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橋下個人を論じるのでなく、“橋下現象”を考えるシンポジウムが広がりつつある、(ハシズムの分析、その22)〔リベラル21〕
http://www.asyura2.com/12/senkyo130/msg/775.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 6 月 02 日 09:30:42: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2000.html

2012.05.31 橋下個人を論じるのでなく、“橋下現象”を考えるシンポジウムが広がりつつある、(ハシズムの分析、その22)
〜関西から(65)〜 
広原盛明
(都市計画・まちづくり研究者)


 『市政改革プラン(素案)』をめぐって、大阪市民の怒りが次第にパワーアップしている。「パブコメ」にとどまらず、『市政改革プラン』そのものの撤回を求める直接的な市民運動が全市的に広がりつつあるのである。とりわけ、「市民のひろば」である男女共同参画センター(クレオ大阪)全5館を廃止するという暴挙は、大阪の女性たちをいたく怒らせている。「大阪のオンナ」のエネルギーがどれほど凄まじいものか、彼女たちを本気で怒らせたらどれほどのしっぺ返しを喰うか、橋下市長や大阪維新の会は遠からず思い知るにちがいない。

研究者の間でも『市政改革プラン(素案)』反対の動きが強まっている。私の専門の分野でも、その拠点の「大阪市立住まいのミュージアム」(大阪くらしの今昔館)が閉鎖されるとあって、関係者の間で怒りのメールが飛び交っている。大阪市大を中心にした都市史・建築史の研究者たちが、長年にわたり市のスタッフと共同して心血を注いで育ててきたミュージアムだ。これを「文化白痴」ともいうべき野蛮な連中に潰されてたまるかというわけだ。

そうでなくても、大阪の都市文化資源は枯渇している。戦後復興期、高度成長期の乱暴な都市開発を通して、貴重な自然資源、歴史資源、文化資源が数多く破壊されてきたからだ。そのうえ、もはや「お笑いとソロバン」だけでは都市が生きていけない時代に、「道頓堀にプール」「埋立地にカジノ」といった荒唐無稽のプロジェクトを吹聴する一方、他方では「市政改革」と称して伝統芸術、音楽・児童文化、歴史ミュージアムなどに対する支援を容赦なくカットしようというのである。

こんな「都市の自殺行為」ともいうべき暴挙の原因を、橋下市長のキャラクターや個人資質(の欠陥)に求めることはたやすい。しかしその一方、かくなる橋下氏をマスメディアが依然として持ち上げるのはなぜか。過半数もの大阪市民がなお橋下氏を支持している理由はなにか。国民世論が橋下新党の国政進出に肯定的な反応を示すのはなぜかなど、一連の“橋下現象”を解明することなしには、ハシズム打倒の道筋を描くことは難しい。
 そんなこともあって、最近、大阪や京都では “橋下現象”を多角的に分析しようとする研究シンポジウムの輪が広がってきている。「ハシズムを解剖する―決められる民主主義の正体」(5月19日、科学者会議大阪支部)、「維新の会が目指す国家像と日本国憲法―ナチス登場の教訓から学ぶ」(5月26日、京都憲法会議)、「地方自治の歴史的危機と課題〜大阪・関西・そして日本〜」(6月1日、市民ウォッチャー・京都)、「市民と一緒に大阪から民主主義のあり方を考える〜「自治体ポピュリズム」を超え、より良い民主主義を求めて〜」(7月1日、民主主義科学者協会法律部会)などだ。これらの報告や感想についてはいずれ私なりに整理したいと思っているが、今回は取りあえず5月19日の大阪シンポに参加して感じたことを記したい。

 大阪シンポは、「維新の会を支持する若者の現状」、「ヴァイマル体制はなぜヒトラーの進出を許したか」、「ハシズムの出てくる背景」の3本立てだった。興味深かったのは、タイトルもさることながら報告者の年齢と専門分野によって「ハシズム」を解剖する視点が大きく異なっていたことだ。

第1報告の若手経済学者(社会保障論)は、講義の中で下手に橋下批判をすると学生から猛烈なブーイングに曝される雰囲気や状況をまず紹介して、参加者一同を驚かせた。とにかく若者たちの間での“橋下人気”は圧倒的なもので、西成区の愛隣地区などの生活保護受給者に関するテレビ番組を見て、「俺たちの年金が無くなる(盗られる)」と感じ、「統治構造を変えなければならない!」という橋下語録に意気投合するのだという。それほど若者世代を取り巻く社会状況は抑圧的であり閉塞感に満ち溢れているのであって、彼らに憲法の生存権・生活権を説くのは容易でないというのである。

だから「ハシズムの今後」に関しても「長く付き合う覚悟をしなければならない」というもので、それが決して一過性の現象でもなければ、早晩に消え去る現象でもないことを強調するものだった。そして相対的に恵まれた「安全地帯」にいる知識人が陥りやすい見解として、橋下氏を「あんなロクでなし」と軽視する風潮があることを戒め、橋下個人を見るのではなく、橋下支持者や共感者の持つ心情や境遇を客観的に分析することの重要性を喚起した。まるで私自身の思考様式を図星にされたようで、聞く耳が痛かった。

第2報告は、ドイツ文学者(ダダイズム研究者)による詳細なナチス党の歴史の(大学院レベルの)高度な講義だった。印象的だったのは、当時のポスター、チラシ、写真などが並行して紹介され、その扇動的な情景が生々しく伝わってきたことだ。そしてナチス党が政権掌握した要因が以下のように指摘された。

(1)大資本勢力の右傾化と大恐慌による経済的混乱、大量の失業者の発生
(2)政治的混乱=「中道」政治の行き詰まり
(3)労働運動の弱体化
(4)軍部の支持
(5)ヒトラー崇拝(国民の救世主)、「民族共同体」の幻想
(6)ナチス党を支持した社会基盤
   @農村部では農本主義的スローガンを掲げる
   A都市部中間層に対しては大企業・大規模経営に反対のポーズ
   B政治的無関心層を大衆団体を活用して惹きつける(制服での行進、
集会、キャンプ、団体活動など)

 学ぶべき教訓として上げられたのは、次の3点だった。
(1)民主主義(議会制)を利用して民主主義を否定・破壊する人物を政治家に選んではならない。
(2)歴史的な反省を議論の出発点にすること。
(3)固定的な政治組織では無党派層・新しい支持層を取り込むことが困難。目に見える形での展望(敵・味方を単純化し、不満のはけ口を明確に示す)を持つ政策の方が効果的である。

 ナチス党が登場した当時の時代背景を現代日本の情景と重ね合わせてみるとき、そこには無視できない多くの共通点が見出される。だからこそこのようなナチス党の歴史が語られ、それを阻止できなった(あるいは同調した)ヴァイマル体制の歴史的体質が解説されたのであろう。したがって、問題は「ハシズムはファッシズムに通じるか」という大命題に発展する。

この点を解明しようとしたのが、ヘーゲル哲学者による第3報告「ハシズムの出てくる背景」だ。「本報告はハシズムの「正体」ではなく「背景」を論じようとするものです」との語り口を明確にした上で、「橋下「維新の会」はファッシズムであるか」と問いかける報告は刺激に満ちたものだった。(その主旨と総合討論の内容は次回に紹介します)。

 

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コメント
 
01. 2012年6月02日 12:14:11 : Op2sM8LHZQ
 橋下の“前髪を垂らし、目力が無い顔”は、政治家ではなくアジテータに過ぎないことが分る。
これまで主張していた「脱原発」やその他の政策を平気でクルクルと変えても、シラットしているのは、愚かな大阪市民とマスコミに責任がある。
私は関西人だが、大阪市民には幻滅している。

02. 2012年6月02日 13:27:25 : UCzaVORLa2
過去の市長を抱え得込んで利権を思いのままウマーしてきた
組合とそのお抱え業者、既存の組織体制とその性質を肯定出来るのかね?
橋下を否定するなら、そんな過去の遺物を掃除する方法を実践しながら
好きな作文でもすりゃあいいですよ。

個人を嫌いだと言うのは勝手ですが、そんなことばっかり言ってても
ラチがあかんと思いますがね。
少なくとも、橋下は過去の体制と戦ってるワケで、個人を攻撃してる輩とは
次元が違うでしょう。

あいつが気に入らんとか嫌いとか、あんたが勝手に思ってりゃあいいです。
個人攻撃なんか他人を煽動してやるこっちゃないです。
政治がダメだと思うなら、あんたが起てばいいです。

ここでも長い作文をご苦労様とは思いますが、そもそも視点が違います。
新しく出てきたモノを否定するなら、その新しいモノが何故出てきたのか、
そこから考察しないと、体制に対する否定にはならず、ただの悪口です。
おおかた利権でウマーしてる人か、橋下の悪口で本出して印税もらってる
学者や評論家さんと視線は同じなんじゃないですかね。


03. 賢者の石 2012年6月02日 13:41:41 : Qf5ShLuWtoZHs : LHt0uPpDi2
私は橋下現象の原因は西欧近代化のもっと根底にあると考えている。
つまりコーカサスから出てきた印欧語族の伝統みたいなものが
天皇主体説がのさばった戦前と今日、噴出しているのだ。

これはおそらくムスリム、ユダヤ、キリスト教ではなくさらにその根底の
ゾロアスター教を生み出した印欧語族の伝統にあるものだ。

古代のギリシャは民主制や古代共和制ローマは多神教であった事がしられるが
危機に陥ると一神教的、絶対善の神と絶対悪の悪魔の2元論におちいり
ギリシャは独裁、専制的になりローマは帝政に移行した。

明治の近代化で欧米から日本は文明を輸入したが印欧語族のこの
おそるべき一神教の思想(新自由主義は資本を神とする一神教とも言える)
まで知らぬ間にうえつけられて
多神教という民族のアイデンティティを失い民族が精神的に浄化つつあるのだ。

西欧人が民主主義を再興したのは、宗教支配の否定である。
性格に言えばそれだけキリスト教による一神教支配は民主主義的な多様な
相対的価値観にあわないという事なのだ。そして政教分離の原則が生まれた
がごらんのとおり米国を始め印欧語族は宗教から政治を分離などできてはいない。
もはや逃れられない一神教の呪縛が印欧語族だけでなく日本をも支配しつつあるのだ。


04. 2012年6月02日 15:41:18 : FUviF2HWlS
大阪維新の会の政治思想を語るにおいて、橋下氏のパフォーマンスを分析することもさることながら、大阪都構想の発案者で大阪維新の会の精神的支柱である大阪府市特別顧問・慶応大学教授の上山信一氏の存在を欠かすことができません。

正論6月号で文芸批評家の新保祐司氏と拓殖大学大学院教授の遠藤浩一氏が、『橋下ブームと「ヒットラアと悪魔」』というテーマで対談しました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120525/bks12052516260000-n1.htm

これに対して、マッキンゼー出身の上山氏は「マッキンゼーは経営分析のプロで事業リストラが仕事」と反論し、政治思想と無縁であるような反論をしています。

しかし、橋下氏ら大阪維新の会の発言からナチスのヒトラーを連想してしまうのは、上山信一氏の政治思想が議会制民主主義政治の廃止を目指すものだからです。

大阪維新の会の目指すところは、政治は独裁主義、経済は市場原理主義という、国家でしょう。

■上山信一
月刊「正論」相変わらずの誇大妄想の橋下維新批判の文化人対談。マッキンゼーは経営分析のプロで事業リストラが仕事。学者二人、広告代理店と経営コンサルの区別もついてないくせにえらそうにウソばっかし。【月刊正論】対談 橋下ブームhttp://sankei.jp.msn.com/life/news/1205
https://twitter.com/ShinichiUeyama/statuses/207148638999289856?tw_i=207148638999289856&tw_e=details&tw_p=tweetembed

■上山先生にしごかれる〜SFC「公共政策」で講義しました〜
ワークショップのテーマは、「民主主義のフィクション性について考える」。
ここでいうフィクション性には2つの意味があります。
ひとつは、民主主義の「1人1票の原則」を「全員参加」「全員平等」のシステムと【みなす】ことで、民主主義の結果に正当性を持たせること。
もうひとつは、民主主義では、少数意見の切り捨てが起こったり、経済力がなければ選挙に出れないといった様々な問題があり、「全員参加」と「全員平等」というのは【建前】に過ぎないということ。
シンプルですが、この【みなし】と【建前】がいかにバランスするかが民主主義の本質です。【みなし】が成立しなければ民主主義はワークしないけど、それは【建前】なので、さまざまな矛盾が出てくる。それにどう向き合っていくかを考える。
小、中、高校では民主主義の【みなし】の部分しか教えてくれません。民主主義は平等を実現する最高の政治システムだという思い込みをアンラーニングするのが授業の狙いでした。
http://coolgovernance.blogspot.jp/2012/05/sfc.html

■上山信一「財政赤字と環境問題 ――レガシーコスト問題と議会制民主主義の限界」
若者には2票を与える
現代の議会制民主主義は、多数決という市場競争原理のアナロジーで解決する仕組みだ。
http://www.actiblog.com/ueyama/159063

■これからの「民主主義」の話をしよう(上)(中)(下)
戦後の日本社会では「民主主義」、「民主的」であることはずっと「良いこと」とされてきた。だが、本当に民主主義を極めたら日本人は幸せになれるのか。
今や民主主義と資本主義はともに行き詰まっている。そろそろ日本独自の処方箋を考える時期にきているのではないか。
http://www.actiblog.com/ueyama/208235

中国は本当に“非民主的”か?「中国は非民主的で日米欧は民主的」という私たちの常識も、所詮(しょせん)は相対的な差に過ぎないという気がしてくる。
人心を一つにするための何か新しい原理を探索しなければならない。中国には現実に人民を植民地から開放して豊かにしてきた共産党があり、イスラム諸国には普遍的なアラーの教えがある。これに匹敵する何か宗教的な理念が必要だ。
http://www.actiblog.com/ueyama/212512

民意との乖離が激しい「代議制」
民意と議会のねじれを少しでも補正する方法が考えられないか。
第1は住民投票である。
第2には政策案のすべてを議会の審議に委ねず、むしろ専門家による討議を重視する方法がある。かつての「経済財政諮問会議」はそうだった。
第3には世論調査の精度を上げ、その結果を広く公表する。そこから間接的に政府や議員に影響を与える方法がある。
http://www.actiblog.com/ueyama/218094


05. 2012年6月03日 09:45:32 : VhK1jjNIwQ
橋下を選んだ大阪市民も大阪市民だが石原慎太郎を選んだ東京都民も東京都民である。

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