたソリンドラ(カリフォルニア州)が破綻し、スペクトラワット(ニューヨーク州)、エバーグリーン・ソーラー(マサチューセッツ州)なども経営に行き詰まり、BPソーラーは事業縮小を余儀なくされている。 ドイツでもQセルズ以外に、ソロン、ソーラー・ミレニアムなど、まさに破綻の連鎖が起きている。

 太陽電池メーカーの連続破綻の背景に何があるのか。昨年11月15日付の当コラム「米国でクリーンエネルギー低調の理由は『シェールガス革命』」でも書いたとおり、太陽電池の急激な値崩れと世界的な景気低迷によるクリーンエネルギーに対する公的な助成の減少が原因である。

すさまじい値崩れが続く太陽電池市場

 まず、太陽光パネルのグローバル市場が急速にコモディティ化(成熟)し、すさまじい価格下落が起きていることが挙げられる。調査会社GTM リサーチによると、太陽光モジュール(パネルとほぼ同じ意味)の米国における現在の価格は、過去2年間で何と65%も値下がりしている。2011年1年間だけだと50%の値下がりである。これでは、メーカーはひとたまりもない。

 太陽電池の価格下落は、コスト競争力で勝る中国企業が世界市場を席巻していることが原因だ。GTMリサーチの調査によると、2010年の世界市場における中国企業のシェアは58.5%に上る(欧州16.4%、日本10.5%)。2005年には日本のシェアが50%弱で、日米独のシェア合計が75%を超えていたことを考えると、まさに隔世の感がある。

 中国勢はシェアは伸ばしているものの、彼らの実情も厳しい。現在、シェア世界トップのサンテックパワーの今年第1四半期の売上は前年同期比33.4%のマイナスで、純利益は9億9260万ドルという巨額の赤字と報道されている。急激な市場の値崩れはコスト競争力に勝る中国企業でさえ対処できない水準であることが分かる。フランスの石油大手トタルは、2011年5月に米サンパワーを約13億8000万ドルで買収したが、同様の再編や破産企業の再生がこれから目白押しになるだろう。

クリーンエネルギー助成の減少と太陽光発電推進への批判

 連続破綻が起きたもうひとつの要因は、クリーンエネルギーに対する公的な助成の減少である。先進国に共通する景気低迷により政府は補助金や減税を行う余裕がなくなっている。また、単なる財政状況の悪化以外に、太陽光発電に対する逆風となる事例が起きている。

 米国では、主要企業の経営破綻がオバマ政権への責任追及に発展している。ソリンドラは「グリーン・ニューディール」(10年間でクリーンエネルギーに1500億ドル投資し、500万人の雇用を創出するという計画)に基づいて、政府から5億2700万ドルの融資保証を受けた。その保証決定プロセスで、オバマ政権が行政管理予算局(OMB)に圧力をかけたのではないかと議会で追及されている。ドイツでは、巨額の財政負担や電気料金値上げによる補助が行われてきたにもかかわらず、太陽光発電は利用率が低く、有効でないという批判が起きている。クリーンエネルギー助成の約60%が太陽光発電向けに使われているのに、全発電における比率はわずか3%に過ぎない。助成金がはるかに少ないバイオマスや風力発電の方が太陽光よりずっと比率が高いのである。

 さて、太陽電池市場の変化は、今年7月から導入される日本の「再生可能エネルギー全量買取制度」にどのような影響を与えるだろうか。

太陽光発電の買取価格に太陽電池の値崩れを反映させるべき

 まず、太陽電池の値崩れは太陽光発電のコスト算定に正しく反映されるべきである。つまり、電力会社が太陽光発電事業者から買取る電力の単価は、太陽電池の値下がりに応じて下がらなければならない。法律では、買取期間と買取単価は経済産業相が決定することになっているが、4月23日付日本経済新聞は、経済産業省の委員会は太陽光発電の買取価格を「1kw時あたり42円」に設定することで調整に入ったと報じている。

 問題は、1kw時あたり42円の買取価格が適正かどうかである。結論からいうと、この水準は高過ぎる。新エネルギー財団によると、現在、住宅用太陽パネルの設置コストの主な内訳は太陽電池代が66%、付属機器代が19%、設置工事代が8.6%である。昨年7月に海江田経産相(当時)が出した40円前後の試算がいつのデータを基にしているか不明だが、太陽電池代は昨年50%も値下がりしているのである。メガソーラーであれば、大量購入によって住宅用よりさらに安い単価で仕入れることができるし、付属機器や設置工事のコスト比率も当然下がる。1kwあたり20円台の試算も可能である。

 参考のため、ドイツの太陽光発電システム価格(太陽電池、付属機器、設置工事を含んだ価格)も大きく値下がりしていることを付言する。100kw以下・屋上設置のシステム価格は、過去1年で約23%も値下がりし、3年前と比べると約50%の値下がりである。また、フィードイン・タリフ(FIT:電力会社が発電事業者や家庭からクリーンエネルギーを買取る制度)の買取価格を見ても、1000kw以上、屋上設置の場合、3年間で51%も引き下げられている(いずれもドイツ太陽エネルギー産業会による)。

 日本で昨年8月に成立した法律を見ると、「買取期間・価格は施行3年後に見直し」、「当初3年間は発電事業者の利潤に特に配慮する」と書かれている。何やら気になる条文である。発電事業者(メガソーラーなどを設置する企業)が過剰な利益を得ることにはならないか。買取価格の決定にはかなりの透明性が要求される。この点が軽視されると、2010年7月5日付の当コラム「誰が『太陽光発電バブル』を崩壊させたのか?」で書いたように、太陽光バブルを作って、財政を悪化させるだけになりかねない。また、これだけ太陽電池市場が激変しているので、3年間ではなく、もっと短期間での柔軟な条件変更が必要である。最近のドイツのFITは3カ月から半年で条件改訂が行われている。

全量買取制度はもはや時代遅れか

 ドイツの制度を見ると、FIT(日本の全量買取制度もこの一種)は今や存在意義がなくなりつつあることが分かる。ドイツがFITを推進した2000年代前半は太陽電池の価格も今よりはるかに高く、FITが整備されていないと、クリーンエネルギーなど普及しようがなかった。ところが、今は全く状況が違う。昨年可決した日本の全量買取制度は急速に時代遅れになりつつあるのかもしれない。

 最後に付け加えると、太陽光発電のコストが下がって、FITなどの優遇策なしで普及する状態を「グリッドパリティ」というが、現状がそうなっているかどうかの判断には、原子力・火力の発電コストが影響する。

「太陽光発電コスト≦原子力・火力発電コスト」になれば、グリッドパリティ達成だが、この等式には太陽電池の価格以外に、原油・天然ガス価格、原子炉廃炉費用などが複雑に絡む。この点からも、全量買取制度は柔軟に運用されなければならないのだ

尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授

昨年6月からWSJ日本版に連載開始。著書「環境ビジネス5つの誤解」(日本経済新聞出版社)が1月13日に出版。クリーンエネルギー、電気自動車、水などの5分野に関して誤解を指摘し、問題の解決方法を分析する。

 東京大学法学部卒、ニューヨーク大学MBA、早稲田大学博士。野村證券NY現地法人、モルガン・スタンレー証券バイス・プレジデント、ゴールドマン・ サックス投信執行役員を歴任後、ベンチャービジネスに転身。2005年から現職。専門分野は環境ビジネス、金融市場論、ベンチャー企業経営論など。主な著書は「出世力」(集英社インターナショナル)、「次世代環境ビジネス」「投資銀行は本当に死んだのか」(いずれも日本経済新聞出版)。http://hiroyukiozaki.jp/


 

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コメント
 
01. 2012年4月25日 00:27:17 : muMpYCl6BM
太陽電池の最大リスクは新発明の後発パネルが発電効率を大幅にアップさせた場合、既存のパネルがいっきに不良資産化するということ。

当分は技術研究だけに特化したほうが良いだろう。


02. 2012年4月25日 19:41:33 : D4z0D8fOpI

孫正義はウハウハだな。 キックバックは誰がもらうのだ?


03. 2012年4月25日 21:14:30 : FHVyh15Kso
太陽光発電のおける矛盾は驚くほど多く、全く解決策も考えられていない。
問題が起こった場合に、高度成長下での「日照権どころの騒ぎで」はない。

太陽光発電装置は企業や富裕層しか設置できない、しかし彼らが発電した電気は無条件で電力会社が買い取り、その結果、電気料金が値上げされるが、
それは、太陽光発電装置など金銭的に設置できない貧困層が、太陽光発電装置を設置した層の電気料金を負担する、という構図である。
その矛盾は社会的に「エコだから」では済まされないだろう。

ビルなどの日陰に入る事で立地的に太陽光発電が行えない家庭が、太陽光発電によって値上げされた分の電気料金を負担する矛盾。
家主が屋根や壁面に太陽光発電装置を設置している賃貸アパートやマンションなどでは、そこで得られた電気料金が家主に入り、入居者には還元されないだろう。
入居者が割高な電気料金を支払う事になるが、そもそも、太陽光発電装置の費用は建物の建設費用に含まれ、
家賃に含まれる事が一般的と思われる、入居者に還元できる仕組みが必要だろう。

それまで太陽光発電を行っていた戸建家庭の前に新しく建物が建つ事で、太陽光発電が行えなくなってしまう場合の、経済的損出をどの様に算出するのか。
タワーマンションを建築する際、日陰になる住民から「将来に渡って、太陽光発電を行って得られた場合の遺失利益を求められたら」どうするのか。
従来の「日照権」以上に、カネが絡む問題だけに、事前に問題点を出し合って、ルールを決めておく事が大切だ。

太陽光発電施設を持てない利用者の電気料金が、太陽光発電施設を設置できる富裕層や企業に「移転する」という矛盾。
日が当たりによって、売電ができるかできないかが決定してしまう条件において、
日陰のため売電が出来ない層に対する、その原因を作っている建物の持ち主に対する経済的損出をどのように補てんするのか。
この2つは本当に大きな問題だ。


04. マスター 2012年5月06日 00:36:15 : Wd64FQV0AO.VE : NReGwrD3FQ
まさにここに書かれているとおりです。
本来、全量買取は資金を回収するのに時間がかかっても、元がとれなくとも
エコのためと割り切っている消費者のためだと思っていましたが今の案だと
金儲けのために発電する業者だけが得をすることになります。
高く電力会社に売って儲け、その分は利用者に負担させるので電力会社
はプラスマイナス0でしょうが最終的に負担させられる利用者はたまった
ものではありません。
民主党は口では国民のため、国民生活第一とか言ってますが自民党以上に
企業寄りというのははっきりしました。

05. 2012年6月22日 01:58:14 : 4wwwGerFZA
元のとれない事業はボランテア。趣味の世界 地球のためになるなら 

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