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城島氏（右）と岸田氏（中）、漆原氏による国対委員長会談。驚くべき会話が明らかになった＝８日、国会内
これが３党“解散密約”の全貌だ！実は“密約文書”ある
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120814/plt1208141800006-n1.htm
2012.08.14 夕刊フジ
★鈴木哲夫の核心リポート
永田町で「解散密約文書」の存在が取り沙汰されている。野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁は８日夜、消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法案の成立と引き換えに、「近いうちに信を問う」ことで合意したが、解散・総選挙の時期などについて記した「紙」があるという見方だ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が、民主、自民、公明３党が水面下で進めた、解散密約の全貌に迫った。
「増税法案成立後、近いうちに国民に信を問う」
３党の党首会談では、こう確認された。どうみても曖昧な決着だ。永田町では、口約束など簡単に反故（ほご）にされる。解散権は野田首相にしかない。このため、申し合わせの裏には、必ず「解散密約の文書」、つまり「紙」があるという見方が支配的だ。
自民党の石原伸晃幹事長は「そこから先は、われわれが（谷垣氏や野田首相に）聞く話ではない」と話すが、同党のベテラン議員は「紙があるに違いない。近く解散すれば、紙は燃やしてしまう。紙の存在が表に出るとすれば、野田首相が解散をせず、嘘をついたときだ」と断言する。
「紙」を確信させる証拠がある。党首会談が行われた８日朝、最初の３党折衝は午前９時からの国対委員長会談だったが、そこで、いわゆる「密約文書」について話し合われていたのだ。実は、私（＝鈴木哲夫）は、この会談の詳しいやり取りを記したメモを、関係者から入手した。
公明党の漆原良夫国対委員長「文書を詰めなければならない。口頭で言った、言わないという話になってしまう。文書で残すということだ」
自民党の岸田文雄国対委員長「形あるものを詰めないとダメだ」
民主党の城島光力国対委員長「えらい作業だ」
漆原氏「ギリギリの作業だ。それぞれ党内を抱えながらになる」
岸田氏「ずっと表で行くのか、裏で行くのか」
漆原氏「裏だね」
岸田氏「全部表では持たない」
城島氏「持たないっすよ」
漆原氏「あとは水面下でやればいい」
城島氏「それはそうだ」
文書とは、増税法案成立と引き換えに、衆院解散をどう確約するかを明記する「紙」のこと。３党の国対委員長はこの作成で合意し、その作業は徹底して裏で進めることも申し合わせていたとみられる。作業の窓口についてはこうも交わされたという。
漆原氏「幹事長レベルでやるしかない」
城島氏「（こっちは）難しいね」
民主党の輿石東幹事長は「解散先延ばし論者」であり、城島氏は窓口としては不適任という認識を示したようだ。民主党側の窓口は、野田首相周辺とみていい。
《国対委員長会談の内容について、城島、岸田、漆原各事務所に問い合わせたところ、城島事務所は『事実とかけ離れている』と返答。岸田事務所は『議員と連絡が取れない』、漆原事務所は『特にコメントはない』と話している》
それにしても、３党折衝を主導したのはやはり公明党だった。そのあたりの事情を、同党の元参院議員が語る。
「公明党は、民主、自民両党だけで消費税増税や大連立が進むことを警戒して、修正協議に参加した。ところが、支持団体や支持者は増税に猛反発した。そこで、公明幹部が３カ月かけて増税の必要性を説明して、ようやく納得してもらった」
「そんなとき、今回の政局がおきた。いまさら、ちゃぶ台をひっくり返されたら、組織全体が大騒ぎになる。だから、『増税法案は成立させ、解散はその後で考える』とした。自民党は選挙で協力を得るためには、公明党の意向を無視できなかった」
背景としては、実に理解しやすい。解散を確約した「紙」の存在について、前出の自民党ベテラン議員はいう。
「野田首相も、谷垣氏も、来月には代表選と総裁選があり、『野田降ろし』『谷垣降ろし』が本格化しつつある。２人はそれぞれの選挙の前、つまり今国会会期中の解散で文言を交わしている可能性が高い」
ただ、野田首相は３党首会談後、「（密約は）ありません」と記者団に明言し、谷垣氏側近は「知っていたとしても言えない。ただ、会期は９月８日まである」と私に語った。
永田町は「お盆休戦」に突入しているが、「会期末解散、９月末〜１０月初旬投開票」が現実味を帯びてきた。
■すずき・てつお １９５８年生まれ。早大卒。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部などを経て、現在、日本ＢＳ放送報道局長。著書に「政党が操る選挙報道」（集英社新書）、「汚れ役」（講談社）など。
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