★阿修羅♪ > 社会問題9 > 551.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
愛と結婚と「失われた大隊」―ある老夫婦の物語 By E. WESLEY ELY
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/551.html
投稿者 蟲 日時 2015 年 2 月 23 日 18:45:08: VXoEun45fU5tI
 

愛と結婚と「失われた大隊」―ある老夫婦の物語
By E. WESLEY ELY
原文(英語)
2015 年 2 月 23 日 16:30 JST

ドイツの神学者ディートリッヒ・ボンヘッファーは結婚を控えた姪に宛てた手紙の中で「結婚を持続させるのは愛ではない。結婚が愛を持続させるのだ」と書いた Getty Images
 隣の部屋から妻デイジーの叫び声が聞こえたとき、フォード・カリスさん(94)は驚いてベッドから飛び上がった。そして倒れ、左目をベッドスタンドの端にしたたかにぶつけた。からだが床にたたきつけられ、肺から空気が勢いよく吐き出された。カリスさんは暗闇のなか、隣の部屋にいる認知症の妻の様子を探ろうとサウンドモニターに耳をすました。カリスさんは自分の心臓が早打つ音を聞いた。だが、それ以外の音は聞こえなかった。カリスさんは妻の部屋へ這(は)っていこうとしたができなかったと言う。

 目の裂傷からの流れ出た血と肩と胸に新たにできた傷は、カリスさんに60年前のことを思い出させた。第2次世界大戦中のフランスアルプスで、カリスさんは救出が絶望視された「失われた大隊」の一員だった。傷を負っていたカリスさんはフォックスフォール(一人用の塹壕)で身動きがとれずにいた。そこへ救助隊が到着した。そしてカリスさんが倒れたその日も救助はやってきた。何時間たっても床の上に倒れたままで動けず、窓の向こうに朝日が昇るのをじっと見つめることしかできなかったカリスさんは、娘からの恒例のモーニングコールに出ることができなかったからだ。

 その日のうちにカリスさんは私が勤める大学病院のICU(集中治療室)に運ばれてきた。なすすべもなく床に倒れたまま、妻のいる部屋に向かってカリスさんが言う「死のほふく前進」を試みた体は筋肉破壊が進み、毒性障害で腎機能が停止していた。ストレス性潰瘍から出血し、左足には血栓もできていた。これらすべてが複雑に絡み合い、カリスさんは治療も困難で生命を終えようとしていた。

 しかし、カリスさんはひっきりなしにこう尋ねていた。「いつになれば家に帰ってデイジーの世話ができるのか。彼女は『リッジトップ』で私を待っている」と。リッジトップとは71年前に妻がテネシー州の田舎に購入した家だ。戦時中、戦闘機工場でリベット工として働いていた給料を貯めたお金で買ったものだ。

 病院では私たち白衣チームがカリスさんを「救う」ために全力を尽くした。しかし、後で知ったことだが、カリスさんを本当に救ったもの、そしてカリスさんにとって一番大事だったものは、数十年前にはるかに高いレベルで交わされた神聖な約束だった。

 物語はカリスさんが兵士になる前、20歳でデイジーさんと結婚したときに始まる。結婚後すぐに、カリスさんは軍の訓練をへて、イタリアのナポリに配属された。第36師団の一員としてだ。師団はフランスアルプスのボージュ山脈に分け入って行くが、そこでドイツ軍に囲まれ、物資の補給が絶たれてしまう。第36師団を編成する他の2つの部隊による救出作戦が失敗に終わり、カリスさんがいた部隊は「失われた大隊」と呼ばれることになる。食べ物も水もないフォックスフォールで水たまりの水を飲み、ミミズを食べてしのいだカリスさんは8日後、日系米国人で構成された第442連隊戦闘団によって救出された。

 そして数十年後の今、カリスさんは妻のデイジーさんを救出しようと心に決めていた。目の周りに黒いあざをつくりながらも、カリスさんはICUのベッドの中で笑顔を見せて医師にこう言った。「先生、できるだけ早く妻の待つ家に帰してもらわないと困る」と。カリスさんの孝行娘も点滴の管に落ちる血液から目を離すと「そう、それが(父の)人生最大のミッションで、絶対に失敗しないと心に決めている」と話した。

 明らかなのは、結婚を通してカリスさんは消し去ることのできない魂の変化を体験したことだ。それは体が受けた負傷や世俗的な出来事では元に戻せないものだ。「自分を信じてくれる誰かが家で待っていることが自分に目的を与えてくれる。私は結婚のおかげで自分以上になれる」とカリスさんは話す。たとえロマンスの輝きが遠くなったように思えたとしても、結婚を見捨てない方がいいとカリスさんは強調する。

 カリスさんの言葉は、ドイツの神学者ディートリッヒ・ボンヘッファーがナチスの刑務所から結婚を控えた姪に充てた手紙を思い出させる。手紙にはこうあった。「結婚は相手への愛以上のものだ。愛の中には自分自身の幸福という天国しか見えないが、結婚では世間と人間に対する責任ある立場に置かれることになる。愛はあなた自身の私有物だが、結婚は何か個人的なものを超えるものだ。ステータスであり、職場でもある」

 カリスさん夫妻の話はその日、病院中でもちきりとなった。夫妻の話は軍隊や医学的な救助の話として、わくわくするものであり、おそらく専門的にも興味深い話ではあるが、それだけではなかった。それは結婚を救う話だった。結婚の誓約は2人の魂を解放し、高い目的を与えた。その日、病院にいた私たちは既婚・未婚にかかわらず、真に重要な目標がどこにあるかを理解し、どんな時に相手に最善を尽くせるのかを思い出すことになった。

 カリスさんはついに健康的な顔色と元気を取り戻した。そして退院する日の朝、もう一度こう語った。「結婚を続けるには3人の力が必要だ。デイジーと自分、そして神だ。これは単に民事上の合意であるだけではない。私たちはひとつなのだ」と。これはボンヘッファーが姪に充てた手紙に、「結婚を持続させるのは愛ではない。これからは結婚があなたがたの愛を持続させるのだ」と記したことと美しくも一致する。

(筆者のE・ウェスリー・イーリー氏はテネシー州ナッシュビルのバンダービルト大学医療センターの医学・救急救命学の教授)

関連記事
結婚生活を持続させる秘訣―点数評価が関係修復のきっかけに
「熟年離婚」を回避する知恵:趣味を共有しよう
既婚者が語らない10の秘密―想像で不倫も
どの結婚が成功するか予測する新たな方法
「ありがとう」で強まる夫婦の絆―うれしいことは一緒に祝おう
バレンタインデーに思う 一夫一婦制は自然なのか
http://jp.wsj.com/articles/SB10472014764830763981904580479172409675114?mod=wsj_nview_latest  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 社会問題9掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
社会問題9掲示板  
次へ