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「キャリア官僚だって人間」―30歳元キャリア官僚の語る霞ヶ関の実態 (BLOGOS)
http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/872.html
投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 10 月 29 日 18:58:05: ulZUCBWYQe7Lk
 

(回答先: 無謬の政治家の陥穽について (内田樹の研究室) 投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 10 月 29 日 17:17:58)

http://blogos.com/article/49085/?axis=&p=1
http://blogos.com/article/49085/?axis=&p=2
http://blogos.com/article/49085/?axis=&p=3
http://blogos.com/article/49085/?axis=&p=4

メディアでは批判対象になることが多い公務員。公務員の中でも最上位にある霞ヶ関のキャリア官僚は、今の自分たちの待遇や政治状況、メディアでの扱い方について、どのように考えているのだろうか。

今年3月、1人のキャリア官僚が自身の給与をブログで公開し、注目を集めた。このブログの筆者は、経済産業省の若手キャリア官僚である宇佐美典也氏。先日経済産業省を退官し、「30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと」を上梓したばかりの元キャリア官僚、宇佐美氏に話を聞いた。【取材・執筆:大谷広太、永田正行(BLOGOS編集部)】

ブログを始めて「プラスになったことはほとんどない」

―まずは著書を出された経緯をお聞かせください。

宇佐美典也氏(以下、宇佐美):経緯は単純で、ブログを読んだ出版社の方から「本を出してみないか」と声を掛けていただいたんです。経済産業省を退職する覚悟は決めていたので、官僚というキャリアを終えるのであれば、一つの区切りをつける意味で本を書くのも良いかな、と思って引き受けました。

―ブログを始めたり、情報発信を強化することによって、職場における周囲の反応が変わったりしたことはありましたか。

宇佐美:事前にコンプライアンス規定などを読みこんで、それに抵触しない範囲でブログを始めたこともあり、人事や広報部局からは一言「やり過ぎないように気をつけてね」と注意されたくらいでした。ただ総じて、職場においてブログを始めたことがプラスに作用したことはありませんでした。あまり具体的なことを言うと迷惑が掛かるので控えますが、「ブログなんて辞めろ」と圧力をかけてくる人もいました。逆に陰で応援してくれる人もたくさんいましたが。

—同期など年齢の近い官僚の方の反応は、どういったものでしたか。

宇佐美:全体の9割が応援の声でした。「よくぞ言ってくれた!」というメールをもらうことも多かったです。あとの1割は「調子に乗るな、やめろ」というようなネガティブな意見と「そんなことして大丈夫??」といった心配の声が半々でした。

―これは著書の中でも書かれていたのですが、私たちも同世代の官僚の働き方を見聞きしていると、残業も非常に多いですし、いわゆる” ブラック企業的”な働き方をしていると思います。メディアに叩かれながらも、そうした激務に耐えていけるのは「国の為」という志があると思うのですが、文字にしてしまうと「本当かよ」と思ってしまいます。宇佐美さんご自身は、そうした厳しい労働環境の中でどうやってモチベーションを保っていたのでしょうか。

宇佐美:仕事の魅力が大きかったので多少の無理も我慢できた、という面が大きかったです。官僚という仕事の魅力は、3点ほどあると私は思っています。

一つは仕事の大きさです。私が退官する直前まで携わっていた仕事では年間数十億、数百億という単位の研究開発資金の差配を担当していました。これだけの規模のお金を30歳で任されるということは、他の仕事でなかなかないでしょう。

もう一つは、法律や税制の仕組み作りなど直接的に”権力”に携われるということです。新しい制度を作る時は、一流の研究者や会社経営者など多くの優秀な方と議論する機会が得られますし、そうした知見を活用して法律にまとめあげていく作業は激務ではありましたが大変勉強にもなり結構楽しかったです。

さらに、交渉において国を代表する誇りを味わえることです。古いようですが日の丸を背負うというのはやはり日本人冥利に尽きるという部分がありました。

―国を代表するということは、逆にストレス要因にもなりえると思います。「こんなの俺みたいな若造が判断していいのか」というようなプレッシャーは日々の業務の中であるのでしょうか。

宇佐美:ありましたね。一例を挙げると半導体業界の国家プロジェクトの再編を担当していた時には重圧で、食事が喉を通らず「なんで俺がこんな損な役回りをこなさなきゃいけないんだよ、嫌になっちゃうよ」というのが口癖になっていました。

そのときは、官民折半で研究開発費として200億円調達する枠組み作りを担当していました。企業側に100億円調達してもらわなければならないのですが、当然一社で100億円すべてを出すのは難しいので様々な調整が必要となりました。十社以上にのぼる企業の間でどのように資金を分担させるか、また外国企業と日本企業の間で知財活用ルールについて、どのように差を設けるかといった点に頭を悩ませていました。一方で政府側としても国会で予算が承認されるまでは「100億出す!」と完全には言い切れない。財務省も当然渋い顔をする。そういう状況であっても、プロジェクトで注力すべき研究開発領域もつめていなかければならない。日々ギリギリの調整でした。

—辞めるにあたって、引き止めなどはあったのでしょうか。

宇佐美:ありがたいことに、辞職の意向を人事に伝えた当初から引き止めてもらえました。自分がスタンドプレーをしていることは重々感じていたので、変なことを言うようですが、引き止めてもらえて正直嬉しかったです。「経済産業省も度量が広いな」と感じました。

メディアに登場する元官僚は霞ヶ関では「芸人枠」

—官僚というと、メディア的には悪役になることが多いと思います。経済産業省というと、今原発問題の黒幕のような書かれ方をしますし、財務省の勝栄二郎前次官といえば消費税増税を推し進める大悪党といった取り上げ方がされていました。こうしたメディアにおける官僚悪玉論について、霞ヶ関内部の人間は、どのように感じているのでしょうか?

宇佐美:あくまで私個人の見方ですが、大手メディアの官僚批判については“ビジネスなんだからしょうがない”と割り切っています。わかりやすい敵・悪い奴がいたほうが、出版物も売りやすいということなんでしょう。それに何となくマスコミが官僚を褒め称えるよりも、批判した方が世の中として健全だと思いますしね。

その意味では、私はマスコミの方々がしばしば「自分たちは社会の公器である」という風に主張することには強い違和感を感じています。大切なのは報道の自由であって、大手新聞社やテレビ局自体が大事なわけではまったくない。新聞もテレビも株式会社であり儲かるために記事や番組を作っているに過ぎないんじゃないでしょうか。だったら法律を犯していない以上、儲ける為に彼らが何をしようが彼らの勝手だと思っています。

ただマスコミに限らず官僚に関する報道一般に対して疑問を感じる点は確かにあります。本音を言えば、組織としての取材はともかく、人に対する取材においては官僚についても一般企業と同じ基準でして欲しいんですよ。新聞が一般企業を取り上げる場合、普通成功した人に焦点を当てますよね。例えば、躍進している企業の経営者や画期的な製品開発をした人などです。逆に変な報道をしたら名誉毀損で訴えられます。

それが官庁の場合、極論やトンチンカンな主張をして組織を飛び出した人がヒーローに仕立て上げられてしまう。典型的なのは古賀茂明さんで、あの人は官僚社会で決して大きな成果を上げたわけではないんですよ。「自分の理想に溺れて公務員制度改革に失敗したドン・キホーテ」。それが官僚社会における古賀さんの現実です。彼がその後やったことは非常に政治的で民主主義社会における官僚の役割をはるかに超えたものです。失敗者に焦点を当てると、悪い例をいい例と世の中の人は見なしてしまいますから、それだけはやめてほしいと思います。

—古賀茂明氏、高橋洋一氏といった元官僚の方は霞ヶ関を批判することが多いですよね。

宇佐美:彼らはそれが生活の糧ですからね。霞ヶ関がまともなことをしたら困っちゃうわけですよ。彼らが日々の収入を得る為には霞ヶ関は悪の権化でなければならないわけです。本来取り上げられるべきなのはそういったトリックスターたちではなくて、こつこつと官僚機構内で立派に成果を上げている人なのではないでしょうか。

例えば経済産業省でレアメタルの対策をしていた人たちです。彼らは平成17年の時点で、いつか必ずレアメタル危機がくると予測していました。そこで民間企業や関係省庁を集めて、レアメタルの使用状況を細かく分析してリスク評価をしています。そして、リデュース・リユース・リサイクルという枠組みで戦略を策定して、5年間に渡って準備を進めていました。そういう対策をしてきたからこそ、レアメタル危機であれだけ中国が強気にきても、それほど大きな問題にならなかった

こうしたレアメタル対策を仕切ってきた担当者は古賀さんとほぼ同じ年次ですが、その人はまったくメディアに取り上げられない。ちょっとおかしいんじゃないかと思わざるを得ないですよね。本当は、普通の人には見えない努力の成果を発掘して伝えることも報道機関の役割だと思うんですが、残念ながら今の報道機関の多くはそういった隠れた成果を発掘する努力をしませんよね。

—官僚も当然人間ですから、批判ばかりだとモチベーションも低下してしまうと。

宇佐美:おっしゃる通りです。全体としての官僚機構を批判することで権力の監視をしつつ、成果を上げた個々人は正当に評価する、というのが本来の報道のあり方だと思うんですよ。今は、全体を批判して、失敗した個人を褒めるという状況になっている。その上「○○省が〜という悪企みをしている」なんていう陰謀論がまことしやかに世間にながされるので、真面目に仕事すれば、メディア的には悪い奴の一員です。

給与も下がる、批判も受ける、組織から去った人がヒーロー扱いされている、官僚も人間ですからそういう状況ではモチベーションが保てませんよね。メディアに取り上げられて陰謀論を流している人は、基本的に官僚としての能力・実力がなかった人たちなんですよね。繰り返しになりますが、そういう人たちを有識者としてフィーチャーして、本質的な論点を伝える努力を怠るのは報道の本来の姿なのかということは、常々疑問に思っていました。

—「官僚としての」能力ですね。

宇佐美:そうですね。少し回りくどいですが、官僚が立案すべき政策というもののあり方について説明します。

物事に対して政治家が戦略レベルで一定の方針を決めたとします。これを政見と呼びますが、その政見を具体的なアクションに落とし込む戦術レベルの政策を立案するのが官僚の役割です。ただどんな政策を展開するにあたっても、必ず障害が生じます。

例えば、よく古賀さんが、「農業を再編するためには農家を保護せずに、もっと潰れるべき農家は潰すべし」と主張しています。しかし当然農家を潰したら失業者がたくさん生まれる。そうした失業者たち、例えば30〜40年間農業一筋でやってきた50代、60代の人達に対して、「あなたは明日から成長産業に移ってください」と言ってもそれは無理でしょう。残念ながら成長産業側が、「なぜ数十年間農業をやってきた人を我々が雇わなきゃならないのか」とお断りしてしまいます。

仮に古賀さんが「農家はもっと潰すべき」という主張をするなら、その結果路頭に迷う人の救済が円滑に進むような仕組みを併せて提案することを政策というんです。そうした仕組みを自分で考えつかないから、「それができないのは農水省が利権を手放さないからだ」といって陰謀論を唱える。そういう陰謀論者をメディアで取り上げるのは、本当はいいことではないと思うんですよ。

私は、古賀さんや高橋さんは、自分たちが体験した政策決定過程を世間にしらしめた点においては、大変価値があると思います。何故なら政策の決定過程というものを国民は知る権利があるし、それは民主主義が健全に機能する為にはとても重要なことだと思うんです。ただそれ以上のことを言うのは、おかしいと思うんですよ。政策提案能力が低いから官僚を辞めたんですから。「あなたたちはドロップアウトしたんでしょ?そんな人がテレビに出て何を偉そうなこと言ってるの??」と思います。彼らは有識者ではなく芸人の枠で捉えてほしい。芸人としてはアドリブも効くし視聴者を楽しませるし一流だと思います。

—それはある程度、霞が関の共通認識なんでしょうか。「彼らは所詮ドロップアウトした芸人枠だから」のように、どこか冷ややかに見ているんですか。

宇佐美:非常に冷ややかですね。なんでも強引に陰謀論や天下り批判に持ち込んで、そんな悪いことをしている官庁から脱した俺たちは正義の味方、という論法を毎回繰り返すので私も官僚時代はテレビの前で「また天下りか!」とツッコんでいました(笑)。

—政局報道では、「霞が関関係者」といった形で官僚のコメントが出てくることがありますよね。例えば、「あの政治家は馬鹿だから我々は…」みたいな。

宇佐美:「霞が関ではこんなことが言われている」という類の記事は、誇張はありますが7割くらいは本当だと思います。残念ながら実際に大臣としての資質が伴わない人もいますから、そういう記事が上がってきた時はむしろありがたいですよね。変な人が大臣で居続けるのは国民にとって不幸ですから。

民主党になって良くなったことは、「ほとんどない」

—やはり法令作成など基本的なスキルに関してはどう考えても官僚のほうに一日の長がある。であれば、政治家に求められるのは、大きな方向性を示すことだという理解でいるのですが、官僚と政治家の関係というのは、そういう理解で問題ないでしょうか?

宇佐美:そうです。方針を示してくれると動きやすいですね。

—であれば、政治家が方針を示さないから、業務が進まないといった事態を経験したことがありますか?

宇佐美:私は直接仕事で深く携わったことはないので詳しいことはわかりませんが、民主党政権下において、ある経済産業大臣は「聞いていないぞ大臣」と呼ばれていたようです。自ら方針を示さないにもかかわらず、政策の実現に向けて動きを進めると「オレは聞いていないぞ」とすぐに怒っていたようです。当時官房にいた同期は悩んでいました。でも経済産業省はしっかりした人が大臣になる傾向が強いと思います。

また、他省庁ですが長妻(長妻昭・元厚生労働大臣)さんは圧倒的に評判が悪かったですね。聞くところによると朝のワイドショーの司会者やコメンテーターのコメント次第で指示をコロコロ変えるといったことがあったようです。当時は厚労省の友人に会うと、長妻さんに対する愚痴ばかり出てくるという状態でした。それはそれで、ある意味頑張ったというか凄いことですよね。

-そうした視点で言うと、よく「自民党から民主党になって官僚の使い方が下手になったからダメなんだ」といった意見がありますが、そうした実感はありましたか。

宇佐美:民主党は、政治家と官僚の役割分担というものを、ちゃんと考えていなかったと思います。考えてはいたけれど的外れだった、というのが正確な表現かも知れません。だから政官の関係について民主党政権に代わって良くなった点をあげるのはとても難しいですね。ただ一つ確実に言えるとしたら、事業仕分け等を通じて天下りOBとの不透明な関係がある程度精算されたということは、とてもよいことだったと思います。

-宇佐美さんから見て、大臣、政治家が果たすべき役割というのはどのようなものでしょうか。

宇佐美:官僚機構も基本的には会社機構と変わりません。大企業の事業部門長が現場の業務にあれこれ口を出すのはおかしいでしょう。サラリーマンが自分の所属する部署の部門長には期待するのは、他の部門や他企業との交渉といった部分だと思います。

それと同じで省を代表して、一元的に意志決定できる人というのは、大臣しかいません。ですから大きな方針の確定や他の省庁・他国政府との連携といった部分が、本来政治家に期待される役割だと思います。民主党政権はそれとは逆で、大臣や副大臣や政務官が省庁内部の細かい意志決定に関わろうとした結果、大きな国際戦略の議論や外との関係が軽んじられていくことになってしまいました。その結果、縦割りでガラパゴスになってしまった、というのが民主党政権の特徴だと思いますね。

—やはり、ご自身の経験を通して、政策、法案づくりについては官僚が最もよく知ってるという自負があるのでしょうか。

宇佐美:そうですね。それは能力の問題というより専門的な細かい知識や政治背景はその業務に専念する担当者でないと把握できない、ということだと思います。一つの省庁で政治家は5人程度ですが、官僚は数百人・数千人いますからね。ある法律の改正にあたって、そもそもどのような経緯でその法律が作られ、個別の条文・規制に関してどのような法学的論点があって、それがどのような既得権益と関係していて、一方でこういう主張があって…という複雑な事情は担当者以外知りようがありません。政治の根本は権力闘争ですから、そうした事情を理解しない生半可な知識で練られた政策決定は結果として機能しませんよね。マニフェストが破綻した理由もその辺にあるのではないでしょうか。

―例えば年金問題でも、賦課方式から積立方式にすべきだ、という議論がありますが、その制度変更には相応のコストが必要ですから、そこを抜きにした提言というのは霞ヶ関の人間からするとナンセンスということでしょうか?

宇佐美:「賦課方式から積立方式にすべきだ」というのは、政策ではないんですよ。会社に例えるなら、「柱となる事業を、製品づくりからシステムづくりに変えるべきだ」と言っているのと同じで、具体的な政策提言ではない。

―メディアでは、そうした「政策提言」が多いように思います。

宇佐美:そうですね。原発論議でも「脱原発すべきだ」というのは、政策じゃないんですよ。「どうやって脱原発すべきか」というテーマについて、経済界も市民も技術者も参加して議論できる枠組みを考えて、具体的なロードマップを作り上げてこそ政策です。

官僚の人材流出は危機感を持つべきレベルになっている

―昔前は、「官僚は超トップエリート」というイメージでしたが、現在では「官僚の質が落ちてきている」という言説も耳にします。上や下の世代を見ていて、宇佐美さんにそうした実感はありましたか。

宇佐美:全体を議論できるほど世の中が見えているわけではないので、事例を上げます。私より5歳ほど上の先輩で、「このポストに行けば確実に出世する」というような花形ポジションにいた人が外資系金融機関に引きぬかれました。出世確定のポジションにいる人が、「日本の未来に希望が見えない」といって辞めてしまう、これは結構衝撃的なことです。

私の同期にもいましたが、突然燃え尽きて辞めていく優秀な若手が増えており、それは組織として危機感を覚えるレベルです。一昔前なら辞めていくのはあくまで亜流派の人だったんですが。

―よく公費で海外留学して、帰ってきた人がそのまま退職してしまうといった報道もありますが、そういう報道を見ると、「タダで行けてやった!」といって、逃げるようにやめていくように見えてしまうんですけど。

宇佐美:これは言いづらいのですが、公費で留学するような人は、官僚でない他のキャリアを選んでいたとしてもきっと留学できているんですよ。僕の同期であれば、ゴールドマン・サックスやマッキンゼーの内定と経産省を比較するような人間です。彼らは別に外資系コンサルというキャリアを選んでいても留学できているはずです。ですから別に、初めからタダで留学できることを目的に入ってきていない。

そういう人たちは常に魅力的な職場から「うちに来ないか?」といった誘いがあるわけで、今の霞ヶ関はエリート層に取ってモチベーションを維持できるような職場環境ではない。問題の本質はそこなんじゃないでしょうか。「やる気がないのに残れ」というのも違うでしょう。やる気がないのに残ったら、それこそ税金泥棒です。それくらいだったら外に出るほうがいいと思いますね。

―では官僚のモチベーションを支えるには、どうしたらいいのでしょうか。お金で報いることは現状では難しいでしょう。かといって、みんながみんな国のためという思いだけでは続かないのも現実です。仕組みとして、官僚のモチベーションを維持することはできるのでしょうか。

宇佐美:公正な報道や評価がキーポイントだと思います。自分が頑張った成果を、メディアが公正に取り上げて世間に評価してもらえるのであれば、それはモチベーションにつながるでしょう。しかし、何をしても批判されたら当然やる気なくなりますよね。

人のモチベーションは、お金だけではありません。私がブログで給料を公開したのは、自分の給与が低いと思っているからではありません。「俺たちも給料減らされれば辛いし、政治に不満を持っていたり、ももクロ応援したり、酒飲んだりする普通の人間なんだぜ」ってことなんですよ。メディアでは官僚はそれこそ妖怪みたいに扱われている。「妖怪財務官僚」「妖怪外務官僚」「妖怪経産官僚」みたいな感じになってしまっていますから。

―「官僚は世間知らずだからもっと民間の血を入れるべきだ」という言説もありますが、官民交流などは、もっと積極的にやるべきだとは思いますか?

宇佐美:官民交流に関しては、大企業との間ではあまりすべきではないと思います。何故なら、既得権益を強めるからです。ベンチャー企業や人材が不足している企業への出向を推進すべきと個人的には思っています。これだけ赤字国債が積上るとこれからは、ビジネスを通じて社会問題を解決するという方向に全省庁が移行せざるを得ない。その時官庁とベンチャー企業が連携して、新たなソーシャルビジネスを生み出していくエコシステムを作る為の手段として官民交流を位置づけるべきだと思います。そこで企画された事業に対して、補助金を出すのもいいでしょうし、最終的にそういう会社に” 天下り”するということがあってもよいと思います。

―そもそも官僚という一部のエリートが国を引っ張っていくという国の在り方そのものに疑問を呈すこともできると思います。法律関係の知識は専門家にある程度任せるにしても、やっぱり一部のエリートに任せっきりの政治でいいのか、という言説もあると思うのですが、この点については、どのようにお考えですか?

宇佐美:これは自民党時代を含めて言えることですが、少なくとも私が入省してから官僚に政治を任せっぱなしにしていた政権というのはありません。 特に小泉政権時代は完全に官邸主導でした。経済財政諮問会議で毎年「骨太の方針」という方針が出され、そこに記載された政策は優先的に実施されるということが制度化していました。だから官僚機構はどうやって諮問会議の委員を説得して、骨太の方針に政策を取り上げてもらうか、ということに日夜奔走していたんです。政治主導の一つの形だったと思いますよ。

あえて「官僚主導」というとしたら、今この瞬間だけです。それは政治がまともに機能しないから、官僚が自分で判断せざるを得ないことが増えてきているというのが実情なのではないでしょうか。

民主主義において生まれた政治状況は国民の「自己責任」

―そうした状況で官僚機構の業務がストップすると、私たちの日常社会にはどんな影響が出てくるのでしょうか?

宇佐美:「今」がまさにそういう状態です。政治が動いていないから、現在は官僚機構もまともに動いていない。大事なことが何も決められない状態。これがもしあと半年くらい続いたら大変なことです。財源が40兆円不足しているので、年金の支給が止まります。医療保険も止まるでしょうし、地方交付税も配分されないので自治体によるごみ収集がなくなるといったことも考えられるでしょう。

―そういう日常のインフラレベルの問題が起きる。

宇佐美:そうです。それこそ現在のギリシャやイタリアのような状態になる。官僚機構が止まる=行政サービスに支障が出るということですから、自分が困っても誰も救ってくれない状態になります。例えば失業や怪我により収入がなくなった場合に備え、生活保護や失業保険といったセフティーネットがありますが、そうした制度が止まれば、「あなたは仕事が無いんですか。じゃあ死んでください」といった状態になってしまう。

―そうした行政の仕事の役割や意義よりも、批判の方が大きく取り上げられることが多いと思います。

宇佐美:そこは学校教育の問題というよりは、報道の問題だと思います。日本に欠けている点は、義務教育というよりも社会教育ではないでしょうか。「今現在の政治状況は国民自らが生み出したものであり、それを誰かのせいにするな」ということです。民主主義というのは、世の中が良くなることをまったく保証していない。よくなろうが、悪くなろうが、その責任は国民に帰するように制度設計されている。報道機関には、その原則をきちんと伝えることを貫いて欲しいんです。前回の選挙で民主党議員を選んだのは、まさに国民自身です。別にそれが良いとも悪いとも思いません。ただ、その結果としての現状は自己責任であるというだけです。

―確かに政治批判というのは、少なからず「天に唾する」という部分はあるでしょう。

宇佐美:陰謀論で民主主義の原則を曲げるような報道が多すぎると思っています。よく消費増税で「財務省が裏で糸を引いている…」というようなことが言われていますが、報道されている時点で陰謀とはとても言えませんよね。意思決定しているのは政治家なんです、やっぱり。財務省は根回しやブレーンを勤めているだけです。そもそも「本当の陰謀」というものがあるなれば、そんなものは外に出ません。

例えば、レアメタルやメタンハイドレードといった海底資源に対して、アメリカや中国など、いろんな国から圧力がかかっていると思うのですが、そうした圧力の実態を知っているのは、経済産業省の中でも本当にごく一部の人間です。私も全然分からない。それはほとんど表沙汰にはなりません。こういう世界で行われていることを本当の” 陰謀”というのではないでしょうか。

―とはいえ、官僚機構に問題があるのも事実だと思います。今後、どのような改革が必要だと思いますか。

宇佐美:本にも書いたのですが、組織のミッションと世の中の問題がずれてきた結果、官僚機構の歪みが大きくなってきていると感じています。経済産業省のミッションは、「経済の発展」となっているのですが、「本当にそういう時代なのか」と官僚時代から疑問に思っていました。経済成長自体を目標にするより、経済を通して何か社会課題を解決するといった方向に転換するべきと個人的には思っています。

農水省も、「食料自給率の向上」を目標に掲げていますが、「それ本当にできるの?」という部分がある。であれば、食料の安全保障といった観点から考えた方がよいのではないでしょうか?例えば、日本の農業生産技術は非常に素晴らしいので、日本の農業技術を東アジア諸国に移転して安全な食料を輸入できるような協定を結べたら、WIN−WINの関係が成立します。日本は中国産の危険な野菜を食べなくて済みますし、発展途上国にしてみれば新たな産業が生まれるわけです、それで何がいけないんでしょうか?

このように、そろそろ組織のミッションを見直して、省庁再編をすべきだと思います。それは官僚にできることではない。政治家にしかできないことです。本来政治家はこういう官僚にはできない大きな問題を中心に取り扱ってほしい。

―これからはまた新たなキャリアを積んでいくことになると思うのですが、今後得るであろう知識や経験が、霞ヶ関でも生かせるのであれば、その時はまた官僚に戻ろうという思いはありますか。

宇佐美:私のように一度辞めた人間が重要なポストにつくというのは、内部の人間に対して失礼だと思います。ただ、私が今後のキャリアの中で特殊な知識をつけて、その特殊な知識を霞ヶ関が求めているとなれば、それはもう喜んで行きます。

―最後に、同世代の官僚、あるいは官僚を目指していこうみたいな若い世代に向けて、メッセージはありますか?

宇佐美:官僚を目指す人に対して言いたいことは、「官僚はあくまで黒子である」ということです。黒子として日本のために働くことにやりがいを感じる人にとっては最高の職場だと思います。仕事の内容は面白いですし、社会的な意義も大きいです。ただ世間から認めてもらうとか、お金がほしい、といった個人的欲求はなかなか満たされません。人生に何を求めるかを改めて自分に問うて、覚悟を決めた上で官僚になってほしいと思います。応援しています。

―本日はありがとうございました。

宇佐美典也(うさみ のりや):1981年、東京生まれ。東京大学法学部を経て経済産業省へ入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しなどを担当。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)への出向を経て退官。


 
 

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コメント
 
01. 2012年10月29日 19:26:14 : GDBQOvIvVq
「官僚だって人間」という言い方にものすごい異和感を覚える。
「ホームレスだって人間」という抗議ならわかる。かれらは人間扱いされていなからだ。
しかし「官僚だって人間」というのはいったい何をさしているのか?
ひょっとして官僚は人間以上とでも思っているのではないか?
批判されるのは人間離れしているほど優秀だからだとでも?
いやはや、傲慢にもほどがある。

02. 2012年10月29日 19:43:36 : VbWAbFllIA
まあシロアリが何を言っても無駄。
日本がこれだけ衰退したのはすべてシロアリ達の責任だ。
官僚=シロアリは自分が日本の支配者という考えを変えない限り
日本はもう終わりだろう。あと20年で勝負がつくはず。


03. 2012年10月29日 20:52:47 : oLYPlmPKz6
 
 最高裁長官とか検事総長とか財務省事務次官とかのいわゆる高級官僚は
 『天下り』を絶対にしてはいけません。

 何故なら、最高の仕事をされて来たはずです。このような方達が『天下り』
 をするから、俺も俺もと部下達がまねをする。

 しまいには、警察官までパチンコ産業や美容整形等に入り込もうとする。
 これは職業選択の自由とはちがいます。

 これは単なるシロアリの増殖です。


04. 2012年10月29日 21:10:14 : GDBQOvIvVq
2の投稿者ですがやはりそうかというおもいです。
「天くだり」ねえ。w
つまり「天上」から「下界」へさがる。w
こいつら人間じゃなく天上にいる人種だとでも思ってやがるんだ。w

05. 2012年10月29日 21:13:41 : Bj0bye0kQY
30歳と言っても濃い8年間の実務経験があるし、それを通したある程度の識見はあるだろう。

インタビュー内容から天下りに肯定的ではないし30歳ではシロアリ化していない働きアリだったんじゃないかな。

シロアリ退治をどうするかは政治(国民と代議士)が考えるべきことで、当の役人達に退治しろという話ではないから元役人が記事で語っているところを虚心坦懐に聞くのもいいんじゃないの。記事にも出ている古賀某などより本人はキョシンタンカイに語っていると思うけどね。


06. 2012年10月29日 21:43:04 : mP5tGcCmYI
古賀氏についての件だが、あの小泉前首相の秘書官だった飯島氏が全く同じ事を言ってたね。「もともと人の上に立てる器じゃなかった」と。
スタンドプレーが多かったという意味なのだろうか。よく分からないが一応は実際に見ての評なのかもしれない。
しかしこの人物からすると古賀氏は親の代に当たる位なんだが、
実際に一緒に働いて人物も見た上での評価なのか?
古賀氏は実際に自分の手で天下り法人の一つを潰したという大変な実績もあるんだが、ご存知ですか?
ともあれキャリア官僚も確かに人間だろう。少なくともこの人は、だ。
しかし相当の部分、特に法務・警察・財務官僚となると殆ど全ては
どう考えても人間とは思えないんだが。
人間性を捨てなければやっていられないだろう。

07. 2012年10月29日 21:52:17 : esmsVHFkrM

こいつ何を思い上がっているのか。

長時間役所にいるのはだらだら働いているのと普通の国民にはわかりにくくするために制度を異常に複雑にしたために自縄自縛に陥っているからだろう。それをえらそうにいかにも献身的に働いているようなふりをしやがって。

そもそも議論の中にあの異常に増殖した外郭団体の話とそこへの天下りが出てこないのはどういうわけなんだ。日本政治の根本的な問題は、官僚がその所属官庁の所掌下の政策課題について常に自分たちの利権を拡大増殖するように勝手に解決し、それを政治家に飲ませる(おこぼれを政治家に撒いてやる)ことで、それだから今のような亡国の事態(無駄なダムや堰で国土はズタズタ、それでいて国際競争力皆無の港湾と空港、原発で放射能汚染と被爆、処理の当てのないまま放射性廃棄物が山積み、過剰な規制と複雑怪奇な制度で起業は窒息で既存産業は壊滅、労働分配率の低下と増税で国民は窮乏化、それでいて年金と社会福祉は崩壊、その挙句に財政赤字が1000兆円ときたもんだ)に陥っていることだろう。

そんなことには一切触れず、そのような官僚政治を批判す元官僚は裏切り者だから絶対に許さないと怨念からの批判か。「メディアに取り上げられて陰謀論を流している人は、基本的に官僚としての能力・実力がなかった人たちなんですよね」とは、お前たちの基準(官僚利権の拡大と増殖)ではそうだということに過ぎない。まともな人間はまったく違った方向(国益とか国民の利益)に「能力・実力」を使うから、お前たちにとってはそのようなまともな人間は当然「基本的に官僚としての能力・実力がなかった人たち」で、古賀茂明は「自分の理想に溺れて公務員制度改革に失敗したドン・キホーテ」だ。

それが証拠には、古賀の「農業を再編するためには農家を保護せずに、もっと潰れるべき農家は潰すべし」との主張を例に古賀を批判しているが、それはもっともらしく聞こえるが実は嘘っぱちだ。「しかし当然農家を潰したら失業者がたくさん生まれる」とぬけぬけと言っているが本当か。古賀は日本の農家の大部分が兼業農家であるという事実を踏まえて言っている。古賀はこのような兼業農家を淘汰しろと言っているに過ぎない。それを兼業農家の過剰という日本農業の大問題を無視して古賀を批判して恥じない。恥じないのは官僚特有のごまかしの議論のゆえかとも思ったが、この元(!)産業経済省官僚はその無知と低能力ゆえに兼業農家の存在を知らないせいかも知れず、まあいずれにしても日本の官僚の程度というものはそういうものだ。

こいつはその給与明細をブログに公開して有名になったやつだが、そもそもその給与自体30歳のサラリーマンとしては決して低いとは言えない(月額支給額約46万円で、年収では棒給プラス地域加算の30.9万円が約4ヶ月分のボーナス(管理職加算ではない役職段階別加算があるはずだが不明なのでそれを入れないで123.6万円)を加えて約676万円(実際はそれ以上)だ)。今の日本は給与所得者の平均給与水準が300万円程度まで下がっているから立派な高給取りだ。こいつの話にはすぐゴールドマン・サックスやマッキンゼーが出てくるがそういう「現代資本主義のギャンブラー」と比較するから低所得だなどという世迷いごとが出てくるわけで、そんな世迷いごとを地方の零細企業で必死に働く日本の普通の勤労者の前で言えるものなら言ってみろ。

しかもこの給与は支給額だけの話であの恵まれた福利厚生や年金については口を拭っているし、役所が世話する天下り等の退職後の特権的な所得や待遇の話は一切ない。さらに言えば、私の東大の同級生で官僚になったやつがかつて私に向かって「給与外に金なんかいくらでも入ってくる」と豪語したが、官僚が普通に小遣い稼ぎにやっている講演や勉強会の講師、業界団体誌への寄稿などの話もまったく入っていない。

普通の国民がそんなことを知らないとなめてかかって平気で薄給だとアピールしている。給与以外の収入や役得や権力欲のためにせっせせっせと外郭団体を作ったり自分たちしかわからない異常に複雑怪奇な制度を作っているくせによくもぬけぬけとそんな口がきけたものだ。

この宇佐美典也とはそんな男で、こんなやつこそが典型的な官僚だ。

だから日本は官僚利権のために国力が衰え国民が貧窮化し滅びていくんだ。

官僚利権政府は必ず打倒されなければならない。


08. 2012年10月29日 22:17:35 : GGyIzCJ6dc
>>7

5ですが投稿記事が呼び水になったんでしょうけど、貴方のコメントのほうが元役人30歳のインタビュー内容より濃い。


09. 2012年10月30日 00:48:09 : NRRfKe6Oxw
長過ぎて途中までしか読めなかったけど、

30歳でこれだけの見識を述べられるのは、やはり優秀なんだと思う。

官僚悪人説でいくより、こうした優秀な人たちをどうしたら有益な方向に使えるかということを政治家がやらなければならない。民主党みたいに、悪人悪人といっても実は民主党が本当の大悪人だったというオチになりかねんよ。


10. 2012年10月30日 04:16:01 : VbWAbFllIA
>>09
この程度の人材なら世界には腐るほどいるだろう。
下らない見識よりも実行力を見せるべき。
欧米の若いベンチャー経営者を見習うべきだ。
このままではとにかく日本は終わる。

11. 2012年10月30日 09:55:20 : kTDFIJTzxc
阿修羅を見ていると、公務員バッシングが多いですね。
まあ、沢山貰ってる人は不満を書きませんからね。

霞ヶ関の人達は、民間に行けば倍の給料を貰える人達ですよ。
決して多いとは思えません。
仕事も多いです。(タクシー使って帰るのも解ります。)
天下りは、どうかなとは思いますが、同期の誰かが上に行くと残りが退職して天下りと言う慣例を無くさないとダメでしょう。
(民間なら、係長になると残りの同期は退職、課長になれば残りの係長は退職となっていく事になります)

大企業の友人は50代で年収1400万程です。
退職後の企業年金を含む年金額は、専業主婦の妻と合わせて 680万だそうです。
(多いなと言うと「企業年金の掛け金をどれだけ払って来たと思てんねん」とは言っていたが、)
もちろん、子会社でも働けます。
別の友人は、彼と私の年収を聞いて「お前ら聞いたら怒るから言えんわ」と言ってました。
これでも、官僚よりは遥かに低い能力です。

官僚の待遇が悪くなれば、能力の有る人は民間に行きます。(既に、その傾向が有ります。)
能力の有る官僚を上手く使わないと国家は回りません。

ただ、先の者を否定しない体質や一部の特権は、なくさないといけないですね。
(例えば、大使館に有る数百万円の絵画も数年で廃棄って、これは何処に行くの?)

真面目に働いている人は、シロアリ!シロアリ!と言われると遣る気を無くすと思います。

官僚に限らず、金を出さないと人材は集まらないと言う事を言いたいだけですが、


12. 2012年10月30日 10:18:30 : vLusivQ8jU
まず、「公正な評価」が欲しいなら、
ひとつの政策に関わった官僚名は、公表するべきだと思います。

しかし、インタビューの最後で、
「官僚はあくまでも黒子である」と言及されていることから、
「公正な評価」は受けてみたいが、
「責任」は問われたくない心情が見て取れます。

いまだ官僚の意識の中に、「主流」とか「亜流」とか存在するのであれば、
国家公務員試験は一本化して、
余計な特権意識を持たせないしくみも必要なのでしょう。


13. 2012年10月30日 13:00:03 : OWdgx2BhYY
>>7さん
ご賢察の通り、明解。
宇佐美典也氏の人間性、職務精励を疑わないが 思考はワンパターン。

この思考回路が日本を破滅に導いている。財界、大企業のお粗末ぶりは
タイ洪水、反日暴動の中国への日系進出企業の対応策を見れば判然とする。
近代史を学ばない日本の愚かさが”剥き出し”
愚かさで作られる銀行不良債権が税金で尻拭いされること、とシロアリの餌になる国家予算、税金の分配はすべて愚かな国民負担。
同根である。 日本が静かに衰退できるならまだ幸せ、外国人の家畜になる可能性も大である。


14. 2012年10月30日 15:57:31 : esmsVHFkrM

>>07ですが、

この期に及んでも官僚が優秀だとか官僚のやる気を殺ぐなというようなことをおっしゃっている方がおられるので、もう一言だけ。

「日本の官僚が優秀だ」というのは原発安全神話と同じ類の神話ですでに事実において破綻している。

「黒い猫であろうが白い猫であろうがねずみを取る猫は良い猫だ」。その人間が仕事において優秀かどうかはあくまで実績で測られるものだ。20代はじめの試験の成績が良かったからといって一生優秀扱いしてくれるようなおめでたい民間企業がどこにあるのか。ビジネスは戦争だから結果の白黒がはっきり出る。勝つやつが優秀で負けるやつは無能だ。この人間評価が甘くなれば企業は破滅だ(おかげで日本の大企業は現在緩やかに崩壊中だ)。

官僚の実績はどうか。結果は明白だ。

ダムや堰などの無駄なインフラでかつて美しかった日本の国土はズタズタだ。それでいて港湾と空港は国際競争力がなく今や韓国や中国に負けている。無駄な規制や複雑な制度のおかげで新規産業の出現は皆無なのに規制保護でぬるま湯の基幹産業はみな衰退して壊滅寸前だ。この狭い地震国に54機も原発を作ったから原発事故で国土は放射能汚染、国民は被爆、それでいてこの期におよんでも原発再稼動を譲らない。環境汚染や薬害で国民の命と健康は等閑視してきたが今度は終に放射能防護まで放棄だ。労働運動敵視で今や労働分配率は歴史的にも先進国中でも最低、おかげで一人当たりの国民所得は今や台湾にも抜かれて(オーストラリアやシンガポールは言うに及ばず)国民は貧窮化した。失業率は高まり若年層ではまともな職業に就ける日本人はごく一部だ。それでいて頼みの綱の年金も社会保障も無駄遣いとそもそもの制度設計の誤りのために崩壊寸前だ。余分な金などないはずなのに他国への財務経済援助には気前が良く、為替管理資金も湯水のごとき浪費だ。せっせと買い集めた米国債など絶対に売ることはできないから絵に描いた餅以下だ。これら一切合切を締めてなんと財政赤字が1000兆円越えときたもんだ。それで、自分たちが使える金が足りなくなったからと増税を主張して恥じない。

これじゃすぐに金をせびるヤク中の息子より始末が悪いじゃないか。

こんなことをしでかした人間たちのどこが優秀だと言うのか。これを無能と呼ばずして何を無能と呼ぶのか。

「官僚に限らず、金を出さないと人材は集まらないと言う事を言いたいだけですが」とのお言葉だが、それは嘘だ。日本人はいつから金を目的に働くようになったのか。日本人はそんな見下げたものじゃない。

人間が金を目的に仕事をするのであれば今頃日本人はみんな投資銀行家か為替ディーラーか経営コンサルタントになっている。ところがどっこいよくしたもので、ビールが好きだからビール会社に行く、車が好きだから車製造会社に行く、飛行機が好きだから航空会社に行く、海が好きだから漁師になる、自然と作物を育てることが好きだから農業をやる、病人が回復していくのを見るのが嬉しいから看護士になる、子供が好きだから教師や保母になる、人の喜ぶ顔を見るのが嬉しいからサービス業に就く、木の匂いと手触りが好きだから木工職人になる、機械いじりが好きだから整備工になる、というような立派な日本人がいっぱいいる。だから日本はもっている。ありがたいことだ。

まともな人間は金の多寡で自分の一生の仕事を選んでいるわけじゃない。金は無視できないとしてもやっぱり自分が好きな仕事、自分が社会に役立つ仕事を選んでいるんだ。

「官僚の待遇が悪くなれば、能力の有る人は民間に行きます」か。それは「能力」があるんじゃなくて「金に敏い」ということだ。そもそも官僚になるにあたって金や待遇のことばかり考えていて官僚という職業の喜びや意味や使命など歯牙にもかけていなかったということだ。そんな人間はどんどん辞めればいいんだ。そんな人間は日本国の主権者である国民が必要としない。代わりならいくらでもいる。そんな金の亡者ではなく日本社会と日本人の命と健康と幸福を第一に願い日本国と国民が一層繁栄して未来に続いていくことを願いそれを実現する能力を備えたまともな日本人はたくさんいる。

大事なことは志だ。まともな人間が職業を選ぶ動因は金ではなく志だ。人間能力なんて紙一重だ。多くの日本人は文部省選別教育のおかげで自分に能力がないと思い込まされているだけだ。志のあるところ能力はついて来る。30になったって40になったって志のある人間は何かを学びスキルをつけていくんだ。

そんな志のある人間は官僚の供給源である東大をはじめとする有名大学にだけいるわけでもなければそこに多くいるわけでもない。むしろ有名大学には志なんかまったくなく金に敏くてそれでいて「能力」があるとされる人間が多い。反省を交えて白状すれば、そのような人間が就職するときにまず念頭に置くことは待遇(給与ばかりでなく昇進の目処、福利厚生、子会社等企業グループの規模、等々)と安全性(財務状況、業種や業績の将来性、等々)だ。すなわち「人生設計」だ。そもそもその有名大学の法学部か経済学部に入学したのだって法学や経済学が好きだったわけではまったくなく「人生設計」のためだ。

その「人生設計」にもっとも長けていたのが官僚になったやつらだ。現状においては「親方日の丸」がなんといってもそのような「人生設計」のベストアンサーだ。

官僚になったやつらは大部分大学時代は地味だ。社会問題や政治問題に特に関心があるわけでもなく仲間と熱く議論することなどほとんどない。かといって芸術派でも軟派でもない。ただせっせと勉強して成績を良くしておく事と公務員試験の受験勉強を怠らないということだ。そういう志もなくそれゆえに自分の「人生設計」に長けた人間が官僚になっていくのだから、その実績があのように惨憺たるものとなるのは極めて当然のことだ。投資銀行や経営コンサルティングの方が待遇がいいとなったら平気で辞めて移っていくのも当然のことだ。これが志のないエゴイストだ。

嘘だと思うのなら東大へ入って自分の目で見てみろ。

官僚は能力があるわけでも優秀なわけでもまったくない。

こんなやつらの利権でがんじがらめの日本に明日はない。志のある日本人は立ち上がれ。官僚利権政府を倒して民主主義政府を打ち立てよう。「人生設計」という能力ではなく志という本当の能力を持つ人間が公職に就くそんな政府を樹立しよう。


15. 2012年10月30日 17:24:19 : kPooBmilqM
30歳では与えられた目の前の仕事でいっぱいいっぱいで、組織までは見えないものです。
自分が今やっている仕事そのものへ疑問をもつ余裕もなく、こなすのがやっと。

決定権は現場でなく上層部にある。
彼はそんな雲の上を見る事なく、組織を去っただけです。
自分の周りだけの狭い狭い視野のまま。


文章を見てもまだまだ何も考えていない子供なんだと思う。

>財源が40兆円不足しているので、年金の支給が止まります。医療保険も止まるでしょうし、地方交付税も配分されないので自治体によるごみ収集がなくなる

これも先輩に教わったセリフなのでしょう。
何故いつも削る順番を年金、医療、ごみといった真っ先に必要なもの、国家が混乱するようなものから言うのか?どうして疑問に思わないのでしょう?
公務員の残業代やら賞与を削れば済むでしょう?
それにごみなんて自治体はとうの昔に有料にしていて税金でなんてやってない事くらい調べればすぐに分かる。


民主党批判にしてもマスコミ批判にしても、全て霞が関の先輩や仲間から聞いた一方的な誹謗中傷を鵜呑みにしている。

霞が関の先輩や仲間が言う事を教科書のように信じきって、裏もとらないまま取材で軽々しく言ってしまうあたり、とても賢いとは思えない。

東大文系卒の人は、典型的なペーパーテスト暗記馬鹿なのではないでしょうか?
全部教科書や霞が関の仲間から教わった事を、子供のように純粋に信じて暗記しているだけ。自分の頭でまるで考えない。


霞が関の仲間が言った事だけが正しく、他は全て間違い。
報道も官僚批判の部分は信じられないが、政治家批判の部分は当たっているという。
「ドロップアウトした人間が組織の事をメディアで話すな」と言いながら自分はべらべらと話す。


「日本の未来に希望が見えない」という「優秀な」先輩が選ぶ転職先が外資系金融機関とはね....
金儲けしたいくせに、「日本の未来」にすりかえるとはせこすぎる。


霞が関の自称エリートたちはこんなにも鼻持ちならない人間ばかりなのか


16. 2012年10月30日 17:29:49 : jRHgyvncfg
7=14さん

素晴らしい。あなたのコメントを上記インタビューと合わせて投稿記事にしたい。


17. 2012年10月30日 17:37:36 : VQMxDoRlnU
>>15

同感ですね。
フォロー元記事もそうだが以前の阿修羅らしい良い面が出たスレと思います。


18. 2012年10月30日 17:45:06 : VQMxDoRlnU
インタビューを受けた元官僚くんの「雲の上をみない」ところはあるが「目の前の仕事」をこなしてきたかなと思わせるブログです。
http://ameblo.jp/ipponseoinosuke/entry-11383461459.html

「維新の会の本当の狙いどころは地方税の消費税化じゃないのかな〜 」

えーと維新の会に着いて色々考えてtweetしましたので、まとめます。⬇

最近維新の会がいわゆる「ブレた」批判を各方面で食らっており、急速に支持率を落としつつあるみたいですね。具体的には原発稼働や従軍慰安婦問題にを巡る発言が右往左往したことが批判を浴びているようです。ただ僕から見ると維新の会は根本のところでぶれていない気がします。

あくまで私見ですが、維新の会にとって重要なのは、実は「消費税の地方税化」これ一本だと思います。なぜならこれが実現しないと大阪府の財政が破綻しかねないからです。だから他の政策スタンスが近いみんなの党とも組めないのではないかと見ています。

もう少し説明を丁寧にしますと僕は橋下さんは消費増税に賛成なのではないかと見ています。国が一度税金をプールして地方自治体に分配する現行の地方交付税交付金制度を見直し、消費増税分を地方税化して直接大阪府の財布に入ってくるようにする、そうして大阪府の財政を再建するのが彼の国政進出の本当の狙いなのではないでしょうか。だから消費増税反対のみんなの党とは組めない。

大阪府の財政は橋下府政下で見た目は黒字になりましたが、キャッシュフローは相当悪化しています。(別にこれがいいとも悪いとも私は思っていません。)それを理解するには臨時財政対策債という特別な府債を理解する必要があります。これは簡単に言えば国から将来もらえるであろう地方交付税交付金を当てにしてする借金です。

橋下府政は臨財債を発行しまくりました。少し語弊がありますが、国と地方の関係を親子に例えると、臨財債は「親があげるよ」といった小遣いを当てにしてする子供の借金みたいなもんです。ただ親は収入不足で現実に子供にあげるお金がないので、大阪府の臨財債はものすごい勢いで積上っています。これは発行限度内での発行であれば会計上赤字府債に扱われないので、どんだけ発行しても財務諸表上の損失を悪化させることはありません。なので、キャッシュフローは悪化しても黒字という事態が起きるわけです。
(注:親子のたとえは別に地方自治体を見下しているわけではありません。説明を分かりやすくする為の方便と理解してください。)

大阪府の臨財債の実際の積上りに着いてはこんな感じ。 bit.ly/QuXwCt

ということで大阪府には1兆円を超える臨財債が積上っているのですが、臨財債という制度自体が政治的な妥協の産物ですので、このお金をいつ誰がどのように返すかについては、国と地方の押し付け合いになっています。ただ当面のところ国が臨財債を積極的に返そうという動きは見えません。

もちろん大阪府だけでは積上った臨財債を返せる見込みは到底ありません。これでは物事が前に進まず積上った借金のみ残ってしまいます。そこで現行の消費税やたばこ税や酒税を一度国が全てプールしてから地方自治体に交付する「地方交付税交付金制度」全体を作り直し、「大阪の消費税は直接大阪に使わせろ」ということを国に対して要望せざるを得なくなったと思われます。

ということで私の見立てでは維新の会は色々言っているものの、実は端的に結局「消費税の地方税化をして、大阪府の財政再建を図る」ための会なのではないかと私は思っています。そしてその点においては全くブレがない。色々主張しているのは、まぁ国政に進出する上での飾りみたいなもんかなと

ちなみにこの地方税の消費税化は大都市に取っては収入が増えて有利なのですが、地方小都市に取っては収入が減ってしまうため、一部大都市圏をのぞいて反対している地方自治体が多いのが現状です。地方分権と言えど一枚岩ではないわけです。

以上維新の会に対する私的見解でした。維新の会は結局大阪府政の延長線上の存在で、本来は国の方針をどうこうする為の団体ではないということなんではないでしょうか。そういう団体に過剰な期待をするのはお互いに取って不幸なので、等身大で評価してあげるのが重要なのだと思います。

★PS: 先日私うさみは31歳を迎えました。ということで祝っていただける方、本を買ってくださいませませ❤、、、、いや冗談です ★



19. 2012年10月30日 19:36:07 : b5EWpjgzjA
 >7>14さん、100% 同意します、

自分を含め、多くの国民がそう思っているでしょう

文才のない自分には読んでいて溜飲が下がる思いがします、感謝します


20. 2012年11月03日 02:47:58 : QsN3pQB31Q
15さんが、要約してくれました。

世間知らずってことが、バレてしまったね。

仕事は、本気になったら、何だって大変なのさ。


21. 2012年11月04日 11:06:48 : IogOJ6trKE
優秀だというこの人の先輩は何で外資系金融機関に引き抜かれたのだろう?

金融のプロでもなければ、業務知識もない。
外資系金融機関が、そんな素人をわざわざ引き抜く⁇

取り柄といえば省庁に顔がきく事、霞が関が進める秘密情報を知っている、あるいは、友人から今度も知り得る事かな…


22. 2013年5月06日 20:58:26 : QBrYpzDGwo
  大きな資金を動かせるからやりがいがある?おいおい、税金だろうが。自分の力で取って来た金ではないところが民間企業との違いだろう。
 租税国家というのは、言ってみれば会員制組織と同じだ。志を同じくする者同志が会費を出し合ってひとつの組織を作り、必要なときに必要な資金を会費から投入する。
 さて、国というのを会員制組織に例えて見れば、官僚というのはどのような立場か。会員の一人でもあるかもしれないが、全権を委ねられた会長ではない。会員制組織の意志決定機構はもちろん、総会だ。その下に運営委員会的なものはあるにしても、会費の使途を決めるのは総会による会員総意での決定だ。その中で官僚の役割にあたるものは、強いて言えば会計担当者だろう。
 会計担当者が会員総会の決定を経ずに大きな資金を動かせるのか、否である。
 会計担当者は、総会で決定された会費の使途に基づいて、粛々と会計処理をするのであって、いわゆる事務的行為しか出来ない。
 それを勝手に使途を決めて資金を動かしたり、また今行政部内でやっているように人事も行って、例えば新規会員を入会させたり、かつ気に入らない会員だからといって脱退を命じたりする行為は会計係には許されない。法務省担当者は最高裁事務総局というところで裁判官人事をいじっているようだが、これは許されない。
 今日本で起こっていることは、会費を集めて運営している筈の組織の中で、会員の認知しないところで会計係が資金を縦横無尽に動かし、かつ人事も行っている状態だ。これが役所でなければどうなるか、背任行為で告訴に値する行為だ。
 日本の役所は官僚が国民会議も経ずに、かつ会長にひとしい代表者である所轄大臣のサインもない書類で、国民の税金を流用し続けている。
 公僕というのは納税者向けの単なる法的な飾り付けであって、当の官僚は公僕などと思っていないらしい。もし自分が公僕であり、会員制組織であれば単なる会計担当者であり、今自分のやっていることは背任行為で刑事告訴にも値することを知れば恥ずかしくてこの氏のような言葉が出る筈がない。

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