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Re: テスト
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投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 20 日 01:07:48: igsppGRN/E9PQ
 

(回答先: テスト 投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 7 月 11 日 10:39:49)

『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか《第1回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14404
2013年10月16日 星の金貨プロジェクト


建設段階において、『最大の欠陥』を作り出してしまった福島第一原発
事故処理に追われ、次の問題の原因を自ら作り出している東京電力


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 10月3日


フェアウィンズには、三基の原子炉がメルトダウンしたことにより、深刻な危機が続いている福島第一原発の状況について、本当はどうなっているのかという質問が、毎週大量に寄せられています。
そこでフェアウィンズのチーフ・エンジニアであるアーニー・ガンダーセンが、衛星から撮影された福島第一原発の映像を基に、ひとつひとつの問題を詳細に分析しながら、全体の状況を明らかにして行きます。


ガンダーセン : みなさんこんにちは、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
ここの所、福島第一原発では事故が多発し、繰り返し報道される事態となっています。
汚染水貯蔵タンクからの漏出事故、汚染され続ける地下水、そして海洋汚染。
そしていよいよ4号機使用済み核燃料プールからの核燃料の取り出しが開始されます。


これらひとつひとつが、実は深刻な、大きな問題なのです。


そこで私はこのビデオを使い、みなさんに福島第一原発の正しい状況について、解説を行おうと思い立ちました。


高濃度汚染水貯蔵しているタンク群について検証を行い、原子炉については一基ずつ検証して行こうと考えています。
なぜならこの原子炉一基一基の存在こそが、日本にとっての困難な課題であるからです。
それでは解説動画をご覧ください。


この画像の中心に見えるのが、福島第一原発の原子炉1号機と2号機です。
次に3号基、そしてこれが4号機です。
そしてこの画像では右方向、少し離れた場所にある二つの立方体、これが5号機、6号機です。
この二つの原子炉については、後半でお話します。


さて数字が表す通り、福島第一原発で最初に建造されたのが1号機でした。


そして福島第一原子力発電所が建造された時点で、今回の深刻な事故の原因も、津波がきっかけで発生した数々の問題の原因も、同時に作りだされたのです。


その問題を作り出したのは東京電力ではありませんでした。


アメリカの企業です。
一社はゼネラル・エレクトリック、もう一社はEBASCO※という名前の会社です。
※1905年にゼネラル・エレクトリックの電気事業の証券を売却した持株会社を起源としたアメリカ合衆国の企業。
業容としては工学的なコンサルティングと建設工事を事業とした。他には原子力発電所の設計業務がある(ウィキペディア)。
この2社こそは、福島第一原発をどの程度海に近づけて建設するかを決定した企業なのです。


ここで別のもう1枚の画像に目を転じましょう。
これが建造された当時の原子炉1号機の画像です。


原子炉1号基が抱える問題のすべては、コンクリートの中に閉じ込められました。
同様に、特にそのグレードに関して、原子炉2〜4号機にも問題があります。


道路の方に目を転じてみましよう。
当時の建設技術者が、100フィート(約30メートル)程地面を掘り下げて道路を建設し、それが海へとそのままつながっている様子が解ります。
掘り下げられた場所の土壌は砂礫によって構成されていました。
そこにあったのは、ぬかるみやすい砂礫だったのです。


しかし福島第一原発が建設されたのは、この砂礫で構成された表層部分の上ではありませんでした。
工事では約30メートル、この砂礫の部分が削り取られ、その上に福島第一原発が建設されたのです。
海岸近くに福島第一原発を配置するという決定を行ったのは、ゼネラル・エレクトリックとEBASCOです。


今日であれは津波の脅威を考え、そんな場所に原子力発電所を建設したりはしませんが、当時は別でした。
そしてこの場所に福島第一原発を建設したことが、今日の地下水の汚染問題の根本的な原因を作りだしました。


福島第一原発は丘陵地帯の土を削り取って建設されましたが、削り残した丘陵地帯の地下には地下水が貯まっています。
現在福島第一原発の敷地の地下に流れ込んでくるのは、この地下水なのです。


従って地下水が大量に福島第一原発の施設内に流れ込んでくるという今日の問題の基礎を作り出したのは、丘陵地を削り取り、そこに施設を建設する決定を1965値に行った、ゼネラル・エレクトリックとEBASCOであるということが言えると思います。
福島第一原発を建設する以前の1960年代その場所には、急峻な断崖があったのです。
しかし当時の技術者たちが、その場所を今日のように平らにしてしまったのです。


さて敷地の西側、すなわち山側に無数に並んでいる貯蔵タンクに目を転じてみましょう。
これらは2011年の事故が発生するまではありませんでしたが、事故後2011年から2012年へ、そして2012年から2013年にかけ、劇的な割合で増え続けています。
一目ご覧いただいただけで、ものすごい数のタンクが並んでいるのがお分かりいただけると思います。


このタンクの大群がある場所は、民間の農地に隣接してます。
私見ですが、このままのペースで汚染水が増え続ければ、いずれこれらの民間の農地を買い上げて、新たにタンクを建設しなければならない事態が目前に迫っています。


ところで劇的な勢いで増え続けている膨大なタンク群は、福島第一原発の敷地内の丘側に建設されています。
当然ながらなぜ大量のタンクを、水が流れ落ちる丘の上に建設したのかという疑問がわいてきます。


これらの貯蔵タンクの配管の接続部分にはゴムが使われており、学校のプールとさほど変わらない構造になっています。
もし再び大地震に見舞われた場合、何が起きるでしょうか?
もし地震によってこの脆弱な配管が外れたり、破損したりするようなことになれば、汚染水は傾斜にあるあらゆる経路を流れ伝い、海に直接流れ込むことになるでしょう。


そして施設内の状態に疑問が持たれているタンクからは、直接地下水の中に汚染物質を流し込んでいる可能性があります。
しかしその可能性のあるのは1,000基のタンクの内の一基だけで、そのタンク自体については深刻な問題ですが、全体から見れば数多くある問題の内のひとつにすぎないと言えるかもしれません。


問題を整理しましょう。
問題1、汚染水が複数の貯蔵タンクから漏出しています。
状態が最悪のものは、9月中旬に特定されました。
問題の2は、これらのすべての貯蔵タンクは耐震構造になっていないという点です。


海側に戻って、並んでいる原子炉に目を転じてみましょう。
実は原子炉3号機、4号機、5号機には問題が潜んでいます。
これらの原子炉は、海面の高さ以下に地下構造部分があります。


そして丘陵地帯から流れ落ちてくる地下水は50年、60年、いや1,000年もの間続いてきたのです。
原子力発電所の建設が行われていた当時、地盤を乾燥させるため排水ポンプが設備されていました。
そして今、地盤は放射性物質によって汚染されています。
あたり前ですが、これをポンプで取り除く訳には行きません。
結果、この場所を通って汚染されてしまった水は、海に向かう以外行き場所は無いのです。


そして問題の第3はこれら汚染水タンクでは無く、汚染が続いている原子炉1〜4号機の原子炉建屋の基礎部分です。


〈 第2回につづく 〉


http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/tour-fukushima-daiichi


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『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか《第2回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14423
2013年10月17日


1号機 – 爆発の前に、さらには津波到達前に、放射性物質の放出は始まっていた
2号機 – 格納容器自体の爆発により、建屋内部は外観と異なる惨状
3号機 – デトネーションの衝撃波により、最大級の破壊が起きた


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 10月3日


では福島第一原子力発電所の原子炉を、個別に検証していくことにしましょう。


まず1号機です。
現在、実際の状況はこの映像とは異なっています。
現在は原子炉建屋を覆う建造物が作られています。
この外側の建造物は
それは、それのトップの上に、繭を得ました。 そして、繭は、ケブラー(原文 : 冬の間、ボートなどに掛けられているカバーなどに使われる・ウィキペディア : ケブラーはパラフェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドの重合によって得られ、分子構造が剛直で直鎖状の骨格を持つために、高強度・高耐熱性であり、同じ重さの鋼鉄と比べて5倍の強度を持つ。)で出来ています。
これはもちろん、爆発によって原子炉建屋が破壊されてしまったためです。


1号機は最も小さな原子炉であり、その出力は500メガワット未満でした。
最初に爆発したのが、この1号機です。


1号機についての謎、それは爆発を起こす前、どれ程損傷していたか?ということです。


爆発の前に、さらには津波到達前に、放射性物質の放出は始まっていた。


その事実を伝える数多くの傍証が存在します。


そこから得られるのは、1号機だけは巨大地震によってすでに損傷していたという事が考えられる、という推論です。


前方のこの部分、ここに排煙等があります。
東京電力は排煙等の地上66メートルほどの場所に亀裂を発見しました。
この亀裂には強い振動によって出来る特徴が残っており、地震によってできた可能性があります。


福島第一原発1号機は地震によって損傷を受けたという事を指し示す事実が数多く存在します。
しかしその直後に襲った津波により、その前後関係の特定が困難なものになってしまいました。


2号機に移りましょう。
原子炉建屋には一見何の損傷も無く、被害は軽微に見えます。
しかし原子炉格納容器の爆発は、この2号機が最もひどかったのではないでしょうか。
1号機も、3号機4号機も、それぞれ爆発しました。
しかし爆発はおそらく格納容器の外側で発生したものと考えられます。


2号機の場合、格納容器の内部で爆発が起き、その結果格納の下部、底の方が損傷し、亀裂が生じました。


この結果
その時幸運にも2号機の原子炉建屋の側壁は吹き飛ばされたため、水素ガスは建屋内に充満する事無く、外に逃がされる結果となりました。
しかしこの原子炉建屋という建造物は密閉されている訳では無く、シアーズ・ローバッグで購入できる金属製の物置と比較し、それ程強度に優れているわけではありません。


原子炉建屋は放射性物質の外部への流出を防ぐためのもので、ここに見える左右の排煙塔からファンを回してガスを外に放出する構造になっています。


事故の後、これら原子炉に対する送電がストップし、当然ながらこれら排煙設備は使用不能に陥りました。
1号機と3号機の原子炉建屋内には水素が充満し、その爆発によって原子炉建屋は吹き飛ばされました。


幸運にも2号機の原子炉建屋の側壁が外れてしまっていたため、水素が内部に充満する事無く、外気と交じり合っていったのです。
このため2号機の原子炉建屋は外見上は何ともなく見えますが、対照的に内部はひどく損傷しています。


次は3号機です。
1〜4号機の中で、最も大きな爆発が発生した原子炉です。
ここでは通常の爆燃(ばくねん : 燃焼の伝搬速度が亜音速のもの)では無く、爆轟(ばくごう、またはデトネーション : 爆発物の燃焼速度が音速を超えること。衝撃波が作られ、大きな破壊力を持つ)という爆発が起きました。
現場の状況を見ながら、その違いについてご説明しましょう。
1号機で起きたのは爆燃です。
原子炉建屋は破壊されましたが、周辺の設備等に被害はありませんでした。


3号機の場合は周辺設備まで、構造が破壊されめちゃくちゃになっています。
3号機も残っている核燃料を取り除かなければなりませんが、これまでの経験則に基づく従来の方法ではおそらく不可能でしょう。
そして3号基の原子炉建屋は内部にクレーンなどを設置した場合の、余分な荷重を支えることは不可能です。
3号機原子炉建屋では、未だにがれきの撤去が行われています。


ところでこの画像をご覧いただいてわかる事ですが、3号機で作業しているクレーンはすべて離れた場所に設置されています。
3号機周辺は突出して放射線量が高く、オペレーターなどが近づける状況では無いため、これらのクレーンはすべて遠隔操作で動いています。


そして建屋内は人が入れる状態では無いことは、間違いのない事実です。
放射線濃度がとても高く、人間は近づくことすらできません。


〈 第3回につづく 〉


http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/tour-fukushima-daiichi
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世界中のメディアから「愚劣」とまで評された、東京電力による福島第一原発の事故収束・廃炉作業。
それでもなお、「原子力ムラ」のメンバー以外が福島第一原発の現場で作業を行う事を拒み続けた背景には、1号機が事故を起こしたタイミングの問題があったのではないでしょうか?


これまで翻訳してご紹介した記事の中にも、1号機の事故発生は津波到達以前だとする記事がありました。
事ここに到れば、全ての事実を明らかにする必要があります。


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『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか《第3回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14441
2013年10月18日


核燃料ペレットが散乱していたはずの3号機周辺、事故直後にブルドーザーで『地ならし』
4号機使用済み核燃料プール内でのメルトダウン、日本破滅へのシナリオ


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 10月3日


さて、3号機の内部でどれほど恐ろしい出来事があったのか、その点も大きな疑問のひとつです。
解っていることは3号機ではデトネーションが起き、この世の中にはデトネーションが作り出す衝撃波に耐えられる原子炉は存在しないという事です。


アメリカの原子力規制委員会は、デトネーションが作り出す衝撃波の問題には触れたがりません。


したがってここアメリカにおけるこの問題の解決のための結論は、問題の存在自体を無視する、という事なのです。


しかしここにはひとたびデトネーションが発生し、衝撃波が作りだされれば原子炉はどうなるのかという、はっきりした証拠が画像として残っています。
原子炉建屋の内側部分では、驚くほど高い放射線量が計測され、外側には爆発によって破壊された核燃料棒の一部であるペレットが散乱していました。


現在、それらはすべて取り片づけられました。
しかしこの事実が指摘するのは、3号機の使用済み核燃料プールの中身はどうなったのかということに対する深刻な懸念です。


ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、私は3号機についてはこれまで、使用済み核燃料プール内で臨界が発生した可能性のある事を何度も指摘してきました。
3号機の周辺に核燃料棒の一部が散乱していたという事実は、臨界が実際に発生したことを証拠立てるものだと考えられるのです。


もしこの核燃料の一部が原子炉そのものから出てきたと考えるなら、原子炉の格納容器が破壊されるか、あるいは実際には起きる可能性がきわめて低い、何か全く別の経路を考えなければなりません。


事故直後、3号機の周囲にあったきわめて高い放射線を発するこれらの物質があった地面はブルドーザーによって地ならしされました。
従って、この核燃料の一部は未だに地面の浅い部分に埋もれている可能性があります。


東京電力や日本政府はこの3号機の問題を、いったいどうするつもりなのでしょうか?
使用済み核燃料プール内には核燃料が残されたままになっていますが、これらをすべて取り出す必要があります。
しかし3号機周辺は放射線量が突出して高く、危険過ぎて人間が近づける状況にはありません。


この状況で再び大きな地震が発生したら、いったいどうなってしまうか、それが目下の私の最大の懸念です。
マグニチュード9.0までの地震ではなくとも、再び大惨事になる危険性があるのです。
マグニチュード8.5の地震が発生すれば、私の懸念は現実のものになってしまうでしょう。
3号機の原子炉建屋は最も損傷がひどく、大きな地震が発生すれば倒壊してしまう恐れがあります。
現在3号機原子炉建屋は、それをすっかり覆い隠すように外壁が作られつつあり、年末までにはこの工事は完了するでしょう。


しかし今はまだ、露出した状態にある事を忘れてはなりません。


では通路を横切って、4号機に行ってみましょう。(ビデオ 12:00〜)


福島第一原発の事故が発生した時、4号機は稼働していませんでした。
しかし他の原子炉同様、爆発を起こしました。


4号機について最も危険な問題は、事故発生時、核燃料が格納容器内に入ってはいなかったという点なのです。
核燃料のすべてが格納容器から取り出され、使用済み核燃料プール内に入っていました。
全ての専門家の懸念がこの一点に集中しています。
事故発生当時日本国内にいたアメリカ人に対し、福島第一原発の半径80キロ圏内から退去するよう勧告が行われたのも、この核燃料の存在が理由でした。


例え福島第一原発の原子炉1号機、2号機、3号機すべてが爆発したとしても、日本人全体に対する大きな脅威とはなりえませんでした。


問題は4号機です。
事故当時、その核燃料の温度は上昇していました。
物理的に熱くなっていたのです。


当時4号機の使用済み核燃料プールには、充分な量の水がありませんでした。
もしその水も流れ出てしまっていたら、核燃料プールでメルトダウンが発生したはずでした。
そしてこの核燃料プールと大気の間には、どんな障害物も存在しませんでした。


1〜3号機ではメルトダウンが発生しましたが、放射性物質の漏出があったにせよ、核燃料は格納容器内にあり、何もかもがだめになった訳ではありませんでした。
最も深刻な問題、それは4号機の使用済み核燃料プール内の水が無くなった場合、発生するはずだったのです。


事故直後の様子を思い出してください。
事故後真っ先に行われたのは、放水による注水作業でした。
ヘリコプターによる空中散布すら試みられましたが、これはほとんど効果がありませんでした。
ヘリコプターでは、使用済み核燃料プールを水で満たすことは不可能なことは解っていたはずです。


しかしどのような方法を用いても、まずは4号機の使用済み核燃料プール内を水でいっぱいにしなければならなかったのです。


現在は4号機使用済み核燃料プールは水で満たされており、内部の核燃料の安定化が実現できています。


〈 第4回につづく 〉


http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/tour-fukushima-daiichi


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『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか《第4回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14455
2013年10月19日


4号機の使用済み核燃料の取り出し作業、想像できない程の『危険』
海岸に沿って散乱していた、冷却システムの残骸が物語るもの


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 10月3日


4号機の爆発後、現場に入った東京電力は使用済み核燃料プールの床の部分の強化を行いました。
これは大きな余震が起きた場合、別の大きな懸念がある事を証拠立てるものです。
事故直後の4月、あるいは5月時点に戻って考えると、核燃料プールの床が崩落する危険性があったことは明らかです。


現在4号機建屋は全体に覆いが掛けられた状態になっており、間もなく核燃料の取り出し作業が始まろうとしています。


現在4号機の核燃料は、パッケージに入ったタバコのような状態になっています。
たばこのパッケージが新しいままなら、タバコは一本ずつ簡単に引き抜くことが可能です。
しかしパッケージがひしゃげてしまっていたり、乱暴に引き抜いたりすれば、タバコは引きちぎられてしまうでしょう。
同じようなことが、4号機の核燃料プール内で発生する可能性があるのです。
核燃料の収納ユニットはすでに変形しており、万が一にも核燃料を力任せに引き抜くようなことをすれば、核燃料が破損してしまう恐れがあります。


4号機原子炉建屋は爆発によって崩落し、当然ながら最上階にあった核燃料プール内のユニットは変形しました。
ですから4号機核燃料プール内の使用済み核燃料の取り出しが来年いっぱいまでかかるという予定は、別に驚くには値しないのです。


原子炉建屋の右側に排煙塔があるのがお分かりですか?
この排煙塔は現在4号機とつながっています。
そこで作業としては核燃料プールのガスを抜き、フィルターを介して排煙塔から大気中にこのガスを放出することになるでしょう。
その際、再びクリプトンが放出されることになります。
クリプトン85(不活性の放射性ガスで、半減期は10.76年。ウランやプルトニウムの核分裂反応により生成し、核実験や原子炉の中で作られる。燃料棒の再処理の過程で、全量が環境に放出される : ウィキペディア)です。
これは核燃料プールの内部が損傷してしまっている以上、避けられない事態なのです。


こうした作業は、国内の原子力発電所で定期的に行われています。
通常使用済み核燃料プールで行われるのは、排煙塔を使ってガスを吸いだし、大気中に放出する作業です。


4号機の今後の作業を注視してください。
環境に負荷をかけざるを得ない作業が必ず行われることになると思います。


ともかくも今は、3号機と4号機の使用済み核燃料プールからすべての使用済み核燃料が取りだされるまで、再び大地震が発生しないことを祈らなければなりません。


4号機建屋は3号機に比べると構造的な強度に優れていますが。3号機爆発による破壊によって、危ない状況であることにかわりはありません。
青い色の4号機建屋の地面に近い部分に、内側から押されたようなふくらみが認められます。
青色の部分はコンクリート壁ですが、その上は鉄骨がむき出しになり、先ほど申し上げたようにシアーズ・ローバックで売っている鉄製物置のような強度しかありません。


しかし、その青色のコンクリート部分にも、3〜5センチほどのゆがみが出来ています。
これはオイラー・ストラト・バックルといわれる物理現象の第一段階で、原子炉4号機が地震の揺れによって損傷を起こしたものと考えられます。


そして海沿いに原子炉建屋とは別の、一並びの建物があります。
これがタービン建屋です。
原子炉建屋と同程度の面積を占めていますが、内部には原子力発電所の安全にかかわるような重要な設備は存在しません。
しかしその建物の基礎部分には、高濃度の核廃棄物で汚染されています。
タービン建屋と海岸線の間には、未だに破壊によるがれきの一部が散乱しています。


実はこれらは津波によって機能を完全に破壊された冷却システムが、元あった場所に散乱しています。


このシステムはディーゼル装置を冷却する働きをするはずでした。
しかし私が以前にも申しあげたとおり、この装置は津波によって水没しなくとも、正常に機能するはずの無いものだったのです。
(散乱していたがれきが、津波到達前にこの装置が地震によって倒壊したしまった事を示唆している限り)海岸線に散乱するこの装置の破片が、すべてを物語っているのです。


〈 第5回・最終回につづく 〉


http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/tour-fukushima-daiichi
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相変わらずガンダーセン氏の指摘は卓抜です。
国内報道だけでは解らなかった、タービン建屋と海岸線の間に散乱する残骸の正体について、初めて理解することが出来ました。


ただクリプトンの問題を扱った段落の翻訳は、いまひとつ解りやすさを欠くかもしれません。
翻訳技術の未熟さによるもので、お詫び申し上げなければなりません。


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『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか《第5回》
http://kobajun.chips.jp/?p=14469
2013年10月20日


汚染水問題、事故直後から今日の状態を、誰もが予見できたはず
いずれ事故は免れない、その場所で1〜4号機は稼働していた
『生き残った』原子炉5号機、6号機が証明している事とは…


フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 10月3日
(ビデオ / 17:00〜終了)


これから東京電力が行おうとしている対策は、原子炉・タービン建屋群の地下に、大量の、一日あたり400トンという量の地下水が流れ込んでいることに起因するものです。
東京電力は1〜4号機の周り全てに遮水壁を巡らそうとしています。


配管を巡らせて敷地の周囲に冷却溶剤を流し込み、地面を凍結させ、地下水の流れ込みを遮ろうとする計画を実施しようとしています。
この凍土壁は遮水壁と名づけられました。
計画通りに進めることができれば、2.5キロ以上に渡る遮水壁が出来上がることになります。


しかしその遮水壁が、想定通りの効果を発揮するかどうかは保証の限りではありません。
まずこれほど大規模に地中を凍結させるという事業が、実際に行われたことが無いのです。
次に、仮に凍土壁=遮水壁の造成に成功したとしても、底の部分が開いているために将来再び汚染水漏れが発生する可能性があるのです。


そしてその遮水壁も完成までには2年の月日を要し、それまでは現在と変わらず汚染水が太平洋に流れ込む懸念が続くことになります。


凍土壁の問題を検証していて、思い出したことがあります。
私が福島第一原発の事故発生後、その年のうちに出版した著作[福島第一原発 – 真相と展望 (集英社新書)]についてお話したいと思います。
2年前のその時点で、この福島第一原発の敷地の汚染は、充分に予見が可能でした。
なぜなら事故発生直後の4月には、福島第一原発の管理者である東京電力はすでに増え続ける汚染水の問題に直面していたのです。


これら建屋群の地下部分がいずれ浸水してしまうだろうことは、誰にでも予見できたことなのです。


私は上記の著作の中で、建屋群の山側、すなわち水が流れ込んでくる側にゼオライトを敷き詰めた排水溝を掘る必要性について述べました。
私がこうした対策が必要だと判断した理由は、福島第一原発の敷地内に流れ込む地下水を汚染させずにそのまま海に流してしまうこと、すなわち放射性物質が海に流れ出さないようにするためでした。


この原子力発電の地下部分をバスタブだと考えてみてください。
このバスタブには栓がされており、水を排水できないようになっています。
このバスタブに水が貯まり続けているため、東京電力はこれ以上水が入らないよう、バスタブよりも背の高い壁を築こうとしているのです。


私が考える対策は違います。
私はこのような高い壁は作りません、栓を外すのです。


私が考える対策の要点は、水が海に流れ込むのを防ぐことではありません。
要点は、流れ込む地下水を汚染させない事です。
もし2年半前、汚染のひどい建屋群がある場所を迂回するようにゼオライトを敷き詰めた排水溝を作っていれば、福島第一原発の技術者たちは丘陵地帯から流れ込む地下水を、汚染されないまま海に放水することが出来たはずです。


しかし今ではもう手遅れです。
地下水は汚染されてしまいました。
福島第一原発の敷地内で地下水をくみ上げれば、汚染された水があふれ出すことになります。


東京電力が行おうとしている地下凍結による遮水壁、それが想定通りの効果を発揮するかどうか、私たちはその目撃者になることになります。


それでは最後に福島第一原子力発電所の現状について、改めて総合的な観察をすることにしましょう。
今回のお話を始めるに当たり、私は福島第一原発の1〜4号機をどこにどのように建造するかの決定を行ったのはアメリカの企業、ゼネラル・エレクトリックとEBASCOという名前の会社の技術者たちであったことをお伝えしました。


そして少し離れた場所に原子炉5号機と6号機があります。
この2基は1〜4号機と同じ場所にはありませんね?
海岸線から離れた場所に建造されました。
しかも物理的にも高い場所にあります。


そうです。
東京電力は解っていたのです。
ゼネラル・エレクトリックの1〜4号機の設計が誤りであったことを。


1〜4号機はまるでカーボンコピーのように同じ場所に作られました。
しかし原子炉5号機と6号機は海岸線から充分離れた場所に、しかも1〜4号機と比べ、約3メートル高い場所に建造されました。


その結果、2011年3月、津波が福島第一原発を襲った際、1〜4号機と5号機6号機の運命は全く異なったものになったのです。
5号機と6号機については、著しい損傷というものは発生しなかったのです。


つい最近、日本の安倍政権は5号機と6号機についても、廃炉は免れないとする意思表示を行いました。
実際に5号機と6号機の周辺においても高い放射線量が計測されています。


しかしメルトダウンが進行したり、爆発が起きたりはしませんでした。
ほぼ建造された状態を保っており、廃炉などの作業も計画的に進めることが出来るはずです。


日本の技術者たちは1〜4号機の誤りに気づいたからこそ、5号機と6号機は海岸線から離れた、もっと高い場所に建造したのです。


〈 完 〉


http://fairewinds.org/media/fairewinds-videos/tour-fukushima-daiichi
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全編を訳し終わり、ガンダーセン氏の慧眼に改めて感服しました。
東京電力による福島第一原発の事故収束・廃炉作業が、世界中から何度も批判されながら、なぜこうも場当たり的な、その場しのぎの対策を繰り返しているか、その理由がわかったような気がします。


「原子炉1〜4号機については、そもそもの基本が間違っているのだ…今さら何をしたところで、根本的な解決は不可能なのだ。」
そのような絶望にも似た思いがあるのではないでしょうか?
そのような原子炉はできるだけ早く使用を止めるべきであったはずが、結局は事故を起こすまで会社ぐるみ、いや日本の原子力行政ぐるみ気づかないふりを続けてきたのだと思います。
しかし、5号機、6号機が『生き残った』ことが、何よりも雄弁にその事実を物語っている…
ガンダーセン氏の今回の指摘で、その事がよくわかりました。


そして「2年半前ならまだしも、今はもう手遅れ」という指摘。
日本は「水蒸気の中に浮かぶ島」だという事を思い出しました。
一年中、至る所多量の雨が降る従っていったん土壌が汚染されると、その汚染が際限も無く広がっていくということになってしまう。


このように考えると、日本という国は地震と津波だけでなく、その気象条件からも、「原子力発電をやってはいけない国」なのではないでしょうか。


長い文章におつき合いいただき、お疲れさまでした。
文章中、論理的に誤っていたりすれば、原文では無く、私の翻訳によるものです。


 

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