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2012年12月06日 世相を斬る あいば達也
政権公約（マニュフェスト）が、“当てにならないモノの代名詞”になってしまった典型的事例が、現政権「民主党」の無茶苦茶すぎる公約違反・意図的公約破棄姿勢である。たしか予算委員会で、小泉純一郎が菅直人のネチネチ追求に「公約なんて破っても、たいしたことはない。」発言が有名だが、小泉は、それほど方向が逆さまを向くような公約破りがあったわけではない。鳩山の公約違反は“やろうとしたが出来なかった”と云う力量不足が露呈しただけで、積極的公約破棄の意味合いはなかったので、これは国政の世界では許容の範囲だった。
しかし、鳩山が法務・外務・防衛の霞が関官僚組織らの手で引きずり降ろされてからの民主党の政権公約破棄は、日本の政治史に汚点だけを残す、凄まじいほど醜悪な政党に化けてしまった。自分達がなにをしているか、そのこと自体を客観的に見られない程の無気力に襲われた政党となった。この目標を失った絶望感と無力感は、第三者的客観性を滲ませ、心神耗弱に陥っていた民主党の馬鹿議員たちの弱点に乗じ、仙谷という三百代言が実しやかに“霞が関との蜜月陰謀”を企て、馬鹿議員どもをたぶらかした。その御先棒が市民運動家だと云う菅直人である。菅は、政権交代時のマニュフェストなどどこ吹く風、消費税値上げだ！TPPで第三の開国だ！中国漁船逮捕起訴と、永田町の不文律、約束事の半分は成就しよう、という伝統を覆した。
菅の次に現れたのが、百姓の出、自衛隊員の小倅だと自称する野田佳彦だ。僕は庶民だ！国民の味方、「僕は生れつきドジョウなので金魚にはなれません！」なんちゃって、霞が関の頭目、財務省の下男となり、唯々諾々とシロアリの命じるままに、粛々と公務をこなし、庶民のことはスッカリ忘却の彼方に葬り去った。子孫に永遠に負担させる消費税を、“先送りをしない政治”等というマヤカシ言葉を暗記して、日々唱和する政治史に類を見ない首相像を国民に見せつけたわけである。民主党と云う政党は、まさに政党のバブルがどれ程政治を劣化させるか、サンプルのように国民に見せつけた。
そのバブルの遺産目当てに、馬鹿議員どもが列をなす醜態まで晒している。まるで、日本社会の縮図をみる思いにもなる。（高齢国民に残されたバブルの資産に群がる家族郎党と似ている）さて、ここまで書いてきて、筆者は“成り上がり者”の怖さに直面している。色んな意見があるので、一概に主張できるわけではないが、“成り上がり者”と政治の世界と云うものは、親和性がないのではないか？という疑問である。あまりにも凄い典型例を目の当たりにした所為かもしれないが、“成り上がり者”と政治の世界の相性は、必ずしも良くないのかな？という疑問は強く持った。こんな政治家に権力を握られるくらいなら、世襲の方に安心感があるかも？という気分にさえなっている。
経済界では孫正義や堀江・三木谷のような“成り上がり風雲児”が出てきても、違和感はないし、国家や国民が受ける被害も限定的だ。むしろ、経済に活を入れる意味で、おおいに歓迎できる点が多い。科学分野や文学・芸術の分野で、異端児や風雲児が出てくることも、国家や国民に迷惑をかけることは殆どない。しかし、政治の世界はどうなのだろう。政治の世界以外は、“成り上がり者”の発奮動機になり得る“コンプレックス”と云うものが、良い方向に有効に作用する。ところが、政治の世界と云うもの、その人なりが生まれ育った社会の常識や矜持が染みつき、言動やこまごまとした所作に現れ、人に一種安心感を与える。
このような伝統文化に支えられた社会が、本来の日本の原風景なのだろう。明治維新以来、脱亜入欧。欧米に追いつき追い越せと云う、或る意味で“成り上がり者”の国家になろうとした嫌いがある。哲学的には、好ましい傾向だと筆者は思わない。この辺は人其々なので特に深く言及はしない。ただ、経済至上主義、銭・金・景気。これらの言葉が持つ魔性について、日本人はもう一度考えなおすべき時代が来ているように感じてならない。かく言う筆者も同様の病に罹っているが、ふと考える時間はわずかにある。
こんな風に考えていくと、民主の代表が怖い、公明党、維新、社民、共産も怖い（笑）。怖くないのは自民とみんなと未来か？えっ！維新の党首は石原だから怖くないのでは？それはアナタの勘違い。石原の家族は慎太郎以降の世襲。むしろ芸人、文学芸術の世界に棲む人々でしょう。芸人という意味では、橋下と石原一家には、親和性があると云う事になる。ただ、政治の世界では成り上がりに属します。人によっては、ふざけるな！血統主義ではないか、とお怒りになる方もいるだろうが、“お里が知れる”という言葉もあるし、一つの思いつきだと思って結構である。本人は、かなり核心を得ていると思っているのだが（笑）。
そういえば、読売と朝日の序盤の選挙情勢によると、自民党単独過半数だそうだ。安倍総裁、もう選挙活動なんかしなくて良いでしょう。楽勝ですよ！じゃんじゃん好き勝手、言いたい放題で支持を拡大しましょう！なにせ、マスメディアが太鼓判押したのですか、間違いようがありません（笑）。そうなると、公明も維新も不要ですね。不純物を入れずに、好き勝手“美しく強かな日本”作ってください。筆者は自民党には投票しませんが、楽勝ですよ！政権与党民主党があれだけ酷ければ、楽勝しなかったら、それこそ末代の恥になりますから…。では、ご健闘祈ります！400議席目指しましょう！
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