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「経団連が消費税増税に賛成なもう一つの理由」に見られるカン違い:輸出戻し税廃止が増収にならないと考えてしまう“罠”
http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/401.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 7 月 02 日 17:29:51: Mo7ApAlflbQ6s
 


 gikou89さんが投稿された「特集〜消費税増税は必要ない!経団連が消費税増税に賛成なもう一つの理由マネーガイドJP中小企業から大企業への所得移転」(http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/372.html)での消費税に関する説明に疑義があるので指摘したい。

 まず、「マネーガイドJP」はインフレターゲット論を掲げるサイトで、インフレターゲット論はともかく、消費税増税のみならず消費税の廃止まで訴えているので高く評価させていただく。(私自身はインフレターゲット論者ではない)
 消費税を廃止するためには、多くの人々が消費税に関する理解を共有するようにならねばならないと考えているので、同じゴールをめざす“友軍”として問題点を指摘したい。


 消費税を廃止する近道は、「輸出戻し税」制度の廃止ではないかと考えている。

 なぜなら、「輸出戻し税」制度を廃止すれば、経団連加盟主要企業=グローバル企業にとって、消費税制度がメリットからデメリットへと一気に転換するからである。
 そうなれば、経団連は、消費税増税に賛成するどころか、消費税そのものの廃止を主張するようにさえなる可能性がある。

 「輸出戻し税」とは、免税(税率0%)の輸出取引に要した仕入分まで、「仕入にかかわる消費税額」を控除することで生じる「消費税還付金」である。
 これまで何度も書いてきたように、この「消費税還付金」は、巧妙な仕掛けと口先のゴマカシに支えられて、なんと政府自らが行う詐欺である。

 消費税の廃止をめざす人は、経団連を筆頭とする消費税増税推進派の急所を突くことになる「輸出戻し税」を正しく問題視し、声を上げなければならないと思う。


【引用】
「勘違いしてはいけないのは、国が支払った輸出戻し税の5万円は、下請け企業を経由して、最終的には消費税として国庫に戻ります。一部の人は「輸出戻し税を廃止して国の財源に当てるべき」と言ってますが、それは認識違いです。お金の流れが正常であれば、別に誰も得したり損したりする訳ではないのです。だから廃止しても、国の財源は増えないのです。」


【コメント】

● 「輸出戻し税」を撤廃すれば、消費税税収は増加する。

「マネーガイドJP」は、「輸出戻し税」の廃止に関して、「お金の流れが正常であれば、別に誰も得したり損したりする訳ではないです。だから廃止しても、国の財源は増えないのです」と説明している。

 このような論は、消費税に関する公式的解説でも多用され、輸出戻し税を正当化する説明手法ともなっている。
「マネーガイドJP」は、そのような公式見解に囚われてしまったカン違いから、誤った判断をしているように思える。

 カン違いしていると思われる部分は、「勘違いしてはいけないのは、国が支払った輸出戻し税の5万円は、下請け企業を経由して、最終的には消費税として国庫に戻ります」と説明しているところである。

 このカン違いは、消費税問題を考えたり論議をしたりするときに、もっとも引っかかりやすいところでもある。

 簡単な話だが、「国が支払った輸出戻し税の5万円は、下請け企業を経由して、最終的には消費税として国庫に戻ります」という説明は、「輸出戻し税」を「廃止しても、国の財源は増えない」という主張とは直接的にはつながっておらず、そう主張できる根拠にはまったくなっていない。

 なぜなら、輸出戻し税が廃止されたら、“新たに”、輸出企業の「国内課税売上にかかわる消費税額−国内課税売上に要した仕入にかかわる消費税額」の消費税納付義務が発生するからである。

 輸出企業が消費税を納付するようになったからと言って、仕入れ先事業者(下請け企業)の消費税は、納付不要になったり、還付されるわけではない。そのまま国庫に入ったままである。
 ということは、制度があれば「輸出戻し税の5万円」に使われたはずの消費税も国庫に残った状態で、輸出企業が納付した国内課税売上絡みの消費税が、国庫のその上に乗せられることになる。

 結論を言えば、輸出戻し税制度を廃止すると、輸出企業の「国内課税売上にかかわる消費税額−国内課税売上に要した仕入にかかわる消費税額」の消費税額が、国(中央政府&地方自治体)の財源として増加することになる。

※ 経緯をわかりやすくするためには、「国の財源は増えない」とする根拠となっている部分は、“国が支払う輸出戻し税の5万円は、下請け企業が納付した消費税の一部も原資になっている”という説明としたほうがいい。下請け企業の納付消費税、そのまた先の仕入先の納付消費税・・・という流れで、輸出戻し税の5万円は、納付された消費税として国庫に入ったものと暫定的に考えることはできる。


 さらに、「国が支払った輸出戻し税の5万円は、下請け企業を経由して、最終的には消費税として国庫に戻ります」という説明も、輸出企業が“負担したとみなされる消費税”ですべて賄いきれるわけではないので問題を含んでいる。

 トヨタ自動車と新日鉄は、ともに消費税の還付を受けているグローバル企業である。(10年度推定での「消費税還付金」はトヨタ2246億円・新日鉄346億円)

 トヨタは新日鉄から自動車用薄型鋼板を大量に仕入れている。その仕入でトヨタが新日鉄に“支払ったとみなされる”消費税は、新日鉄も消費税還付を受けていることからわかるように、トヨタが新日鉄に支払ったとみなされる消費税は国庫に入ることがない。
 新日鉄の仕入れ先は?という話になると、新日鉄の問題であり、トヨタとは直接の関係はない。


 

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コメント
 
01. あっしら 2012年7月02日 19:11:52 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

【補足】

● 「輸出戻し税」を撤廃すれば、消費税税収は増加する。

 「輸出戻し税」廃止後の説明として、輸出企業の国内課税売上に絡む消費税納付を前面に出すぎたため、わかりにくいものになったと反省しています。

 国庫に残っているとか云々ではなく、もっとシンプルに、「輸出戻し税」を廃止すると、まずは、納付された消費税の一部が「消費税還付金」として使われなくなることにより、消費税税収は増加すると説明すべきでした。


02. 2012年7月04日 22:22:00 : rqyDMFsDmQ
「輸出戻し税の廃止」って、そもそもそんな制度はないのに、具体的には現行消費税制の何をどう変えるのですか?

03. 2012年7月11日 17:54:56 : V902y5EZe2
社民党の福島の秘書にこれを言ったら、逆ギレされた。国会での福島の発言と秘書(非常に高圧的で短気な女性秘書)に認識が違うからかも知れないが、国会で取り上げている議員でさえ、この程度の認識レベルなのかと愕然とし、失望させられた。自分の認識と違うことを指摘されて相当腹が立ったようだ。非常に攻撃的な言葉と高圧的な対応で、市民からの意見や要望を窺う、という態度ではなかった。

もちろん、田中康夫氏などは違うだろうけどね。田中氏の事務所にもかけたことがあるが、オファーがなければ、公にテレビや雑誌などで発言する機会も得られないということだった。

マスコミを介さずに、広く知らしめる方法がないものか。

阿修羅に参加している人の多くは「輸出戻し税」の存在は知っているだろうが、有権者の全体の割合で見ると、知っている人達は少数派だろうと思う。テレビなどは一切取り上げず伝えていない。多くの人の投票行動に影響を与えないように、財界への配慮と消費税増税後の青写真に従い、ひた隠しにしているようだ。

しかし、郵政選挙の際の「年次改革要望書」の存在などもそうだったが、「輸出戻し税」も、リアルタイムに国民・有権者に広く知らしめるべき「キーワード」の1つだと思う。自公政権時代の経団連の政策提言と、見返りを得る為の莫大な献金も合わせて暴露すべきだろう。こちらもいまだに知らないという有権者が多過ぎる。

移民受け入れ政策、つまり海外から安価な労働力を入れられるように法整備しろと、或いは雇用体系を会社側に都合よく非正規雇用を普及しろと要求していたのも、経団連(グローバル企業群)。消費税増税は恐らくその先の布石となるだろう。


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