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読者1000人調査、大卒の4割が「勉強しなかった」 親の約75%が「子供を留学させたい」
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投稿者 SRI 日時 2013 年 10 月 18 日 01:34:49: rUXLhToetCnYE
 

読者1000人調査、大卒の4割が「勉強しなかった」 親の約75%が「子供を留学させたい」

2013年10月18日(金)  大竹 剛


 本誌10月14日号の特集「世界のトップ大学」では、日経ビジネスオンライン(NBO)の読者に対して、大学を卒業したことが社会に出て役に立ったかどうかや、子供の大学進学に関する意向などについてアンケートを実施した。今回は、その結果の一部を紹介したい。

 アンケートには1185人が回答。そのうち、日本の大学が最終学歴である人の割合が58%、日本の大学院が32.9%、海外の大学が1.4%、海外の大学院が4.6%となった。また、職業は製造業が30.8%で最も多く、教育・研究機関が16.1%と続いた(詳細は調査概要を参照)。
 まず、最終学歴が日本の大学という回答者について、「在学中にどの程度勉強したか」を調べた。その結果、「あまり勉強しなかった」(32.2%)、「全く勉強をしなかった」(9.2%)と答えた人の割合が合計で4割を超えた。
どれくらい勉強したか(%、回答者=日本の大学卒)

 一方、海外の大学を卒業した回答者では、「あまり勉強しなかった」、「全く勉強しなかった」の合計が1割強に過ぎない。最終学歴が海外の大学という回答者の数は17人と少なく、必ずしも厳密な比較はできない。それでも、「日本の大学生は勉強をしない」と言われている実態が改めて浮き彫りになったとも言えそうだ。
 アンケートでは、設問の最後に大学に対する要望や不満について、自由に記入できる解答欄を用意した。そこでも、この点について懸念する声が多数寄せられた。40代の男性は、「いまだに予習なしに授業に臨めるような大学が存在することに驚く。私はいわゆる有名私大の卒業であるが、自分の子供を行かせようとは思わない」と憤っていた。また別の40代の男性は、「自分が日本の大学で何を勉強したのだろう、とつくづく考えさせられる。子供には、ぜひ大学で勉強してほしい」と言う。
 「勉強しなかった」という後悔から、子供が大学に進学する際には自らの過ちを繰り返してほしくないと願う親が少なからずいるようだ。その一方で、「私が入学したのは大学がレジャーランドと言われた時代の終わり。勉強しないことがよいとは思わないが、勉強だけでは学べない人としての基礎力、教養を手に入れることができたと考えている」(40代の男性)と、「遊び」のメリットを強調する意見もあった。
「役立たなかった」最大の理由は「専門性の欠如」
 次に、「大学、もしくは大学院を卒業したことは、社会に出て役に立ったか」を聞いた。最終学歴が日本の大学という回答者のうち、「役に立った」と答えた回答者は85.4%にのぼり、卒業生の大部分が大学を卒業したことの成果を社会に出て実感しているようだ。
大学を卒業したことが社会に出て役に立ったか(%、回答者=日本の大学卒)

 具体的に、「役に立った」と考える理由を、選択肢の中から3つ、選んでもらった。その結果、「考える力がついた」が53.8%で最も多く、「教養を養えた」が42.9%と続いた。社会人として求められる素養が身につくという点では、大学にはおおむね満足しているようだ。
大学が役に立った理由(%、回答者=日本の大学卒、3つまで選択)

 一方、「役に立たなかった」と答えた人たちは、大学の何を不満に思っているのだろうか。同じように選択肢の中から3つを選んでもらったところ、「仕事に役立つ専門性が身に付かなかった」を理由に挙げた人が55%に達し、ほかの理由に比べると突出して多くなった。大学が卒業生の満足度をさらに高めるためには、こうした「専門性」を身に付けさせるための教育に力を注ぐことも必要とされているのかもしれない。
大学が役に立たなかった理由(%、回答者=日本の大学卒、3つまで選択)

仕事に役立ててほしいけれど、大学選びは子供の自主性を尊重
 実際、大学入学前の子供を持つ親に、「子供には大学でどのような能力を身に付けてほしいか」を、選択肢の中から3つ選んでもらったところ、そうした「専門性」を求める声が多いことが分かった。子供には「論理的思考力」を大学で身に付けてほしいと答えた人の割合が68.4%で最も多い。その一方、「仕事に役立つ専門的な知識や技術」は41.4%となり、「一般的な教養」(35.9%)を上回った。「考える力」や「教養」の重要性は認めつつも、昨今の就職難で、多くの親が大学に対して「仕事に役立つ専門性」も教えてほしいと期待するようになっているのかもしれない。
親が子供に大学で身に付けてもらいたい能力(%、回答者=大学入学前の子供を持つ親、3つまで選択)

 ただし、「子供に何を基準に大学を選んでもらいたいか」を聞いてみると、「子供自身が学びたいことを学べるか」が74.9%とほかの選択肢を圧倒した。子供の将来を心配し、仕事に役立つ専門性を身に付けてほしいと願う半面、最終的には子供が学びたいものを学ばせたいと言う、二律背反にもなりかねない複雑な親心が透けて見える。
子供には何を基準に大学を選んでほしいか(%、回答者=大学入学前の子供を持つ親、3つまで選択)

留学させたいのは「就職」より「人生経験」のため
 子供を持つ親に、「子供を留学させたいか」も聞いた。その結果、4人に3人が留学をさせたいと答えている。
子供を海外に留学させたいか(%、回答者=大学入学前の子供を持つ親)

 留学をさせたい理由を選択肢から2つまで選んでもらったところ、「日本では得られない経験ができる」がダントツの74.2%となった。一方、「日本での就職が有利になる」はわずかに0.9%。留学が日本で就職する上で必ずしも有利になるわけではないという現実を察しながらも、日本の大学よりは幅広い経験ができる点に最大の魅力を感じているようだ。
 4人に1人が「留学させたくない」と回答している点にも注目したい。アンケートでは、留学をさせたくない理由も同様に聞いてみた。その結果は次の通りだ。
留学させたくない理由(%、回答者=大学入学前の子供を持つ親、2つまで選択)

 回答者のうち、「学費・生活費の高さ」を上げている割合が40%となり、費用の高さが留学を考える際の最大の障害になっていることが分かる。その一方で、「日本の大学で十分」という人の割合も35%あった。子供を留学させたくないという親は、日本の大学教育に対して比較的高い信頼感を持っているようだ。また、回答者の20%が「その他」を選んだ。具体的な記入内容を見ると、海外の治安に対して不安を抱いているコメントが多かった。
500人以上が本誌に寄せた大学への不満と要望
 アンケートを通じて印象的だったのは、回答者たちの大学に対する熱心な思いだ。アンケート最後に用意した自由記入欄への書き込みは502件、実に全回答者の4割以上が、大学に対する不満や要望を寄せてくれたことになる。
 ここではすべてを紹介することはできないが、総じて言えることは、日本の大学に対して、もっと教育に力を入れて欲しいという切実な願いだ。
 製造業勤務の40代女性は「教授に学生を教える気がない」と憤慨し、海外の大学院を卒業した40代の男性は、「一番の問題は、自分の研究ばかりに集中して生徒のための授業をないがしろにしている日本の教授にある」と批判する。ある男性(60歳以上)は、「ビジネス界では常識の『顧客第一』の心得のない教授を多く見受ける。競争の原理も働いていない」と手厳しい。
 また、ある40代の男性は、「入学よりも卒業を難しくするべき。高い学費に見合った学ぶ場にしてほしい(自分の失敗談から)」と願う。米マサチューセッツ工科大学で学んだ経験があるという50代男性(大学院卒)は、「ハッと学問の面白さを気づかせてくれるような授業を日本の大学にも期待する」と言う。
 グローバル化を見据えて、大学が英語による教育をどのように取り入れていくべきかについても、様々な意見があった。教育関係に勤める男性(60歳以上)は、「教員の語学力(英語)の低さに絶望している」と嘆き、海外の大学院を卒業した40代の男性は、「日本文学や法律など日本語でしか行えないもの以外の科目はすべて英語で行うくらいの意気込みがあってもいい」とまで言う。
「日本の教育は素晴らしい。『海外かぶれ』すべきでない」
 東大助教を経て海外大学で講師をしているという30代の男性は、「大学院、特に博士課程の講義を日本語でやっていては海外の良い人材を引き付けられない。また、ポスドク問題がよく取りざたされているが、大学院時代からきちっと英語で教育していれば、海外企業の研究部門への転職が簡単にできる。ひとえに大学院の英語化に尽きるのではないか」と提案する。
 その一方で、拙速な「英語化」に警鐘を鳴らす意見もあった。40代の男性(大学院卒)は、「重要なのは、何を学びそれをどう生かしていくかであって、安易に英語で学べば良いというものでは決してない」とクギを指す。また、30代の女性は、「語学も職業教育も、やる気ある人なら社会人になってからでも身につけることができる。むしろ大学は、物事を考える『土台』を作る教育に力を注ぐべき」と言う。
 大学改革の抵抗勢力としてしばしば指摘される「教授会」の問題など、大学システムそのものへの批判もあれば、大学の競争力を高めるには産業界との連携をもっと強化すべきとの提案など、寄せられた意見は多岐にわたった。その中には、日本の大学の素晴らしさを指摘する声も少なからずあった。
 海外の大学院でMBA(経営学修士)を取得した40代の男性は、「MBAは生涯にわたり役に立つと確信しているが、日本の大学院で工学を修了したこともかけがえのない経験。日本の教育システムや人材の優秀さには素晴らしいものがある。子供たちには『海外かぶれ』して国際ランキングなどに惑わされることなく、国内であれ海外であれ学びたいところで学びたいことを存分に学んで欲しい」と、これから大学に入学する世代に声援を送る。
 自ら卒業した大学の評価が、グローバル化の中で低下していくのは寂しい限りだ。今回、アンケートに協力をしてくれた読者の多くが、母校に対するそんな思いを抱きながら回答してくれたのかもしれない。



世界のトップ大学
世界の大学が今、大きな変化に直面している。ハーバード大学など世界のトップ校の講義が無料で受けられる「MOOC(大規模公開オンライン講座)」や、アジアなどの新興大学が台頭してグローバル競争が加速。日本の大学も、この潮流に乗り遅れまいと改革に着手した。世界のトップ大学で始まった「教育革命」の最前線を追う。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20131015/254595/?ST=print
 

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