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解散総選挙後にらみ、「危険な賭け」に勝った財務省 地方交付税を止め政局のタネつぶしに成功
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投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 17 日 10:49:51: cT5Wxjlo3Xe3.
 

解散総選挙後にらみ、「危険な賭け」に勝った財務省 地方交付税を止め政局のタネつぶしに成功

2012年11月16日(金)  磯山 友幸

 どうやら財務省は、「危険な賭け」に勝ったようである。

 野田佳彦首相が党首討論で解散を明言したことから、「特例公債法案」が可決・成立することとなった。自民党は当初、衆議院解散まで一切の審議には応じないという姿勢だったが、途中から戦略変更を余儀なくされたのである。

 自民党が大きく方針転換せざるを得なくなった裏には、財務省の「賭け」ともいえる行動があった。特例公債法案の成立が見通せないとして地方交付税交付金の支給を遅らせたのである。

 交付税交付金は毎年、4月、6月、9月、11月の年4回、全国の地方自治体に分配される。支給遅延の第1弾は今年の9月分。道府県分の約2兆2000億円について、11月まで3カ月にわたる分割払いにしたのだ。「カネがないので一度には払えない」というわけだ。それでも自民党が特例公債法案の審議に応じないのをみると、第2弾に打って出た。11月2日に配るはずだった交付金約4兆1000億円の支給を延期したのだ。「もうスッカラカンで一銭も払えません」という態度をとったわけである。

荒業で地方交付税交付金を止める

 実際の国の懐具合がそこまで危機に瀕していたわけではない。資金繰りだけを考えれば財務省証券の発行などによって資金を調達することは可能だった。自民党幹部や財務省OBの中にも「年度内に特例公債法案が成立すれば問題はないだろう」と考えていた人は少なくない。一部、予算執行を遅らせるというアナウンスはしたものの、霞が関の官僚の給与支払いが遅れたわけでも、国の直轄事業が止まったわけでもなかった。

 財務省の基本姿勢は「財源の裏付けのない予算は執行できない」というものだ。これは財務官僚としての「譲れない一線」という事もできる。だからこそ、特例公債法の早期の成立は必須命題だった。そこで取ったのが、交付税の交付金を止めるという荒業だったわけだ。

 その効果はてきめんだった。

 もともとの交付予定日である11月2日に全国知事会議が開かれたのだが、各県の知事から猛烈な反発の声が上がったのである。

 知事会では城島光力財務相が交付税交付金の遅れについて「迷惑をお掛けしおわびする。法案が一日も早く成立するよう最大限努力する」と陳謝した。これに対し、全国知事会の会長である山田啓二京都府知事が噛み付いた。

 「国と地方が協力して全力を挙げないといけないときに、地方の動きを止めてどうするのか。国と地方の信頼を根本から損なうものだ。何の見通しもない執行抑制は、国の責任放棄だ」

 この知事会は政府の主催。場所も首相官邸で行われた。ここで批判が巻き起こることは、政府も財務省も先刻承知のことだった。こうした地方の「批判の声」は知事会だけでなく全国に広がった。「地方6団体」と呼ばれる全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会がそろって、「国民生活に影響を及ぼしかねない極めて重大な問題だ」と抗議の共同声明を発表している。

 大手新聞などメディアもこぞって批判の論調を張った。社説で北海道新聞は「交付税延期、言い訳できぬ地方軽視」と怒り、毎日新聞は「首相と安倍氏、不毛な攻防繰り返すな」と書いた。

世の中から袋叩きに遭った自民党

 世の中の批判の矛先が政府よりもむしろ自民党に向かったのも政府や財務省の読みどおりだった。自民党の安倍晋三総裁は、解散総選挙の実施との引き換えという、まさに政争の具にしている、というわけだ。自民党本部には地方組織から、「総選挙を前に地方への交付税交付金を止めるような対応はマズイ」という声が寄せられた。地方からのブーイングが巻き起こったのである。

 実は、他の予算よりも真っ先に交付税交付金に手を付けたのには訳がある。地方から批判を巻き起こすことで永田町を動かそう、というのが1つ。もう1つは、交付税交付金を止めても実質的に影響が出ない、と読んだためだ。

 どういう事か。

交付税交付金を止めても事業は動く

 地方自治体は交付税交付金を使って様々な事業を行っているが、交付金が延期されたからといって、すぐに事業を止めるわけではない。テレビのニュース番組などでは、工事現場の動いていないブルドーザーを映して、あたかも交付税交付金の支給が遅れたことで、工事が止まったかのような印象を振りまいていたが、現実にそんな事態は起こっていない。交付税交付金が入ってくるまでの間、地方自治体は金融機関などから借金をして資金を調達、事業は継続するからだ。

 自治体が借金をしたので、その金利負担が大変だ、というニュースもあった。だが、現実には25道府県で発生した利子負担はわずか5700万円。4兆円という交付税交付金の額からみれば誤差の範囲と言っていい。しかも、政府は利子負担を特別交付税の形で国が全額穴埋めする考えも早々に示している。つまり、交付税交付金を止めれば、批判の声は沸騰するが、実際の自治体の事業には何ら影響を与えない、というわけである。

 「危険な賭け」と言ったのはその点だ。

 政府は前の国会で、社会保障・税一体改革法案を通過させ、消費税率を現行の5%から2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げることを決めた。だが、最終的な税率引き上げは来年秋に閣議決定することになっており、景気が大幅に悪化した場合などは増税を見送る「景気条項」が付されている。財務省悲願の増税を実現するためには、景気を失速させるわけには行かないのだ。

増税ムードで家計消費の減速傾向が鮮明に

 説明したように、本来は交付税交付金を止めても、実態経済には影響がないハズだった。ところが足下の景気が急速に悪化し始めているのだ。

 内閣府が11月12日に発表した2012年7〜9月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期4〜6月期)比0.9%減少となった。これを年率換算すると3.5%減という大幅なマイナス成長になる。

 輸出(実質)がプラスだった前期からマイナスに転じ5%減少したことが影響としては大きいが、注目すべき点は別にある。家計消費だ。今年1〜3月までプラスが続いてきたのが、4〜6月は実質で0.1%減(名目は0.5%減)、 7〜9月は実質で0.5%減(名目は0.8%減)と減速傾向が鮮明になったことだ。全国百貨店売上高が5カ月連続で前年割れを続けている事を裏打ちする結果となったのだ。

 東日本大震災からの復興関連予算に巨額の財政を投じており、本来ならばその経済効果が出始めてもよい時期だ。にもかかわらず、景気、とくに消費が急速に減速しているのはなぜだろうか。

 考えられるのは、「逆アナウンスメント効果」だ。8月に社会保障・税一体改革関連法案が成立、消費増税が決まった。増税ムードが高まったことで、家計が財布の紐を固くしたのかもしれない。さらに、実態景気に影響がないはずの、地方への交付税交付金ストップも、景気の先行きが厳しくなる前兆と捉えられた可能性はある。

 景気の先行きは厳しさを増しそうだ。尖閣諸島の国有化問題をきっかけに冷え込んだ日中関係の経済への本格的な影響が、10〜12月期のGDPの大きな影を落とす。中国向け輸出などが大きく減っているからだ。

 来年秋に消費増税を閣議決定するためには、来年8月上旬に発表される4〜6月期のGDPの数値を上向きにする必要がある。そのためには何としても10〜12月期か1〜3月期を目先の大底に景気を上昇させなければならない。

 そんな状況でも財務省が「危険な賭け」に勝ちそうだ、と書いたのは、自民党がもう1つの「仕掛け」に乗ってきたからだ。

政権奪取前に政局のタネを処理したい自民党

 特例公債法案を政争の具にしないために、予算の成立と同時に赤字国債の発行が可能になるよう3年先の2015年まで認めてしまおう、というものだ。これによって今後3年間は特例公債法を国会に出さずに赤字国債を発行できる。自民党は総選挙で政権を握る気まんまんだが、単独で過半数を取る自信はない。ましては参議院でも過半数を取って「ねじれ」を解消できるかどうかも分からない。そんな中で、自ら与党となった時に、野党に赤字公債法を人質に取られなくて済む、というのが自民党執行部の算段だ。これも財務省がお膳立てした解決策である。

 これは、どこの政党が原案を作るにせよ、来年春に予算案が成立しさえすれば、特例公債法案を巡る政局混乱が起きない事を意味する。4〜6月に景気を上向かせることが必須命題である以上、リスク要因である政局のタネはさっさと処理しておこうというわけだ。また、一歩、消費増税に向けた懸案を処理した財務省の「勝ち」と言っていいだろう。


磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

ジャーナリスト。経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材中。1962年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。熊本学園大学招聘教授、早稲田大学客員上級研究員、上智大学非常勤講師。静岡県アドバイザーも務める。著書に『国際会計基準戦争完結編』『ブランド王国スイスの秘密』(いずれも日経BP社)など。共著に『オリンパス症候群』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)。


磯山友幸の「政策ウラ読み」

重要な政策を担う政治家や政策人に登場いただき、政策の焦点やポイントに切り込みます。政局にばかり目が行きがちな政治ニュース、日々の動きに振り回されがちな経済ニュースの真ん中で抜け落ちている「政治経済」の本質に迫ります。(隔週掲載)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121113/239352/?ST=print  

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コメント
 
01. 2012年11月17日 11:17:58 : 0huCCn4zOU
街頭演説での国民の反応を見る限りじゃ、争点は反増税だし、財務省が勝ったとは思えんのだけど。国民があそこまで感情を剥き出しにして増税した議員に罵声を浴びせてる姿なんか見た事無いぞ。

02. 2012年11月17日 11:27:27 : acliuKgYYg
表題の通り「ウラ読み」らしいのですが、1歩引いて見てみると、3月に予算案と公債法案の切り離しを仕掛けておいたのは野田首相でした。

11月の本会議で「みどりの風」行田議員が質問に立ち、予算案と特例公債法案を切り離す決断をしたのは野田総理だったという答弁を本人から得ました。つまり消費税増税の為に、それより重要な特例公債法案の成立を総理自身が先送りした事が判明。野党のせいで特例公債法案が通過しないとはウソです。

現民主党執行部は国家や国民のことは全くそっちのけで、自民党との政争に腐心していたことが、この件をとってみてもよく判ると思います。
今回の解散についても野田首相の頭には民主党の代表という意識は微塵もないことが国会での党首討論の中継を見てもよく判ると思います。

さんざん言われてきたことですが、民主党は学級委員会です。
理念・国家・国民という意識は全くなくあるのは、争いそれも子供の争いでした。
なぜかと言えば野党根性が染み付いた人たちが、官邸という密室で金と権力を持ったのでその使い道を”僕たち”のためにしか考えられない人たちだったということです。
それに悪乗りしているのが、官僚でしょう。


03. 日高見連邦共和国 2012年11月18日 11:51:59 : ZtjAE5Qu8buIw : C7Wqvb1wZA

まあ、橋下さんが“早々と”TVでこれ明言しちゃったからね〜

そうそう“思惑通り”になるかいな〜!!


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