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大政局一歩手前の総選挙 (田中良紹の「国会探検」)
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/205.html
投稿者 pochi 日時 2012 年 12 月 01 日 20:22:50: gS5.4Dk4S0rxA
 


田中良紹の「国会探検」

大政局一歩手前の総選挙



 民自公の3党合意がもたらした総選挙が近づいてきた。私の言う大政局一歩手前の中盤の山場が近づいてきたことになる。メディアは選挙情勢ばかりを報道しているが、政治の帰趨はそれで終わらない。選挙後がいよいよ本番の始まりである。

 何のために国民が投票に行かなければならないかと言えば、民自公3党が協力して消費増税法案を可決させたからである。協力の条件が「国民に信を問う」であった。だから国民に問われているのは消費増税の是非と3党合意に対する信任である。本筋はそういう話である。

 本筋から導き出される選挙の構図は、民主党、国民新党、自民党、公明党という消費増税賛成勢力vs反対した政党との戦いである。前者が選挙で過半数を獲得すれば国民は消費増税を認め、3党合意を支持した事になる。後者が過半数を得れば消費増税は廃止される。それが本筋である。

 ところがそうした構図にしたくないのが民自公3党である。自公は自分たちを権力の座から引きずりおろした民主党を攻撃して自公政権を復活させたい。そのための手段として3党合意に踏み切っただけで、民主党と同じ側になりたくない。民主党政権の未熟さを並べ立てて民主党政権の実績を問う選挙にしたい。

 一方の民主党も国民の目を消費増税からそらせたい。だからTPPを持ち出したり世襲禁止をアピールしている。民も自公も消費税以外に争点を作れば愚かな国民を目くらましにできると思っている。しかし民自公は選挙で違いを見せつけても、選挙が終われば3党協力の枠組みに戻らざるを得ない。参議院の「ねじれ」が決定的にそうさせるのである。

 そこにもう一方の主役として登場してきたのが大阪の橋下徹市長率いる「第3極」であった。中央集権打倒、地域主権を掲げて大衆的人気を獲得し、選挙で民自公に匹敵しうる議席を獲得するか、あるいは「第3極」の総結集を図って民自公を敵に回す「第2極」になれば、政界再編のカギを握れるはずであった。ところが野田総理の突然の解散に慌てふためき、政治のわかる人間が周囲にいない事が分かってきた。

 みんなの党の渡辺喜美代表に「勤皇か佐幕か分からない」と言われた石原慎太郎前東京都知事と手を組んだばっかりに、「第3極」どころか自民党の補完勢力に過ぎない事が明らかになった。中央集権体制を支えてきたのは自民党である。それを倒して政治主導を確立すると言った民主党も霞ヶ関とアメリカの「壁」に屈し、中央集権を支える側に回った。

だとすれば「第3極 」は民自公体制を打倒する以外に存在理由はないはずだ。ところがその印象が急速に薄れてきた。政策を次々後退させたり、石原代表がメディアの選挙予測を前提に安倍総裁を次期総理と見て選挙前から取引を繰り返しているからだ。民主党の菅政権が参議院選挙前にみんなの党との連立を口にしたのと同じレベルの愚かさだ。

 これで総選挙の構図は民自公3党+補完勢力としての日本維新の会vsその他の政党との戦いになった。そこに嘉田由紀子滋賀県知事の「日本未来の党」が登場し、小沢一郎氏や亀井静香氏が合流した事で選挙情勢を一変させるほどの衝撃を永田町に与えた。民自公3党が一斉に「日本未来の党」を批判している事がそれを物語っている。

 かつて国会議員だった石原慎太郎氏は国民的知名度はあるが、全く政治力のない政治家として知られていた。同じ「青嵐会」でも渡辺喜美氏の父親である渡辺美智雄氏とは雲泥の差があると言われていた。亀井静香氏が協力しなければ自民党総裁選に出馬する事もできなかった。国会議員をやめて東京都知事に転身したのは非力さゆえの逃亡と永田町では見られていた。

 それが尖閣問題で再び都知事に居続けることが出来なくなった。あのまま居続ければ非難の嵐に見舞われていたはずである。国政への転身とメディアは持ち上げたが、私にはまたまた逃亡を図ったとしか見えなかった。国際政治の舞台で何かをやれるほどの交渉能力も政治力も持ち合わせてはいない人物と提携した時に橋下氏の国政進出は大した話でなくなった。

 国政は国際政治の謀略と闘う世界である。海外に人脈を配置し、絶えず情報収集を行っていなければ官僚情報に頼らざるを得なくなる。官僚情報に頼る政治家が中央集権打倒などできる筈がない。中国はもちろんだがアメリカにも全く相手にされていない石原氏を代表に据えて国政進出を図る意味が私には理解できなかった。

 事前の選挙予測で総理に復帰する事を確実と考えているだろう安倍晋三氏の軽佻浮薄ぶりも際立ってきた。強気の発言をすることが非力でない証であると考えているようだが、そこに非力さが現れている事に気づいていない。大量議席を得て総理に就任したとしても、その勘違いを克服しないと安倍政権は短命に終わる。

 参議院の民主党に頭を下げなければ思うような政権運営ができない政治力学を分かっているのかと思うほど、安倍氏は労組出身議員が民主党に多いことを批判している。かつて総理に就任した時も自民党参議院を批判して自分の首を絞める事になったのを忘れているようだ。通常国会では定数是正を図る選挙制度改革が焦点になるが、労組出身議員の多い参議院民主党と安倍氏の攻防は見ものである。

 「ねじれ」の政権運営を経験した事のない安倍氏が次期通常国会を全うできるかはなはだ疑問である。しかも来年になれば永田町は参議院選挙一色になる。対決含みの政治が続くことは間違いない。通常国会が「ねじれ」で行き詰まれば、「ねじれ」を解消するために衆参ダブル選挙が行われることもありうる。

 その時には嘉田由紀子氏や橋下徹氏らも立候補して天下分け目の一大決選が行われる可能性がある。それが私の言う大政局の終盤である。一歩手前の総選挙を皮切りに激動の政治がいよいよ始まる。


投稿者: 田中良紹 日時: 2012年12月 1日 03:14

http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/12/post_326.html
 

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コメント
 
01. 2012年12月01日 20:52:57 : tZDk4q8jZ6
TPPの問題を問題視せずに、国民意思で選択できる消費税の問題を本来の問題としているのは、意図的かどうか知らないけれども呆けたものの見方といわざるを得ない。田中氏は最近呆けた目くらましの議論をすることが多いのではないか。注射されたのか。

02. ももん爺 2012年12月01日 21:02:04 : QnfuyB5RKZq9U : bVJ0yArlI2
田中良紹先生のご意見、さすがですね。
選挙の焦点が「3党合意による消費税値上げ」であるべきで、その点では「卒原発」へ傾いているのは政治の問題としては方向違いと言えそうですね。

03. ももん爺 2012年12月01日 21:07:18 : QnfuyB5RKZq9U : bVJ0yArlI2
さすが田中良紹先生ですね。国中が「卒原発」で揺れている今、政治の世界で最重要な問題は、翼賛会政治の再現による右傾化に歯止めをかけることですね。

04. 2012年12月01日 21:15:11 : B0j0dOs07c
 アベ〜憲法改正はともかく、九条撤廃とか徴兵制まで踏み込んだら、右翼は喜ぶかもしれないが、国民は引くだろう。公明党も考えるんじゃないの? アベ自民はアウト。

 ハシシタとイシハラは言っていることがバラバラ。ハシシタの背中にタケナカが背後霊みたいにくっついていた。イシハラはタケナカが嫌いだって。異心もアウト。

 北海道の民主党はTPP反対を明記。候補者は選挙ポスターに自分の写真と名前だけで「民主党」の名前を書かないか、小さく書くんだって。しかも首相の応援演説はありがた迷惑で、来ないでくれと言っている。ノダは試合開始前からアウト。

 
 
 


05. 2012年12月01日 21:18:33 : ObnJo6wsmE
来年は民主が再度割れるのは間違いないからなあ

06. 佐助 2012年12月01日 21:41:41 : YZ1JBFFO77mpI : TUhrPgEJIU
正解です

「なんたる悲喜劇」離合集散で既成政党の過半数割れする
今回の有権者の全国投票の第一位75%は「消費税増税廃止」です,これで決まる。

第二位の18%対立要素は「脱原発」・第三位の6.5%対立要素は「TPP反対」となる。地域や全国でも逆転するので要注意。しかし全国のトータル議席票は変わらない。

しかし第二位と第三位及び地域の対立軸を切り捨てても既成政党の過半数割れは確実。つまり世論調査で消費税の引上げ容認が過半数を越えていても、個人レベルでは自己防衛のために、消費税値上げを主張する政党への投票行動は、避けられる。だから、値上げ賛成/反対を対立軸にした選挙で、勝った政党例は、世界には一つもない。選挙で勝利してから消費税をアップした与党で,次の選挙で敗北しなかった例も一つもない。これは、左右の前頭葉脳が「建前では容認、本音では反対」を思考して、投票行動するためである。総選挙は「消費税」で勝負は決まる。

国民はルール破壊による「二大政党制の腐敗・不信」から既成政党の機能不全が認識されたので,保守革新の信条や伝統的地盤は無視され与野党逆転します。さらに「世界信用縮小恐慌」デフレを認識できない,「弱者の切り捨て,格差の拡大」が認識されるために,第三の勢力による新しい枠組みによる政権が誕生するはずです。世界各地でも同じように政権交代が続きます。そして国民に耐乏を押付ける政権・政党反対のスローガンを掲げた政党が各国でも過半数を獲得し,世界各地でも,新たな枠組みの政権が誕生します。

民自公やマスコミは現象の結果を原因に倒置すると,75%の対立要素と第二位以下の対立軸や1%以下の対立要素も同列の原因だと錯覚される。だからスキャンダル,事故や事件の発生原因は,複数要素の複合と判定し,対策には沢山の項目が羅列される。すると現象を決定する要素が無視されるために,過ちは繰り返される。そして既成政党は弱者の切り捨てを繰り返すので必ず選挙で仕返しがある。浮動票を無視しないことだ。ルーズベルト的な「弱者救済政策を採用」すれば,政権与党は勝利できるが民自公は弱肉強食政策なので強固な固定票25%があっても浮動票と75%の対立軸には勝てないことになる。消費税増税して公共事業にばら撒きを予告して解散しても,弱者はさらに貧困化するだけで金持ち・大企業救済すると固定票の票しかなく浮動票などは第三の勢力野党に票が行きます。

現在”支持政党なしの『無党派層』”は50%以上,2009年政権交代時の”支持政党なし”43.9%です。この票は地滑り的に反転させる力があります。民自公の固定票は25%相当ですが人気は低下します。そして劇的な地滑り現象が発生するはずです。つまり既成政党の民自公は過半数割れします。

従って民自公は200〜240議席以下(内訳:自民党139〜179議席・公明党21〜25議席・民主党40〜60議席) の過半数割れする。もしも過半数獲得しても分裂から首相交代して3ケ月以内に再解散がある。

野党の第三の勢力他の野党は240〜280議席,過半数ギリギリまたは超える
(内訳:日本維新40〜100議席,日本未来80〜150議席,みんな社民共産大地など他30〜80議席) これは現代版応仁の乱と離合集散による変動のため変動するのです。


07. 2012年12月01日 22:08:34 : UGYDDg6sjB

阿部、石原、石破、、、

発想が、すごい極右です。

怖いですね。


08. 2012年12月02日 12:59:53 : N2lVoYK5nk
>>07さん同感です。
それにしても安倍が若者に人気があるというのは全く理解できない。ネット情報だけに依存することの危険性でしょうか。
狂気の老人(石原)が画策し、壮年層(安倍、石破)が実行し、若者が死んでゆく…それが戦争。何時の時代もこのくり返しです。

田中さんの政治に対する論考、何時もすんなり頭に納まり、まるで違和感がない、流石ですね。


09. 2012年12月03日 11:49:19 : ILiTPGkN7Y
↑<それにしても安倍が若者に人気があるというのは>

原因は、「うっ屈」「鬱憤」「やり場のない怒り」…若者の不満が充満しているのです。自暴自棄の一歩手前でもあります。
理論もへったくれもなく、ただただ感情が先走っているのです。


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