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いわゆるカンパ禁止法が改正されようとしている (法と常識の狭間で考えよう)
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投稿者 メジナ 日時 2013 年 4 月 01 日 08:34:38: uZtzVkuUwtrYs
 

いわゆるカンパ禁止法が改正されようとしている
 2013.03.29 : (法と常識の狭間で考えよう)


 2002年に、「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」が成立した(平成14年法律第67号)。これは、国連のテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約の国内法化である。市民団体からは、カンパ禁止法と呼ばれていた。


 その後、この法律が適用された事例を聞かなかったが、政府は、2013年3月15日に、この法律の改正案を閣議決定し、今通常国会に提出した。


 そもそも、この法律については、日本弁護士連合会は、2002年4月20日付けで、「『公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律(案)』に対する意見書」を公表しているが、そこでは、「本条約が求める規制の範囲をはるかに越えており、およそ条約の国内法化などと言って正当化できるものではなく、本条約を口実とした処罰範囲の拡大以外の何ものでもない」ことを指摘し、「予備あるいは準備段階の幇助を独立犯として処罰するという刑法の共犯とは相容れない異例の措置をとってまで処罰範囲の拡大」をするものであり、そのような立法事実もないことを指摘して、立法に反対する意見を述べていた。


 この法律の根拠となっている国連のテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約3条が、テロ行為が一つの国の中だけで行われた場合には、その適用を除外しているのに、この法律ではその場合も適用対象となっている点で、条約の要請を超えているとの指摘もなされていた。


 今回の改正案は、犯罪資金の洗浄やテロ活動資金を監視する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)が、日本政府に対して「法の抜け穴がある」と指摘して法改正を促していたことが指摘されている。これは民主党政権時代から、そのような指摘がなされていたことは事実である。


 改正案の提案理由には、「FATF(金融活動作業部会)からは、平成二十年の対日審査において、資金以外のいわゆる物質的支援の提供・収集やテロリスト以外の者による資金等の収集等が処罰対象とされていないなどテロ対策が不十分であるとの評価を受け。その後も、改善措置が進捗していない旨厳しく指摘されいるところであります。我が国としましても、テロを許さない国際環境の醸成に努めていくことが必要であり、この法律案は、そのような観点から、FATFの指摘に対応し、資金以外の公衆等脅迫目的の犯罪行為の実行等に資する利益の提供等を処罰対象とするなど、所要の法整備を行おうとするものであります。」と述べられている。


 ところで、改正点の第1点目は、提供の対象となる客体の拡大である。これまで提供の対象となっていたのは資金だけであったが、これに「資金以外の土地、建物、物品、役務その他の利益」を加えた。いわゆるアジトを提供する行為のほか、あるゆる利益の提供が対象となることを提案している(以下、これを含めて「資金等」という)。


 改正点の第2点目は、テロ協力者による資金等の収集や間接的名提供・収集の犯罪化である。現行法は、公衆等脅迫目的の犯罪行為を実行しようとする者が、直接に、資金の提供を受ける行為及び資金の提供する行為だけを処罰していたが(10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金)、今回、公衆等脅迫目的の犯罪行為を実行しようとする者(テロ企画者)に対して資金等を提供しようとする者(一次協力者)に対して資金等を提供する行為及びその提供を受ける行為も処罰対象とする(7年以下の懲役又は700万円以下の罰金)。


 また、一次協力者に対して利益等を提供させる行為及びその提供を受ける行為(二次協力者の行為)も処罰対象とする(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金)。


 二次協力者に対して、利益等を提供する行為及びその提供を受ける行為(その他協力者の行為)も処罰対象とする(2年以下の懲役又は200万円以下の罰金)。


 元々、現行法については、前述したように、予備罪の幇助を独立犯として処罰するものであったが、今回、テロ企画者に対する直接の資金等の提供だけでなく、二次協力者やその他協力者の提供も処罰対象とすることになったため、予備罪の幇助の幇助や、その幇助が処罰範囲とされたために、処罰範囲は大幅に拡大されることになる。


 このように、今回の改正案は、現行法の刑事法の立法例の中でも、極端に広い処罰範囲を定めようとしており、異例の立法となっている。


 テロ行為だから厳しく処罰すべきであるとか、テロ行為だから多少法律の規制が緩くても良いということはできない。特に我が国のように、法律が恣意的に適用されることがある国において、公衆等脅迫目的という曖昧な目的の上に、予備罪に対する幇助の幇助というような本犯から見て極めて遠い行為を処罰することになれば、市民運動などに恣意的に適用されるおそれがある。


 そもそも、我が国において、このような行為を処罰しなければならないという立法事実は全く存していない。単に、日本も参加しているFATFからの勧告だけを根拠に立法化しようとするのは極めて問題である。


 残念ながら、政府提案のこの法案は、ほとんど報道もされない中で、形ばかりの審議が行われ、今通常国会で成立する可能性が高い。


 私たちは、この改正案の推移を見極めつつ、反対の声を挙げていかなければならない。


元記事リンク:http://beatniks.cocolog-nifty.com/cruising/2013/03/post-bf8c.html


 

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