この事件は戦後最大級の政治弾圧事件であり、小沢氏や小沢派だけ
向けられた弾圧ではなく、日本と全世界の民主主義勢力に向けて
放たれた「威嚇」です。

米国が発展途上国などで度々行ってきた暗殺などの直接暴力による
弾圧ではなく、今回は、先進国＝偽装民主主義国＝型の弾圧であり、
あくまでも合法性の範囲内で、あらゆる手法と、あらゆる敵側の機関
（検察やマスゴミ）を総動員した弾圧です。

小沢氏は政権奪取直前の党の党首であり、政権奪取後も党を二分する勢力
のリーダーでしたが、政権党から離脱せざるを得ない情況に追い込まれた
ので、残念ながら、小沢氏は決定的な敗北はしていませんが、第一ラウンド
は敗北です。

●しかし、小沢氏は驚異的なねばり腰でまだ生き延びています。今回の政治
謀略と、それに対する小沢氏の戦いの顛末は必ず全世界の民主主義勢力に
伝わり、米国支配と戦う勢力に教訓を与えることになるでしょう。

そうした世界的な意味でも、また、小沢氏が最終的な勝利を得るためにも、
小沢派は率直に敗北を認め、３年前の弾圧以来の経緯を冷静に総括して、
教訓を得なければならないと思います。

その点で、一番大きな反省点は、小沢氏と小沢派は、今回の冤罪事件が
単なる謀略ではなく、従米派勢力による政権交代を阻止するための謀略的
であることを、国民にも、民主党内の他派にも認めさせる努力が弱かった
と思います。

小沢氏は戦後の日本が事実上米国の「半植民地」であったこと、陰謀の背後
には米国の良からぬ勢力がいることを暴露し、この事件は真の独立を目指す
勢力に対する謀略的な政治弾圧事件であることをアピールすべきでした。

そして、民主党内の他派にも同調を求め、同調しない者は、小沢派が排除
されたように、民主党から排除するくらいの強硬な姿勢を打ち出し、小沢氏
は党首を辞任せずに、正面突破を目指すべきだったのではないでしょうか。

そうすれば、確かに鳩山派さえもが小沢氏から距離を置こうとするかもしれず、
政権交代も起きずに、自公政権が生き延びたかもしれませんが、多くの国民が
真相を知ることになり、熱烈に小沢氏を支持するようになったでしょう。

また、小沢派がマスゴミを、あからさまに「売国勢力の手先」と批判すれば、
マスゴミは怒りを倍増させるでしょうが、一方で疑いをかけられれば、そう
ではないと反論をしなければならなくなりますし、この致命的な「疑い」が
国民に広まらないように、慎重な、抑制的報道姿勢を採るようになります。

また、元々米国に批判的な社共を支持するような護憲の左派系文化人や
リベラル系文化人が小沢氏の主張に同調すれば、彼らを信頼する多くの
活動的市民も、小沢氏を支持した可能性があります。

特に社共は、票田である市民活動家やその支持者たちが小沢氏を支持
すれば、本音（小選挙区制導入での恨み）はともかくとして、あからさま
には小沢氏を批判しにくくなります。

●ところが、首相に就任する可能性があった小沢氏は、おそらく政権
樹立後の日米関係を心配して、事件の真相までは暴露しませんでした。

また、小沢氏や小沢派議員は、全国各地で街頭演説会を開催するなど
の行動で、直接国民に訴えると共に、国民からの質問にも徹底的に
答えるような反撃もしませんでした。

焦点の小沢氏が街頭演説会を行えば、開催された地域の地方紙は、
小沢氏に批判的な論調の記事を掲載しても、同時に、小沢氏側の主張
も読者に伝えることになります。（まだ、ネットだけでは不十分です）

小沢氏は、国会での反論を戦術的に避け、また、街頭演説会のような場で、
一般の国民の疑問に直接答えることもしなかったので、大多数の国民には、
今までの汚職政治家と同様に、逃げ回っているかのような印象を与えて
しまったと思います。

その結果、あの事件は、今までに何度も起きた一連の政治腐敗事件と同じ
であると解釈されることにもなり、敵側の「特捜神話」や「マスゴミ神話」
も酷く傷つきましたが、小沢氏が民主党を離脱したので、これらの「神話」
を徹底的に利用した敵側が勝ちました。

つまり、小沢氏は国民に、あの事件が単なる「冤罪事件かどうか」ではなく、
「政治謀略事件かどうか」という問題として提起すべきでした。

●こうした総括を踏まえ、小沢新党は「国民の生活が第一」＝「反消費税」
・「反TPP]・「反原発」＝だけでなく、「官僚支配からの脱却」とは、
実は「従米派官僚支配からの脱却」であることを訴えるべきです。

そうすることで、次の選挙を、「自・公・民主の従米派」対「対米対等外交派
＝日本独立派」という真の構図での選挙に変え、「日本独立派」の「オリーブ
の木」＝「統一戦線」を形成して戦えば、確実に生き残れるだけでなく、
場合によっては勝利することすら夢ではないでしょう。

また、「米国の半植民地・日本」という日本の真の姿を暴露しなければ、
多くの国民には今回の謀略事件は、到底理解することはできません。

大多数の国民は小沢氏を「汚職金権政治家」と見なしたままで、つまり
敵側が設定した構図で選挙を戦う羽目になってしまいますので、小沢氏は
生き残るために、日米関係の真の姿を暴露し、「従米派官僚支配からの
脱却」という新スローガンを掲げて戦うべきです。

日米同盟を維持するしかない米国は、誰であっても勝者を認め、受け
入れるでしょう。

主旨は理解できますし、ほぼ同感ではありますが、
疑問点もあり、（気に触るかも知れませんが）異論がある部分について
あえて述べさせて頂きます。

＞また、元々米国に批判的な社共を支持するような護憲の左派系文化人や
＞リベラル系文化人が小沢氏の主張に同調すれば〜　以下への感想。

憲法第9条と日米安保は一対のものとして、安全保障上
機能していると考えるならば、護憲は即ち、日米安保の維持に
他なりません。しかし左派系文化人たちは
こうした本質的な問題に向き合っているのでしょうか。
彼らの言う平和とは、経済発展を国家の最優先課題とし
対米外交は低姿勢で行う（=対米追従）として国家の方針を
定めた1950年代の吉田茂の吉田ドクトリンの都合の
いい面からしか見た平和ではないですか。つまり、その実は対米追従派と
瓜二つなんじゃないですか。違いますか？

私は憲法第9条と日米安保を当面維持するしかないと
考えていますが、この枠内に留まり、尚かつ対米自立という
ことを考えるならば、安全保障に関わる日本独自の情報収集、戦略的思考、
危機管理、政策遂行、そして日米同盟を前提とした
部分的な自主防衛をやっていくしかないと思う。
※日本は断じて軍事大国への道を歩むべきではないが、自国の
安全保障の基盤を構築した上でないと、自立した外交姿勢もとれない。

また新政研の東祥三氏などは憲法改正論者ですが、以下のように述べています。
「集団的自衛権は自然権」「いつまで入り口論にとどまっているのか」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120413/plc12041300200000-n1.htm
９条１項は残す。現行の２項は「日本に軍隊を持たせない」と書いてある。
つまり国連憲章の「敵国条項」と同じだ。これは断固として削除し
「自衛のために自衛隊を使うことができる」とすべきだろう。
そして３項として国際の平和と安全のため自衛隊を派遣することを新設する。
自衛隊という名称を陸海空軍を有する「国防軍」にするのもいいだろう。
ただし、国の軍隊と位置づけるならば、軍法会議、捕虜の扱い、死者への顕
彰−という部分も整備しなければならない。

本当に対米追従から脱して、日本が米国から自立することを考えるならば
こうした議論を深めることが不可欠なのですが、左派系文化人とか
リベラル系文化人とかは大丈夫ですか？　とても信用できませんが。
左派にも意識の改革が必要だと思います。

０３の母系社会です。

コメントありがとうございます。

０３は、今回の小沢派の離脱と新党結成は、小沢派にとっては、
残念ながら敗北と捉えるべき事態であり、陰謀を仕掛けた側は、
「特捜神話」や「マスゴミ神話」が崩壊するなど、予想外の事態
があったにせよ、おおむね狙い通りに、小沢氏の政権党内の有力
な首相候補という地位を奪うことに成功したので、小沢派は
約５０名の議員からなる新党を結成できる見込みがついたにせよ、
これまでの経緯については、厳しい総括が必要という趣旨で書い
ています。

ですから、０３は日本の安全保障政策の有り方とか、護憲派
の安全保障政策がテーマではないのですが、青鴉さんは護憲派
の考え方を誤解していると思いますので、その点だけ触れて
おきます。

●私の理解する護憲派の安全保障政策は、日本自体は非武装
になり、実際の防衛は米軍に肩代わりしてもらうというような
構想ではありません。

バチカンのような特殊な国を侵略する意図を持つ国など、世界
にはありませんから、要するに、日本もバチカンのような、誰も
侵略しようとしないような特殊な国になれば良いわけです。

それが、日本が人類史上初の、完全な非武装国家になることで
達成されるのです。

戦争や軍隊の廃絶は人類の理想であることは誰でも認めること
ですから、日本が人類史上初の完全な非武装国家になれば、日本は、
市民革命を起こしたフランスやイギリスなどと同じく、人類史的
レベルでの偉業を達成した国となり、世界中の子供が学校で、
日本の偉業を学ぶことになります。すると、やがて全人類は日本を
侵略するのは＜絶対悪＞であると思うようになるでしょう。

その結果、日本もバチカンのように、誰も侵略する意図を持たない
特殊な価値を持つ国となるでしょう。

要するに、軍を持つ「普通の国」になるという政策目標（理想）
が実現しても、その理想状態の日本は、同じ軍を持つ他国からの
軍事侵攻に脅える国ですから、そのような侵略されかねない
国になろうとする政策は、「愚の骨頂」の政策だと思います。

●既に、世界には人口４００万弱のコスタリカに代表されるような
２７もの非武装国家がありますし、歴史的には、中国の軍事力で
防衛し、事実上、軍隊を保有していなかったチベットや、日本が
植民地化して潰した琉球王国など、事実上の非武装国家もありま
したが、残念ながら、これまでの大半の非武装国家は、共同防衛
条約を結び、防衛を他国に依存してきました。

しかし、日本の護憲派の構想は、他国の軍隊を利用して防衛しよう
という構想ではなく、逆に、周囲の全ての国と平和条約（相互不可
侵条約）を結び、そうした条約の締結を前提に、日本を非武装国家化
する構想です。

出来れば全ての国が参加する世界的な平和条約が望ましいわけ
ですが、さしあたり、ロシアやアメリカの参加も必要ですが、
全東アジア諸国が参加する平和条約の締結を目指すと思います。

具体的には、一方的軍縮政策を採用すること、非武装国家を目指す
ことを世界に宣言し、実際に、毎年軍事費と米軍基地を少しづつ、
一方的に削減して、東アジアの軍事的緊張を和らげ、平和条約の締結
を強く働きかけるわけです。

そして、削減した軍事費の一部で、日本は非武装国家になることを
世界中に、徹底的に宣伝し、自国の非武装化だけでなく、自国政府
が日本に武力侵攻しようとしたら反対する平和団体を世界中で組織
します。

非武装になると、一方で情報能力が非常に大切に成るので、日本は
世界一の情報大国にならなければなりません。日本に向けられた陰謀
をいち早く把握して暴露することで国際世論を喚起し、日本を守るの
です。

こうした団体が、日本に自国の秘密情報を通報してくれる世界的な
人的ネットワークとして機能してくれるでしょう。

ですから、護憲派は日米安保にも反対しているのです。