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小沢一郎代表が「原発ゼロ」に挑戦しているのに野田佳彦首相は「現状維持」の「無気力首相」に堕落している
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2012年08月07日 板垣 英憲（いたがき えいけん）「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆米空軍機エノラゲイが１９４５年８月６日午前８時１５分、広島市に原爆を投下して、一瞬のうちに市民、軍人軍属、米軍捕虜などを火炎地獄に陥れ、この年の暮れまでに約１４万人が死亡してから６７年が経過した。
平和記念公園で開催された平和記念式典で、松井一実市長が平和宣言し、核兵器廃絶の決意を訴え、あいさつに立った野田佳彦首相も、「核兵器のない世界」の重要性を力説していた。けれども、第３次世界大戦（イスラエルとイランの核戦争、パキスタンとインドの核戦争、インドと中国の核戦争、朝鮮半島核戦争）が危ぶまれているうえに、アタッシュケースに入れた小型核爆弾が日本を含めて世界各国に拡散していると言われている現在、松井一実市長の平和宣言と野田佳彦首相のあいさつが、緊迫感がなく虚しく響いていた。
とりわけ野田佳彦首相のあいさつには、「誠の心」がなく、空念仏に聞こえた。多くの国民を落胆させたのは、これからの日本の原発政策に触れた次の行であった。
「脱原発依存の基本方針の下、中長期的に国民が安心できるエネルギー構成の確立を目指します」
国民の生活が第１党の小沢一郎代表が、基本政策の１つとして「１０年後をメドに原発ゼロにする」という急進的政策を打ち出しているのと比べると、野田佳彦首相はいかにも現状維持的であり、第２のプロメティウス（不死の神）と言われている「原子力発電」を「ゼロ」にするエネルギー確立に憤然として立ち向かい「文明史を塗り変える」という決意も意気込みも感じられなかった。「無気力首相」に堕落していると言うほかない。
◆野田佳彦首相くらい、「民意」というものに鈍感な首相は、極めて稀である。それもそのはずだ。どじょうは泥の中にもぐっているのだから、民意の声が聞こえるわけがない。そのうえ、「鈍感さ」は、「図々しさ」となって表れているのだから、始末に悪い。内閣支持率が「３０％」を割れば、恥ずかしくてとても政権を維持できなくなるものだが、この「羞恥心なき首相」は、恥も外聞もなく、政権にしがみつき、政権に恋々としている。
とっくに「３０％」割っていた野田佳彦内閣の支持率が、ついに「２２％」にまで下落し、「１０％台」に突入するは、もはや時間の問題となってきた。
朝日新聞デジタルは8月5日午後１１時44分、「内閣支持率２２％ 発足以来最低 朝日新聞世論調査」という見出しをつけて以下のように報じた。
「朝日新聞社が４、５日に実施した全国定例世論調査（電話）によると、野田内閣の支持率は前回７月調査の２５％から２２％に下がり、発足以来最低となった。不支持率は５８％（前回５８％）だった。世論調査―質問と回答〈８月４、５日実施〉
２０３０年の原発依存度について、野田政権が示した三つの選択肢のうちどれが望ましいかと聞くと、『０％』が４３％となり、前回（４２％）に続いて最多になった。『１５％』は３１％（同２９％）、『２０から２５％』は１１％（同１５％）。原子力発電に対する政府の安全対策を信頼していない人は、『あまり』『まったく』を合わせて７９％に上る。この層では最多の５０％が依存度『０％』を選び、安全対策を信頼している層は４３％が依存度『１５％』を望ましいと答えた。自然エネルギーを電力として『大いに期待する』は２９％、「ある程度期待する」が５４％。自然エネへの期待が高いほど脱原発を求める傾向がうかがえる。原発の将来や今後のエネルギー政策に関する議論を新聞やテレビなどで『気にして見ている』は６０％、『それほどでもない』は３６％。しかし、国民的議論が「十分行われている』はわずか１０％で、『足りない』が８１％に達した。
◇《調査方法》 ４、５の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日ＲＤＤ」方式で、全国の有権者を対象に調査した（福島県の一部を除く）。世帯用と判明した番号は２８２１件、有効回答は１５４０人。回答率５５％」
野田佳彦首相と側近たちは、菅直人前首相が「小沢一郎を排除すれば、内閣支持率は浮揚する」と「小沢切り神話」にとらわれて、その果てに、逆効果を招き、政権を放棄せざるを得なくなったのをすっかり忘れて、いままた前車の轍を踏もうとしている。
すなわち、「小沢切り」をして「スッキリした」と小躍りして、祝杯を上げていたのは束の間のことだった。ベットリと返り血を浴びて、自分たちの方が、「国民有権者から切られハメになっている」のだ。小賢しいことを考えるから、こんなことになる。
本日の「板垣英憲（いたがきえいけん）情報局」
小沢一郎代表と小泉純一郎元首相が動かす政界「夏の陣」、野田佳彦首相と谷垣禎一総裁の２人のグズな政治家は、どう決断するのか？
◆〔特別情報①〕
小沢一郎代表が、野党７党で野田佳彦内閣不信任決議案を提出する政局のなかで、自民党の谷垣禎一総裁は、どう決断するのか。公家集団派閥「宏池会」（創設者＝池田勇人元首相）で育った文字通り「公家＝麿」的政治家である。この人物が、果たして背中に昇龍の刺青のある正真正銘の博徒出身だった祖父・小泉又次郎元郵政相（濱口雄幸内閣）に幼少から育てられて丁半博打の腕を磨いた小泉純一郎元首相のような真似ができるであろうか。
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