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反対を貫き通す頑なさがなければ変革できない (植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/12/senkyo133/msg/116.html
投稿者 祈り 日時 2012 年 7 月 15 日 12:13:57: HSKePa2Cm.aPs
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/post-c234.html
2012年7月15日 (日)
反対を貫き通す頑なさがなければ変革できない


審議会の手法というものがある。

審議会で議論をしたように見せかけて、実は、事務局が用意した原案をそのまま承認させるというものだ。

このとき審議会は何の役割を持つか。

事務局が用意した原案を実行する「正統性」の根拠を確保することがその狙いだ。

しかし、よく考えてみると、この手法は本末転倒であることがわかる。

そもそも建て前としての審議会とは、各界の有識者が集まり、知識、見識、良識を出し合って、優れた提案を創出することが本来の狙いだ。

事務局は、自分たちでは最高の提案をすることができないから、各界の有識者に検討を依頼する。審議会は、審議会としてのベストな案を創出することを本来は求められているはずだ。

しかし、現実は違う。

役所という事務局が初めから結論を持っており、この原案を審議会を使って承認させるのである。

これが審議会の現実である。


「政治主導」、「国民主導」という言葉がよく使われる。

どのような現実を前提に置いてこの言葉が使われているのか。

それは言うまでもない。

「官僚主導」に対して「政治主導」、「国民主導」が叫ばれている。

日本の政治が、制度的には国民主権、議会制民主主義を基本に置いているとされながら、現実には官僚に主導権があり、官僚がすべてを決めてしまう「官僚主権」の構造にあることが問題とされている。

この官僚主導、官僚主権構造の淵源は古い。

明治維新で明治政府は「太政官制(だじょうかん)」と呼ばれる政体を創設した。天皇を頂点とする、天皇の官吏が日本を支配する政治制度を構築した。

この制度は、律令時代の「太政官制(だいじょうかんせい)」を模倣したものである。天皇中心の政治制度を構築するうえで、古く律令時代の政治制度を復活させたのだ。

実際には、戦前の文官高等試験を合格した高級官吏が天皇の官吏として支配権をもって政治を運用した。

戦前の官僚には「支配者」の地位が付与されていた。

第二次大戦後、日本の民主化が実行され、主権在民が定められ、公務員は「全体の奉仕者」とされることになった。

public servantという位置付けに変更されたことになった。

ところが、現実は異なる。

戦後も、官僚は日本の支配者として振る舞い、官僚自身が日本の支配者としての意識を持ったまま現在に至っている。


その最大の理由は、戦前の高等文官試験が上級公務員試験として温存されたことにある。

少数採用の上級公務員、第一種公務員制度が高文試験を引き継ぎ、官僚による政治支配が維持されてしまった。

審議会は官僚が決めた原案を通すために開催される。

審議会には表面的には反対側の論者もメンバーとして採用される。

表面的には多種多様な意見が提示される体裁を整えるのだ。

しかし、反対派論者として、本格的な強い論者は採用されない。

本格的な論者を採用すれば、審議会の議論がこの人物に引っ張られてしまうからだ。

審議会でもっとも重要なことは、官僚の言いなりになる、高い肩書を持つ委員を座長とすることだ。これが、いわゆる「御用学者」である。

官僚は官僚の言いなりになるという意味で「御用学者」を重用する。

「御用学者」は「御用学者」になることにより、大学での地位を高め、社会的にも経済的にも恩恵を受けられることになる。


話が長くなった。

結局、いまの日本政治は、この「官僚主導」からまったく抜けられていないのだ。

「審議会」の手法でもっとも重要なことは次の点だ。

審議会では反対意見の表出を認める。反対側に位置する委員は、事務局原案に反対意見を提示する。これを「ガス抜き」という。

しかし、原案は変えない。どれほど批判意見が出されても、原案は変えない。毎回、審議会の最後は、「今日のご議論を踏まえて事務局が案を練り直して次回会合にご提示させていただきます」の言葉で締め括られる。

ところが、次回会合で原案が変更されることはほとんどない。

原案をほとんど変えずに何度でも提示する。その度ごとに反対意見が表出される。しかし、原案を変えない。

これを繰り返すうちに、反対意見を述べることを躊躇せざるを得ない「空気」が醸成される。

ここがポイントである。

本来は反対意見が正論であっても、事務局が原案を押し通す行為を続けることによって、この原案成立やむなしの空気が作り出されるのだ。

そうなると状況が変わるのは、「正論」を述べることが、「ものわかりの悪い変わり者」である空気が醸成されることだ。


日本人特有の「事なかれ主義」、「長いものには巻かれろ」、「寄らば大樹」の心理が影響しているのだろう。

いま論じられているシロアリ増税=シロアリ退治なき消費増税についても、まったく同じ手法が採られている。

「シロアリを退治しないで消費税をあげるのはおかしい」と明言した野田佳彦氏の消費増税提案は、100%間違っている。

公約違反も明確である。

この提案を国会で押し通す前に総選挙で民意を問うべきことは当然だ。


・・・・・  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2012年7月15日 12:34:57 : EiB4f7Czjn
審議会は、官僚の原案に賛成する人間が多数になるように官僚の事務局が人選する

ので、結論ありきでただdue processの形を整えているだけに過ぎないアリバイ作りの場だ。


02. 2012年7月15日 12:54:20 : 8hk0duzcU2
教えてほしいのですが。

>審議会は、官僚の原案に賛成する人間が多数になるように官僚の事務局が人選するので、結論ありきでただdue processの形を整えているだけに過ぎないアリバイ作りの場だ。

審議会の委員の人選には政治家(大臣、副大臣、政務官)は関与しないということですか??
人選の権限があるなら、最終は政治家の責任になるけど どうなるのですか。


03. 2012年7月15日 13:11:53 : tJ3zvOuvag
>>02

>>http://site.jfn.co.jp/owjtue/blog/entry/8334
>>http://site.jfn.co.jp/owjtue/blog/entry/8374

これを聴いてまだ何か反論があるなら、どうぞこちらで開陳してください。

総評するなら国会議員出の大臣というのは、結局官僚に踊らされる人形
だということです。国民は審議会制度から改革していかなければ、この
国を変えることはできないということですかね。


04. 2012年7月15日 13:13:13 : EiB4f7Czjn

>02さま

私も確実なことはわかりませんが、政治家が特定の人間を審議会委員に送り込むことはできないはずです。審議会の中立性の観点から、政府審議会の委員の選定基準があり、その中で知見や専門性から選任することになると思いますが、その過程は非公開といわれているようです。要するに、各省庁が都合の良い御用学者や評論家をトラック一杯の屁理屈を付けて原案を答申するように審議会を構成しているとおもいます。官僚の力の源泉でもあるのがこのような不明瞭な裁量権もその一つでしょう。


05. 2012年7月15日 13:37:44 : tJ3zvOuvag
>>03
自己レス。参照先リンク切れ。(恥ず)

再参照、NO.29 NO.30です。


06. 2012年7月15日 13:40:28 : tJ3zvOuvag
>>05

再度 事故レス。

>>http://itunes.apple.com/jp/podcast/onzau-ei-janaru/id299303677

参照先 NO.29 NO.30


07. 2012年7月15日 13:55:05 : rWmc8odQao
「反対を貫き通す頑なさがなければ変革できない」
「本来は反対意見が正論であっても、事務局が原案を押し通す行為を続けることによって、この原案成立やむなしの空気が作り出されるのだ。「正論」を述べることが、「ものわかりの悪い変わり者」である空気が醸成されることだ。」

無理が通れば道理が引っ込む、ですね。
賛成です。別なコトバで言っている方もおられます。

木内孝胤氏
「やめた僕がいいますが、信念とか政策とか選挙などしがらみがありすぎて普通の人はやめられない。やめた人が変人の部類」
https://twitter.com/takatanekiuchi/status/224348595451723776

(「」つきにしておくけど)「普通」じゃない人めがけて、「普通」の人たちは容赦なく罵声を浴びせます。そういうことをしても自分の身に火の粉が降りかかることがないからです。
だから、社会がおかしくても、付和雷同して、あるいはおかしいことに薄々気づいていても、「おかしくない」と自分を説得して、「正常」である立場にしがみつきます。

でも誰かが「おかしいものは、おかしい」と言わないと社会は腐敗していきます。一旦腐ると修復がたいへんです(もうだいぶ日本は腐敗していると思うけど)。
だからこれ以上腐敗しないうちに根本から変えていきましょう。

植草氏、がんばってください。応援しております。


08. 2012年7月15日 14:03:56 : 8hk0duzcU2
04さま有難うございます。

>審議会の中立性の観点から、政府審議会の委員の選定基準があり、その中で知見や専門性から選任する

選定案の稟議書を政務官や大臣にまわさないのですかねえ。
委員選定に政治家(政府)が関与できないなら大問題ですよね。


09. 2012年7月15日 15:54:23 : KUKknG7sHA
役人の本当に逆らったら刑事被告人となり有罪にされる実例を見てまだわからないのか。

10. 2012年7月15日 16:09:59 : qUSkGme5LY
時太山リンチ事件、滋賀の恐喝・暴行被害に合った中学生の自殺、印刷所従業員のガン死続発、原発事故での避難勧告の遅れ。
全部同じ体質。隠蔽体質を持った官僚主義者の包囲網を壊すのは難しいですね。
彼らは何重にも仕掛けをして組織防衛・抵抗するでしょうから。
最後は結局全部隠し切れずにどうしようもなくなってバレる訳ですが、その頃には手遅れになる。
その前に官僚の仕掛け・隠蔽体質を壊したいものですね。

11. okonomono 2012年7月15日 16:28:13 : ufgCmUGS6CG6M : l0huI9fNsI
植草さんだって、こんな記事を書いている場合ではないだろう。
お呼びはかからないのかな。

12. 2012年7月15日 17:42:20 : rWmc8odQao
株式会社アサツー ディ・ケイが作成した資源エネルギー庁発注の工作員マニュアル(と言われているもの)
https://docs.google.com/file/d/0B68f83tqq7QuUGgzbTlqQmRSWS1ZWndrZlN6UTA3UQ/edit?pli=1

森摂氏
「こんなしょうもない報告書50ページで7000万円とは詐欺まがい」
https://twitter.com/setsumori/status/224418806590738432

「Twitter」「掲示板」「検索サイト」の情報を元に分析されているのですね。特殊表現事例・隠語「危険厨」「安全厨」「原子力不安院」「放射脳」…
世の中って面白いです。


13. 2012年7月15日 22:47:10 : CmCYYkxLWY
頑なさだけではだめだ。
政治技術的な面も問われる。
具体例としていえば、「世論調査」のことだ。
主権在民と日本国憲法にうたわれていても、日本国民は、世論調査を国民を欺き騙しまくる既得権貪りまくっている糞ゴキブリマスゴミがやっていることに、誰も何も言わない。あまりにも愚か過ぎだ。世論調査の如何によって世論の動向は左右される。政治への影響は」大だ。そんな大事なことを、ぬけぬけと厚かましく国民をだましまくる糞ゴキブリマスゴミがやっていることに誰も何も言わない。こんな情けない国民はどこを探してもない。
これでは、到底主権在民は具現化できない。
少しでも主権在民を具現化していこうとするなら、政治技術的なことではあるが、「世論調査」国民に入ればれた人たちで組織された第3者機関しか行えないということを法制化すべきである。
このことを法制化しようとする政党並びに政治家が現れたら、日本の民主化は一歩前進するであろう。
小沢君、国民の生活が第一の諸君、まずはこのことを頑張りたまえ!!!

14. 2012年7月15日 22:59:09 : MfQ9Sig9Og

>少しでも主権在民を具現化していこうとするなら、政治技術的なことではあるが、「世論調査」国民に入ればれた人たちで組織された第3者機関しか行えないということを法制化すべきである。


変な日本語になってしまった。訂正します。お詫び申し上げます。

少しでも主権在民を具現化していこうとするなら、政治技術的なことではあるが、「世論調査」は国民から選ばれた人たちで組織された第3者機関しか行えないということを法制化すべきである。

これは日本国民が日本国の政治に臨む上で、とても大切なインフラ整備とでも言えよう・・・・。この深い意味を、植草先生はじめ、阿修羅のファンの皆様さらには善良な日本国民の皆様方、どうかご理解お願いいたします。


15. 2012年7月15日 23:30:45 : 4sM56f8YHU
連続コメントで失礼いたします。

次に日本国民は、政治に臨む上でやらなければならないインフラ整備がある。

それは国民のための公共放送とはとても言い難いNHKのことである。

NHKは他の民放より少しはましな番組を作ることもあるが、殊、中央の政治報道部だけは許しがたいものがある。偏向オンパレードで、あまりにも醜く過ぎる。ニュース9や30分以上のニュース番組、さらには日曜討論などの政治討論番組、クローズアップ現代など政治報道部の息がかかっている番組は、到底公共放送とは言い難いものがある。

これを止揚していくためには、NHKから政治報道部を追い出すことである。繰り返す。NHKから政治報道部を追い出すことである。これを国民運動としておこない、法制化していくことである。つまりNHKは一切喝采政治報道並びに関連する報道は、政治的中立を守るためにも、行ってはならないという法律を早急に作ることだ。NHKの政治報道部は視聴率最悪の民放局にさせるべきである。


16. 2012年7月16日 16:45:57 : nQPAO1hzzU
<11>さんへ
なにもわかっていないお方ですな。
それは何に起因するかと考えたが、読解力不足としか思い当たらない。
もっと読解力を磨いて参加してください。

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