★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK142 > 885.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
特集ワイド:「ネット世論」は世論にあらず 「ゾウは細長い」と錯覚も!?(毎日新聞) 
http://www.asyura2.com/12/senkyo142/msg/885.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 1 月 23 日 10:31:33: AtMSjtXKW4rJY
 

http://mainichi.jp/feature/news/20130122dde012040010000c.html
毎日新聞 2013年01月22日 東京夕刊


選挙結果を比べると…
http://mainichi.jp/graph/2013/01/22/20130122dde012040010000c/002.html


 ◇同質性の高い人、共感し合い先鋭化 既存メディアにより実態以上の印象

 「ネット世論」という言葉を最近よく聞く。昨年の衆院選で政党支持を尋ねたオンライン投票の結果やツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で目立った言論の傾向が、大手メディアの世論調査の結果と大きく異なったのがきっかけだ。「ネット世論」の正体って何?【小国綾子】

 通信社のロイターが昨年、衆院選前に実施したオンライン調査「総選挙で誕生する新政権の中心となるべき政党は」の投票結果がツイッターやブログで注目された。日本未来の党の支持率がトップの自民党に迫る勢いだったからだ。同時期、Yahoo!のサイト「みんなの政治」が次期政権の枠組みを尋ねたネット投票でも、支持政党で未来が自民の次に多かった。ところが報道各社の世論調査では、未来の支持率はわずか数%。この差に「自公圧勝を示す世論調査は間違いではないか」という声が高まった。

 総選挙の結果、未来の比例代表の得票数は全国平均で6%、小選挙区を含む獲得議席は9議席にとどまった。

 両者の乖離(かいり)について、世論調査に詳しい政治学者、菅原琢(たく)東大先端科学技術研究センター准教授は「そもそもネット投票は世論調査とはまったく別物」と説明する。「世論調査は無作為抽出によって回答者を選ぶことで、有権者全体の意見分布を『世論』として示します。一方、ネット投票は無作為ではなく、特定の意見の人々が互いに呼びかけあって結果を動かしたりする。ネット投票の結果を『世論』と呼ぶこと自体が誤りなのです」と指摘する。

 ロイターも調査について「読者のリアルタイムのセンチメント(感情)を把握するもので、選挙の結果を予測するものではない」と話す。

 ネット投票以外の代表的な「ネット世論」の場に掲示板やSNSがある。菅原さんは「例えば中国や韓国への極端な嫌悪を表明するような人は日常生活では触れる機会が少ないが、ネット上では同じ意見の人々が集まって活発に発言するために目立つ。この結果、極端な意見が実態以上に大きく見えてしまい、『世論』として扱われ、『若者の右傾化』とみなされたりする」と説明する。

 数年前、菅原さんが新聞社の世論調査結果を分析したところ若者の方が「憲法9条改正」に慎重で「右傾化を示す数字はなかった」。また麻生太郎氏や小沢一郎氏が「ネット上で人気」と言われるのも、100人に満たないごく少数の人々が掲示板に何度も繰り返し書き込むことで印象付けられた側面があるという。

 「極端な意見や集団行動を目にしたメディアが、それを『ネット世論』として取り上げることで、実態以上に印象が膨れ上がる。その意味で『ネット世論』はバブルのようなものです」と菅原さんは指摘するのだ。

    ■

 ネットと集合知(多数の意見が積み重なって生まれる知識)を研究する駒沢大グローバル・メディア・スタディーズ学部の山口浩教授は「ネットでは同質性の高い人が共感し合い、意見が先鋭化しやすい。『脱原発は世論の多数派』と思っていた人が選挙結果を『不正選挙だ』と訴えるのも、安倍晋三首相のフェイスブックのコメント欄で嫌中嫌韓的な意見が先鋭化しがちなのも同じ構造です」と指摘する。

 「ゾウに例えると、ゾウの全体像を伝えるのが大手メディアだとすれば、しっぽや耳を詳しく観察したい人にとってネットは格好のツール。しかし、ゾウの全体像を知らずにしっぽだけ触っていると、『ゾウのしっぽは細長い』ではなく『ゾウは細長い』と誤った判断に陥ってしまう」

 では、ネットを使って世論を正しくすくい上げる方法はないのか。山口さんは米アイオワ大の「電子市場」研究に注目する。選挙の候補者を「株」に見立て、実際に資金を投じて売買。ネット上に刻々と表示される各候補の「値動き」は「世論調査より正確」と言われている。

 「昨年の米大統領選で、一部メディアがロムニー氏有利を書き立てた時、電子市場はオバマ氏有利で一貫していた。集合知を用いた予測市場の成功例です。低コストで大人数の考えを収集できるネットには大きな可能性がある」と山口さんは期待する。

 「次世代マーケティングリサーチ」の著書のあるマクロミルネットリサーチ総合研究所の萩原雅之(はぎはらまさし)所長はマーケットリサーチの手法を用いて、ネットを利用した世論観測に取り組んでいる。誰でも投票でき、結果を誘導することも可能な「ネット投票」ではない。約100万人の調査協力モニターから性別や年齢を有権者全体と同じ分布になるよう昨年1年間、毎日1000人を無作為抽出し、夜7時、内閣支持や政党支持、その日の気分などの質問をメールで配信、データを集め続けた。その結果、週末や連休など人が前向きな気分の時、内閣や政党の支持率が上昇すると分かった。

 萩原さんは「有権者全体の代表性を担保していないので世論調査ではない」と断りながらも「1日のデータ収集コストが極めて低いので、毎日測定することが可能になった。世論調査ではくみ取れない人々の感情や世の中の空気の変化を可視化できる」と期待する。

 菅原さんも「日本では住民基本台帳や選挙人名簿で有権者全体を把握できるため、精度の高い調査が可能です。こうした調査結果を参照しつつ、ネット調査でこれを再構成することは可能でしょう。ただし、適切な手法を用いることが大事です」と語る。

    ■

 受け手の側は、ネット上のさまざまな言論とどう付き合えば良いのだろう。

 萩原さんは「ツイッターやフェイスブックの自分のタイムライン(自分とつながっている相手の書き込んだ内容を時系列で読むことのできるページ)は自然と似た意見で埋まり、それが世論の多数派だと勘違いしてしまいがちです。時々他人のを見せてもらうとまったく異なる風景が見える」と助言する。

 菅原さんは「見えるものだけで判断しないこと」と強調する。

 「会議ならば100人中5人だけが発言しても残り95人の存在が目に入る。ところがネットは黙っている人の存在が一切見えないメディアです。極端な意見だけが繰り返し流れてくる結果、それらを間違って『世論』と認識してしまう。特に政治家やメディアは『絶賛の嵐』や『一方的な非難』ばかりに見舞われやすいので要注意です」

 共感してくれる場所を選び、「いいね!」に癒やされるうち、視野が狭まっていないか−−思わず自問した。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 日高見連邦共和国 2013年1月23日 10:47:54 : ZtjAE5Qu8buIw : Ihir5pcR5A

私はネットを過小評価も過大評価もしない。

>極端な意見だけが繰り返し流れてくる結果、それらを間違って『世論』と認識してしまう。

それは今の大手メディアの“報道姿勢”だって、全く一緒でしょ???


02. 2013年1月23日 11:43:45 : vcvUJV6uzQ
ネットの世論調査が当てにならないなんてことは、専門家のコメントを待つまでもなく常識だと思うね。分析で抜けているのは、ネットの特性を利用して、「確信犯的に」デマを拡散したり、「偽世論」の形成を試みたりする連中の存在だろうね。右にも、生活の支持者にも、こういう人たちはいる。彼らに騙されないことが、ネットリテラシーのイロハのイだろうね。で爺

03. 2013年1月23日 13:56:16 : Ya0mDfZ1PM
ネット世論は密室で少数の者が加工して出してくるマスコミ世論よりは数段上等である。

では婆


04. 2013年1月23日 14:09:49 : F5ntr4e0yc
「民主・自公・維新」を組織的、継続的に連呼して
反民主・反自公の票が維新に落ちるように大衆を誘導した
テレビ・新聞メディアの作為性こそ問題にされるべき

駒沢大グローバル・メディア・スタディーズ学部って何だ?
自分が当該学部卒なら履歴書に書くことは極めて躊躇うところだ


05. 2013年1月23日 14:38:30 : AZ02ygbwXQ
大手メデイア、特にCIAゴミ売り新聞ら大手新聞は従米路線の報道をし、世論誘導、宣伝の片棒を担いでいる。ネットその他マスゴミ以外の情報を取り入れないと洗脳、ミスリ−ド(誤った方向へ導く)される。
腐ったマスゴミがゴミ箱に叩き込まれないと、日本の将来は危うい。

06. 2013年1月23日 17:04:01 : DBcSzz9qEE
マスゴミが発する一方的な印象報道以外の情報も集めて両方の意見を見て判断した人の意見がネットの数字。

これはマスゴミが本当のマスコミに替わり多様な意見や情報を一般国民に提供するようになれば、世論はネットの数字に近づき収斂されるはず。

マスゴミを叩き潰せば、ネットの世論の数字が一般国民の世論となる。

この記事はマスゴミ自らが自分達が一方的な方向で記事を書いていることの証明である。

まず談合記者クラブを廃止し電波を独占している状態を変えなければならない。


07. 2013年1月23日 17:08:35 : DBcSzz9qEE
ついでに

「マスコミ情報が正しい」とするのは大いなる錯覚である。

日本に本当の報道はない by カレル・ヴァン・ウォルフレン 
これは彼が20年以上前に言ったこと。もちろん今もあてはまる。


08. 2013年1月23日 17:52:25 : s0MvKma27c
「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書) マーティン・ファクラー著
http://p.tl/j57q

内容紹介
発売日: 2012/7/4
3・11、そして福島第一原発事故を経て、日本人は新聞の限界を知った――。
なぜ日本の新聞は国民が知りたい事実を伝えず、「権力者の代弁」ばかりをたれ流すような報道に終始するのか。
日本取材歴12年の米国人ジャーナリストが明らかにする「国民総新聞不信」の真実!
新聞は誰のためにあるのか
この当たり前の問いに対し、はたして日本の新聞は胸を張って答えを出せるだろうか。
「社会の木鐸」と例えられ、権力を監視し、市民社会をより良きものにするために存在するはずの新聞。
だが、福島第一原発事故をめぐる報道では、当局の発表をそのまま報じる「記者クラブメディア」の限界を国民の前に自ら晒すことになった。
著者のマーティン・ファクラーはそんな「発表報道」に背を向け、東北の被災地を自分の足で回り、地元の人々や行政機関の窮状や奮闘を全世界に向けて発し続けた。
単身乗り込んだ南相馬市役所では、原発事故により記者クラブにいるはずの記者はみなすでに退避していた。
桜井勝延市長は、著者にこう訴えた。
「日本のジャーナリズムは全然駄目ですよ! 彼らはみんな逃げてしまった! 」(本書p42より)
著者は12年間にわたり日本を取材し続けている。
この国において、アウトサイダーと自覚するからこそ見えた、日本の新聞が抱える「ジャーナリズムの欠落」という根源的な問題。
そのための議論を起こすために、あえて実体験に基づいた厳しい指摘をいくつもしている。
同時に、志をもって働く日本人ジャーナリストたちと、3・11から立ち上がりつつある第二の故郷・日本にエールを送る。
【目次】 第1章 青い目の3・11取材記
第2章 情報寡占組織・記者クラブ
第3章 かくもおかしい新聞
第4章 ジャーナリストがいない国
第5章 日本の新聞 生き残りの道


09. 2013年1月24日 02:58:36 : 7oSKGju5kA
知ってる知ってる ネットは世論にあらず
前代未聞の投票所の行列も世論にあらず
ムサシが作ったデータが世論なんだわ

10. 日高見連邦共和国 2013年1月24日 08:22:28 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

08さま

読みましたよ〜。
良い本デス!!


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK142掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK142掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧