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これからの生活者分析―人々の行動を基点に生活者を理解する
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/588.html
投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 22 日 00:45:43: tW6yLih8JvEfw
 

http://www.dhbr.net/articles/-/3287 
これからの生活者分析―人々の行動を基点に生活者を理解する
2015年05月22日
多田 翼  Google 日本法人 マーケットインサイト マーケティングリサーチマネージャー
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プロフィール
実際のところ、私たちはどのようにメディアを使い分けているのだろうか。「マルチスクリーン行動分析」で、分析対象者の一人ひとりが、1カ月間、いつ、どれくらいのテレビ・パソコン・スマホというデバイスを利用したか、秒単位の行動ログデータ取ってみると、かつてのデモグラフィック的な分類と違う姿が見えてきた。グーグルのマーケティングチームの好評連載、第3回。

前回( 第2回)は、日々メディア環境が変化する中で、マーケターの過去の経験による予見が結果的にバイアスになってしまう可能性を指摘した。また、それを避けるには変わりゆく「今」の状況を常に可視化し、判断することが重要であると述べた。
そこで今回は、多様化しているメディア環境の中で「今」の生活者がどのように情報に触れ、使いこなしているのかについて、検証していきたい。 
様々な方法で情報を得ている生活者
今、明日の天気を知ろうと思ったら、あなたはどうするだろうか。 

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多田 翼(ただ・つばさ)
Google 日本法人 マーケットインサイト マーケティングリサーチマネージャー
2013年にグーグル株式会社に入社。クロスメディア環境における広告効果測定のための調査手法開発、広告効果測定調査の企画から分析、生活者やグーグルプロダクトユーザー分析など、特にモバイル領域の調査手法開発や分析に従事。前職はマーケティングリサーチ会社。定量調査を中心にマーケティングリサーチを専門にし、新規事業として調査パネル開発を担当。
テレビの天気予報を見る。あるいは、パソコンから天気情報サイトにアクセスする。または、スマートフォンから、Google Now のような天気情報を届けてくれるアプリで確認する方法もある。明日の天気という情報を知るための方法は様々だ。そんなこと当たり前だと思われるかもしれない。 
ここで、考えてみて欲しい。今日本人の43%*1は、テレビ、パソコン、スマホの全てを使うことができる環境にある。同じ天気という情報を、どのスクリーンであっても獲得できるのだ。しかし、その中でどの方法を選んでいるのかということは、スマホの普及率やテレビ番組の視聴率を見てもわからない。 
「あなたは、どのようにして明日の天気を知りますか」とアンケートで聞くこともできるだろう。しかし、多くの人はテレビもパソコンもスマホも使うと回答し、本当のことを知ることは難しい。
ある特定の情報を――天気に限らず新商品についても――生活者はどうやって得ているか。これを知ることは、昔からマーケターの夢だったと言える。 
かつては、その方法はなかった。そのため、アンケート結果などから、20代の女性はこういう傾向がある、40代の男性はこういう傾向が相対的に強い、という統計的な分析しかできなったというのが現実である。 
ところが、前回も紹介した行動ログデータの集積であるシングルソースデータ*2は、一人ひとりの行動の類似性から生活者を分類することが可能となる。 
このような分析をすると、いわゆるデモグラフィックによる強制的な分類とは全く違う様相が見えてくる。 
次のページ  生活者のメディア情報行動を明らかにした「マルチスクリーン行動分析」
生活者のメディア情報行動を明らかにした「マルチスクリーン行動分析」
では、この点に着目してグーグル マーケットインサイト*3が実施した「マルチスクリーン行動分析*4」の結果を紹介する。 
この分析では、分析対象者の一人ひとりが、1カ月間、いつ、どれくらいのテレビ・パソコン・スマホというデバイスを利用したかという秒単位の行動ログデータを活用した。利用特徴が似ている人が、同じグループに属するよう統計的に分類するクラスタリング手法の結果、5 つのグループができた(なお、このデータはグーグル保有のものではなく、調査会社によって提供されているものである)。 
その上で、この 5 つのグループに対し、接触コンテンツ情報(視聴テレビ番組・閲覧インターネットサイト・利用アプリ)、購買意識や生活意識の調査結果、性別年代や職業などのデモグラフィック情報から、グループごとのより詳細な特徴を以下のように明らかにした。 
●グループ1(全体の 22%):デバイス利用時間が長く、朝起きたら “ON” 状態にするのが習慣。雑誌の購読数も多く、ニュースや情報番組で知識をどんどん蓄積させていく。メディアは取捨選択型ではなく追加型
●グループ2(全体の 15%):テレビを見るのは夜が中心で、それ以外の時間では少ない。パソコン利用も夜型。スマホ利用は比較的少なく、パソコンを使う。雑誌はあまり読まない
●グループ3(全体の 30%):テレビもパソコンもスマホも楽しく時間をつぶすため。テレビ番組はワイドショー好き。スマホでは写真を撮ったり、動画を見たりしている。家にいる時間はテレビをつけながらパソコンやスマホを見ている
●グループ4(全体の 22%):パソコン利用が少なく、メインデバイスはスマホに移っている。気になったことはすぐに調べたい性格で、家でパソコンを立ち上げるまで待てずにスマホで検索
●グループ5(全体の 12%):テレビよりもパソコンやスマホの利用時間が長い。テレビ・パソコン・スマホは深夜帯 (23 時以降)での利用が多いのが特徴。オンラインは人とつながるため、情報を得るためのもの
分析した人たちは全て、テレビもパソコンもスマホも持っている。しかしながら、実際の利用の仕方はまったく異なっていた。さらに、それらの人々の行動の差は、単にデバイス利用傾向だけではなく、利用するアプリ、アクセスするサイト、見るテレビ番組にいたるまで、その特徴に差があることも分かった。 
さらに注目すべきこととして、各グループ内における男女と年代比に極端な違いは見られなかったということである。

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シングルソースパネルデータによるマルチスクリーン調査(Google 自主調査2013年)
かつては、「夫婦と子供2人の4人家族」、そして女性は専業主婦もしくはパートで、夫である男性に扶養されているのが日本のモデル世帯とされていた。 
いまこれを聞いたらどうだろう。いまどき何を言ってるのかと、多くの方が思うのではないだろうか。 
一方で、もしあなたの部下から「今回のターゲットは30代女性なので、マーケティングコミュニケーションはテレビを中心に……」というようなメディアプランが提案されたとする。意思決定者であるあなたが、そのプランに従来の認識でもって Yes と言ったとしたら、あなたは無意識にこの旧態依然の「モデル世帯」を受け入れてしまっているということになる。 
実際のところ、過去20年で30代女性の社会的行動モデルは多様化しており、情報獲得の仕方は様々である。それは、情報に対する考え方、性格、社会的役割などが複合的に入り混じった結果が反映されているからだ。30代女性をひとくくりに分析してしまうと、彼女らの実際の行動を見過ごしてしまう結果となる。 
次のページ  %からの脱却――行動を基点に生活者を理解する
%からの脱却――行動を基点に生活者を理解する
マーケティングリサーチの技術革新は日進月歩だ。かつて技術的に、あるいはコストが高すぎてできなかったことが、今は可能になっていることも多くある。その一方、マーケターやリサーチャーは未だに定量的リサーチの結果である%(パーセント)に支配されているのではないだろうか。 
本来は、生活者をより深く理解するためには、彼ら、彼女らの情報行動をつぶさに観察し、分類、分析した方が良いということは自明なはずだ。かつては、それができなかったから次善の策として利用していたはずの手法や指標が、いつの間にか唯一のものと認識されてはいないだろうか? 
マーケティングの役割は、自分たちが提供する商品/サービスへ愛着や客観的理解はもちろんのこと、生活者理解もそれと同様に重要であり、性年代や自社ブランドユーザーといった既存の分析枠ではなく、実際の人々の行動からそのインサイトを把握する分析が大切である。 
次回は、このような視点で生活者とブランドの代表的接点となる「購買行動」に焦点を当てた生活者理解の事例を紹介する。 
(つづく)
*次回は5月29日(金)公開予定
【注】
(1)日本全国の 20 代 ~ 60 代男女。2015 年インテージ社
(2)シングルソースパネルは、調査対象者一人ひとりのパソコン・スマートフォン・テレビの視聴行動を詳細に分析できる。パソコンとスマートフォンのブラウザからのインターネット利用や、スマートフォンのアプリ利用、テレビでは対象者が家庭内で見たテレビ番組や CM(録画視聴含む)が分析対象となる。ユーザーの記憶には残らないような情報接触行動まで分析が可能となる。パネル自体は調査会社が提供しており、グーグルは課題に応じてこのパネルのデータを活用し、様々な分析を実施している。
(3)生活者の行動やマーケティング投資の可視化など、データを軸にマーケティングの発展を目指すグーグルのマーケティングチーム
(4)マルチスクリーン行動分析:調査対象者は、テレビがありパソコンとスマホを保有しているマルチデバイス環境下の約 500 人。2013 年 6 月の 1 ヶ月間のデータを集計/分析した。紹介映像 (YouTube) / Google AdWords blog 記事(前編/後編)

【連載バックナンバー】
第1回:デジタルテクノロジーによってマーケティングはどう変わるか
第2回:記録と記憶は異なる――大きく変化する生活者の日常を捉える
 

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