社説 自民衆院選公約「改憲」は喫緊の課題か(東京新聞)

2012年11月22日

　自民党が来月四日に公示される衆院選の政権公約を発表した。憲法については

集団的自衛権の行使を可能とし、改正で

自衛隊を国防軍と位置付けるとしている。

九条を含む改憲は喫緊の課題なのか。

　安倍晋三総裁は公約発表会見で「できることしか書かない」と胸を張った。報道各社の世論調査では政権復帰の可能性が高い政党の公約だ。目指す政策は妥当で実現可能か、政策の数値目標、達成期限、財源も明記されているか。各党の公約と徹底的に比較し、投票の参考としたい。

　その中で、われわれは憲法に注目する。自民党が公約に盛り込んだ、

政府の憲法解釈で違憲とされる「集団的自衛権の行使」の容認や、

憲法改正による自衛隊の国防軍化には、あえて反対したい。

　日本が戦後、平和国家として歩んできた「国のかたち」を変え、国益を著しく損なうからだ。

　東日本大震災後、百六十を超える国・地域から支援表明があり、多くの寄付金が寄せられた。これも戦後、抑制的な防衛力整備に努め、政府開発援助（ＯＤＡ）などの民生支援を通じて国際的な信頼を得てきたからにほかならない。

　集団的自衛権の行使は、

これを禁じる政府の憲法解釈を堅持することで、間違った情報に基づいて

米国が始めたイラク戦争に、自衛隊が深入りせずに済んだ。

　その自衛隊は現行憲法に基づいて存在し、警察予備隊発足からすでに六十年以上がたつ。日々の守りに加え、震災後の捜索、救援活動、国連平和維持活動（ＰＫＯ）での活躍ぶりは周知の通りだ。

　改憲論は、日本に軍事大国化の意図ありという誤ったメッセージを国際社会に送りかねない。権益拡大の動きを強める中国に軍備増強の口実を与え、東アジア地域で軍拡競争を招く「安全保障のジレンマ」に陥る危険性すらある。

　もちろん、衆参両院で三分の二以上の賛成が必要という憲法改正案発議のハードルは高く、直ちに実現する政治状況にはない。

　安倍氏が会見で、まず九六条を改正し、発議要件を過半数に緩和することを目指す考えを表明したのも、このためだ。

　ただ、同様の考えは日本維新の会などにも広がり、

今回の衆院選と来夏の参院選の結果次第では、

九六条改正勢力が衆参両院で三分の二を超える可能性もある。

　発議要件が緩和されれば、いずれ九条改正にも道を開くだろう。今回の衆院選はその分水嶺（れい）にもなり得る、重要な選択である。 　

コメント
01. 2012年11月23日 03:42:55 : maxkpWHZCo 糞まみれで自慰表明したゲリオ 狂気の沙汰だね しかしこの異様な公約を新聞テレビはサラってながした つぶさないと日本は亡くなるぞ
02. 2012年11月23日 04:22:48 : 1co5HiiRFw 安倍らカルトの思惑は別のところにあるが（というよりそのまま単に軍国主義を望んでいる） 今、問題にしなければならないのは 完全にアメリカ軍の代わりの、鉄砲玉扱いになるだろうということ おそらくアメリカは、この筋道さえ出来れば安倍なんぞ簡単に引き摺り下ろせると思っている 用済みということだ （いつも言うが、アメリカのこの考えは非常に甘いと思うのだが、それはまた別の機会に） そして、中東の憎悪の渦に放り込まれる 犠牲者がで続ければ、軍入隊志願者は激減する 維持のためには所得格差を無理やりにでも作るしかない そしてその経済格差の不満を人種間、世代間の軋轢を煽ることによって誤魔化す アメリカなら、何とかこれでいけるだろう 実際、今のアメリカがそうだから それでも破綻しかかっている さて保守派で「愛国者」を自負する諸君 良くも悪くも特殊な日本社会が、これに耐えられるとお思いか？
03. カノープスへの旅人 2012年11月23日 04:29:14 : kvo3oMLuYPpmI : ObnzX9gnP6 　馬鹿馬鹿しい！。自民の狙いは総て、国民が最も忌み嫌う「消費増税」「反原発」「反ＴＰＰ」から有権者の目を逸らさせ、国防・改憲・自衛隊の国防軍へ拡大したい、自分たちが求める防衛利権の一石二鳥とも言うべき、腐った欲望の成れの果てじゃないですか！。 　国民の生活や不況に喘ぐ市井の苦悩をハチの頭も考えず、政権欲だけしか意識していない、死に損なった権力亡者の小賢しい将に悪知恵ですよ。 　ましてや憲法九条改悪の道筋を作ろうと、改憲の条件を先に緩和させて置こうとする悪辣さ！。もう二度と政権の座に就かせてはいけない、安倍前総理の秘めた悪魔の本性を顕わにした選挙公約と言えましょう。 　「何時の時代でも戦争をしたがる馬鹿は居る。」この自民が掲げる愚かな選挙公約こそ、未来の戦争をしたがる馬鹿の為に、最も大事な国民が持つブレーキを、今の内に壊して置こうとする、これこそ軍国主義の所業でしか有りません。 　国家の自衛権を強化するだけなら、何も平和憲法の精神まで歪める必要は無いのです。最高裁判例（自衛隊の合憲）等でも間に合うからです。 　逆に国家権力を強化する方向性こそ、只でさえ国民の行政（官僚）不信が極限に達している現在の不況原因である、「国民の行政不信」「政策不信」を益々深めるだけの逆効果でしか有りません。それが自民・公明の政治家には解らないのでしょう。だから「失われた二十年」を国民に強いて来たのですね。 　これに付き合う泡沫政党も愚かなら、国家・国民よりも己の利権や権力保持しか考えず、何ら批判もしない今のマスコミが見せる無知さの方が問題でしょう。こんな私の批判文章など、最も先に「東京新聞」が書くべきなのです。 　わざわざ社説で「重要な選択」と警鐘を鳴らすならば、この愚かで亡国の選挙公約をその問題点と共に、「増税」「反原発」「反ＴＰＰ」から目を逸らさせるこの腐った自民の実態を、最も優先して無知で善良な国民へ具体的に知らしめる事が、東京新聞社が真っ先に為すべき義務なのでは有りませんか？。 　「東京新聞」の購読者として、社説編集者に猛省を求めたい。
04. 2012年11月23日 06:17:45 : whLRPR3iQw 徴兵復活、軍国主義者あべしになれば 軍靴の音が聞こえてくる
05. JohnMung 2012年11月23日 07:24:06 : SfgJT2I6DyMEc : GFlIHrE8rM 　０３＞カノープスへの旅人さんはじめみなさんに同意！ 　来る総選挙では、国民のいのちと暮らしを守るために枢要の「１０年以内の原発ゼロ、消費税増税法凍結・廃棄、ＴＰＰ交渉参加反対」に背を向ける民自公と維新等は、小選挙区、比例区とも絶対指示しないようにしましょう。 　民自公３党談合は、国会軽視・密室協議を常態化し、かつ、大政翼賛会の露払いであり、憲法改悪、言論・表現の自由抑圧、徴兵・徴用を法制化し、国民を戦争に駆り立てるものである。 　また、イシハラ・ハシシタ維新は、小泉時代を上回る新自由主義政策を掲げる保守右翼の立場であり、民自公３党と同様の方向で補完し合う関係である。 　大手マスメディアは、民自２党を前提に、第３極論を喧伝してきたが、これは欺瞞かつ謀略そのものであって、上記のことからも、来る総選挙の結果がどう転んでも、日米既得権益層にとって、痛くも痒くもないことになるのである。 　こうした大手マスメディの欺瞞性・謀略性にはその都度、抗議の意思表示をし、具体的には、購読・視聴の拒否、広告掲載企業の製品・サービスの不買などをしましょう。 　国民のいのちと暮らしを守り、平和と安寧を維持継承するためには、「１０年以内の原発ゼロ、消費税増税法凍結・廃棄、ＴＰＰ交渉参加反対」及び地域のことは地域が決められる社会の実現が不可欠であり、この方向で、国民の生活が第一、社民、新党大地真民主、みどりの風などが連携に向けた協議が進められている。 　私は、国民の生活が第一の公認候補に加えて、「共通公約」を踏まえた「オリーブに木構想」の「国民連合」の候補の支持支援を広げるために、精一杯の応援をする所存である。
06. 2012年11月23日 07:59:51 : nEDcsdKlIM 安倍総裁は自民党の公約を発表する際、「出来ることしか公約に入れません」と宣言しましたが、改憲はどう考えてもそう簡単には出来る事ではないと思います。これに比べれば、現在でも２基しか動いていない「脱原発」の方がよほど簡単なのではないでしょうか。

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