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国の石綿対策どう評価 泉南訴訟、9日に最高裁判決  2つの二審、異なる判断
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投稿者 あっしら 日時 2014 年 10 月 06 日 03:17:24: Mo7ApAlflbQ6s
 


国の石綿対策どう評価 泉南訴訟、9日に最高裁判決
2つの二審、異なる判断

 大阪・泉南地域に集中していた紡績工場でアスベスト(石綿)を吸い、肺がんなどを発症したとして、元従業員らが国に損害賠償を求めた2つの集団訴訟の上告審で、最高裁が9日、判決を言い渡す。過去の国のアスベスト対策をどう評価するかによって2つの二審判決は結論が分かれており、国の不作為責任を巡って初の統一判断が示される見通しだ。

 上告審の焦点は国が健康被害を防止する対策を怠っていたと認められるかどうか。アスベストを扱う工場における(1)排気装置の設置義務付け(2)粉じん濃度の規制(3)防じんマスクの着用義務付け――の3点が争点になっている。原告側は3点いずれも国の対応は遅すぎたと主張。国側は「その時々の知見に応じて措置をとっており責任はない」と反論している。

 第1陣、第2陣の2訴訟とも、一審・大阪地裁は排気装置の設置を義務付けていなかった点について、国の不作為責任を認定し、国に損害賠償を命じた。
 二審・大阪高裁では判断が分かれた。第1陣訴訟の高裁判決は、一審で唯一国の責任を認めた排気装置について「国の対応には一応の合理性があった」とし、原告側の全面敗訴とした。
 第2陣訴訟は同高裁の別の部が審理し、排気装置だけでなく、一審で認められなかった濃度規制とマスク着用についても国の責任を認定し、原告側勝訴とした。

 国が排気装置の設置を義務付けたのは1971年。第2陣の高裁判決は設置を行政指導した58年には義務付けまで踏み込むことができたはずだとして、それ以降に工場で働いていた元従業員を賠償対象とした。
 一方、第1陣の地裁判決は国に賠償責任があるのは60年以降としており、ここでも判断が分かれている。
 上告審で争う原告は、石綿肺や肺がんに苦しむ元従業員55人の本人と遺族。9月21日には元従業員の1人が最高裁判決を待たずに死亡した。2006年に第1陣が提訴してからの約8年半で亡くなった元従業員は14人となっている。

[日経新聞10月5日朝刊P.30]

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※参考:第一陣訴訟大阪高裁判決記事

アスベスト:大阪・泉南訴訟 被害者、逆転敗訴 高裁、国の不作為責任認めず

 大阪府泉南地域のアスベスト(石綿)工場の元労働者や近隣住民らが、アスベストによる健康被害の損害賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。三浦潤裁判長(退官のため田中澄夫裁判長が代読)は、国の不作為責任を初めて認めた1審・大阪地裁判決(昨年5月)を取り消し、原告側逆転敗訴の判決を言い渡した。高裁は「国が1947年以降、健康被害の危険性を踏まえて行った法整備や行政指導は著しく合理性を欠いたとは認められない」と、国の責任を否定した。原告側は上告する方針。【苅田伸宏】

 原告らは06年以降に順次提訴し、32人が総額9億4600万円の賠償を求めていた。1審判決は、石綿肺などの石綿関連疾患と石綿粉じん吸引の関連性を認める医学的知見が固まった時期を考慮し、国が事業者に対し、1960年の旧じん肺法制定までに排気装置の設置を義務付けなかったことなどから、事業者と同等の共同不法行為責任があるとして約4億3500万円の賠償を命じた。

 高裁は、労働者の安全確保に関する旧労働大臣の規制権限のあり方を検討した。「化学物質の危険性が懸念されるからといって、ただちに製造、加工を禁止すれば産業社会の発展を著しく阻害しかねない」と指摘。規制の判断要素になる医学的知見などは変化するため、権限行使の時期や内容は「当該大臣によるその時々の高度に専門的で裁量的な判断に委ねられている」と、行政の広範な裁量権を認めた。

 さらに「健康被害が発生した場合も、規制権限の不行使がただちに違法にはならない。許容される限度を逸脱して、著しく合理性を欠くときに限り違法」とした。
 こうした前提を踏まえ、高裁は、国の石綿対策について「排気装置の設置や防じんマスクの着用などを指導してきた。一定の効果を上げたのも事実」と認定。昭和30年代には社会的に石綿の危険性が認知され、国も石綿の問題を過小評価しておらず、石綿を扱う事業者が労働者に防じんマスクの使用などを指導することで健康被害を防ぐことは十分可能だった、と判断した。

 原告側は「国は産業保護を優先して健康被害を軽視した」として、国のさまざまな権限不行使を指摘していたが、判決は排気装置の設置義務付けについて「設置に必要な工学的知見が確立していなかった」として認めないなど、訴えをすべて退けた。

 ◇信じがたい暴挙

 原告団と弁護団は「泉南地域の被害と国の加害の事実から目をそむけ、国民の生命、健康よりも経済発展を優先させた国の責任を不問に付すもので、信じがたい暴挙。直ちに上告し、引き続き泉南アスベスト被害の全面解決を求めて最後まで闘い抜く」との声明を出した。

 ◇主張認められた

 厚生労働省は「国のこれまでの主張が認められたものと認識している。今後とも、アスベストによる健康障害防止対策に取り組んでいきたい」。環境省も「今後とも建築物解体時などの石綿の飛散防止や石綿健康被害者の救済などを進めていく」とのコメントを出した。
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 ■解説
 ◇司法判断の流れに逆行

 原告側逆転敗訴を言い渡した25日の大阪高裁判決は、国が規制権限を行使せず被害が生じたとする原告側主張を退けた。今回の判決は産業発展を重視し、規制に関する国の裁量権を広範に認めた。じん肺や公害などの健康被害を巡る近年の訴訟では、国の不作為責任を認める司法判断の流れが続いてきたが、こうした流れと正反対の判断を示した。

 04年の筑豊じん肺訴訟と水俣病関西訴訟の最高裁判決では、重大な健康被害について国の不作為責任を認定。司法が行政に介入しない「司法消極主義」を脱却し、健康被害に苦しむ国民を救済する方向性が示された。

 1審判決もこの流れに沿った内容で、医学的知見などが固まった二つの時点をとらえて規制権限不行使の違法性を認定。「労相は事業者が経済的負担を負うことを理由に、石綿粉じんにさらされる労働者の安全をないがしろにすることはできない」とし、国に事業者と同等の共同不法行為責任があると判断した。

 しかし控訴審は逆の判断を示した。控訴審判決について、吉村良一・立命館大法科大学院教授(環境法)は「経済活動に大きく配慮し、生活や健康被害を軽視する内容で、国の裁量範囲を広げ、不作為が違法となる部分を例外的とみている」と指摘し、最近の司法判断の流れに逆行すると評した。

 原告側は上告して徹底的に争う構えで、判決を「形式的な行政を追認する裁判は意味がない」と批判する。最高裁がどのような判断を示すか注目される。しかし、原告は高齢者が多く、訴訟に時間的な余裕はない。【苅田伸宏、日野行介】

毎日新聞 2011年8月26日 東京朝刊


 

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