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<社説>名張毒ぶどう酒事件 再審認めず “疑わしきは罰する”なのか - 東京新聞 *「冤罪」なら「国家の犯罪」と
http://www.asyura2.com/12/senkyo130/msg/547.html
投稿者 千早@オーストラリア 日時 2012 年 5 月 26 日 18:29:03: PzFaFdozock6I
 

2012年5月26日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012052602000131.html

 名張毒ぶどう酒事件の再審を認めなかった決定には、深い疑問が残る。証拠を並べてなお分からないのなら、推定無罪の原則に従うべきではないか。

 奥西勝死刑囚を最初に裁いたのは津地裁だった。

 裁判員になって法廷にのぞんだつもりで証拠を見てみると、こんなふうになる。

◆裁判員の目で見れば

 ▽ぶどう酒の王冠に付いた歯形は、鑑定では誰のものかはっきり分からない。

 ▽その王冠自体、事件当時のものとは違うらしい。

 ▽農薬を混入する機会は、奥西死刑囚以外の人にもあった。

 ▽「自白」はある。動機は妻と愛人の三角関係を清算するためという(その後、全面否認)。

 ▽自白にあった、農薬を入れてきた竹筒は見つかっていない。

 証拠をこうしてずらりと並べてみると、裁判員はその中身の乏しさ、あいまいさに、もちろん気づくだろう。

 いくら、捜査段階の詳細な「自白」があろうとも、有罪にはできまい。

 合理性をもって、彼以外に真犯人はありえないとは言えない。ましてや、死刑事件でもある。一審の津地裁は、当然ながら無罪判決を下した。

 捜査が甘かったのである。当時は、まだ自白が「証拠の女王」などと呼ばれていた。自白は極めて重視されていた。

 だが、二審の名古屋高裁は一転、有罪とした。王冠について新たな鑑定をしたが決定的な知見はなく、一審とほぼ同じ証拠を見て、有罪とした。

 迷走の始まりである。

 死刑囚は判決の前の日、前祝いの赤飯を食べた。家庭で最後に口にした母親の手料理となった。

 死刑囚はひとりぼっちで再審の請求を繰り返した。途中からは弁護団もでき、七度目に名古屋高裁は再審の開始を認めた。

 毒物について、自供したニッカリンTではなかった疑いがあるとした。何と、凶器が違っていたかもしれない、ということだ。

 裁判を見直す大きなチャンスだった。しかし、扉はまた閉じられた。同じ高裁の別の部が、同じ証拠を見て検察の異議を認めた。

◆冤罪生む自白の偏重

 事件から四十六年もたって、裁判は最高裁にもちこまれた。だが自ら判断せず、農薬について「科学的な検討をしたとはいえない」と言って、高裁にさし戻した。

 そして、再審を開始しないという昨日の決定となる。「毒物はニッカリンTでなかったとまでは言えない」とし、検察の主張を支持した。

 死刑判決以降の裁判を振り返ると、検察側の物証を弁護側が何度崩そうとしても、裁判所は結局、有罪としてきた。頼りにしたのは、いつも「自白」である。

 だが、自白の偏重が数々の冤罪(えんざい)を生んできたのは、苦い歴史の教えるところだ。

 刑事裁判では、検察が有罪を証明できないかぎり、無罪となる。裁く立場からみれば、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則である。

 昨日の高裁の決定は、弁護側が出した証拠では検察の主張を崩せないという論法である。検察が主張していないことまで裁判官が推論し、有罪とする根拠を補強している。

 これでは、まるで「疑わしきは罰する」になってはいないか。

 最高裁は再審でも「疑わしきは被告人の利益に」の原則があてはまると言っている(白鳥決定)。それなのに、反対の考え方で再審の扉を閉ざしたように映る。

 裁判員裁判の時代である。取り調べの可視化や、全面的な証拠の開示の必要性が叫ばれている。それは、これまでの誤った裁判の反省から出ているものである。

 今回の決定は、そうした時代の要請に逆行している。毒ぶどう酒事件から半世紀余。「自白」の偏重は一体いつまで続くのか。今の基準で考え直せないか。

 弁護団は特別抗告する。最高裁は今度こそ自判すべきである。

 死刑囚は八十六歳。冤罪が強く疑われた帝銀事件の平沢貞通画伯のように、獄中死させることがあってはならない。

◆司法も裁かれている

 私たちメディアも反省すべきことがある。自白偏重の捜査取材に寄りかかった当時の犯罪報道だ。犯人視しない報道への努力は、不断に続けているが、奥西死刑囚を犯人視して報じたという事実は消せない。

 奥西死刑囚の獄中生活は、確定囚で二番目に長い。もしも死刑判決が冤罪であったのなら、それは国家の犯罪というほかはない。奥西死刑囚だけでなく、司法もまた裁かれていると考える。  

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コメント
 
01. 2012年5月26日 18:38:42 : 7A7SihEcZU
この国の司法は腐っている。とくに検察、裁判所はウジ虫の巣窟だ。
(もちろん、みんながみんなとはいわない。そういう前置きはいわずもがなの前提だ)

02. 2012年5月26日 18:40:02 : lQydFPZ0w4
司法を 国民主権に取り戻さないと 国家が成り立たない


気違裁判官による 気違判決  まさに 悪魔国家だ


03. 2012年5月26日 19:11:09 : rWmc8odQao
「捜査が甘かったのである。当時は、まだ自白が「証拠の女王」などと呼ばれていた。自白は極めて重視されていた。」

市川寛氏
「あくまで私見だが、自白に頼る検事がいるとしたら、その検事は本物の尋問能力がないんだと思う。法廷で否認されたら粛々と証人尋問続ければいい。証人尋問の場数によって、全面可視化にも耐えられる取調の能力も磨けるはずなのだ。」
https://twitter.com/TriggerJones42/status/206316495742042112

全面可視化、死刑廃止、お願いします。


04. 2012年5月26日 19:43:30 : 7ZrvJuoXhs
今の裁判所は推認じじいの住む伏魔殿だ。

05. 2012年5月26日 20:33:51 : dy5bblmkRU
>>04

推認とは、俺様が法律だの勝手解釈だ、裁判官の憶測で有無が決められるのなら
法律はいらないだろう。
判検交流、司法局と司法の現場そのものが、検察の下請け機関となってしまって
いるのだろう。チェックの働かない組織は根腐れする。


06. どらみ 2012年5月26日 21:17:53 : TaxpTeHRktbIQ : 384mLCJ0q2
無罪判決を出すと出世ができない。

多くの判事が、刑事事件で生涯に一度も無罪判決を出さない。

被告人が死刑を求刑された裁判で、戦後無罪判決が出た例は、数えるほどしかない。

これって、どう考えても、おかしすぎでしょ。
日本の司法制度は、根本から作り直さないとダメみたいです。


07. 2012年5月26日 21:30:29 : Q5D5fFKwyw
「無罪判決を出すことで出世する」のでなければならないーと思います。
 無罪判決という真実ほど重いことはないと思えます。
 人の一生を殺めるーーということは自らも同じ程度の罪に問われるべきでしょう。 否、権力犯罪なのだから、更に重くて然るべし。
 出世どころか、懲戒解雇が当然。

08. 2012年5月26日 22:09:31 : jylWuhXUI2

奥西死刑囚は、逮捕前に記者会見に応じて罪を認め、償いたいと明言している。
絶命寸前の妻が「夫にぶどう酒を飲むなと言われていたのに…」とつぶやいた、
という話が周囲に広まった直後で、それで観念したらしい。これが決定的。

なのに、逮捕されてから急に犯行を否認しだした。
「取り調べで怒鳴られたり肩をつかまれたりした」などと主張したりしているので、
人権屋に入れ知恵でもされたんじゃないのか?

集落の住人も圧倒的に有罪を信じていて、人物面からも有罪が疑われる。
奥西死刑囚の親も、非常に甘かったようだ。

>ぶどう酒の王冠に付いた歯形は、鑑定では誰のものかはっきり分からない。

まず火箸でついて、ゆるんでから噛んで空けたと自白している。
と言うわけで王冠の歯形は、最初から証拠として決定的なものではない。

農薬は同じ名称の物が二種類あった。
というわけで決定的な反証ではない。



09. 2012年5月26日 22:12:53 : jylWuhXUI2

そしてこの当時ぐらいから、小泉が総理になるまでは、サヨクが絶頂期だった。
自分はもう少し後に生まれてるが、あいつらは基地外だと思う。


10. 2012年5月26日 22:35:52 : TWgkxgJDtY

> 自分はもう少し後に生まれてるが、…基地外だと思う。

自己紹介は要らんよ。

聞かなくても分かる。


11. 2012年5月27日 05:14:58 : tO4PiBf2wE
私は小泉が総理になってからの日本が滅茶苦茶だと思っています。
小泉を支持する人はキチガイだと思っています。

12. 2012年5月27日 09:38:34 : n8usGiH2gg
 この国の司法は、求められている役目を誠実に果たしているだろうか。
権力は腐敗するという。司法も権力である。生身の人間がやっているのである。
しらずしらずに、大きく「道」を踏み外しているということはないだろうか。
サラリーマン化して、ベルトコンベア方式で「いい加減に」処理していないだろうか。自己の出世が目的となり、正義の実現が忘れられていないだろうか。
最高裁判事の選任の仕方にも疑問を持っていたが、陸山会裁判での、調書を不採用にしながら「推認」のみで有罪判決を出す裁判官をみて、大きな不信感が芽生えている。国民の不信感を伝え、司法に自己検証を促すためにも、次回の国民審査では全員に「×」をつけたいと思っている。

13. 2012年5月27日 13:13:43 : jylWuhXUI2
>>12

まったくだ。
阿修羅を荒らしまくってデマを垂れ流す朝鮮人スパイなど、
まるで取り締まれてないじゃないか。

もっとしっかりやれと言いたい。



14. 2012年5月27日 15:45:12 : VgxHNywTe6
冤罪であれば国家の責任か?
これにこだわる。

国家の責任もあるが、仕事として決めた(判断した)当事者責任を問わなければおかしいのではないか?

前提として国家の奴隷でなく仕事として、裁判官なり検察管なり弁護士をえらびかかわるのだから。仕事としての間違いからは遁れられない。

冤罪であれば 当該裁判官に罪あり、罰を受けなければならない。
(裁判も合議ではないかい?


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