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Nスペ「老人漂流社会」の深刻な実態
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/618.html
投稿者 仁王像 日時 2015 年 9 月 05 日 16:12:11: jdZgmZ21Prm8E
 

 昨夜のNスペを見て気が重くなった。ようやく気を取り直して断片を書く。

 今、高齢者の年金生活者の下に介護やリストラでその子息たちが戻ってきている例が多い。こどもの収入はアルバイト代ぐらいなので、却って生活が苦しくなって親子共倒れの例もある。岩手県のある村では、母が病死した後、その介護で帰っていた息子も凍死していたことがあとで発見された。
 息子がリストラで帰ってきたため、生活保護を断ち切られた老人もいる。いつ倒れるか分からないので息子のいてもらいたいのが本音だが、とにかく生活が苦しい。その先の見通しは共倒れである。

 宮本みち子氏(放大教授)は、こうした事態を放置すれば社会の負担は却って大きくなると指摘。生活保護制度に欠陥があり、親が生活困窮者の場合は、生活保護を需給しつつ子どもと同居することを推進すべきとしている。

 榊原英資氏(青学教授)は、正規雇用と非正規雇用では、年齢を重ねるごとに格差が開いていく。非正規雇用が増えたため、この20年間労働者の平均給与は減り続けている。国は非正規雇用の人たちを何らかの形で救済すべきとしている。  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 仁王像 2015年9月05日 16:14:55 : jdZgmZ21Prm8E : h0fGBjeY5M
 昨夜ではなく、先週の日曜日でしたか。

2. 2015年9月16日 17:54:34 : OO6Zlan35k
あなたに迫る 老後ミゼラブル
2040年、未曾有の高齢化社会がやってくる。首都圏も高齢者が大幅に増え、高齢者の入居する施設は今後、整備が追い付かなくなっていく。これから高齢者になっていく現役世代を待ち受けるリスクとは。足元に見え始めた「未来の兆候」を探りながら、検証していく、「日経ビジネス」2015年9月14日号の連動企画。
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著者プロフィール
鵜飼 秀徳
鵜飼 秀徳
日経ビジネス記者
新聞記者を経て、「日経おとなのOFF」編集部。主に芸術を担当。2012年〜「日経ビジネス」記者。北方領土やチェルノブイリなどのルポを執筆。専門は、宗教、美術、ライフスタイル。
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河野 紀子
河野 紀子
日経ビジネス記者
日経メディカル、日経ドラッグインフォメーション編集を経て、2014年5月から日経ビジネス記者。流通業界(ドラッグストア、食品、外食など)を中心に取材を行う。
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林 英樹
林 英樹
日経ビジネス記者
大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。
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武田 安恵
武田 安恵
日経ビジネス記者
大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。
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http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/090700033/


 


孤独死現場を「リセット」する人たち

現場に残された「5000万円」の真実

2015年9月11日(金)鵜飼 秀徳

 日経ビジネス2015年9月14日号の特集は「あなたに迫る 老後ミゼラブル」。現代ニッポンに生きる誰もが直面しかねない「老後ミゼラブル」の現実を浮き彫りにした。誌上でも取り上げた「3大ミゼラブル」の1つが孤独死だ。
 近年、孤独死する高齢者が増え、遺品整理業が活況を呈している。死後、時間が経過した現場は悲惨そのもの。一方で、遺品に紛れて金品が見つかることも多々あるという。「特殊清掃」を手掛ける福岡県の遺品整理業者が、孤独死現場の真実を明かした。
(聞き手は鵜飼秀徳)

岩橋ひろし氏(友心・まごころサービス代表取締役)
1976年、福岡市生まれ。39歳。専門学校を卒業後、嬉野温泉旅館「和多屋別荘」にて全国初の男性中居「男組」の中居頭を務める。2004年7月、自動車販売店アクション・ロードを創業。2012年3月、遺品整理士を取得し、4月から福岡県大野城市で「友心・まごころサービス」を立ち上げる。生前整理、遺品整理・特殊清掃、空家整理、家屋解体、相続関係手続き、不動産売買、各種お祓い・供養・納骨などの一連の関連業務をワンストップで実施。(撮影:松隈直樹)
(注:本文中に、一部現場の生々しい描写があります。ご了承ください)
今年に入って、孤独死現場の清掃依頼はどのくらいあったのですか。

岩橋:既に40軒は超えていますね。年々増えてきている印象です。

「遺品整理」と「特殊清掃」とは何が違うのですか。

岩橋:遺品整理は故人が使っていた家財道具一式を片付けることです。通常は病院や自宅で誰かに看取られながら亡くなり、葬儀などを終えて落ち着いた頃に、遺族が依頼します。

 それとは別に「特殊清掃」というものがあります。特殊清掃を含む遺品整理というのは、自殺、殺人、孤独死などでご遺体の発見が遅れた部屋の清掃です。当然、そんな凄惨な現場には誰も入りたがらない。自殺や孤独死の場合、匂いで近隣の人が気付いて通報するということが多いです。

 そうした現場には残存家財が残っている。ご遺体そのものは運び出された後なんですが、体液や毛髪などは残されたままで腐敗し、異臭を放っています。ご遺体の跡を片付けてから遺品整理です。これが特殊清掃です。

特殊清掃を始められる前は、中古車販売業をされていたとのことですが。

岩橋:はい、中古車販売業をやっていましたが2011年にハウスクリーニングのフランチャイズの業者さんから、遺品整理の話を聞いたのが事業を立ち上げたきっかけです。調べてみると遺品整理士認定協会というのが立ち上がっていて、その資格を取得しました。

当時は遺品整理に対し世の中のニーズが高まりつつあったけれども、遺品整理を専門にする業者がまだ少なかったということですか。

岩橋:そうです。先行する業者が少なく、参考にできなかった。例えば、どういうところに営業に行けばいいのか、どこにニーズがあって、どういう仕事につながっていくのか、というものも見えない状況。広告の打ち方も分かりませんでした。

遺品整理士の認定は何番目くらいだったのですか。

岩橋:117番目です。今では1万1000人を超えていますから、いかに遺品整理業がここ数年で伸びているかが分かります。

遺品整理はリサイクル業に似ている

遺品整理業者すべてが特殊清掃をしているわけではない?

岩橋:そうです。多くの業者さんが、「お宝探し」の一環でやっています。処分を頼まれた家財、家電を再販し、儲けを出すのもこの仕事のひとつの側面です。

リサイクル業に似ている?

岩橋そうですね。実際、リサイクル業者さんが遺品整理を手掛けるのが、ほとんどです。

遺品整理業が増え出したのは、東日本大震災がきっかけだとか。

岩橋:そうです。しかし、残念なことに、言い方は悪いですが、火事場泥棒的な要素があったと思います。遠く離れた都会で暮らす遺族が、東北の現地でムチャクチャになった部屋の整理なんてできないじゃないですか。だから業者に依頼するしかない。極端な例で言うと、30万円という見積もりに対して、300万円で請求したりするような過剰請求もあったと聞きます。

 業者の一部が、そういったことをやったために業界のイメージが悪くなった側面は否めません。そのイメージダウンを払拭するために、北海道にある数社が集まって、遺品整理士認定協会を立ち上げ、遺品整理士という資格が生まれたのです。


岩橋さんとスタッフ(撮影:松隈直樹)
岩橋さんが福岡で遺品整理と清掃を始めて、3年が経過していますが、この間の需要の高まりや変化の様子を教えて下さい。

岩橋:確かに遺品整理の需要は高まっています。しかし、特殊清掃を必要とする現場、要は同業他社が嫌がるような現場を避ける業者がほとんどです。孤独死した家族のニーズに業界全体が応えられているかといえば、まだまだです。

 遺族は「遺品整理」と言う言葉は知っていても、「特殊清掃」というキーワードを知らない人がほとんどです。孤独死をしてしまった現場のご遺族が、いざ、インターネットで探そうとする場合、「遺品整理」という検索の仕方をする。そうして業者に現場に見積もりに来てもらう。

 しかし、玄関前で既に異臭がしており、ハエが飛び交っている。当然、室内の様子が想像つくので、「これはうちの専門じゃないのでできません」と断わられる。別の1社が来ても、「うちでも無理」という感じです。遺品整理業者のほとんどが特殊清掃を手掛けていないのが実情です。

特殊清掃は、業者も敬遠するということですか。

岩橋:先ほども申し上げましたが、遺品を再販する目的での「お宝探し」の要素の強い遺品整理業界で、特殊清掃を必要とする現場に残された遺品は、すべてが商品にならないんです。家具、家電、もうすべてに匂いが付着し、再販は不可能です。だから、メリットが少ないと捉える業者も多いでしょう。

過酷な特殊清掃の現場

特殊清掃の現場は、全ての家財道具に匂いが付くほど、過酷だということですか。

岩橋:過酷ですね。入って3分くらい室内にいるだけで、皮膚に匂いが浸透し、髪の毛にも染み付く。その匂いを取るだけでも大変です。

岩橋さんが初めて入った特殊清掃の現場では、相当ショックを受けたのではないですか。

岩橋:最初の現場はマンションの4階でした。しかし、1階のエレベーターの中から、ほのかに、今までちょっと嗅いだことのないような匂いが漂っていたんです。

 エレベーターの中の四隅には芳香剤が置いてあった。当時は「おかしいな」って思いましたが、当時、エレベーターで遺体を運んでいますから、その時に匂いが籠って残ったようなんです。エレベーターが開いた瞬間、もっと強い匂いがふんわりとやってきました。


セルフネグレクトでゴミ屋敷と化した室内。ペットボトルの中は尿である
[画像のクリックで拡大表示]
その方は、どういう状態で亡くなられていたんですか。

岩橋:ごみ屋敷状態の中で、1人で孤独死をされていました。俗に言う「セルフネグレクト(生活を維持する意欲や能力を失った状態のこと)」です。50代ぐらいの方でした。

高齢者の孤独死も増えています。

岩橋:ものすごく多いです。親族がいたとしても遠方に住んでいて、お互い行き来がなくなっている。今は、お互いの生活をしていくだけで、精一杯の時代です。だから、身内が身内でないみたいな状態です。結局、独りで亡くなって、警察から電話が掛かってきて初めて事実を知るという……。

孤独死体が発見された後、どういう手順を取るのですか。

岩橋:まずは警察が来ます。事件性がないと判断したら、遺体の搬出に掛かります。拾えるだけの遺体の一部を、大きなパウチに入れて、持っていきます。

身寄りがない老人の場合なんかは、どうやって岩橋さんのところに連絡が来るんですか。

岩橋:集合住宅の場合はオーナー(大家)さんからの依頼ですね。

特殊清掃をしなければ、次に誰も入らないということですね。

岩橋:そうですね、当然貸せなくなります。

そこで見つかった身寄りのない方の金品が見つかった場合、どうされるんですか。

岩橋:当然、依頼者に全部お返しします。しかし、そのまま懐に入れてしまう業者は多いです。

今までご覧になった現場で印象に残っているのはどういうケースですか。

岩橋:2年前の夏のことです。84歳の女性の孤独死体が見つかりました。死後1カ月半くらいだったでしょうか。すごい状態でした。当然、匂いも強烈です。

場所はどこで。

岩橋:トイレの前です。ふすまのレールも、切断して取らないといけない状態でしたね。遺品搬出後に、オゾン発生器をかけて終了しました。2Kの部屋でしたが、日数的にも4日くらいかかりましたね。

オゾン発生器も使うのですか。

岩橋:はい2次感染を防ぐためのものです。

ワンルームで50万円かかるケースも

そこまで徹底的にやって匂いは取れるものなんですか。

岩橋:空間の匂いはある程度取れるんですが、木に染みた匂いは取れない。徹底的にリフォームを入れない限り匂いは残ってしまいますね。

冬場の現場は? 夏よりましですか。

岩橋:匂いはあまり出てないです。腐乱するスピードも遅いです。亡くなった場所にもよりますが。

孤独死現場の特殊清掃って、コストはどれくらいかかるのですか。


孤独死の現場はハエが大量にわく
[画像のクリックで拡大表示]
岩橋:亡くなっていた場所にもよるんです。例えば、古い木造アパートの1階部分であれば、床下がすぐ土というところが少なくないです。床下の土にも体液が染み、土からどんどん新しいウジが生まれてハエになってというのを繰り返しているケースがあります。

 そうした場合、土を40センチ以上掘って、という作業にもなりますので、ワンルームであっても50万円くらい掛かる場合があります。

結局は、孤独死を出さないようにするということが一番コストがかからないと。

岩橋:そう思います。実際、孤独死が多いから、高齢者は部屋を借りることができないんです。大家さんにしてみれば空室は困るけれど、孤独死はもっと困るということなんです。

孤独死現場で見つかる大金

日ごろ遺品整理をされていて、現場から現金や金塊、美術品などが見つかることもあるのですか。

岩橋:はい、ありますね。孤独死の現場は遺族も入りたがらないので、何もかもいらないという依頼が多いんです。そういった中で、丁寧に確かめずに次から次へと捨てる業者が多いです。しかし、うちは1点1点、細かくチェックしながら整理していくことを心掛けています。すると、帯が付いた現金が出てくる場合があります。

どういうところから見つかるんですか。

岩橋:タンス預金というのは、大体が分かりにくいところに隠してあります。押し入れの中とか。それも普通の紙袋の中に無造作に入れているとか。現金の上に服も一緒に入れていたりするから、見た感じは一見、全部可燃のごみと思ってしまうんです。でも、よくよくその服をよけていくと、さらに紙袋が出てきて、中から札束が見つかるとか。


岩橋さんが見つけた現金。旧紙幣が混じっている。
最高でいくら発見されましたか。

岩橋:1つの現場で5000万円弱ですね。

5000万円? それは金庫に入っていたのですか?

岩橋:いや、紙袋の中やお菓子の缶の中から出てきました。至るところに隠してありました。

その方の身寄りは?

岩橋:ご遺族は一応いらっしゃいましたよ。「一応」というのは、30年以上連絡を取っていないお子さんでした。この方の元に、ある日突然、警察から電話がかかってきました。「あなたのお母さんが亡くなられたので確認しに来てほしい」と。30年も連絡を取っていない母子関係なので、推して知るべしです。そのお子さんにしてみれば、「何で今ごろ」という思いがあったのでしょう。

 遺族からすれば、色々と考えを巡らします。賃貸物件で、ひどい孤独死体で発見された場合、原状回復にいくら掛かるんだろう、などとね。これは大金が掛かるなと思えば、すべて放棄して「あとはお任せします」と言いたくなるのが当然です。ほとんどの依頼主が、現場に立ち会うことはありません。「全部捨ててくれ」という依頼がほとんどです。

そこで、たまに現金が見つかったりすると。

岩橋:そうですね。依頼者の値切りがあって、ギリギリのコストで請け負った場合、現金が見つかったときに業者が誠実に依頼者に返すかどうか。業者のモラルが求められます。

遺書なんかも見つかることがあるのですか。

岩橋:はい、さっきの5000万円の現金が見つかったケースの続きがあるんです。1点1点遺品を精査していたら、古新聞と古雑誌が積み重ねてある間から遺書が出てきました。

 遺書は、女性が亡くなる10年前に書かれたものでした。おひとりで亡くなる前提の遺書を書かれていた。遺書には「自分が亡くなったときは無縁仏として永代供養をしてほしい。お寺さんに1000万円払って永代供養してもらいたい。残りの一部は恵まれない方に寄付してほしい。残った分は、最後のお世話をしてくれた方にすべて差し上げます」という趣旨の文面が書かれていました。

最後のお世話をしてくれた人、というのは、岩橋さんだったわけですよね。

岩橋:そうですね。結果的にそうなったんですが、そこは亡くなった女性の遺産であるし、絶縁状態とは言え血縁関係者が見つかった以上は、その方にお返しするのが筋だと思ってお返ししました。

故人の声を届ける

 遺品整理をしていますとね、子供が小さい頃の思い出の品を取ってあるものなのです。でも、子供はそんなものは目もくれずに「そんなものいらない」と言って、捨ててしまう。貴重品だけ全部持って帰って、ね。

 私はアルバムとか記念品などを見つければ、段ボール1箱くらいはご遺族にお戻しするようにしているんです。これは思い出として残しておかれたらいかがでしょう、と。

子供は親に孤独死をさせてしまった、という後悔はあるものでしょうか。

岩橋:それはあると思います。「年末までは元気にしていたんだけど、まさかこんなふうにして亡くなるとは思わなかった」などとおっしゃいます。

言い訳ということですか。

岩橋:言い訳でしょうね。だから、「お母様は生前こういうふうに思っていたみたいですよ」ということが伝わる何かを探して渡してあげるんです。何年も前のはがきとか。親の子供に対する気持ちを死後、初めて知って涙を流されるということはありますね。

孤独死は「寂しい死」か

 先ほども言いましたが、故人の残された側に対するメッセージが出てきた時に「ああ、こういうふうにお父さんは思っていてくれたんだ。ありがとう」、という気持ちに変わったりするところを目の当たりにすると、この仕事をやっていてよかったな、という気持ちになります。

孤独死は、「寂しい死」と思われますか。

岩橋:そうですね……確かに、特殊清掃をしている時は「寂しい死」という印象なんです。しかし、我々を故人がもしどこかで見てくれていて、感謝の思いに変わり、天国に逝っていただけるのであれば、業者冥利に尽きます。

 誰も孤独死を望んでいるわけじゃないんですよ。何らかの理由があって孤独死してしまった場合も、私ども遺品整理業者が仲立ちになって、故人と遺族とを結びつけることができると思います。だから、僕らの仕事というのは質の高い業界ではないといけないな、と改めて思います。

 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/090700033/090800001/


[12削除理由]:管理人:無関係の長文多数

3. 2015年10月30日 08:26:47 : jXbiWWJBCA
「このままでは生きていけない」
生活保護削減で厚労省に涙の訴え
【第28回】 2015年10月30日 みわよしこ [フリーランス・ライター]

2015年10月28日午後、日比谷野外音楽堂で、より劣悪になろうとしている生活保護政策に反対する集会が行われた。今回は、多様な4000名の人々が集まったこの集会と、集会後に行われた厚労省への申し入れの様子をレポートする。

多様な4000人が
「生活保護」のために集まった午後


立見席を含めて定員約3100名の日比谷野外音楽堂は、約4000人の参加者であふれ、後方や通路に立ったり座り込んだりしている参加者も多数だった。舞台に向かって右側、祝田通りを挟んだ向かい側に、厚労省がある
Photo by Yoshiko Miwa
2015年10月28日木曜日の午後、日比谷野外音楽堂において、「人間らしく生きたい。」というスローガンのもと「10.28 生活保護アクションin日比谷 25条大集会(以下、25条大集会)」が開催された。

「午後より小雨」という天気予報に反し、晴れ渡る秋空の下、日比谷野外音楽堂には約4000人の参加者が集まった。13時30分〜15時30分にかけて開催された「25条大集会」の終了後、日比谷公園から銀座方面へのパレードが開催され、参加者のほとんどがパレードにも参加した。またパレードと並行して、16時より、「25条大集会」実行委員の法律家・作家・支援者・研究者および生活保護利用者たち合計約15名によって、厚生労働省への申し入れが行われた。

「25条大集会」は、弁護士の尾藤廣喜氏(当連載「政策ウォッチ編」第36回参照)による実行委員会を代表しての開会挨拶で開始された。20代のころ、厚生官僚として生活保護制度を「健康で文化的な生活」のために運用する努力を重ねていた尾藤氏は、格差の拡大と貧困の深刻さが進行し続ける日本の現状に対し、雇用・年金・医療・障害福祉・教育・住生活、もちろん生活保護そのものに対し、幅広く本質的な対策を行う必要性を訴えた。さらに労働社会福祉中央協議会事務局長の大塚敏夫氏が壇上に立ち、

「国民の最後のセーフティネットをボロボロにして、政府は何をしようとしているのでしょうか?安倍首相は『一億総活躍社会』というけれど、セーフティネットがボロボロなら死しかありません。貧困対策は政府の役割です」

と述べた。

「飢えず凍えず」で充分なら奴隷と一緒
和田秀樹氏の「右翼」としての主張


生活保護を利用していない年金生活者や障害者も含め、多様な参加者が集まった「25条大集会」の会場内では、どこにカメラのレンズを向けても車椅子や杖などの補装具が写った
Photo by Y.M.
ついで、「25条大集会」呼びかけ人代表として挨拶した精神科医の和田秀樹氏は、自らを「右翼」と自己紹介し、「右翼の立場からも生活保護の引き下げは許せない」「同胞が1人でも死んでいくことは許せない」と述べた。さらに、消費が冷え込んで景気が悪化している日本の現状に対し、景気対策としても生活保護を改悪すべきでないことを指摘した上、精神科医として、生活保護を利用している精神疾患の患者が「生活保護だから」と差別や疎外の対象となりがちなことに対して、

「屋根があってご飯があればいいというのは奴隷と一緒」

と述べ、

「この国が文化的で、先進国でありつづけることが、右翼としての私の願いです」

と発言を結んだ。


障害者も多数参加した「25条大集会」では、手話通訳・文字通訳も提供された。中央右側で立っている女性が手話通訳。右手奥、パソコンに向かっている2人の女性は、文字通訳者。左手に、文字を表示するスクリーンがある
Photo by Y.M.
呼びかけ人の一人である経済学者の金子勝氏は、おそらく思想信条においては和田秀樹氏と真逆であろうと思われるが、発言を安保法制やTPPに対する批判から始めた後、

「高齢者・障害者・失業者などが国民の半数近くになっているのに、生活保護の切り下げなどあり得ません。一方で、企業は史上最高益を上げています。ある種の詐欺です」

と述べ、

「多くの人が参加して、自立して社会に関われる仕組み作りが、本当の、一億総活躍社会ではないでしょうか?そのために闘わなければならないのが今の社会ですが、連帯して闘っていきましょう」

と結んだ。多様な「呼びかけ人」全員のリストは、「25条大集会」サイト内にある。

壇上で発言やアピールを行った人々は、生活保護利用者や支援者にとどまらず、障害者・年金受給者・非正規労働者・法律家・研究者・政治家など極めて多様だった。訴えた内容は、生活保護制度そのものはもちろんのこと、年金制度・非正規労働・最低賃金・教育・高齢者や障害者に対する福祉サービスの提供など多岐にわたった。私は、生活保護をメインテーマとする集会に、これほど多様な人々が集まった風景を、過去に見たことがない。

国会議員による挨拶は「先着順」で行われ、発言順は小池晃氏(共産党)・山本太郎氏(生活の党と山本太郎となかまたち)・川田龍平氏(維新の党)・吉川元氏(社民党)・山井和則氏(民主党)であった。私は、


声を上げながら、「守れ!憲法25条」と書かれたチラシを厚労省に向ける参加者たち。このA3版のチラシの裏側に、会場案内・プログラムなどが印刷されている。受付で、二つ折りにした状態で参加者に配布された
Photo by Y.M.
「なぜ、自民党と公明党からは一人も参加していないんだろう?」

と思った。自民党議員の一人一人に個人モードで話を聞いてみると、「社会保障に対する『タダ乗り』は良くないと思う」は概ね共通しているものの、「生活保護しかなくなる人を減らすために、雇用も税制も年金も医療も少しずつでも改革し、働けて稼げて納税できる状況を数多くの人々に拡大し、社会状況全般を『生きやすい』ものに変えていくことが必要だ」と考える人は少なくない。「25条大集会」で挨拶した国会議員の中には、日本という国の存続と将来・雇用の低迷と景気の関連について触れた人もいた。もし自民党・公明党の議員が来場して発言したならば、「生活保護などなくし、貧乏人は勝手に死んでもらおう」といった暴言の類でない限り、受け入れられ歓迎された上、「自民党も公明党も捨てたものではない」という認識を持つ有権者を少しは増やせたかもしれない。


「25条大集会」終了後のパレードで、「引き下げは受給者だけの問題ちゃうで」「土台沈めばみんなが沈む」という横断幕を掲げて歩く、大阪からの参加者たち
Photo by Y.M.
「25条大集会」は最後、「貧困は、お金だけの問題ではない」ではじまり「誰一人、貧困に殺されない社会。そんな当たり前のために、私たちは声を上げ続ける」で終わる集会アピールを採択して終了し、15時30分過ぎ、参加者のほとんどが銀座方面へのデモへと出発した。デモの様子は、朝日新聞などの記事(「いのちを守れ」生活保護費の削減反対訴え銀座でデモ)で紹介されている。

なお「25条大集会」では、2回にわたって、来場者に対するカンパの依頼が行われた。笑いを交えた「なるべく、軽いお金(紙幣)でお願いします」という依頼に応じて集まったカンパは、総額73万251円であった。生活保護利用者など貧困状態にある人々多数による、「このカンパの代わりに何を削ろうか?」と考えながらのカンパに硬貨が交じることは、致し方ないであろう。

以下、本記事では、現在のところほとんど報道されていない、パレードと並行して行われた厚労省への申し入れについて述べる。

生活保護利用者たちの涙の訴えを
厚労官僚たちはどう受け止めたか?


申し入れに対応した厚労省の人々。対応する表情からは、軽く考えている様子はまったく見受けられなかった
Photo by Y.M.
「25条大集会」当日、16時より行われた厚労省への申し入れに対応した厚生労働省側の人々は、社会・援護局保護課の鈴木建一氏・保護課長補佐・保護課基準係長の3名の管理職に加え、保護課基準係員の4名であった。

実行委員会が挨拶したあと、2名の生活保護利用者がそれぞれ、厚生労働省への要望書(全文)および大会アピールを音読し、保護課長の鈴木氏に手渡した。

厚生労働省への要望書を音読したのは、病気のため働けない状況にある稼働年齢層の男性であった。要望の中心は、生活保護基準を2013年の引き下げ以前に戻すことである。

「健康で文化的な生活」の最低ラインは物議をかもしがちであるが、その内容や必要な費用は、数多くの研究者が研究してきている。2012年時点の生活保護基準は、稼働年齢層の単身者の場合で、それらの研究結果から1万円〜1.5万円程度不足していた。その不足分は、たとえば回復しつつある傷病者が、就労への復帰訓練を兼ねた短時間のアルバイトで、大きな無理をせずに埋められる金額であった。生活保護基準の引き下げは、就労で「健康で文化的な生活」を送ることも困難にしている。

大会アピールを音読したのは、精神障害を持つ夫と暮らす、自身も精神障害者である女性であった。女性は「25条大集会」で、福祉事務所のケースワーカーに就労を求められ、ハローワークで就労の努力を重ねたものの、「精神障害だから」「生活保護だから」と断られた悔しさを語っていた。その悔しさが込み上げてきたのか、厚労官僚の前で大会アピールを音読しながら、女性はむせび泣いた。


厚労省保護課・基準係員は、真剣な表情で、申し入れの内容を仔細にメモしていた
Photo by Y.M.
引き続き、生活保護利用者の男性2名・女性1名が、

「生活保護費が全く足りないため、まず食費を削っています。電気ストーブしか使えない住まいに住んでおり、電気代が冬季には6万円かかります。電気代のため、食事ができないこともあります」

「生活保護費がまったく足りない状況を何とかしようと、また将来は脱却しようと、アルバイトをしています。しかし収入認定される金額が大きく、働けるだけ働いても、せいぜい2万円程度しか手元に残りません」

「生活保護費が削減されたため、まず近所付き合いをやめ、町内会費がかかるので町内会からも退会しました。ついで食費を減らしました」

「生活保護費を減らすことで、国は私たちをどうしたいのでしょうか?単なる弱い者イジメに見えてしかたがありません」

「生活保護の暮らしを見た上で、政策を決めてください」

「今、生活保護基準引き下げに対する訴訟に原告として加わっていますが、厚労省さん側は、『資料は次回に出します』といって、いつも出してくれません。『物価は下がった(だから、生活保護費を引き下げた)』とおっしゃいますが、物価は下がっていません」

と、実情を口々に訴えた。

また実行委員会の人々は、厚労省の再三の通達にもかかわらず現在も行われている「水際作戦(生活保護の申請妨害)」、2013年以後の生活保護基準引き下げによる一年間の生活費の減額が既に10万円前後に達していること、一般就労できない障害者の10%が生活保護を利用していること、福祉労働への悪影響が懸念されることなどを訴えた。


厚労省社会・援護局保護課長・鈴木建一氏。生活保護利用者から手渡されたバッジ(「25条大集会」サイト「オリジナルグッズ」参照)を受け取りながら、当惑の表情を浮かべていた
Photo by Y.M
保護課長の鈴木氏は、以上の訴えを受けて、

「生活実態の貴重な話に感謝します。重く受け止めていきたいと思います。生活保護基準は、審議会の議論を経て、十分、慎重に議論して決めてきました。これまでもそうでした。これからも慎重な議論をしながら検討したいです。でも全体の消費の実態なり、そういうことも踏まえていく必要があります。そういう中で、いかにして全体の制度を作っていくかということです。今日いただいたご意見、要望書、アピールは、検討させていただきます。生活保護基準の議論はデータにもとづいて、進めていきたいと思います」

と述べた。

申し入れの最後に、「25条大集会」実行委員会の弁護士・尾藤廣喜氏が、

「生活保護基準が、審議会(社保審・生活保護基準部会)を受けて決まっているという話は、裁判で私たちが主張している点です。でも、部会と違った形で引き下げされたという事実があります」

「生活実態と生活保護基準が合わないために当事者が苦しんでいることは、(厚生労働省の)事務当局として実態を調べて、実態に合わせて対応してもらわなくちゃいけません。基準係は、そのためにあるんですから」

と苦言を呈し、

「財務省の圧力は、今の状況の中では、強いと思います。でも、国民生活を考えて検討し、必要ならば厚労省の立場で国民の生活権利を守ることこそが、厚労省の役割です。保護課長と基準係の役割は、重大です。厚労省をあげて考えて、取り組んでほしいです。今日(25条大集会に)これだけ多くの人が集まったという思いを、真剣に受け止め、いい制度にするために努力してください」

と、元厚生官僚ならではの意見を述べた。

この後、厚生労働記者会で行われた記者会見には、私を含めて6名の報道関係者が参加した。生活保護利用者たち・実行委員会関係者たちは、より具体的に言葉を尽くして、現在の状況と生活実態を語った。


厚労省保護課の官僚たちを前に、元厚生官僚の弁護士・尾藤廣喜氏は、厳しい表情で苦言を呈していた
Photo by Y.M.
記者会見の最後、直前の厚労省への申し入れを受けて、尾藤氏は、

「日本は、貧困化が進んでおり、生活保護が唯一の砦です。でも、(政府は)崩そうとしています。何がこの国の地盤を支えるのでしょうか?崩壊しかかっている状況です」

「社会保障全体の底上げをはかることこそが、今の日本に求められていることです。当事者は、それを自覚しています。しかし政府には、自覚がありません」

「今日(の申し入れ)も、課長さんと基準係の方がいらっしゃいました。私は『財政当局は、いろんな圧力をかけてくるかもしれませんが、厚労省は生活を守ることが役割です、生活を底上げするべきではないでしょうか』と言いました。でも(厚労省職員には)真剣な眼差し、真剣な気持ちが認められませんでした」

と述べた。

数多くの子どもが、育ちと学びの機会を得て力ある大人となり、大人になった後は「自分の力を使って、働いて貢献を認められ、稼いで、納得できる納税をしたい」と考え、実際に実行できること、それを支えることこそが、政府の役割であろう。

厚労省に足繁く出入りし、顔見知りの職員が多数いて言葉を交わす機会も多い私は、厚労省職員に対して「真剣でない」と言う気にはなれない。しかし、自分たちの行う政策の結果が何をもたらしているのかには、もう少し関心を抱いていただけないかとは思う。帳簿上の数字の問題ではなく、場合によっては人の生き死にを左右する問題であるという実感を持った上で、政策を決定していただくことはできないものだろうか?

なお、記者会見終了後、記者たちは実行委員や生活保護利用者たちに対し、熱心に直接の取材を行っていた。取材の結果が、遠からず記事として多くの方々に読まれることを願う。

次回は、生活保護利用者に対する就労促進の「今」についてレポートしたい。2013年の生活保護法改正と生活困窮者自立支援法は、どのように就労促進を進めているのだろうか?期待された成果は、実際に挙がっているのだろうか?
http://diamond.jp/articles/-/80822


4. 2015年11月05日 11:00:47 : OO6Zlan35k

【第249回】 2015年11月5日 池上正樹 [ジャーナリスト]
「引きこもり」の6割が40歳以上という山梨県調査の衝撃
 県内の「ひきこもり」該当者のうち、40歳以上の占める割合は6割を超えるという衝撃的なデータが、山梨県の調査で明らかになった。
 このところ、山形県や島根県でも、40代以上が半数を超えるという同様の調査結果が相次いで発表されており、引きこもり状態にある人たちの高年齢化の傾向は、ますます進んでいることが改めて裏付けられた格好だ。
「40歳以上」「5年以上」が6割超
高年齢化、長期化が浮き彫りに
引きこもりの高年齢化、長期化がますます加速している
 山梨県の調査は、今年7月、県内に担当地区を持つ民生委員や児童委員2337人に対してアンケートをとる方法で行われ、8割近い1851人から回答を得た。
 調査を行った県障害福祉課の心の健康担当によると、10月9日に「山梨県ひきこもり相談窓口」が開設されたことや、4月から生活困窮自立支援法の施行を受けて、市町村でも「ひきこもり施策」を具体的に進める中で、身近な地域で継続的な支援ができるようなネットワークを構築することになったという。そこで、県内に支援を必要としている人がどのくらいいるのか、どのような人たちがどのような背景で引きこもっているのかを把握するため、調査を行った。
 今回の該当者である「ひきこもり等の状態にある者」の定義は、概ね15歳以上で、<社会的参加(仕事・学校・家庭以外の人との交流など)ができない状態が6ヵ月以上続いていて、自宅にひきこもっている状態の者><社会的参加ができない状態が6ヵ月以上続いているが、時々買い物などで外出することがある者><ただし、重度の障害、疾病、高齢等で外出できない者を除く>としている。
 調査結果によると、該当者の総数は825人で、人口当たりの割合は0.11%。アンケート全数の回答があったものとして推計すると、1042人(0.14%)に上るとしている。
 この割合は、最近実態調査を行った東京都町田市の約5.5%、秋田県藤里町の約1割などと比べても非常に低い。県の担当者も「アンケートに答えたのが本人ではなく民生委員等であったことから、実態の把握に限界があった」ことを認める。
 ただ、これまでエビデンスが何もなかったことを考えると、当事者から隠されるなどしてすべてを把握できているわけではない民生委員等を通した調査であったにしても、状況の一端を示す参考値的な根拠ができたといっていい。
 中でも、年代別にみると、40歳代が最も多い27.5%。40歳以上の「中高年層」は60.4%と、実に6割を超えた。
 15歳から39歳までの「若者層」は、全体の39.6%だった。
山梨県が行った調査結果。高年齢化は止まらない
拡大画像表示
「ひきこもり等の状態にある期間」については、「10年以上」に及ぶ割合が最も多くて、39.3%。「5年以上」にいたっては、60.2%を占めるなど、ここでも長期化の傾向が浮き彫りになった。
同調査結果より。10年以上引きこもっている人が最も多く、4割を占めることが分かった
拡大画像表示
「他県の調査でも中高年が多かった。これまでも、個別には相談に応じてきたのですが、一元的に対応できる窓口がなかった。支援を求めたくても、どこに相談したらいいのかわからなかったことが、場合によっては長期化につながり、中高年が多くなった背景にあるのかもしれません」(担当者)
支援を受けているのは5人に1人以下
相談窓口開設に効果はあるか
 一方、「ひきこもり等に至った経緯」(複数回答)を聞くと、「わからない」が最も多く、全体の26.3%。「本人の疾病・性格など」(21.6%)が続き、「就職したが失業した」「就職できなかった」という職場環境や雇用の問題も、合わせて21.1%に上った。不登校からの延長も、10.7%を占めた。
 また、支援の状況についての調査では、「支援を受けている」が、わずか18.7%に過ぎないこともわかり、本人や家族が外の社会的資源とつながる機会やきっかけがなかなか持てずにいる課題も浮かび上がった。
 さらに、民生委員等の自由意見によれば、<家族の高齢化により、本人の生活環境が悪化している><地域ぐるみの対策ができていない。社会参加できる対策が必要><身近に居場所があればいいと思う>といった指摘もある。
 高齢化する親の年金だけでは生活を支えきれなくなってきている現実や、地域で本人や家族が安心して声を出せるような周囲の理解や仕組みづくりが、ますます求められていることに気づく必要がある。
 県によると、相談窓口の相談員は2人。いまは、アウトリーチまでできる体制ではなく、電話での相談に特化しているという。市町村の担当者とのネットワークも構築された。
「相談は、1日平均で6件ほど。ほとんどがご家族からのものです」(担当者)
 県内に住む40歳代の引きこもり経験者は、
「40歳以上が6割と聞いても、全国的な傾向だと思うので、あまり驚かない。民生委員が把握しているのは、外から見ても当事者がいるとわかる人に限定されているのではないか」
 と、調査結果に対する感想を語った上で、こう注文する。
「県に相談窓口はできたけど、相談員がどこにつなげるのかなどの課題はいろいろある。ネットワークが形だけのものにならないよう、しっかり当事者たちのニーズも組み込んで構築してほしい」
 県が調査を行って相談窓口を開設したのは、一歩前進だといえる。少しずつでも前に進めれば、動き出すものもある。
 しかし、今後は、声を上げられずにいた本人や家族の思いを丁寧に受け止め、各地で個別に活動してきた理解ある人たちとつながる、あるいはつなげるためのコーディネーターの育成や場づくりなどの工夫も必要だろう。そして、このような現実に即した新しい時代の仕組みを当事者たちと一緒に構築していくことが求められている。
※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。
otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)
http://diamond.jp/articles/-/81093



5. 2015年12月02日 12:45:28 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE
冠婚葬祭互助会が乗り出した「孤独死対策」寺院とコラボして「無縁社会」を「有縁社会」に

2015年12月2日(水)鵜飼秀徳

 仏教寺院の存続の危機を描いた『寺院消滅〜失われる「地方」と「宗教」〜』を著した。昨今の葬儀の簡素化や、都市化の流れに寺院が飲まれ、1つ、また1つと消えている。特に少子高齢化が進む地方都市では寺院消滅が顕著だ。寺を支えてきた檀家が減り、隣組も機能しなくなり、結果、寺院の無住(住職不在の寺院)化が進行している。地域の紐帯としての役割を担ってきた寺院が「消えて」しまうと、同時に地縁や血縁の結びつきが薄れてしまう。悪循環に入っている。

 「平成の法難」という表現は決して大げさではない。仏教界では問題意識の共有が始まりつつある。最近では各宗門から勉強会に呼んでいただく機会が増えた。

 先日は意外な団体から、セミナーの講師の依頼がきた。

 冠婚葬祭の互助会だ。互助会は、会員から積立金を集めて、葬式や結婚式などの多額の出費に備えるための組織だ。全国に葬祭ホールや結婚式場などを多数抱え、時が来れば、会員は施設を利用することができる。

世界でも珍しい縁組織

 互助会は終戦直後の1948年、神奈川県横須賀市でスタートした。

 互助会は七五三、成人式、結婚式、葬式などの各種セレモニーを担ってきた。人生儀礼を大切にする日本人の文化風習に根差した組織と言える。

 これら人生儀礼を執り行う際、「縁」の存在が欠かせない。例えば葬式では「地縁(隣組)」と「血縁(親族)」が取り仕切る。互助会もまた、ひとつの「縁組織」である。

 互助会のような、相互扶助の精神で儀礼を担う縁組織は、世界でも類を見ないものだ。

 互助会は発足から70年近くを経て前受金が2兆円、会員数が2000万件を超える巨大ネットワークに成長した。だが、近年は葬儀の簡素化、地方都市の衰退などによって、伸び率が頭打ちになりつつある。互助会数も1986年の415社をピークに、現在は292社(2012年)にまで減ってきている。互助会は、寺院と同じように、存続問題を抱えているのだ。

寺院と互助会がコラボ

 セミナー会場の最前列には、全国冠婚葬祭互助会連盟会長で、作家としても活躍されている佐久間庸和氏の姿があった。

 佐久間氏からは、「寺院と互助会の仕組みはとても似ている。例えば互助会では高齢化社会に向けた様々な取り組みを実施し、地域と互助会の両方の活性化につなげている」との意見があった。具体的に話を聞いていくと、佐久間氏の試みは示唆に富むものだった。

 佐久間氏が代表を務める互助会大手サンレーがある北九州市で、その取り組みは始まっている。

 北九州市は、全国20政令指定都市の中で高齢化率が最も高い(28.2%)という。北九州市は高度成長期までは、八幡製鉄所を中心に「鉄都」として発展した。だが70年代以降は、産業構造の転換とともに、「鉄冷え」がおこり、人口が流出した。現在、独居老人や孤独死などの問題に直面している。

 この無縁社会こそ、互助会が向き合うべき課題――。そこで佐久間氏率いるサンレーが始めたのが「隣人祭り」だ。


互助会で実施している「隣人祭り」
 隣人祭りは1999年、フランスで発祥した。パリのアパートの一室で老婆が孤独死体となって発見。このことにショックを受けたパリ17区の助役が「もう少し住民の触れ合いがあれば、悲劇は起こらなかったのではないか」と考え、アパートの中庭でパーティを開くことを考案した。隣人祭りで出会った若い男女が結婚するという新しい縁も生まれた。

 この輪は欧州全土にまで広がり、2008年には世界同時開催され、日本ではサンレーが主体となって実施した。以来、年に2回のペースで大規模な隣人祭りを行っているという。

互助会の強みを生かし、孤独死をなくす

 佐久間氏は言う。「孤独死を生むような無縁社会を、互助会が中心となって、有縁社会へと再生させていければと考えている。隣人祭り以外にも、孤独死をなくすアイデアがある。例えば互助会は高齢者の自宅を訪問する営業スタッフを多く抱えており、安否確認することができる」。

 互助会が高齢化社会問題の解決に一役買う。制度疲労を起しつつある互助会組織の内部にも新しい風を取り入れることができる。

 互助会では「箱もの」の老朽化問題にも直面しているという。葬祭会館を計画していたが反対運動などで頓挫したままになっている土地や、老朽化した結婚式場などを抱えているところも多く、物件の有効活用を図る時期にきているという。サンレーでは、そうした結婚式場の敷地の一角に有料老人ホームを建て、安価で提供している。

 佐久間氏は言う。「互助会と寺院がコラボできることはあると思う」

 寺院の場合、後継者が見つからず、空き寺の数は既に2万カ寺を超える。こうした空き寺の活用法も見出せていない。互助会のアイデアは寺院再生においても、十分通用すると思う。

 「無縁社会」を「有縁社会」に。寺院と互助会が目指す方向は、意外にも同じなのかもしれない。

このコラムについて
記者の眼

日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/113000115/?ST=print



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