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2013年01月02日　板垣 英憲（いたがき えいけん）「マスコミに出ない政治経済の裏話」

◆「日本を取り戻す」と叫んだ安倍晋三首相のキャッチ・コピーは、これからの日本の進路を示すものとして、正鵠を得ており、高く評価したい。戦前の皇国史観や軍事大国を取り戻すという意味ではなく、天皇制の下で築き上げてきた「古き良き共同体」を取り戻す意味である。

　ここ十数年、日本は、構造改革の美名の下、市場原理主義に基づいて、規制緩和・撤廃が行われて、弱肉強食社会が深化した。この結果、毎年３万人を超える自殺者を出し、凶悪犯が増え、現在では、１３０人もの死刑囚が、死刑執行を待つ恐怖の日々を送っている。小中高校では、いじめ自殺が後を絶たない。これは、異常な病的社会である。

　中曽根康弘元首相は、国家ビジョンとして「高度情報社会・超高齢社会建設」を掲げた。幸福感を実感できる社会にしようとしたいという思いからであった。

　高度情報社会は、いま、「ＩＴ社会」という名となり、ツイッターやフェースブックが盛んになっている。日本は、米国や韓国に１０年遅れで「ＩＴ革命」が始まったけれど、小泉純一郎元首相の努力もあり、この遅れを取り戻し、追い越してきた。

　だが、ＩＴ社会建設が今後、どんな社会を出現させていくかは、定かではない。それだけに、可能性に満ちた世界でもある。

　一方、超高齢社会建設の方は、必ずしも成功していない。つまり「豊かさを実感させる幸福社会」になっていないからである。それどころか、高齢者の年金は減額されになっており、医療費の個人負担は、重くなってきている。このため、病気になっていても、受診をしようとしない高齢者が増加している。

　日々の生活もますます、しにくくなってきている。その最大の理由は、地域社会の崩壊にある。

　イオングループ「ジャスコ」のような大型ショッピングセンターが各地に出現して、各地の商店街が、相次いで「シャッター通り」と化して、衰退している。大型ショッピングセンターは、収益が上がらなければ、サッと撤退してしまう。地域の共同体を破壊して、文字通り「飛ぶ鳥後を濁す」が如くである。その罪は、実に重いのである。ジャスコ、岡田屋の御曹司・岡田克也前副総理（元通産官僚）の罪業は、計り知れない。

◆そうしたなかで、自民党が「日本を取り戻す」というキャッチ・コピーをつくり、安倍晋三首相に叫ばせたのは、時宜を得ていたと言えるのである。これから安倍晋三首相が取り組むべきは、全国各地域の「商店街の再生」だ。

　これは、日本の総人口（概算値）は2012年12月1日現在1億2752万人（前年同月より27万人減）の４分の１を占める６５歳以上の高齢者３０００万人を幸福にすることと直結している。乗用車で身軽に遠方のショッピングセンターに行けない高齢者人口が増え続けている状況を思えば、地域共同体とともに歩んできた地域の拠点である。商店街の機能を１日も早く回復する必要がある。

　「平成の大合併」は、この商店街を衰退させた一因になっている。全国市町村３２２９（１９９９年４月１日現在）が、２０１２年１０月１日現在、３分１の１７１９に減少している。商工会の数もこれに連動して減っている。これが地域共同体衰退の元凶でもあった。この結果、各地域の消防団も高齢化が進み、消防・防災力も衰弱している。

　安倍晋三首相は、「地場力を活かす地域振興策」（〜自然力、地勢力、人財力を発掘する）に注力する必要がある。これまで、政府は、中小企業庁所管の「日本商工会議所・商工会連合会」に関する「振興予算」を減らしてきた。まず、これを改めなくてはならない。そうなれば、農家とともに、自民党の基礎的支持基盤も自ずから再生してくるはずである。

　併せて、中堅・中小・零細企業の活性化にも全力を投入すべきである。これも、経済産業省中小企業庁の所管である。日本企業の９０％を占めている中堅・中小・零細企業の力を削いでいては、日本の発展はない。

　幸いなことに安倍晋三首相は、中小企業支援にテコ入れするという。朝日新聞デジタルが12月31日午前3時、「中小企業支援へ新機構　政府、来年４月創設を検討」という見出しをつけて、以下のように配信した。

　「【榊原謙】政府は、中小企業の再生を促す「地域活性化支援機構」（仮称）を、来年４月に創設する方向で検討に入った。来年３月に支援決定期限が終わる官民の企業再生ファンド『企業再生支援機構』を改組する。年明けにまとめる緊急経済対策で、中小企業支援策の目玉にしたい考えだ」

　これも、やっとという感は拭えないけれど、時宜を得た経済政策である。

　

コメント
01. 2013年1月02日 07:27:33 : cWIBtbognM YouTubeで不正選挙を検索するとたくさん動画が出てきます アメリカのための不正選挙という素晴らしい動画を発見
02. 2013年1月02日 07:56:24 : PKGkYtkLoA アメリカが日本を取り戻し、アメリカの意向を実現するために国民の発言権を完全に封じ込め憲法を全面改正いたしまする。
03. 2013年1月02日 08:22:35 : eFzIPX6DVk 安部は掛け声はいつも勇ましい。実験を握りだすと腰砕けになる性格は変わらない。
04. 冷徹な人 2013年1月02日 08:43:30 : tcgFDe61JhAvA : xHlIWZXG8A >「【榊原謙】政府は、中小企業の再生を促す「地域活性化支援機構」（仮称）を、来年４月に創設する方向で検討に入った。来年３月に支援決定期限が終わる官民の企業再生ファンド『企業再生支援機構』を改組する。年明けにまとめる緊急経済対策で、中小企業支援策の目玉にしたい考えだ」 　なんとなく、各省庁（財務省、経産省、農林水産省等）の官僚の天下り先として、大きな組織ができそうな嫌な感じがする。 　今後、内容をウオッチしていく必要がある。
05. 2013年1月02日 11:59:13 : oeDhEIEbZY 私は山口県出身です。両親の介護のため、時々東京から日本海側の故郷に帰ります。新幹線の駅から中国山脈に抜ける幹線道路は新しい道が次々と完成し、どこを通っていいのか迷うほどです。その道に人の姿は皆無、車もまばらです。山にはイノシシ避けの柵が続いてます。 一方、生活道路としての山間の道は狭く整備も遅れ、その先の村の学校は廃校、役場もなく、老人が一人家の周りに野菜や花を作りながら生活しています。村や町に人影はなく、昔ながらの家は次々と跡継ぎの絶えた廃墟になっています。 これが長年自民党が圧倒的な地域、安倍晋三を選出している地域の実態です。 東北大震災があったとき、車の備品の調達が不能となりました。そのとき、岩手その他の東北地方に、日本経済を牽引する中小企業が多数あることを知りました。 日本を取り戻す。地域の活性化。口だけならなんとでも言えます。 また安倍首相は年末、新しい原発の再稼働に言及し、安全性は確保されていると発言しました。 原発事故はない、絶対的に安全という言葉は、福島のみならず活断層上の原発にも言及していた言葉です。 口は便利なものです。しかしこの言葉を信じる人がいるのが信じられません。 民主党が政権をとったとき、小沢一郎を首相にすべきでした。口では劣るが実行力のある政治家を日本の首相にすべきでした。 本当に残念でたまりません。
06. xyzxyz 2013年1月02日 12:49:57 : hVWJEmY6Wpyl6 : hMsRcRvT0w 自民の古い土建政治が、小泉政権を経てまた評価されてきたということだろう。 過去、公共事業は悪という名の元にこの10年以上公共事業を削減し続けてきた。 田舎に殆ど人の使うことのない道路は必要なのか、こんな老人しかいない地域に コミュニティー施設は必要なのか。 こういったニュースを連日のように流していたが、今はうってかわって地方の 空洞化を嘆くニュースばかりになってきた。 地域に根ざした地方活性を促す、土着型政治なら岩手を中心に東北を根城にしてる 小沢さんの独壇場だろう。亀井さんもそういった中央から予算をぶんどってきて 地方に還元出来る政治家だと思う。 今の自民はマスコミに乗せられて、そういった古い土着型の政治家が少なくなってないだろうか。 自民はもう一度、過去の自民党に回帰する時がきたのだろう。

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