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戦後最大の危機!北朝鮮の核攻撃は避けられるか 米海軍が最新鋭戦闘艦を新造、東南アジアに配備 崖っぷちの中国共産党
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投稿者 eco 日時 2013 年 4 月 15 日 01:10:22: .WIEmPirTezGQ
 

【第325回】 2013年4月13日 
戦後最大の危機!

北朝鮮の核攻撃は避けられるか
――軍事ジャーナリスト 田岡俊次
北朝鮮の異様な強硬策が止まらない。背景には権力闘争の結果、軍の強硬派が金正恩氏を抱え込んで好き勝手しているとの見方もある。理性を失った相手には、核抑止力も効かない。戦後の日本が直面した最大の危機と言える状況だ。

北朝鮮で起きた権力闘争

?北朝鮮が朝鮮戦争(1950年6月25日〜1953年7月27日)の休戦協定の「白紙化」を3月11日に宣言してから1ヵ月が経過した。休戦協定の破棄は「戦争再開」の宣言に等しいが、まだ戦闘は発生していない。

?これと似た状況は第2次世界大戦の初期にも起きた。1939年9月1日、ドイツ軍がポーランドに侵攻したため、後者と同盟関係にあった英、仏両国は3日に宣戦布告を行った。

?ドイツ軍は東方に戦力の大半を向けていたから、その背後を突けばよかったろうが、英、仏陸軍は準備不足でドイツに攻め込めない。海上の戦闘や独仏国境での小競り合いはあったものの、翌年に5月10日に、ドイツ軍が西に向かって大攻勢に出るまで8ヵ月間本格的戦闘は起きず、英国で「フォニー・ウォー」(まやかし戦争)、ドイツで「ジッツクリーグ」(座り込み戦争)と言われた珍現象が続いた。

?その時に比べれば、今回朝鮮半島で本物の戦争が始まる公算は高くはないとはいえ、北朝鮮の異様な強硬策、挑戦的姿勢の背景には、軍と政府の対立や軍内部での権力闘争がある模様だ。そうであるならば、従来のように北朝鮮が悶着を起こしては、米国、韓国などから譲歩や経済援助をせしめる「ゴネ得」戦術や、米国との直接交渉を求める、といった外交上の駆け引きではおさまらず、ブレーキが故障した車でチキンゲームを始めたように衝突にいたる可能性はかなりある、と見ておくべきだろう。

?金正恩(キム・ジョンウン)氏(30)は2011年12月17日の父の死去後、同月30日に朝鮮人民軍最高司令官となり、12年4月11日に労働党第1書記に就任、新政権を発足させた。同氏の叔母の夫、張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長(67)が後見人的な役割を担うとみられた。張氏は中国との関係が深く、中国が勧めた市場経済の一部導入や対外関係の改善で経済再建をはかろうとし、軍が握る貿易の利権を政府に移そうとしたが「先軍政治」の特権を守ろうとする軍の一部と対立した、と伝えられる。

?新政権が人民武力部長(国防相)に任命した金正覚(キム・ジョンガク)次帥は反対派の軍人を粛清(処刑)したとも言われる。さらに7月には事実上の軍のトップで、金正日(キム・ジョンイル)氏の葬儀の際、金正恩氏と並んで霊柩車に付き添った総参謀長・李英鍋(リ・ヨンホ)次帥が解任、拘束された。その際李氏の護衛兵が抵抗して銃撃戦も起きた、との報道も韓国であった。

形勢逆転

?ところが、11月になると形勢は逆転し、粛清を進めた金正覚・国防相が解任され、軍の最強硬派とされる金格植(キム・ギョクシク)大将が後任となり、以後、北朝鮮は12月12日の人工衛星打ち上げ、今年2月12日の核実験、3月11日の休戦協定破棄へと突き進んだ。それらの発表も軍人が前面に出て「金正恩第1書記の御命令」を強調するが、軍の強硬派が巻き返しに成功し、金正恩氏を抱え込んで好き勝手している、とも考えられる。軍は武力も全国的組織を持つから、経験も政治力も乏しい君主は、その神輿に乗るしかないのかもしれない。

?昭和天皇が逝去された際に、米国の雑誌に「真珠湾攻撃をしたヒロヒト」との記事が出たことがある。外から見ると主権者がすべて自分の意志で決めているように思えるが、内情はそうでないことも往々にしてあるのだ。昨年12月の人工衛星打ち上げも、一度は延期を発表しながら、結局当初の予定通りに実施したのは、中国の意向を汲んで様子を見ようとする派と、強硬派の意見対立があり、強硬派が我意を通したことを示すものかもしれない。

?今回、北朝鮮は平壌駐在の各国外交団に安全のために退避の検討を求める一方、14日に平壌で16ヵ国から数十人の外国人が参加するマラソン大会を開くと通知する支離滅裂な行動を取っている。これが1人の頭から出たとは考えにくく、軍と政府の対立や、さらに複雑な派閥抗争で「統合失調」が起きたのでは、と思える。似た症状は満州事変から日中戦争当時の日本でも起き、政府が「不拡大方針」を表明する一方、軍は勝手に作戦を進め、国の信用を傷つけた。もしそんな状況なら、ニューヨークの国連本部などで米朝代表が会談して、休戦協定の有効性を確認しても、事態の悪化を停められるかは疑わしい。

中国は怒って石油禁輸

?1953年7月の朝鮮戦争の休戦協定は韓国が反対して参加せず、米軍主体の国連軍と中国、北朝鮮軍の3者が調印した。朝鮮戦争では開戦後3ヵ月の1950年9月、米軍が仁川上陸作戦を行いソウルを奪回したため、北朝鮮軍は壊滅状態となり、米・韓軍が中朝国境の鴨緑江に迫ったため中国が出兵、その後はもっぱら米軍と中国軍の戦いとなった。

?その中国に無断で北朝鮮が休戦協定を破棄すれば中国が怒ることは自明で、中国に対する絶縁宣言でもある。6者協議の議長国として北朝鮮に対し核放棄を求め、経済再建を進めてきた中国は3度目の核実験に対する最も厳しい経済制裁で米国と同調しただけでなく、安保理決議が3月7日に出る以前、2月から原油輸出を停止した模様で、中国の貿易統計で2月の北朝鮮への原油輸出はゼロとなっている。

?北朝鮮の石油備蓄量は不明だが、一説には「3ヵ月」と言われる。それが正しければ4月中には石油は底をつき、戦闘能力を失う。備蓄がもっと多くてもいずれは同じ結果だ。そうなってから中国に謝り、その間接的統制に服するとなれば、親中派が権力を回復し、強硬派はまた粛清されかねない。それよりは石油がある間に打って出て「死中に活」を求めるかどうか。真珠湾攻撃の4ヵ月前、フランスのヴィシー政権の承認を得て、南部仏印(南ベトナム)に進駐したため、米国の石油禁輸を受けた日本と似た状況だ。北朝鮮ではここ数ヵ月、脱走兵が例年の7、8倍も出ており、軍が独自の食料調達をできなくなったため、と見られる。切羽詰まった状態にあるようだ。

?北朝鮮の威嚇は以前の「ソウルは火の海になる」との発言から数段飛躍して、労働新聞が「横須賀、三沢、沖縄、グアムはもちろん米本土も我々の射撃圏内にある」とか「東京、大阪、横浜、名古屋、京都には全人口の3分の1が住む」などと地名をあげて威嚇報道をし、ときにはそれまで目標として名指しした米国、韓国、日本のほかに「アメリカに追随する勢力」と、中国も攻撃目標であることを示唆する言辞も出ている。

?だが、米本土に届くICBMはまだできていない。12月に人工衛星を打ち上げた「銀河3号」ロケットは、弾頭を100キログラム程度に軽量化すれば射程1万キロメートルとも言われる。しかし固定式の大型発射台で組み立て、燃料を注入するなど、発射準備に2、3週間も掛かる液体燃料のロケットは、戦時や緊張時には航空攻撃や巡航ミサイルで簡単に破壊されるため、弾道ミサイルとしては使い勝手が悪すぎる。

人工衛星とミサイルは別物

?宇宙開発の初期には大型の液体燃料ICBMが人工衛星打ち上げに転用されたが、そののち半世紀の技術進歩で分化が進み、軍用の弾道ミサイルは先制攻撃を避けるため、潜水艦や自走発射機、列車に乗せて移動したり、サイロに入れるため小型化を目指した。また即時発射が可能なよう西側では固体燃料を使うようになった。旧ソ連では固体燃料の開発が難航したため、硝酸系の液体酸化剤でタンクが腐食しないような手立てを講じ、液体燃料を入れたまま待機できる「貯蔵可能液体燃料ロケット」を使った。

?一方、人工衛星は高機能、長寿命(姿勢制御ロケット燃料の容量で寿命が決まる)を求めて大型化し、それを打ち上げるロケットも大型になった。人工衛星の打ち上げは隠す必要がなく、急いで発射することもまずないから、大推力を得やすい液体燃料を長時間かけて注入するものが一般的だ。

「銀河3号」等は日本のH2Aと同様の人工衛星用ロケットの性格が濃いが、防衛相はミサイル防衛予算を正当化するためか、人工衛星打ち上げを「ミサイル発射」と呼び、メディアも追随してきた。そのため今回のように本物の弾道ミサイル発射の準備が進んでも、昨年4月13日や12月12日の人工衛星打ち上げと混同し、事態の重大性に気付かずに対策を論じる人も現れる。犬を見て「狼が来た」と騒ぐうち、狼に対する警戒心が薄れるような形だ。

「弾道ミサイルも人工衛星ロケットも基本的技術は共通」と言う人は多いが、それは昔の話だ。それを言うなら爆撃機と旅客機はもっと共通点が多く、基本的には機体強度に差があるだけだ。現に第2次世界大戦後にはB29を元にした旅客機ボーイング「ストラト・クルーザー」旅客機が現れ、ソ連の双発ジェット爆撃機ツポレフ16の派生型ツポレフ104旅客機も作られた。人工衛星打ち上げを「ミサイル発射」と言うのは、旅客機が飛来するのを「爆撃機接近中」と騒ぐようなものだ。

「ムスダン」は本物の脅威

?今回、北朝鮮が日本海岸、元山の南約30キロメートルの旗対嶺(キテリョン)に配置した「ムスダン」はこれぞ本物のミサイル、深刻な脅威だ。旧ソ連のY型弾道ミサイル原潜が搭載した「SSN6」を北朝鮮がスクラップ状態で入手、元は潜水艦の船体内に立てて16基入れるため、無理な設計で短くしていたのを少し長い素直な設計にしたものだ。

?SSN6の射程は3000キロメートルだったから、それと同等以上の射程と推定され、グアムまで射程内に入りそうだ。貯蔵可能液体燃料を使うから、命令から約10分で発射できる。全長12メートル、重量19トン程度なので12輪の自走式発射機に乗せて山岳地帯のトンネルに隠し、命令があると出てきてミサイルを立て、すぐに発射する。2010年10月10日のパレードでは8基が公開され、「約50基が配備された」との情報もあるが、北朝鮮での発射実験はまだないから、量産、配備を疑問視する見方もある一方、06年にイランで実験した、との情報もある。

?弾頭重量は約1トン、核爆弾をこの程度に小型化するのは比較的容易だ。長崎に落とされたプルトニウム原爆は重さ4.9トン、直径152センチメートルもあったが、1952年に米空軍が戦闘爆撃機用に配備したMK7型原爆は重量740キログラム、直径77センチに収まった。起爆用の爆薬を通常のTNT約2トンからもっと高性能の爆薬に変えて数十キログラムに削減、弾殻(外皮)も厚い鋼鉄から薄いアルミにするなどで軽量化できた。こうした経過は米国で公刊の書物にも出ているから、北朝鮮にも分かっているだろう。

?北朝鮮のプルトニウム原爆の威力は多分長崎型の爆薬2万3000トン相当と同様のはずで、熱効果は爆心地から半径3キロメートル以内で火災が起き、爆風により2キロメートル以内で大部分の家屋が倒壊、放射能は約1.5キロメートル以内で受けた人が1ヵ月以内に死亡する、と考えられる。国会議事堂上空で爆発すれば、勤務時間中なら3キロメートル圏内の人口は約159万人と推定され、100万人以上の死傷者が出そうだ。北朝鮮が保有する核爆弾の数は10発以内と推定される。ムスダンの平均的誤差は1.6キロメートルとされるが、前後方向のズレはもっと大きそうだ。

ミサイル防衛は有効か

?日本は2003年からミサイル防衛の導入に進み、約1兆円の経費を投じた。実験では大体迎撃に成功しているが、これは標的となる弾道ミサイルの発射の時間、場所、落下地点が分かっていて、野球の「シートノック」で「センター、フライが行くぞ」と言って受けさせるような形だから成功するので、実戦ではいつ、どこからどこへミサイルが飛ぶか分からない。相手のミサイル加速などのデータも推定値だから、命中の公算は低くなる。

?また、同時に通常弾頭のミサイルを含め十数発を発射されると、どれが核付きか分からない。イージス艦用迎撃ミサイルSM3が1発16億円、地上配備で射程20キロメートル以下の「パトリオットPAC3」でも8億円もするうえ、さらに新型の開発が進行中で「現在のものは性能が不十分だから、多く買っても無駄」とイージス艦はSM3を8発、PAC3は発射機1輌に4発しか積んでいない。1目標に対し、不発もあるので、2発ずつ発射するから4目標に向け発射すれば「任務完了」となる。

?ミサイル防衛は「何も対抗手段がないよりまし」で「気休め」程度だから、「相手が発射しそうなら先制攻撃で破壊すべきだ」と言う人も自衛隊幹部に少なくない。だがムスダンのようにどこにあるか詳しい位置が分からず、地表に出てから10分程度で発射するものに対しては先制攻撃は不可能だ。「核に対抗するには核武装して抑止をはかるしかない」との説も出るが、北朝鮮が核ミサイルを発射すれば、米、韓軍の攻撃で滅亡するのは確実で、発射するのは「死なばもろとも」「死中に活を求める」といった絶望的状況の場合だろう。

?そう考えれば、核による抑止も効かない。抑止は相手の理性的判断を前提とし、自暴自棄の相手に通用しない。自爆テロに対し「死刑に処す」と言っても抑止効果がないのと同様だ。米国がもし北朝鮮の要求を呑んで、北朝鮮に核保有国の地位を認め、休戦協定に代えて正式の平和条約を結び、国交も経済関係も開けば、当面事態は収まるとしても、米国がそれを呑むことはまず考えられないし、北朝鮮はそれに味をしめ、米、日、韓などにさらなる要求をする可能性もある。解決の道が全く見えないだけに、日本に戦後これほどの危機があったか、と思えるほど憂慮すべき状況だ。

たおか・しゅんじ
軍事ジャーナリスト。1941年、京都市生まれ。64年早稲田大学政経学部卒、朝日新聞社入社。68年から防衛庁担当、米ジョージタウン大戦略国際問題研究所主任研究員、同大学講師、編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和問題研究所客員研究員、AERA副編集長、編集委員、筑波大学客員教授などを歴任。動画サイト「デモクラTV」レギュラーコメンテーター。『Superpowers at Sea』(オクスフォード大・出版局)、『日本を囲む軍事力の構図』(中経出版)、『北朝鮮・中国はどれだけ恐いか』など著書多数。
http://diamond.jp/articles/print/34560


米海軍が最新鋭戦闘艦を新造、東南アジアに配備
中国の海洋進出に対抗、空軍との連携強化も狙う
2013年04月15日(Mon) 山崎 眞
 3月16日、米太平洋軍司令部は沿岸域戦闘艦(LCS:Littoral Combat Ship)(以下、LCSと表記する)の1番艦「フリーダム:Freedom」を東南アジアに配備すると発表した。このニュースは、あまり読者の興味を引かなかったかもしれないが、軍事的にはかなり大きな意味を持つ発表である。本稿においては、その意義について解説してみたい。


LCS-1フリーダム(上)とLCS-2インディペンデンス(下)、ウィキペディアより
 「フリーダム」は、ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるマリネッタ・マリーン造船所において建造され、2008年8月に就役、その後サンディエゴにおいて1番艦としての様々な試験を実施していたが、このほど実戦配備可能と認められ東南アジアに配備されることになったものである。

 このような長期の試験を必要とした理由はLCSの運用構想そのものにあり、一言で表せば「LCSは米海軍が一度も経験したことがない全く新しい構想の下に建造された画期的な戦闘艦である」ということである。

 LCSの計画、建造については複雑な経緯があるが、その内容については後に述べることとしたい。

 今回のLCSの配備は、2007年以来中国の海洋進出、特に南シナ海における海軍力の拡張と海洋権益の主張が著しく、ベトナム、フィリピンなど周辺諸国との漁業権、島嶼領有権などを巡る深刻な対立を引き起こしており、また米国を始めとする「航行の自由」を重視する国家にとっての大きな脅威となりつつあることから、これに対する抑止効果を狙って決定されたものと考えられる。

 ここで、LCSの配備が軍事的に何を意味するのかについては、米海軍の新しい戦いの概念についての理解が必要である。

 LCSは、DDG(イージス艦)と並んで、今後米海軍の兵力整備の中心をなす艦種であり、合計55隻の建造(完成年度は2035年の予定)が計画されている。LCSは、東南アジアにおいて引き続き配備が継続され当面4隻の配備が予定されていると言われる。将来的には東シナ海などを睨んで佐世保への配備も十分あり得る話である。

 以下、LCSが果たしてどのような目的をもって計画され、どの様な能力を有する戦闘艦なのか。その運用構想はどの様なものか。LCSの東南アジア配備がどの様な意味を持つのか。などについて論じてみたい。

LCSを生んだ米海軍戦略

 LCSを論じるには、遠く2002年まで遡らなければならない。同年6月米海軍作戦部長クラーク大将は海軍大学校において、新たな海軍戦略「シーパワー21:Sea Power 21」を発表した。

 この戦略は、当時ジョージ・W・ブッシュ大統領が唱えた「軍の変革:Transformation」に応えるものであり、将来の米海軍の作戦および兵力整備を「海上からの攻撃:Sea Strike」、「海上における防御:Sea Shield」及び「海上における基地:Sea Basing」の3つの重点作戦に分けている。

 Sea Strikeは、敵陸地に対して攻勢的戦力を投射する作戦であり、精密かつ持続的な攻撃の実施、情報戦(ISR: Intelligence Surveillance Reconnaissance)における優位の獲得、特殊部隊(SOF: Special Operation Forces)及び海兵隊の活用を重視している。

 このためのアセットとして空母、艦載機(F-35、FA-18)、DDX(多目的駆逐艦)、SSGN(トマホーク搭載原子力潜水艦)、SSN(攻撃型原子力潜水艦)、戦術トマホーク、精密誘導爆弾(JDAM: Joint Direct Attack Munition)、多目的哨戒機(MMA: Multi-Mission Aircraft)、無人機Global Hawkなどを挙げている。

 Sea Shieldは、敵海域における防御力の投射作戦であり、敵の攻撃からの米海軍部隊の防御、同盟国との共同、沿岸を経由しての敵基地への確実な近接および米本土防衛を重視している。

 その中の主要な作戦としては戦域対空・対ミサイル防衛(TAMD: Theater Air Missile Defense)、沿岸域対潜水艦戦(LASW: Littoral Anti-Submarine Warfare)、機雷戦(MIW:
Mine Warfare)、本土防衛(Homeland Defense)が挙げられている。

 このためのアセットとしては、後述するLCS、 DDX、 CGNの3種の系列艦、SSN、イージス艦によるミサイル防衛(BMD: Ballistic Missile Defense)、共同交戦能力(CEC: Cooperative Engage Capability)、SM-6(長射程対空ミサイル)、多目的哨戒機、無人機などを挙げている。

 Sea Basingは、国際海域を有効に使い統合戦力を海上から投射すること、同盟国との共同作戦の能力発揮、指揮管制・火力支援・後方支援を実施することである。地球表面の75%は海であり、世界における軍事力投入のために海を有効に使うという考え方である。

 すなわち、敵陸地沖の海上に設けた艦船群による「海上基地」に海兵隊や資材・補給物資を集積し、これを陸上へ投射する作戦である。

 このためのアセットとしては、空母打撃群(CSG: Carrier Strike Group)、遠征打撃群(ESG: Expedition Strike Group)、洋上即応海兵隊(MPG: Maritime Preposition Group)、戦闘補給艦隊(CLF: Combat Logistic Force)、高速輸送船(HSV: High Speed Vehicle)、MV-22オスプレイ、C-17(大型輸送機)が挙げられている。

 また、これらの作戦を効果的に実施するために、海軍のあらゆるセンサーを統合し、情報を武器に迅速に提供するフレームワークとして「フォースネット:Force Net」というアーキテクチャーの構想が打ち立てられた。これは、NCW(Network Centric Warfare)という新しい戦い方を実現するための根幹となるアーキテクチャーである。

 NCWは、味方部隊に張られたネットワークにより、迅速に情報を収集し、この情報を正しく管理し知識化して配布することにより、全員が適切に処理された同じ情報を入手し、指揮官の意図に沿う正しい判断を可能とする「新しい戦いの概念」である。

 この戦略では、米海軍における「予算の不足」、「人員の減少」および「技術の進歩」という背景の下に「海軍の変革: Navy Transformation」というタイトルを掲げて、今までとは考え方が異なる水上艦を建造することを主眼としている。

 LCSは、この戦略の中の主としてSea Shield作戦において任務を果たすための戦闘艦として発案された。当初、「シーパワー21」戦略においては、3種の系列艦(Family Ship)が目玉として挙げられ、その1つはDDXと称する多目的駆逐艦、2つ目がLCS、3つ目はCGXと称するミサイル防衛専用の巡洋艦であった。

 DDXは、現在DDG-1000 ズムウォルト級としてメイン州バス鉄工所(BIW: Bath Iron Works)において建造中であり、2014年に就役する予定である。この艦は、多目的駆逐艦と称されているが、実は対陸上攻撃が主目的であり、射程100マイル(約185Km)のGPS誘導ロケット推進砲弾を発射する6インチ砲を2門装備している。

 船体は一見潜水艦と見間違えるような異様な形をしており、排水量は海上自衛隊の「ひゅうが」型DDHとほぼ同じ1万4000トンである。「ひゅうが」型と並んで世界最大の駆逐艦(DD)と言えよう。

 このような形になったのは、DDXが陸上攻撃のために敵沿岸近くまで侵入する必要があり、レーダーステルス性能を極度まで追求する必要があったからである。もちろん、静粛性も重視しなければならず、技術の粋を凝らして攻撃型原子力潜水艦と同等の静粛性を確保している。

 また、省人化対策も追求され乗組員の数はわずか150人である。この艦は、これらの新機軸を実現するために種々の新しい技術が結集され必然的に船価が高騰したため、計画では7隻建造のところ3隻の建造に止められることになった。

 DDXと同じ船体を使用してミサイル防衛能力を持たせようとしたのがCGXであった。しかしながら、CGXは高度のミサイル防衛システムを備え、議会からは燃費節約のため原子力推進とする案が出るなど高い船価が見積もられたため2011年海軍により計画が中止された。この代替艦としては、新型システムを搭載したイージス艦(DDG FlightV)が建造されることになった。

 LCSは、米海軍が過去に持ったことがない全く新しい戦闘艦である。LCSは、陸上攻撃のために敵沿岸部に侵入するDDXの「露払いの役目」を主任務とする。

 そのために、敵沿岸海域・浅海面における対ディーゼル潜水艦戦(ASW: Anti-Submarine Warfare)、機雷戦(MIW: Mine Warfare)および対高速舟艇群水上戦(SUW: Surface Warfare)の3つの任務を実施する能力を持ち、沿岸部の狭い海域において自由に動き回って敵を制圧するために40ノット(時速約74キロ)以上の高速を発揮できるようになっている。

 また、外洋において活躍するイージス駆逐艦のような、本格的な戦闘能力を持たない補助的な戦闘艦であることから排水量は満載3000トンに抑えられている。もちろん、省人化が図られ乗組員の数はわずか45人程度である。現在、LCSはこのような形で量産の段階に入っているが、それまでには多くの議論が積み重ねられた経緯がある。

LCSはどのような戦闘艦か

 LCSの原点は、NCW理論を打ち立てたセブロフスキー海軍中将(当時米海軍大学校長)が1999年に提唱した「ストリートファイター」構想である。

 セブロフスキー中将は、将来沿岸部の狭い海域をコントロールするためにネットワーク化した小型高速の戦闘艇が必要だと唱えた。これが、「シーパワー21」戦略においてLCSとして日の目を見たのである。

 従って、2002年「シーパワー21」戦略が発表された時点では、LCSは排水量1000トン程度のカタマラン(2胴)またはトリマラン(3胴)型艇として計画されていた。しかしながら、海軍部内外からは「米海軍は過去に小型艦で成功したためしがない」、「建造目的が不明確」などの異論が噴出した。

 海軍において種々検討が加えられたのち、2003から2004年にかけて、

(1)LCSは決して小型艦ではなく満載3000トンになる。
(2)モノハル(単胴、排水量)型およびトリマラン(3胴)型の2種類の船体を採用する。
(3)ASW, MIW, SUWの3つの任務は、それぞれの任務モジュール(Mission Module)を作り、プラグ・イン方式により積み替えることにより達成する。
(4)無人ビークル(空中、水上、水中)を活用する。
(5)ネットワークを重視し、高度のC4I(指揮、管制、通信、コンピューター及び情報)能力を持つ。
(6)乗員数は、任務モジュール操作要員(モジュールの積み替えと共に乗艦する)を含め75人とする。
(7)ヘリコプター及び無人機を格納可能とする。

 などの基本方針が固まった。

 船体については、当初モノハル型、トリマラン型およびSES(Surface Effect Ship)型の3案があったが、海軍による評価の結果、SES型が候補から外れた。現在就役している1番艦の「フリーダム」(LCS-1)はモノハル型、2番艦の「インディペンデンス」(LCS-2、アラバマ州モービルのオースタルUSA造船所で建造、2010年1月就役)はトリマラン型である。

 モノハル型はロッキード・マーチン社が、トリマラン型はジェネラル・ダイナミックス社がそれぞれ主契約者となっている。

 2種類の船型は2010年にどちらかに統一される予定であったが、結局今後も2種類を建造し続ける「Dual Buy」が議会で承認された。従って、今後は2種類の船型が交互に建造される。

 任務モジュールは陸上に保管され、所要に応じてLCSに積替える方式が採られる。潜水艦の脅威が顕著になればASWモジュールを、機雷原が発見されればMIWモジュールを、高速水上艇群の脅威が予想されればSUWモジュールを港において搭載する。

 このような方式にした理由は、ASW・MIW・SUWのすべての機能を1艦に装備すると船体が大型化すると共に船価が高くなることによる。LCSの固定装備としては、3次元レーダー、C4I機能等とともにRAM対空ミサイル(LCS-1)又はSEARAM対空ミサイル(LCS-2)1式及びMK110 57mm自動砲1門がある。

 ASWモジュールの主要構成品は、可変深度ソーナー(VDS: Variable Depth Sonar)、多機能曳航アレー(MFTA: Multi- Function Towed Array)、魚雷防御用曳航装置(LWT: Light Weight Tow)、無人機Fire Scout、それに艦載ヘリコプターMH-60Rに搭載する吊下式低周波ソーナー(ALFS: Airborne Low Frequency Sonar)及びMK54浅海面用対潜魚雷などである。

 MIWモジュールの主要構成品は、機雷捜索用として無人機Fire Scout、遠隔式機雷掃討システム(RMS:Remote Mine-Hunting System)とこれにより曳航するAQS-20Aソーナー、艦載ヘリMH-60Sに搭載するレーザー機雷探知システム(ALMDS: Airborne Laser Mine Detection System)があり、機雷処分用としてMH-60Sに搭載する急速機雷除去システム(RAMICS: Rapid Airborne Mine Clearance System)及び機雷掃討システム(AMNS: Airborne Mine Neutralization System)、機雷掃海用としてソーナーを曳航する無人艇(USV: Unmanned Surface Vehicle)、艦載ヘリMH-60Sに搭載する機雷掃海システム(OASIS: Organic Airborne and Surface Mine Influence Sweep)などである。

 SUWモジュールの主要構成品は、MK46 30ミリ機関砲、無人機Fire Scoutおよび艦載ヘリMH-60Rに搭載するヘルファイア―(Hellfire)対艦ミサイルであり、現在のところ艦対艦ミサイルは装備していない。

 当初、陸軍との共同開発によるNLOS-LS(Non-Line of Sight-Launch System)ミサイルを対艦用として搭載する計画であったが、経費の高騰により開発は中止された。現在、陸軍で開発中のグリフィン(Griffin)小型ミサイルを対艦用として搭載することを計画中である。これとは別に、将来新型の艦対艦ミサイルを開発する計画もあるようである。

 いずれの任務モジュールにおいても、オペレーションはすべてデータリンク 16(LINK 16)によるネットワークを使用して行われる。LINK 16は、艦対艦のみならず、艦載ヘリや無人機とのデータ通信にも使用される。

 任務モジュールは当面64モジュールが製造され、その内訳はASW用16セット、MIW用24セット、SUW用24セットとされている。LCSが東南アジアに配備されることにより、任務モジュールも所要のセット数が陸上に配備されると考えられる。

 LCSの最も大きな特徴である高速力は、ガスタービン・エンジン2基、(LCS-1はロールスロイスMT-30、LCS-2はジェネラル・エレクトリックLM-2500)を主機関とする4基のウォーター・ジェットにより発揮される。

 LCSは、他部隊とのネットワークが最重視され、DDXに相当する高度のC4Iシステムが搭載されている。通信システムは原子力潜水艦と同じ統合通信システムが搭載され、運用の要である戦闘指揮システムはMission Systemsと称され、戦闘ソフトウエア、 Mission Control Center 及びオープン・アーキテクチャ・システムを統合したCOMBATSS-21が搭載されている。LCSは、DDX等の他部隊と完全な情報交換が可能で、常に最新の情報をリアルタイムで入手できる。

 船価は、予算逼迫および海軍艦艇数が不足のおり、安価で隻数を増やすことを主眼に設定され、当初は1隻2億2000万ドル(1ドル95円で約210億円)、任務モジュールが1セット7000万ドル(同約67億円)で設定された。

 しかしながら、LCSはC4Iなどに最新技術を使い、船体も独創的な形状をしており、しかも高速を発揮すること等から価格が高騰し、LCS-1は4億6500万ドル(同約444億円)、LCS-2は7億8800万ドル(同約749億円)となった。海軍はこれを不満とし、2008年度にLCS-3・4の契約をストップしたが、価格交渉の末、固定価格制により2009年度に契約した。

LCSはどのように運用されるのか

 LCSの概要については前項において説明した通りであるが、米海軍がこのような新機軸の艦を使ってどのようなオペレーションを実施するのかについて以下述べてみたい。

 LCSの運用に当たっては、次のことが重要なポイントになる。

(1)40ノット以上の高速力を発揮する。(LCS-1は最大45ノット、LCS-2は最大47ノット)
(2)3種類(ASW、MIW、SUW)の任務モジュールを陸上に保管しておき、任務に応じて1種類を出港前に人員と共に搭載する。

 任務モジュールが、これらの3種類の各種戦対応となったことについて、米海軍は「能力の間隙」(Capability Gap)という表現をしている。これは、米海軍においてASW、 MIW、 SUWの3つが沿岸海域における戦闘能力として不足していることを意味する。そのギャップを埋め合わせるのがLCS建造の目的である。

 LCSの典型的な運用構想は、DDXが敵陸地を攻撃するために敵沿岸海域に近接する必要があり、このためのDDX前程の「露払い」のためにLCSがASW、 MIWおよびSUWにより敵ディーゼル潜水艦、敵機雷原及び敵高速舟艇群を駆逐するという構想である。

 任務モジュールの積み替えのためにはLCSがいったん基地へ帰り、積替え後作戦海域へ再進出する必要があり、この際LCSの高速力が発揮される。また、SUW作戦実施時においては高速の発揮が効果を挙げる。

 そのほか、高速の発揮は敵魚雷攻撃やミサイル攻撃からの回避、欺瞞作戦などにおいても有効である。これらの作戦により、LCSはDDXの沿岸近接を保障(Assured Access)することができる。

 LCSは高速を発揮することにより、広域の活動が実施可能である。例えば、東南アジアのシンガポールを基地とした場合、南シナ海北端(東沙群島)まで20ノットで約72時間で到達できる。マラッカ海峡西端までは、20ノットで30時間である。

 このように迅速に作戦海面に進出することにより広域において機を失することなく効果的な作戦が実施できると共に、次の作戦海面への迅速な移動も可能である。

 また、LCSはその機動性により、空母機動部隊などの護衛任務に使うことも考えられているようである。平時においては、海賊などの不法行動対処、国際救助活動などにおいてもその機動性を有効に発揮できる。当初、任務モジュールの1つに「GWOT(Global War On Terrorism)モジュール」(対テロモジュール)のアイデアもあった。

LCSの南シナ海配備の意義

 これらの作戦において、LCSの要となっているのがC4I能力である。LCSは、その高度のC4I能力により、外洋艦隊やDDXと同じレベルの情報を取得することができ、自艦が置かれている戦術状況を正しく把握することができる。

 従って、LCS艦長は艦隊司令官の意図に合った決断を下すことが常に可能である。また、逆にLCSが得たローカルな情報が即時に艦隊司令部に伝達され、司令官の情勢判断の資となる。

 これは、LCSのC4I能力により、局地においてもNCWという新しい戦いが実施可能となったことを意味し、それ自身はそれほど高い戦闘力を持っていないLCSが現場に存在することが、艦隊がその場に存在するのと同じ効果を発揮するということになる。

 緊張した南シナ海において、LCSが配備されることは深い意味を有している。すなわち、LCSという補助的な戦闘艦を南シナ海に配備することにより、軍事的な刺激を低く抑えることが出来ると共に、実質は高度な戦力を配備したのと同じだけの効果を得ることができるのである。

おわりに

 報道によれば、中国海軍は新型コルベット艦(約1400トン)を3月に新たに就役させた。この新型艦は、ステルス性を備え、小回りが利き、浅い海でも活動できるうえ、対艦ミサイルなど多種類の武器を搭載し、ヘリコプターの離着艦も可能という多機能艦であるという。

 この通りだとすれば、機能的には米海軍のLCSと似たところがある。米海軍LCSの南シナ海配備に対抗して多数のコルベット艦を建造する意図があるのかもしれない。また、東シナ海における緊張に備え、島嶼沿岸域における海軍戦力として運用する意図があるとも考えられる。

 今後、狭い沿岸海域における海上権益を巡ってLCSやコルベットのような機動性の高い小型水上艦の活動が活発になる可能性が極めて
大きい。

 しかしながら、前述の通り、LCSは従来の水上艦の常識を覆した新しい基軸のコンセプトの下に計画された戦闘艦であり、コルベットなど他の水上戦闘艦とは大きく違った存在である。

 今後緊張した南シナ海などにおいてLCSがどの様な活躍をするかについては、米海軍はまだこの様な戦闘艦を運用した経験を持っていないが、これまで述べてきたC4I能力を活用した作戦の実施、任務モジュールの使用、高速の発揮などを理解すれば容易に推測することができる。

 LCSが、海洋沿岸域における対立のエスカレーション・コントロールの役目を十分に果たし、地域に安定をもたらせてくれることを大いに期待したい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37568

崖っぷちの中国共産党、日本への強硬姿勢崩せず
尖閣諸島での示威行為激化を覚悟し適切な対処を
2013年04月15日(Mon) 森 清勇
 中国では習近平体制が発足した。軍拡を加速して富国強兵に邁進するという見方が目立つ。技術開発力が弱いので新兵器開発には制約を抱えているとされるが、量的兵力は日本の3〜11倍(海軍3倍、空軍6倍、陸軍11倍)で、日本が保有しない多種多様の核兵器を持つミサイル部隊も存在する。

 他方で、国内には多くの不満が充満している。尖閣諸島を自国領と主張してナショナリズムを高揚し、ガス抜きに活用することが危惧され、日本は難しい対応が求められる。

和諧社会からほど遠い中国


中国の習近平国家主席と、李克強首相(右)〔AFPBB News〕

 2007年末、日本に帰化した石平氏は、文化大革命時代は「毛沢東の小戦士」として活動していたという。その後日本に留学し冷静に中国情勢を眺めることができるようになった石氏は、小戦士時代が「人騙しの洗脳教育」であったことを知り、「人生の中で最も嫌悪」するようになる。

 しかし、今でも「あの毛沢東時代の人騙しの洗脳教育が、そっくりそのまま中国で繰り返されている」(『私はなぜ「中国」を捨てたのか』p84)と弾劾する。

 胡錦濤が掲げた和諧社会は実現するどころか、貧富の拡大で益々住みにくい社会となり、国内での暴動(集団的抗議事件)は増大の一途である。

 1993年に起きた暴動は1万6000件であったが、2005年は8万7000件となり、12年は10万件をはるかに超えている(一般的な見方は18万件以上)と言われている。1日平均500件近くの暴動が起きているわけである。ちなみに中国政府は2007年を最後に発表していない。

 所得格差の程度を示すジニ係数*は、中国国家統計局によると北京オリンピックが開かれた2008年が最大で0.491であった。2012年は0.474とやや低下したが、社会不安の警戒ラインとされる0.4を超えた状態が続いていることには変わりない。

*ジニ係数は0から1までの数値で示され、1に近いほど格差が大きい。0は完全な平等状態を指す。騒乱が多発する危険が高まる警戒数値が0.4と言われている(編集部注)

 他方、中国人民銀行および西南財経大学の調べでは0.61(「産経新聞」3月15日付)でアフリカ並みと言われる。ちなみに易姓革命に繋がった明朝末期は0.62、清朝末期は0.58、国民党の統治期(20世紀初期)は0.53と見られ、いつ革命が起きてもおかしくない状況である。

 富裕層や官僚の子弟は富2代・官2代と呼ばれ、貧しい生活を続ける農民や農民工(都会への出稼ぎ農民)の子供は貧2代と呼ばれているそうである。

 富3代や官3代を作らない政権運営が党・政府の指導者には求められるが、指導者自身が自分の莫大な資産を隠匿したり、自国を信用しないかのように財産を外国に移管したり、子女を外国に留学させるなど、表の看板に背馳する行動をすることも頻繁である。最も清廉な政治家と見られてきた温家宝前首相が莫大な蓄財をしていることも発覚した。

 習政権は胡錦濤から困難な問題を引き継いだ。習の最大関心は、貧困にあえぐ人民大衆を共産党の指導にいかに従わせるかということである。それができなければ共産党の正当性は失われ、革命の惹起さえ懸念され地獄を見るかもしれないからである。

情報操作がどこまで可能か


中国の温家宝前首相〔AFPBB News〕

 温家宝の蓄財がニューヨーク・タイムズで暴露された。これを契機に、中国発と見られるサイバー攻撃が同社に頻繁に行われるようになる。明るみに出したニューヨーク・タイムズは体制を揺るがしかねない邪悪な存在とみなされたのだ。

 共産党指導部にとって、温首相の蓄財発覚は個人の問題ではなく、共産主義体制維持を至上命題にしている指導部の問題であり、共産主義をも揺るがしかねない危険性をはらんでいるからである。

 ミハイル・ゴルバチョフ書記長(当時)は、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故をきっかけに、ソ連社会に鬱積した種々の問題を解決するために、言論・集会・出版・報道等を自由化して意見をくみ上げ、国家の再編・活性化を決意した。世に言うグラスノスチ(情報公開)によるペレストロイカ(改革)の推進である。

 このためには今まで抑圧されていた改革派の知識人や学者なども巻き込む必要がある。そこで、レオニード・ブレジネフ時代のアフガニスタン侵攻を批判して幽閉されていた科学者アンドレイ・サハロフなどが解放された。

 同様に禁止されていた映画の上映や市民団体の結成なども認められ、以前のネップ(新経済政策)の再評価なども行われた。

 改革は民主化に貢献したが、同時に共産党幹部の豪華絢爛な暮らし振りや汚職なども暴かれ、国民の反共産党感情が一気に高まり、国家立て直しの暇もなく2年後の1989年にはソ連邦が解体するに至った。インターネットが今日ほど普及していたわけではないが、隠蔽された情報、ごまかしの共産主義体制とその指導者に国民はうんざりしていたからである。

 ましてや今日はインターネットが普及しており、政府が情報公開するまでもなく隠蔽体質は中国人民に共有されつつある。人民日報などの政府系メディアが指導部の意図に沿うように情報操作していることを人民は知りながら、何食わぬ顔で指導に従っている素振りをしている。

 しかし、人民の不満は暴動の増大となって表れており、いずれ我慢の限界点に達すること必定であろう。

無謬性を言い募る中国

 射撃レーダー照射問題で反論する中国報道官の顔が忘れられない。自国の艦船が照射したことを知りながら、「情報がない」だの、「通常の捜索レーダーであった」などと報道させられる苦渋に満ちていたからである。

 サイバー攻撃では楊潔?前外相が、「政治的な目的でニュースを捏造しても、自分を汚すだけだ」と声高に反論し、「(中国こそが)ハッカーによる攻撃を最も受けている」と、自国が被害者であることを強調した。共産党の指導に誤りはないと言い募らなければならない空々しさだけが印象に残っている。


殺虫剤が混入されていた天洋食品の餃子工場〔AFPBB News〕

 このように、毒入り餃子事件、レーダー照準事案、そしてサイバー攻撃問題など、すべては外国が事実を公表して以後に反論し、自国こそ被害者であると言い募る同じパターンを繰り返してきた。

 中国がそのような被害を受けたのであれば、発覚した時点で堂々と公表するのが筋であろう。相手が加害者の烙印を押した後で抗弁する裏には、指導者は無謬であると人民に思わせなければならない共産主義体制の矛盾が潜んでいる。

 しかし、犯人を相手に仕立てる中国流情報操作も有効に機能しなくなりつつある。社説すり替え事件が発覚すること自体、体制べったりの報道しか許されなかった中国のマスコミ界においても、勇気ある人士が出てきた何よりの証左である。

 指導部が好むと好まざるとにかかわらず、中国版グラスノスチが進みつつあることを示しており、行きつく先は穏やかなペレストロイカか、指導部が恐れる革命であろう。

 中国発のハッカーが世界中で問題にされているのは、知的財産を保護する条約に違反していることもあるが、より深刻なのは人間の自由を抑圧する一党独裁の体制擁護に捻じ曲げた情報が悪用されているからである。

 軍備増強は「平和目的のため」であるというように、黒を白と言いくるめる中国、そうしたことを報道官が堂々と言い募っている姿を見るにつけ、公務員として「言わされ」、体制側の人間として「言わざるを得ない」気の毒な人物に思えて仕方がない。

 自分たちはいつでも正しく、悪いのは相手であるとごまかさざるを得ない共産主義社会は矛盾が累積して、人間の本質に関わる真善美という倫理観が転倒しており、改革するにも策がなく崩壊しかあり得ないのかもしれない。

毛沢東戦略に倣う習政権?

 全人代が開かれている期間、当局は民主活動家らを北京郊外に連れ出し軟禁したり、私服警官の監視の下に三亜などに連れ出したりしているそうである。指導部に都合悪いことを公表したものには裁判なしか、あっても形式的なもので理不尽な制裁を加える、卑劣で異形の大国に成り過ぎた中国である。

 矛盾が矛盾を生み、不満が鬱積し、それが暴動の増大となって表れてくる。習近平は「強固な国防と強大な軍隊の建設」という富国強兵策で「中華民族の偉大な復興」を図ろうとしている。

 毛沢東は「鉄砲から政権が生まれる」と言ったが、習は共産党の権力維持のために、鉄砲で外国を威圧しながら人民の関心を外国に向け、民族の団結を図る構図のように思える。

 日本が尖閣諸島を国有化した時期は習政権が確実視されだした頃で、反日デモには毛沢東の写真を掲げる人が散見し始めた。

 習氏が毛沢東の詩を引用しながら「中国の夢」を語る姿勢と符合する。胡錦濤政権時代は見受けなかった状況であっただけに、習氏が毛沢東戦略に倣おうとしていると見ることもできよう。

 毛沢東は蒋介石の率いる国民党から政権を奪取する過程で、敵は日本であるとして国共合作(真の融和でないから小文字の+で示す)を図り、国民党軍を正面に立てて日本軍と戦わせた(戦争なので大文字Xで示す)。

 そして国民党軍が消耗し弱体化したところで、共産党軍が国民党軍を撃破(Xで示す)する戦略をとった。敵の敵は味方という戦略で、国民党軍を一時的に味方に引き入れたのである。これを図式的に示すと

 共産党の政権: [共産党軍 + 国民党軍] X 日本軍 ⇒ 共産党軍 X 国民党軍 ⇒ 共産党軍の勝利

 今日の中国に複数の政権が存在するわけではないが、指導部である一部の富裕層と格差で苦しむ人民大衆が対立していると見ることができよう。

 そのために「中華民族の復興」を掲げてナショナリズムを高揚し人民大衆を指導部に取り込み(+で示す)、中国が対処(戦争に至らない対立なので小文字のxで示す)すべきは日本国であると喧伝する。

 日本のいいようにさせない指導部の成果をもって、人民大衆に指導部を信認させ共産党の正当性を印象づける方策をとり続けるのではないだろうか。図式的には

 共産党の正当性: [指導部 + 人民大衆] x 日本国 ⇒ 指導部 x 人民大衆 ⇒ 指導部の信任

 従って、尖閣では日本との間で干戈を交えない(Xでなくxで示す)ぎりぎりの範囲で緊張の糸を切らすことなく、人民の目を外に向け続けさせる戦略をとるのではないだろうか。

おわりに

 歴史を振り返ってみれば、中国はいつも日本をいいように利用してきた。天安門事件などで国際社会から批判され孤立すると、日本に近づき、天皇訪中などを画策して中国包囲網の突破を図った。また、国内問題で混乱し暴動が発生しそうになると、ガス抜きにナショナリズムを叫ばせて日本敵視で団結させた。

 日本は、いいように中国に振り回されたと言ってもいいだろう。いまや共産主義体制の崖っ淵に立つ習政権は、「中華民族の偉大な復興」を呼号しながら、長期にわたって尖閣諸島問題を人民の団結に利用し日本と対峙し続けるものと予測される。

 そのために、時には強硬かつ威圧的な行動に走り、時には柔軟かつ融和的な姿勢をとるなど、変幻自在に行動するものと見られる。

 日本は相手の真意を見極めつつ、相手に付け入る隙を与えない確固たる姿勢をとることが大切である。そうしたすべての基本は、日米同盟を実効あるものとすることは言うまでもないが、国内的には迅速適切に平時対応ができる法体系の整備と、最小限中国に引けを取らない軍事力の造成である。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37535  

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コメント
 
01. 2013年4月15日 12:50:05 : xEBOc6ttRg

 


 


米国は北朝鮮と交渉する構え、非核化への行動必要=米国務長官
2013年 04月 15日 06:56 JST

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[東京 14日 ロイター] 来日したケリー米国務長官は14日、北朝鮮が非核化に向けた行動を示す限りは、米国が交渉する姿勢があることを強調した。

国務長官はまた、北朝鮮の挑発的な行動からアジアの同盟国を擁護すると表明、ただし、緊張の高まりに平和的な解決を望む考えを明らかにした。

ケリー国務長官は記者団に対し、「北朝鮮と交渉する準備はあるが、適切なタイミングと状況が必要」と述べた。北朝鮮は非核化に向けた取り組みを進める必要があると強調した。

同国務長官はこれに先立ち、岸田文雄外相との会談後の記者会見で、「まさに平和の可能性を話し合うべき時に、メディアで多くの注目が集まり、戦争の話題さえ取りざたされていることは実に不幸なことだ」と述べた。米国が同盟国の日本や韓国を守るために「必要な措置を講じる」としたが、「交渉が選択肢で、話し合い、地域に平和をもたらす方法を模索することだ」と付け加えた。
 

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02. 2013年4月17日 00:15:39 : xEBOc6ttRg
北朝鮮が真っ先に日本を攻撃する理由
最悪事態を想定した危機管理を急げ
2013年04月17日(Wed) 古森 義久
 北朝鮮が今後、実際にどのような軍事行動を取るのか。米国ではいま官民挙げてこの予測を大展開している。

 北朝鮮がその警告通りに米国あるいは韓国、そして日本にまで、核弾頭搭載のミサイルを撃ち込むのか。それとも好戦性に満ちた攻撃の威嚇は単なる言葉だけの脅しなのか。あるいは実際の軍事行動を伴うのか。第2次朝鮮戦争が果たして始まるのか。米国の政府や議会、そして軍の研究機関から民間の研究所、マスコミまで、それぞれに分析や予測を進め、公表するようになった。

 米国の専門家たちのその種の予測の中で特に関心を引かれたのは「次の朝鮮戦争は北朝鮮による日本攻撃で始まる」という大胆な見通しだった。

 その理由は日本が北朝鮮からの攻撃に対してあまりに無力であり、反撃などという軍事行動がまず考えられないからなのだという。この点の指摘は、まさに戦後の「平和・日本」が、自国への軍事攻撃はもちろんのこと軍事的な反撃など夢にも考えずに国づくりを進めてきたという特徴を突いていた。だからいまの北朝鮮危機は、日本にとって戦後最大の国家安全保障の曲がり角を画すことにもなるのだろう。

ミサイルを撃ち込まれた日本はどう対応するのか

 ワシントンの民間の国際安全保障研究機関「外交政策イニシアティブ」は4月10日付で「北朝鮮に関する米国と日本のウォーゲームからの教訓」と題する報告を公表した。作成の責任者は同研究機関の所長クリストファー・グリフィン氏だった。同氏は日本を含むアジアの安全保障問題の専門家で、ジョセフ・リーバーマン上院議員(無所属)の立法補佐官や大手研究所のAEIの安全保障専門の研究員などを歴任した。

 報告はこのグリフィン氏が最近行った「ウォーゲーム」(模擬戦争演習)から得た考察や教訓が主体だった。

 その前提となるシナリオは「北朝鮮が米国や韓国に戦いを挑むのだが、その有効な手段としてまず日本に攻撃をかける」という見通しだった。具体的には、北朝鮮が日本国内の特定の無人地域を狙って弾道ミサイルを撃ち込む。死傷者は出さないものの、その標的の地域には命中し、次は人口密集の日本の都市に同様のミサイルを撃ち込むと脅す、との想定だったという。

 北朝鮮はこの日本への本格攻撃の脅しにより米国や韓国に核兵器保持を認めさせ、経済制裁解除、外交承認、経済支援など一連の要求に基づく交渉を迫る、というのだ。

 ちなみにウォーゲームというのは、一定の危機を設定し、関係筋がそれにどう対応するかを探るシミュレーション(模擬演習)である。アメリカでは軍関係を主体に頻繁に実施される政策、戦略の演習なのだ。危機管理のシミュレーションだと考えれば、分かりやすい。

 私もマサチューセッツ工科大学(MIT)の日本研究所が主催したアジア危機管理のシミュレーションに数回、加わったことがある。例えば「北朝鮮の金政権が崩壊した」というようなシナリオを設定し、その危機に対し、米国、韓国、日本、さらには中国などが具体的にどう対応するかを見るのである。

 参加者には米国の大統領、国防長官、日本の首相、防衛庁長官などという役割を与え、どんな判断を下して、どんな行動を取るのかを演じさせる。参加者は大多数がその課題や地域についての専門家から選ばれる。私も日本の防衛庁長官などという役割を演じたことがある。ウォーゲームは文字どおり、そのシナリオが単なる危機の想定ではなく、戦争の勃発として、それに対する対応策を具体的に見ていくわけだ。

米国は日本の軍事行動の限界をすぐに認識

 さて、グリフィン氏は「ウォーゲームの結論はぞっとする内容になった」と総括していた。ゲームは米国チームと日本チームに分かれて進行し、それぞれに模擬の結果が記録されていった。同報告によると、まず北朝鮮が、韓国でもなく米国でもなく日本を攻撃するという想定は「北朝鮮にとって、日本の無人の地域へのミサイル発射は死傷者を出さないまでも、北朝鮮の実際のミサイル使用への能力と意思とを疑いの余地なく明示し、全面戦争に至らずに、米韓日の側との外交交渉を引き出すことができるという計算から」だという。そしてその背後には日本が自国領土にミサイルを撃ち込まれても、軍事的になんの反撃もできないという北側の読みが作用するのだという前提だった。

 北朝鮮側が求める「交渉」の目的は野心的である。米国や日本との外交関係樹立、経済援助の獲得、そして在韓米軍の撤退、さらには在日米軍の撤退までをも、北朝鮮は実は求めているのだ。そうした野望を実現させるための「交渉」をまず米国と実施するというのが、北朝鮮の年来の本音の狙いなのである。

 同報告によると、米国チームは、この北朝鮮による日本攻撃の後の米国当局の対応として、以下のような措置を取る方向へと動く想定を明らかにしたという。

・この危機を最小限の規模に封じ込めることに精力を注ぎ、米国政府は中国政府に接触して、北朝鮮の意図を探り、情勢の安定化に努める。

・米国は同時に日本をも加えての軍事力を「誇示」し、北朝鮮のさらなる軍事行動への反撃の構えを見せるが、日本の軍事行動の限界をすぐに認識する。

日本攻撃で始まる第2次朝鮮戦争を具体的に想定せよ

 この模擬演習で注視されるのは日本の出方である。報告によると、ゲームの中で日本チームは以下のような判断を下したという。

・日本領内へのミサイル攻撃を日本は「軍事攻撃」と断じて、日米安保条約上の米国の日本への防衛誓約の実行を求めるか否か、あるいは日本自体も独自に反撃の措置を取るべきか否か、を討議した。

・その討議の結果、米国と共同でも日本側の北朝鮮への反撃能力が決定的に欠けることがすぐに判明した。このため日本が北朝鮮の第2次対日攻撃用のミサイルの破壊などの軍事的な反撃をしようにも独自にはできず、その作戦を米国に委託しなければならないことも明白となった。

 そして日米両国チームは合同で以下のような見解をまとめたという。

・もし米国が北朝鮮の意図を探るためでも中国政府と協議することは、日米同盟への日本側の信頼性を失わせる。

・北朝鮮の先制攻撃を防ぐためには日頃から米国と日本の共同の北朝鮮攻撃軍事戦略を可能にしておく必要がある。そこには韓国の協力をも得て、北朝鮮への効率的な抑止態勢とする。

・米日合同の北朝鮮空爆能力の確保はいまの日本の軍事能力では難しいが、F35戦闘機を自衛隊が導入すれば可能となる。日本は現在はその種の合同作戦には空中給油と情報収集や偵察の能力しかない。

・米日両国は、第2次朝鮮戦争が北朝鮮の日本攻撃によって始まるという有事計画を具体的に想定すべきだ。米国がその想定の下に日本と韓国との協力のための対話を実行すること自体が北朝鮮への抑止になる。

・北朝鮮による2010年の韓国の大延坪島への砲撃事件では、米韓合同の反撃計画が明らかとなり、北朝鮮が韓国への同種の限定的な攻撃を断行する確率は大幅に減った。だが日本にはその種の反撃計画はないので、北朝鮮は日本攻撃の誘惑に駆られる可能性が高い。米国は日本との共同の反撃態勢を築くべきだ。

中国の横槍にも注意と監視が必要

 この報告を公表した研究機関「外交政策イニシアティブ」は、このウォーゲームの結果とは別に独自の提言を以下のように述べていた。

 「今年、米日両国はこの種の課題を正面から協議する機会に恵まれている。日本が独自にその防衛政策や自己規制について再検討するだけでなく、米日両国は、1997年に更新されたきりの日米両国共同防衛ガイドラインの再検討にも取り組むことになっているからだ。米国はこの日米協力に韓国も加わらせることに努めるべきだ。この場合も北朝鮮の日本攻撃というシナリオへの対応が主眼となる」

 「オバマ政権は日本や韓国との安全保障協議には難色を示すかもしれない。そうした協議が中国の神経をさかなですることを恐れるからだ。中国にしても、米国に圧力をかけて、その種の対日、対韓の協議を止めさせられるかもしれないと判断すれば、強い圧力を実際にかけてくるだろう。米国の議会はそうした動きを十分に監視していく必要がある。北朝鮮への対応はとにかく相手の挑発よりも先行して、対応策を考えておかねばならない」

 こうしたキメ細かな米国側の動きを見ると、日本にとっても北朝鮮との衝突での最悪事態までを想定した危機管理、戦争準備の努力が欠かせないように思われてくる。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37603


April 10, 2013
War Game Lessons for U.S. and Japan on N. Korea
By Christopher J. Griffin

The announcement that Japan has positioned Patriot missile defense batteries around Tokyo should come as little surprise. North Korea demonstrated in July 2006 that it could fire accurate missile salvos that range Japan’s capital and has repeatedly threatened to reduce the city to a sea of fire.

In order to better understand the North Korean threat to Japan, I organized a war game several years ago in which a group of security experts discussed one scenario – a North Korean attack that strikes unpopulated Japanese territory during a missile "test," killing no one, but sending an unmistakable signal about Pyongyang's capabilities and willingness to use them. In that scenario, much like today, Pyongyang wanted to force negotiations on its terms without initiating all-out war.

The participants in our game were divided into mock U.S. and Japan teams. As the scenario progressed, they identified priorities and expectations of one another. Our conclusions were chilling but identified critical steps that we should take to strengthen this alliance.

After the attack, the American team focused its energies on containing an unfolding crisis on the Korean Peninsula and concluded that its first priority should be working with Beijing to decipher North Korea's intentions and stabilize the situation. The American team planned shows of force to demonstrate our ability to respond to future attacks, but was keenly aware of the limitations on Japan’s military forces.

The Japan team, meanwhile, focused on the consequences of the missile strike on its territory. They debated whether Tokyo should declare the provocation an “armed attack,” invoking U.S. commitments under our mutual security treaty, and whether Japan should seek some form of retaliation. The Japan team ultimately concluded that its greatest weakness was its lack of a combined strike capability in cooperation with the United States. If Japan sought a forceful response, or even the option of taking out other missile sites that could strike Tokyo with deadly payloads, it would have to outsource the mission to the United States.

After the teams briefed each other on their respective views, they concluded that the alliance would lose credibility if Washington worked through Beijing while constraining Japanese demands for a U.S. retaliatory attack. They also agreed that the only way around this problem was to develop credible military options for the United States and Japan to operate with South Korean support – the basis for effective deterrence.

The participants recommended that the two countries should work together to build a combined strike capability that integrates our military options. Japan currently possesses aerial refueling and ISR assets that could support such operations, and is expected to receive its first batch of attack-capable F-35 Joint Strike Fighters next year. A combined strike capability would provide the U.S.-Japanese alliance with a credible response to any possible North Korean attack against Japan, without requiring that Japan simply request the United States act solely on its behalf.

The teams also agreed that we should develop contingency plans that address the possibility that the next Korean War may begin with a North Korean attack against Japan. Simply initiating this dialogue with Seoul and Tokyo would demonstrate for North Korea that such a provocation would not take us by surprise. The 2010 attacks spurred bilateral U.S.-South Korean contingency planning that has reduced the likelihood that Pyongyang will lash out against South Korean forces again. We should not invite the Kim regime to shift its focus to Japan because of our unpreparedness.

This year, the United States and Japan will have an opportunity to address this agenda. Not only is Japan studying its own military requirements and self-imposed constraints, but our two governments are reviewing a set of bilateral defense guidelines that were last updated in 1997. The United States should also work to bring South Korea into concurrent contingency planning efforts, so that we can develop a common understanding with Seoul as to how our governments would handle future provocations that target Japan.

The Obama administration will shy away from these conversations for fear that they could offend Chinese sensibilities. If Beijing senses that it can pressure Washington away from these discussions, of course, it would have little reason not to do so. In the months ahead, it will be incumbent upon leaders in Congress to monitor these efforts with our allies and make sure they are fully realized.

After all, if North Korea’s long history of provocation offers any single lesson, it is that we will either get ahead of the threat or be surprised by it.

Christopher J. Griffin is the Executive Director of the Foreign Policy Initiative. http://www.foreignpolicyi.org/

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03. 2013年4月17日 14:11:01 : xEBOc6ttRg
焦点:北朝鮮との経済統合戦略、中国が陥る「袋小路」
2013年 04月 17日 12:45

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[延吉(中国) 16日 ロイター] 中国・吉林省から北朝鮮へと延びる琿烏高速道路は、中国にとって、予測不能な隣人との経済関係構築という長期目標のシンボルだと言えるだろう。しかし、2年前に完成したこの高速道路の交通量の少なさが、成功までの長い道のりを物語っている。

中国は二重の問題を抱えている。1つは北朝鮮に経済改革を受け入れさせること。もう1つは、中国企業が世界で最もリスクが高い投資先への進出に及び腰であることだ。

北朝鮮の米韓に対する挑発的態度に業を煮やしながらも、吉林省などを経由して北朝鮮との経済関係を築こうとする中国が、制裁を強化する可能性は低いとみられる。

マサチューセッツ工科大学とハーバード大学ケネディスクールに所属する北朝鮮の専門家、ジョン・パク氏は 「(中国の北朝鮮への姿勢は)指導するというよりむしろ、基本的に北朝鮮に金を稼ぐことのうまみを実感させて堕落させるようなやり方だ」と指摘する。

<温家宝氏の訪朝きっかけに>

専門家らによると、2009年に当時の温家宝首相が北朝鮮を訪問するまでは、中国の北朝鮮への投資は微々たるものだった。

最近の統計は入手困難だが、この時の温氏の訪朝は、2つの経済特区に息を吹き込んだという。1つは、中国との国境50キロ付近にある北朝鮮の羅先特別市にあるもので、もう1つは遼寧省の丹東近くにある特区。羅先経済特区にある工場や農場の一部は稼働しているが、丹東に近い特区はいまだ建設中だ。

先のパク氏によると、温氏の訪朝は鉱業関連取引の扉を開き、羅先特別市にある羅津港での中国の影響力を増した一方、より多くの北朝鮮国営貿易会社が中国で取引できるよう道を開いた。

中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国であり、2012年の中朝貿易額は推計60億ドルを超え、過去最高を更新した。

とはいえ、朝鮮語を話し、北朝鮮とのつながりを持つ吉林省延辺朝鮮族自治州の住民の多くですら、対北朝鮮ビジネスは容易ではないという。

同自治州にある延吉市で自動車会社を営む男性は、車がトラック何台にも積まれて琿烏高速道路を通り、北朝鮮に向かう光景をぜひとも見たいが、「現在は、ほとんどが中国国内での商売だ」と話した。

また、同市の対朝貿易協会のマネジャーも「彼ら(北朝鮮)との取引は一段と減少しつつある」と述べた。

最近の朝鮮半島情勢を受け、中国は北朝鮮への陸路による観光を一時停止しているが、同自治州の企業は、制限の大半は北朝鮮側によるものだと口をそろえる。「彼らの要求は高くなる一方で、ビザの取得や越境も困難な状況だ」と、前述の貿易協会のマネジャーは語る。

また、事情に詳しい吉林省当局者は、中には羅先経済特区への投資に信用を失いつつある企業も出てきていると明かす。韓国の聯合ニュースの報道によると、中国から同経済特区への投資規模は30億ドルに上るという。

<「北」ではなく「南」で稼ぐ>

数十年にわたる中国の「改革開放」政策が沿岸部に経済ブームを巻き起こした一方で、改革の一環として実施された多くの国営企業の解体は、吉林省や遼寧省といった北東部に大きな「痛み」をもたらした。

中国はさびついた工業地帯である北東部の活性化に着手したものの、改善が見込めるのは、吉林省と遼寧省が北朝鮮の安価な労働力と鉱物資源を当てにできることが前提だと指摘するエコノミストもいる。つまりそれは、北朝鮮次第ということだ。

中国と北朝鮮の国境は、距離にすると約1400キロ。このうち約3分の2は吉林省に接している。同省には朝鮮族100万人以上が暮らしており、中国政府は彼らがいつの日か北朝鮮との「懸け橋」となってくれることを望んでいる。しかし1990年代の初頭以降、こうした朝鮮語が話せる労働者を韓国に輸出しているのが現状だ。

吉林省は中国の対朝投資の28%、遼寧省は34%を占めている。

<経済統合は深化しているのか>

中国と北朝鮮の経済的つながりが深化しているかを計るのは、実際のところ難しい。

北朝鮮が国連の支援を受けて2012年に実施した子どもの栄養状態に関する調査では、平壌に近い咸鏡南道よりも吉林省に隣接する咸鏡北道の方が、いくつかのケースでは予想に反して良い結果が得られた。通常、平壌に近い方が国民の暮らし向きは良いとみられている。

米ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローであるマーカス・ノランド氏はこの結果について、活発化する対中取引の影響を示唆している可能性を指摘。また同氏は、北朝鮮第3の都市である咸鏡北道の道都・清津市で建設ブームが起きていると言われているとし、「中国との経済統合が進んでいる」と述べた。

清津市で仕事をした経験のある中国人の話では、人脈のある裕福な北朝鮮人はメルセデス・ベンツや高級時計を好み、毎月の携帯電話通話料が数百ドルという生活を送っている。

先のパク氏によれば、北朝鮮のエリートたちは中国の経済力をできる限り利用できる方法を模索しているという。「北朝鮮政府の最高幹部たちを見れば分かるように、彼らは皆ビジネスに従事している。ある意味、北朝鮮のエリートたちは自身の立場を利用して金儲けしようとしているのだ」と指摘した。

<袋小路>

吉林省の延辺朝鮮族自治州にある琿春市を抜けると、4車線の琿烏高速道路は中朝国境にある圏河に向かって単線となる。北朝鮮側から見れば、羅先特別市から中国へとつながるこの道路は昨夏、ようやく舗装された。中国の国営メディアはこれを、羅先経済特区開発の大きな一歩だと報じた。

しかし、延辺大学のJin Qiangyi氏は、この道路について、幹線道路になるはずが「格下げ」され、企業の輸送能力に対する不確実性を反映していると指摘。「経済的観点から言えば、北朝鮮に進んで投資しようとする人が多く現れるとは思えない。リスクがあまりに大きすぎる」と述べた。

それでも中国の指導部にとって、北朝鮮の挑発が過去数十年で最もエスカレートしている今でさえ、経済統合戦略を続けるよりほかに選択肢はほとんどないと、Jin氏は話す。

丹東と琿春まで高速鉄道を延ばす数十億ドル規模のプロジェクトも進行中で、丹東への路線は2015年に完成予定だ。「失敗したとはまだ言えないが、成功したとも言えない」とJin氏は語る。

(原文執筆:John Ruwitch記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)


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北朝鮮 袋小路 マサチューセッツ工科大学


04. 2013年4月17日 14:28:26 : xEBOc6ttRg

中国は北朝鮮と国境貿易拡大も、新たな橋開通へ-経済制裁でも

  4月17日(ブルームバーグ):中国と北朝鮮の国境の川である鴨緑江で、朝鮮戦争の際に米国の爆撃の標的となった橋の南側に新たなつり橋を支えるための橋塔がそびえ立っている。
中国北東部の丹東市につながるこの橋は、来年開通する予定。米国が中国の共産党指導部に対し、経済的影響力を行使して北朝鮮に核開発計画の放棄を促すよう求めているにもかかわらず、中国と北朝鮮の貿易は拡大が見込まれている。ケリー米国務長官は先週、金正恩(キム・ジョンウン)政権への圧力を中国は強める必要があると述べた。
人口240万人の丹東市を訪問すると、中国人貿易商は、政府による商業規制ではなく、抜け目のない北朝鮮企業が衣料品など消費財の価格を押し下げていることが最大の懸念材料だと話す。国連の北朝鮮に対する経済制裁で商売が制限されたり、両国間の貿易関係が脅かされたりする不安を貿易商らが口にすることはほとんどない。2012年の中国・北朝鮮間の貿易額は56億ドル(約5500億円)に増加した。
中国国営の新華社通信によると、全長3キロ、総工費22億元(約350億円)の新しい橋が完成すれば、中国・北朝鮮間の貿易の70%を扱う丹東市との物流が迅速化される見通しだ。また、北朝鮮が韓国と共同で運営する開城工業団地の操業を中断するなど南北間の経済関係を制限する一方で、中国との関係は強化していることが示されている。
原題:China Set to Deepen North Korea Ties as Yalu River BridgeRises(抜粋)
記事に関するニュース・スタッフへの問い合わせ先:Dandong Henry Sanderson hsanderson@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rosalind Mathieson rmathieson3@bloomberg.net
更新日時: 2013/04/17 13:49 JST

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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MLDQTM6KLVRB01.html


05. 2013年4月19日 01:35:29 : xEBOc6ttRg
米国が抱くテロへの恐怖と北朝鮮

2013年4月19日(金)  田村 賢司

 三題噺といえば、落語家が寄席に来た客に適当な言葉や題目を出してもらい、それを織り込んだ噺を即興で演じるものとは知られるところ。何の関係もなさそうな3つの言葉を上手く関係づけて物語を作るところに想像力の程が見えるというわけだ。

 とすればこれはどうか。日本と世界に困惑と恐怖をまき散らす「北朝鮮」に、「資源価格」と「テロリスト」という言葉を加えみれば、何がその裏に見えてくるだろう。


最前線部隊を視察する金正恩第一書記(Landov/アフロ)
 まずは資源価格。リーマンショック後の一時期の急落はあるが、2000年代前半から長い上昇を続けた資源価格のトレンドに今、変化の兆しありと言えば、大方は「まさか」かもしれない。だが、代表的な商品指数のロイター・ジェフリーズCRB指数は、リーマンショック後、2009年春に底をつけて回復していたが昨年から一進一退、そしてじり下げの様子をのぞかせている。

 個別商品を見ても、国営企業を中心とした中国の過剰生産が生んだ鋼材価格の下落に押されて鉄鉱石は今年に入り下を向き始めている。その一方、投資家の人気をさんざん集めた金も昨年秋以降、じわじわ落ちている。

 堅調なのは天然ガスくらいで、中国が需要の4割を占める銅は「昨年冬になれば」「2013年の春節(2月10日)が終われば」と期待を集め続けたが、全て外れて沈滞したままである。

中国に貿易量の7割を依存する

 何が起きているのか。大方の想像通り、債務危機による欧州景気の停滞が中国の生産抑制→輸出伸び悩みへと飛び火。中国はもともと、官民とも過剰な投資が続いて資源消費過多でもあったから当局の引き締めも続いて資源需要が伸び悩んだこともある――というのが原因といって外れない。

 ことに「鉄鋼、アルミ、亜鉛、鉛の生産と不動産投資は過剰の代表で、政府も折りあるごとに引き締めに動いていた」(芥田知至・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)から、商品市況の下落は景気変動による循環的な停滞のみとは言いにくい。

 例えば、鋼材の国民1人当たり消費量は既に先進国並みになり、景気を押し上げてきた官民の建設投資も、飽和の始まりというのが実態である。

 トレンド転換が本物なら世界への影響も大きい商品市況停滞の1つに石炭がある。ここは米国のシェールガス革命の影響が大きく、石炭需要は世界的に減退気味。北米やコロンビア産石炭がアジアへ輸出に転じて市況を下げているといわれるから構造問題も大きい。

 この石炭が北朝鮮にとっては重要な輸出品なのである。しかも、北朝鮮貿易量の7割を占める相手国が中国というおまけもついている。世界景気停滞の震源の1つである中国に依存しきっている構造と、しかも中国自身が次第に資源多消費型経済を転換せざるを得ない時代にくる将来を考えれば、北朝鮮経済の暗さは一段と増すことになる。

 ところで、7割もの輸出を引き受けることを経済的な“支配”と見れば、北朝鮮にとって最大の友好国でもある中国は、日米韓が期待するように、北朝鮮を容易にコントロールできるように思われる。

 だが、中国自身も言うように、恐らくそれは簡単ではないのだろう。これもまた北朝鮮経済を見ているとうかがえるものがある。

 金正恩・朝鮮労働党第一書記の父親である金正日・同党総書記時代の1998年。北朝鮮は、農民の市場(いちば)での工業製品の販売を許し、国営企業も市場につながることを認めるなど、中国の改革・開放に倣ったかのような市場経済化を図ったが、これが失敗した。

 もともと、国営企業を中心とした生産・取引以外の「非公式経済」が拡大してきたのを追認しただけとも言われたが、北朝鮮はこの後、逆に引き締めに入った。非国営部門が蓄積した金融資産の没収などに動き、国営企業が支配する消費財供給体制に戻した。

原理主義で金王朝の延命を図る

 環日本海経済研究所のレポートによれば「社会主義計画経済が正統」という観念の強さを見せつけた出来事だったが、結局、この失政などで北朝鮮経済は2006〜2011年の間に4年にわたって実質GDP(国内総生産)がマイナス成長に陥っている。

 北朝鮮に独特なのはこの原理主義の強さである。国民の利益に結びつけるために合理的であるかどうかより、原則に忠実かどうかを重視する。

 そういえばわかりやすいが、結局、現在の支配体制を守るための方便である。原理的であることに価値があるとすれば、政策の失敗は問われず、為政者は政権の維持をしやすいし、何より正恩・第一書記の祖父である故・金日成・国家主席以来の世襲も理念の継承として正当化できるからだ。

 前任者の政策を否定しないこの体制では改革は難しい。中国自身も官僚や共産党幹部の腐敗問題などを抱えているとはいえ質が違う。中国にとって北朝鮮は「年を経て世襲が進むと共に扱い難い存在になっていた」(日本総合研究所の呉軍華・理事)のである。

 さて3つ目の「テロリスト」。この稿はボストンテロ事件前に書いたものだが、米国にとっての北朝鮮問題とは、核兵器を金正恩・第一書記が使うことではない。「それを世界にまき散らし、テロリストの手に渡ることだ」と東京財団の渡部恒三・上席研究員は指摘する。もちろん、核兵器を撃ち込まれてワシントンを火の海にされていいわけはないが、「相手が領土や国民を持つ国なら、反撃すれば止められる。しかし、その両方を持たないテロリストは事実上、撲滅できない」(渡部氏)。だから核の拡散を止めることが、米国の対北朝鮮政策のカギになるというわけだ。

 下手な妥協をして事実上、北朝鮮に核兵器を保有させると、次は韓国が対抗上、保有を主張し始めるし、そうなれば日本だって…と無限の連鎖になる恐れもワシントンは抱いているといわれる。

 金正恩・第一書記が、支援引き出しと政権の認知・権威付けのために強硬路線を続けているという見方が正しいとしても、足元の経済は石炭輸出の先行きのように崩壊の速度を早めており、結局、そこにつけいる隙もある。ただし、中国が支援を続ければ別だが、扱いにくい友好国を支えるジレンマはこれまた長続きしない。

 「中国政府に近い識者の中から『北朝鮮への支援を見直してもいいのではないか』といった声も出始めた。今までにないことであり、中国の観測気球の可能性もある」(日本総研の呉理事)という。

 しかし、韓国による統一朝鮮、つまり北朝鮮崩壊を認めれば、膨大な難民の発生に加え、今度は中韓国境に新たな軍事力を配備しなければならず、そのコスト負担にも尻込みする。中国もまた解を見いだしかねているのだろう。3すくみは誰にも負担だが、時間はこの場合、誰にも平等ではない。北朝鮮にはより短く見える。暴発させないように時間を消費させていく。三題噺からはどんよりと重い問題の先行きはそう見える。


田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス編集委員。


記者の眼

日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130415/246675/?ST=print


緊張続く北朝鮮との交渉では中国と距離をおくべし
日本は離島・島嶼の防衛力を高め、国境線の守りを固めよ
2013年04月19日(Fri) JBpress
 4月14日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、中山氏が北朝鮮のミサイル発射準備について解説したほか、硫黄島の遺骨収容やネット上の発言に関する問題などについて語った。

北朝鮮への影響力行使の核となる中国は信頼に値するのか

中山 北朝鮮によるミサイル発射が懸念され、国際社会の緊張が高まっています。
私は先週、東京・市ヶ谷の防衛省内に設置された地対空誘導弾(PAC3)を視察してきました。防衛省では航空自衛官たちが24時間交代制で守りを固め、迎撃準備を進めています。何らかの事態が発生した場合には、速やかな対応が取られることでしょう。


4月15日、都内・首相官邸を後にする際に親指を立てるジェスチャーをするジョン・ケリー米国務長官(中央)〔AFPBB News〕

 また、岸田(文雄)外相と小野寺(五典)防衛相が防衛省で会談し、小野寺防衛相が「日米の外交ルートで意思疎通していくことが大切だ」と述べましたが、私もその通りだと思います。

 北朝鮮にミサイル発射を踏みとどまらせるには、国連加盟国が一体となって対話の働きかけをする一方で圧力をかけていくことが重要ではないでしょうか。その時に鍵になるのが中国の存在です。

 中国に対し、どうやって働きかけをさせるかが問題ですが、正直言って、私は中国が本当に信頼に値する国なのか疑問です。おそらく、自らが中心となって外交交渉を進める米国も、その点は十分に理解しているはず。

 ですから、あくまでも中国とは距離を置きつつ、日米韓という政治的イデオロギーや法的価値観などを共有しあえる国同士が同盟関係を深め、北朝鮮包囲網を形成すべきだと思います。

 北朝鮮にしてみれば、米国デンバーまで届く射程1万キロ以上のミサイルを外交カードとして使い、脅しによって米国を直接交渉に引きずり出そうとしている。これに対し米国は「直接交渉はしない」という姿勢を貫いています。

 瀬戸際外交を続ける北朝鮮ですが、中には政府のやり方に疑問を抱くエリートや優秀な人間もいるはずです。今後そうした勢力から様々な情報を引き出せるくらいに金正恩体制が揺らぎ、外交的にソフトランディングを果たすことが理想ですが、なかなかそうもいかないのも現実です。

 いずれにせよ、最悪のシナリオはミサイルを発射させてしまうこと。それを回避するためにも、政府は日朝国交正常化交渉を進めることも必要です。そしてその実現には、やはり拉致・核・ミサイルの包括的な解決が大前提になります。

 外交はメッセージです。いかに相手に納得させて、矛を収めさせることができるかが今後問われると思います。

高性能地中探査レーダーでも、なお困難を極める硫黄島の遺骨収容作業

 安倍(晋三)首相は14日、太平洋戦争末期に激戦地となった小笠原諸島の硫黄島を訪れ、戦没者の遺骨収集の様子を視察した後、記者団に対し、総理大臣官邸がリーダーシップをとって残された遺骨の早期収集に全力を挙げる考えを示したことが報じられました。

 私も安倍首相に随行して硫黄島を訪れ、戦死した英霊たちの御霊に手を合わせてきました。

 実は私の大叔父で、泰秀という名前の由来にもなっている西大條泰(にしおおえだ・やすし)も、硫黄島で戦死した一人です。祖国のために命を捧げた先人たちに思いを馳せると、自然と涙がこみ上げてきました。


2012年8月、米軍による硫黄島占領を前に旧日本軍が大本営に宛てた最後の電報を打ったとみられる無線機が地下壕から発見された。無線機は総指揮官の栗林忠道中将が使用したものである可能性が高いという(資料写真、1945年2月23日撮影)〔AFPBB News〕

 現地ではまず、天山慰霊碑を訪れて慰霊祭を開催し、その後、栗林(忠道)陸軍大将が指揮を執った小笠原兵団司令部壕を視察。次に遺骨収容現場を訪れました。ここでは政府遺骨収集団や関係団体が泊まり込みで遺骨収容作業にあたっていますが、今も1万2000人の戦没者の遺骨が見つかっていません。

 硫黄島の戦いの時、抵抗する日本軍に手を焼いた米軍は、火炎放射器を使って攻撃したり、地下壕の入口からガソリンを流し込んで点火したほか、ブルドーザーで入り口を塞いで兵士を生き埋めにしたと聞きます。ですから、遺骨を掘り起こそうにも、どこにあるのか分からないのです。

 滑走路などの平坦な場所に関しては、政府が開発した高性能地中探査レーダーによって約10メートルの深度まで探査可能です。実際にこれを用いてミリ単位での緻密な探査が広範囲にわたり行われていますが、厚生労働省の援護局の説明によると、そのデータを分析するのに多くの時間がかかるそうです。

 他にも視察では、私の大叔父が亡くなった玉名山や、砲撃によって山が変形するほどの激戦地であった擂鉢山を訪れました。山頂から島全体を見下ろすと、この狭い島で日米併せて3万人近くの尊い命を失った戦争のむなしさや悲惨さをつくづく感じました。

 二度と戦争は繰り返してはなりません。同時に、先人たちが何を思い、何を遺したのかを歴史教育として子どもたちにしっかりと伝えるべきです。自らの命を賭して日本を守ろうとした人たちの存在があったからこそ、今日の私たちの平和があることを忘れてはなりません。

 硫黄島には現在、海上自衛隊や航空自衛隊、その他常駐メンバーを含めると約450名が滞在しています。時には海自と米軍が共同で陸上空母離着陸訓練(FCLP)や夜間離着陸訓練(NLP)を行うこともあるそうですが、こうした離島や島嶼(とうしょ)の防衛を強化し、我が国の国境線をしっかり守ることの重要性を改めて感じます。

ネットでは、普段表に出ない「心の影」が露呈してしまう


中山 泰秀(なかやま・やすひで)氏 衆議院議員(自由民主党所属)。1970年大阪市北区生まれ。電通勤務を経て政治の道へ入る。2003年衆議院総選挙で初当選、2007〜2008年8月まで外務大臣政務官を務める。自民党青年局長代理・国防部会長(撮影:前田せいめい)
 続いて国内の話題に移ります。今週末は全国各地で地方選挙が行われました。兵庫県でも任期満了に伴う伊丹、宝塚両市長選が14日、投開票されています。両市長選には日本維新の会が大阪以外の首長選で初めて公認候補を擁立し、夏の参院選や兵庫県知事選を占う選挙として有権者の判断に注目が集まりました。

 結果、伊丹市長選は、無所属現職の藤原(保幸)氏=自民、民主、公明推薦が、維新新人の元市議岩城(敏之)氏=みんな推薦=らを破って当選。宝塚市長選は、無所属現職の中川(智子)氏=民主支持が、維新新人の元市議多田(浩一郎)氏=みんな推薦などを破り、当選を果たしました。

 要するに伊丹、宝塚両市長選ともに日本維新の会が候補者を立てたにもかかわらず、両方負ける結果となったのです。これを受けて、維新の会のメッキが剥げてきたと考える人もいるでしょうし、あるいはまだ既存政党より期待できるという人もいるでしょう。

 首都圏と関西圏では維新の会に対する評価は大きく異なりますが、兵庫県内における今回の首長選では、有権者から厳しい結果を突きつけられました。

 維新の会代表の橋下(徹)氏は、ツイッターで誹謗中傷とも取れる過激な発言をして物議を醸しているようです。以前には作家の曽野(綾子)氏を厳しく批判する書き込みを行っています。橋下氏にしてみれば指摘をしているつもりなのかもしれませんが、書かれた人の立場や気持ちをもっと考えるべきではないでしょうか。

 7月の参院選からネット選挙が解禁されますが、インターネットには普段その人が表に出していない「心の影」が露呈してしまう側面がある気がします。面と向かっては言わないようなことも、ネットなら言えてしまう。それが、本人の意図とは関係なく盛り上がったり、あるいは炎上してしまったりするわけです。

 相手がリアルな人間であることを決して忘れず、お互いが紳士的なやりとりを心がけることが大事だと私は思います。

『中山泰秀のやすトラダムス』 4月14日 24:00-25:00放送

※Kiss FM KOBE "中山泰秀の「やすトラダムス」" は、radiko.jpでも聴取できます(関西地方のみ)。auの対応機種では、LISMO WAVEを利用すると、日本全国で聴取可能です。また、「ドコデモFM」のアプリでは、日本全国でスマートフォン(ドコモのAndroid搭載端末、auとsoftbankのiPhone)で聴取できます。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37611


中国の覇権復活を心底恐れるアジアの国々
リー・クアンユーの対中観〜中国株式会社の研究(211)
2013年04月19日(Fri) 宮家 邦彦
 先日久し振りで霞ヶ関の外務省に行ってきた。日本・シンガポール関係のシンポジウムに参加するためだ。なぜ筆者が呼ばれたかは今も不明だ。「私なんか招待して、きっと後悔しますよ」と前置きし、言いたいことだけ言って帰ってきた。もう二度と呼ばれることはないだろう。(文中敬称略)

チャタムハウス・ルール


地図データ - 利用規約

地図
航空写真
 通常この種のシンポジウムでは議論の詳細を明らかにしないのがルールだ。「会議で得られた情報は利用できるが、その情報の発言者等の身元・所属は明らかにしない」という約束事を我々の業界では「チャタムハウス・ルール」と呼ぶ。

 同ルールの最大のメリットは、参加者が所属組織の意向や政治的影響を心配しなくて済むことだ。

 内容的に微妙な話題や立場上率直に話しにくい議題であっても、より自由闊達に議論し、情報を共有することが可能となる。このルールが重宝される最大の理由はこれだ。

 チャタムハウスとは英国の王立国際問題研究所のこと。同ルールが最初に作られたのは1927年だそうだ。しかし、考えてみれば、まだ100年も経っていない比較的新しいルールではある。勝手なことばかり喋る筆者もこのルールのお陰で生き延びているのかもしれない。

 ちなみに、筆者はこれまでチャタムハウス・ルールによる国際会議に何度も出席してきたが、このルールにもかかわらず常に公式論から外れないのが「大陸の中国人」だ。筆者の経験則では、この種の会議で本音を喋ることができる中国人は10人に1人もいないと思う。

シンガポールの全方位外交

 というわけで、筆者以外の出席者とその発言は詳しく書けない。そこで今回は、筆者の論点とシンガポール側の最大公約数的発言のみをご紹介しようと思う。筆者の発言は大体こんな感じだった。

筆者

●東アジア地域で海洋の安全保障に最も依存している国家はシンガポールである。
●同国は戦略的縦深が浅いため、海洋における不安定に対し極めて脆弱である。
●シンガポールは戦略的要衝にあるサービス産業国家であるが、万一海洋のパワーバランスがシフトしたり、付近の海域で混乱が続けば、国家としての存続自体が危うくなる。

●同国が直面する国内的挑戦は、指導層の世代交代と大衆民主主義の進展である。
●国外からの挑戦はイスラム過激主義と南シナ海における中国の影響力拡大である。
●シンガポールは対日協力を一層深め、南シナ海での海洋ルール作りに邁進すべきだ。

 要するに、シンガポールは対中関係でもっと日本寄りとなるべし、ということに尽きる。これに対するシンガポール側の反応は実に興味深いものだったが、ここではルールに従い、彼らの基本的な立ち位置についてのみ、筆者の感じたままを記すことにする。

シンガポールの最大公約数的立場

●日本にとってシンガポールは東南アジア諸国連合(ASEAN)への架け橋であり、両国は一層協力すべきである。
●ASEANは東アジア地域の領土問題について中立的立場を維持する。
●ただし、そうした中立性がASEANと日本との協力関係に悪影響を及ぼすことはない。

 要するに、シンガポールの安全保障は日米中を含むすべての関係国と良好な関係を維持することによってのみ維持されるのであって、特定の国家や勢力に立場に同意したり、加担することは極力避けるということなのだろう。

 よく言えば、東南アジア版の「全方位外交」。決して敵を作らず、どの国とも決定的な対立関係には入らないということだ。逆に言えば、シンガポール側の本音が必ずしも明確ではないため、確固とした信頼関係を築くことが難しいということでもある。

 チャタムハウス・ルールなのに、結局今回はシンガポールの本音を聞けなかった。これでは大陸中国人と変わらないではないか。そこで思い付いたのが、シンガポールの国父リー・クアンユー(以下、LKY)の中国観だ。彼は過去50年間、常に本音を語ってきたからだ。

 LKYは今年90歳。シンガポールの初代首相として30年余り、その後同国の上級相として足かけ15年、内閣顧問として約7年間、シンガポール政府のトップとして君臨し続けた。東洋の「キッシンジャー」とも呼ばれた東南アジアの長老政治家・戦略家である。

 ネットで調べたら、最近の中国に関する彼の見識がいくつか報じられているので、ここでその一部をご紹介しよう。ちなみに、最近LKYとのインタビュー本が英語で出版されている。ざっと目を通したが、実に面白かった。時間と体力と語学力のある方は是非ともお試しあれ。

リー・クアンユーの対中観

 まずは豪州紙が報じたLKYの米中に関する発言から見ていこう。これが結構面白い。

●米国が21世紀のアジアでの核心的利益を維持するためには、中国との「覇権コンテスト」において米国が優越的パワーであり続ける必要がある。
America's core interest requires that it remains the superior power in the region, which is subject to a 21st-century "contest for supremacy" with China.


北京をパレードする中国海軍の兵士〔AFPBB News〕

●1945年以降の米国とは異なり、工業化した強力な中国は東南アジアに対し決して優しくはない。
Will an industrialised and strong China be as benign to Southeast Asia as the US has been since 1945?

●アジアの多くの中小国は、中国が昔のような帝国的地位を回復し、自分たちを再び家臣のように扱うのではないかと心配している。
Many small and medium countries in Asia are concerned. They are uneasy that China may want to resume the imperial status it had in earlier centuries, and have misgivings as being treated as vassal states.

●中国は気に入らないことがあれば、「13億人を怒らせたお前は己の立場を知るべきだ」と言ってくる。
China tells us, when we do something they do not like, they say you have made 1.3 billion people unhappy. So please know your place.

●中国は日独と同じ過ちを犯してはならない。前世紀に権力、影響力、資源を巡る競争によって2つの悲惨な戦争が起きている。
The Chinese must avoid the mistakes made by Germany and Japan. Their competition for power, influence and resources led in the last century to two terrible wars.

●中国指導部は中国が米国との軍拡競争に勝てず、財政的に破綻することを知っている。
The Chinese leadership has learned that if you compete with America in armaments, you will lose. You will bankrupt yourself.

●中国はいずれ国内総生産(GDP)絶対値で米国に追いつくだろうが、その言論の自由を認めない文化のため、創造力では決して米国には追いつけないだろう。
China will inevitably catch up to the US in absolute gross domestic product. But its creativity may never match America's because its culture does not permit a free exchange and contest of ideas.

●中国が自由な民主主義になれば崩壊するだろう。中国で民主革命を予測することは間違いである。
China is not going to become a liberal democracy. If it did, it would collapse. If you believe there is going to be a revolution of some sort in China for democracy, you are wrong.

 要するに、中国は民主化しない、質的には米国に追いつけない。しかし、中国の帝国化は近隣国にとって大きな懸念であり、これを回避するためには米国のプレゼンス維持が必要だ、ということに尽きる。さすがはLKY、米中の本質に関する実に深い洞察ではないか。

 それにしても、90歳の長老政治家が言えることを、なぜ現在のシンガポール知識人は言わないのだろう。ここにも、対中関係で東南アジアの中小国が置かれた地政学的、戦略的地位の限界が見えてくるようだ。

やはりLKY中国系?

 もう1つ興味深い報道をご紹介しよう。以下は米国の月刊誌に掲載されたインタビューでの発言の一部だ。

 ここでは台頭する中国に対する懸念よりも、米国が中国を敵視せず、中国と協力することの重要性を強調している。やはりLKYも心情的には中国寄りなのだろうか。


リー・クアンユー氏(左)。写真は2008年のもの〔AFPBB News〕

●米中間で競争は不可避だが、紛争は不可避ではない。米国は中国が世界的スーパーパワーとなることを妨害するのではなく、中国とともに建設的に新たな世界秩序を作る道を模索すべきである。
Competition is inevitable between China and the U.S., but conflict is not. Rather than attempt to thwart China's emergence as a global superpower, the United States should find ways to work constructively with China in forging a new global order.

●米中開戦の危険性は低く、中国指導者は米軍事力の優位が、今後数十年間、圧倒的であり続けることを知っている。
The danger of a military conflict between China and the United States is low. Chinese leaders know that U.S. military superiority is overwhelming and will remain so for the next few decades.

●中国軍近代化の目的は米国に挑戦することではなく、必要であれば封鎖などによる経済不安定化によって台湾に圧力をかける能力を持つためである。
They will modernize their forces not to challenge America but to be able, if necessary, to pressure Taiwan by a blockade or otherwise to destabilize the economy.

●中国の政治的変化の速度と方向性を早める最善の方法は中国の対外貿易・投資を拡大させることである。
The best way to quicken the pace and direction of political change in China is to increase its trade and investment links with the world.

 LKYは日本についても面白いことを言っている。

●米国は、日中両国に対する影響力を失うリスクでも犯さない限り、日本を断念することはできない。日米安保条約の有無にかかわらず、「日米」対「中国」以外に、この地域で維持可能な安定的バランスはあり得ない。
The United States cannot afford to abandon Japan unless it is willing to risk losing its leverage on both China and Japan. Whether or not there is a U.S.-Japan Mutual Security Treaty, the only stable balance that can be maintained is a triangular one between Japan and the United States on the one side and China on the other.

 要するに、日米が一緒になって初めて中国に対抗できるということ。そこまで分かっているなら、もう少し大っぴらに日米同盟を支持してもよさそうなものだが。逆に言えば、シンガポールはそれができるほど大きな国ではないのだろう。

事実上の米シンガポール同盟

 シンガポールについては先週気になるニュースが飛び込んできた。米海軍がLCS(littoral combat ship沿海域戦闘艦)「フリーダム」をシンガポールに派遣するというのだ。同艦は40ノット以上の高速航行が可能。掃海・対潜水艦作戦もこなす米海軍の最新鋭艦船である。

 興味深いのは同艦の対シンガポール派遣期間だ。対外的には10カ月、つまり「常駐」ではないという整理なのだろうが、専門家は誰もそんな話を信じない。シンガポールへの米海軍LCS派遣は表向きローテーション方式だが、その実態は「前方展開」である。

 もちろん、主な目的は南シナ海での海洋進出を狙う中国海軍に対する牽制だ。シンガポールは表向き「全方位外交」で独自性を保っているように見えるが、実態は米海軍最新鋭戦闘艦をちゃっかり「常駐」させ、しっかりと保険をかけているのだ。

 このしたたかな「二枚舌」外交こそが小国シンガポールの本音だろう。もちろん、こんなことをあのような準公開のシンポジウムなどで明らかにするはずはない。それだけ中国という存在が東南アジアで恐れられている、ということなのだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37621


06. 2013年4月21日 01:44:12 : 3PJAqRzx3M
>しかし、中国の帝国化は近隣国にとって大きな懸念であり、これを回避するためには米国のプレゼンス維持が必要だ、ということに尽きる。さすがはLKY、米中の本質に関する実に深い洞察ではないか。


それで「アメリカ帝国」は同じ帝国でも必要?
とんでもない従米植民地主義思考だこと。


07. 2013年4月30日 02:22:41 : niiL5nr8dQ

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130416/246751/?ST=print
常識をくつがえす戦史講座〜日露戦争
実はウラジオ艦隊の交通遮断に苦しめられた日本

2013年4月30日(火)  樋口 晴彦

[一般のイメージ] 日本海軍は、蔚山沖海戦においてロシアのウラジオ艦隊を撃滅し、海上交通を確保することに成功した。
←蔚山沖海戦でウラジオ艦隊に決定的な打撃を与えたわけではなかった。また、日本海軍は、海上交通の保護という戦略的課題を十分に認識できなかった。
 ウラジオストック港配属のロシア艦隊(以下、「ウラジオ艦隊」という)による通商破壊作戦は、戦略的視点に基づき周到に計画されたものであった。ロシア側は、開戦3年前の1901年の時点で、通商破壊を目的とする分遣隊の編制に着手している。

戦略的に実施された通商破壊作戦

 こうした任務に適するのは、高速かつ大型の装甲巡洋艦である。戦艦では速度が遅すぎ、一般の巡洋艦だと攻撃力や航続距離が不足しているからだ。その要件にかなう艦艇として、ロシア太平洋艦隊は「リューリク」を保有していた。しかし、日本の警備艦隊を突破する必要を考えると1隻では足りず、同レベルの艦艇とチームを組む必要がある。そのため、装甲巡洋艦「ロシア」と「グロモボイ」を極東に回送し、1903年6月にウラジオ艦隊を編成した。

表 両軍の装甲巡洋艦
艦名 竣工年 排水量 最大速力 武装
(ロシア)
ロシア 1897年 1万2100トン 19ノット 20センチ砲×4、15センチ砲×16
グロモボイ 1900年 1万2300トン 20ノット 20センチ砲×4、15センチ砲×16
リューリク 1895年 1万1900トン 18ノット 20センチ砲×4、15センチ砲×16
(日本)
出雲 1900年 9700トン 20ノット 20センチ砲×4、15センチ砲×14
 この3隻の装甲巡洋艦は、そもそも通商破壊作戦を念頭に置いて建造された艦船である。いずれも約1万2000トンという戦艦なみの排水量を持つにもかかわらず、日本の「出雲」と同程度に武装を抑えているのは、航続距離を延ばすために大量の石炭を積載できる構造としたからだ。

 ロシア海軍がこのように通商破壊に着目していたのは、決して不思議なことではない。そもそも欧州諸国の海軍は、通商破壊を敵艦隊の撃滅と同等、あるいはそれ以上に重要な任務としていた。例えば、英国は、16世紀にスペインに対して海賊行為を働き、新大陸からもたらされた莫大な富を奪取することで興隆した。さらに18世紀から19世紀にかけては、フランスによる対英通商破壊作戦を防ぎとめることで世界帝国を築き上げたのである。

ウラジオ艦隊の作戦目的

 日本は四方を海で囲まれた海洋国家であり、外国との貿易はもちろん、国内の物資流通でも海運への依存度が非常に高かった。また、満州や朝鮮で陸戦が開始されれば、膨大な兵員や物資を海路で輸送しなければならない。それらに対して通商破壊作戦を実施すれば、日本の戦争遂行能力に大きなダメージを与えることができる。

 さらに、通商破壊作戦の基本はヒットエンドランである。その警戒に当たる日本側は、いつどこで攻撃を受けるかわからないため、広大な海域に多数の艦艇を張り付けておかなければならない。したがって、日本海軍が旅順方面に差し向ける艦艇数をそれだけ減らすことが可能となる。

 その一方で、通商破壊作戦に対する日本側の認識は希薄だった。鎖国政策を長く続けていた関係で、海軍関係者でさえも、シーレーンの意義をよく理解していなかった。開戦時に対馬海峡の警戒に従事していた第3艦隊は、海防艦7隻・巡洋艦4隻を有していたが、いずれも日清戦争当時の旧式艦だった。

 当時のウラジオストック港には、冬季に結氷するという問題があった。しかし、戦意旺盛なウラジオ艦隊は、開戦直後の1904年2月9日に砕氷船を使用して航路を開き、津軽海峡方面に出動して商船1隻を撃沈した。その報が近隣の函館港に伝わると、ウラジオ艦隊の襲撃を受けるのではないかと市民の間にパニックが発生した。

 さらに第2回出撃(2月24日〜3月1日)では、朝鮮半島の日本海沿岸に出撃し、日本側の補給拠点であった元山港を偵察した。

 日本海軍は、この段階になってようやくウラジオ艦隊の脅威に気が付いた。しかし、第3艦隊には18ノット以上の最高速度を有する艦は4隻しかなく、いずれも排水量3000トン前後の小型巡洋艦であった。これではウラジオ艦隊を追跡することは困難であり、たとえ砲戦に持ち込めても殲滅されてしまうだけだ。

 そこで日本海軍は、主力の第2艦隊から装甲巡洋艦部隊(以下、指揮官の名前に因んで「上村艦隊」という)を引き抜き、警戒に充てることとした。これによってウラジオ艦隊よりも戦力的に優勢となったが、それは同時に、旅順方面の日本艦隊が大幅に弱体化したことを意味した。かくしてウラジオ艦隊は、作戦目的の一つを早々と達成したのである。

ウラジオ艦隊の跳梁

 上村艦隊は元山を拠点として警戒に努めたが、ウラジオ艦隊は神出鬼没だった。第3回出撃(4月23日〜27日)では、上村艦隊が出動して不在となった元山港を襲撃し、陸軍輸送船「金州丸」ほか船舶1隻を撃沈した。

 そして第4回出撃(6月12日〜19日)では、福岡沖の玄界灘まで進出し、陸軍輸送船の「和泉丸」及び「常陸丸」を撃沈した。「常陸丸」には近衛後備歩兵第一連隊が乗り込んでおり、連隊長以下1063人が戦死する惨事となった。無防備かつ低速力の輸送船に詰め込まれた状態では、いかに勇猛な兵士でも手も足も出なかった

 なお、この時に別の陸軍輸送船「佐渡丸」も魚雷を撃ち込まれて大破したが、かろうじて長崎にたどり着いている。この「佐渡丸」には、後に旅順攻略戦で活躍する攻城砲兵司令部や、満州での物資輸送の中核となる野戦鉄道提理部の要員が乗船していた。もしも同船が撃沈されていれば、その後の戦局に重大な影響を及ぼしたことだろう。

 第5回出撃(6月28日〜7月3日)で、ウラジオ艦隊は再び玄界灘に出動した。この時には警戒中の上村艦隊が発見したが、高速で脱出するウラジオ艦隊を取り逃がしてしまった。発見した時刻が18時35分と日没直前であり、レーダーの無かった当時は夜間の追跡が難しかったためである。

 次の第6回出撃(7月17日〜30日)では、ウラジオ艦隊は津軽海峡を突破して太平洋沖を荒らしまわり、東京湾口まで南下した。外国船2隻(英独各1隻)を含む7隻が撃沈され、さらに外国船2隻が拿捕された。

 日本は、開戦当時に約63万トンの船舶を保有し、戦争中にさらに約34万トンを建造または購入して合計約97万トンとなった。しかし、その7割に相当する約68万トンが陸海軍に徴用されたことで船舶の需給が逼迫しており、ウラジオ艦隊により多数の商船を撃沈されたことは痛手であった。

 さらに、経済活動上のダメージは、実際に撃沈された船舶量以上に大きかった。ウラジオ艦隊が出動しただけで、その海域における運航を全面的にストップせざるを得ず、物資の流通が止まってしまったからだ。また、船舶不足により外国船への依存度が高まっていたので、前述のように被害が相次ぐと、外国船が日本向けの輸送業務から撤退し、運賃や保険料が跳ね上がることも憂慮された。

生かされなかった戦訓

 ウラジオ艦隊の活躍は、意外な形で終わりを迎えた。1904年8月10日、ロシアの旅順艦隊は、日本海軍の封鎖を破ってウラジオストックに脱出する作戦を敢行した。それを援護しようと出撃したウラジオ艦隊が、同14日に上村艦隊に発見されたのである。

 第5回出撃の時とは違って、ウラジオ艦隊にとっては最悪の形勢であった。時刻は午前4時50分と時間がたっぷりあった上に、発見時点での相互の距離は約10キロと非常に近かった。おまけに上村艦隊はウラジオ艦隊の北方に位置し、その脱出路を塞いでいたのである。

 ウラジオストックに向けて血路を開こうとするウラジオ艦隊と上村艦隊との間で激しい砲撃戦が展開された。ロシア側は多数の命中弾を受けながらも粘り強く戦ったが、やがて舵を破壊された「リューリク」が落伍し、後に沈没した。上村艦隊は残る2隻を追撃したが、砲弾が無くなったためについに取り逃がした。

 この蔚山(うるさん)沖海戦の成果は必ずしも決定的なものではなかった。「ロシア」と「グロモボイ」は相当な損傷を受けたが、その2カ月後には修理を終えている。しかし、修理直後の9月末に「グロモボイ」が操船ミスにより座礁して大破したことで、ウラジオ艦隊の活動は停止した。残る「ロシア」だけで作戦を実施するのは、あまりにリスクが高すぎたためだ。

 ちなみに、この蔚山沖海戦では、沈没した「リューリク」の乗組員を上村艦隊が懸命に救助した美談が広く知られている。これは、海戦の結末が不徹底であったことを糊塗するための日本海軍の宣伝活動によるところが大きい。

 ただし筆者は、上村艦隊の懸命の努力を否定するつもりはない。そもそも通商破壊作戦に従事する敵艦を捕捉するのが難しいのは、古今の戦史から見ても明らかである。蔚山沖海戦では、ウラジオ艦隊が旅順艦隊の援護に出動するのを見越して、上村艦隊は待ち構えることができた。もしもウラジオ艦隊が通商破壊に専念していれば、偶然が味方してくれるまで、その後も空振りが続いただろう。

 根本的な問題は、敵の通商破壊作戦に対する備えが日本側になかったことである。例えば、津軽海峡に機雷を敷設しておけば、ウラジオ艦隊が太平洋に進出するのを防止できた(この作戦は戦争後期に実施された)。また、陸軍輸送船に対して船団護衛を実施していれば、第3艦隊の旧式艦でウラジオ艦隊を足止めする間に、輸送船を逃がすことも可能であった。

 さらに残念なのは、ウラジオ艦隊が突き付けた戦略的課題、すなわち海上交通の脆弱性を日本海軍が十分に自覚しなかったことだ。その結果、太平洋戦争では、せっかく南方資源地域を占領しながら物資を運ぶことができず、戦争遂行能力を喪失するに至った。

 失敗に学ぶことは難しい。その中でも特に難しいのは、成功経験の裏に隠れた失敗を掘り起こすことだ。「こうして成功したのだから、今さらそんなことをほじくり返さなくてもいいじゃないか」という発想は、自己改革のチャンスを放棄するに等しいのである。

 巡洋艦「ボガトィーリ」の座礁

 開戦当時のウラジオ艦隊は、大型装甲巡洋艦3隻の他に、巡洋艦「ボガトィーリ」を保有していた。この「ボガトィーリ」は、排水量が7000トンという通常クラスの巡洋艦で、武装は15センチ砲10門であった。しかし、機関が非常に強力で23ノットもの高速を出すことができ、上村艦隊の装甲巡洋艦はもちろん、日本海軍のどの巡洋艦よりも速かった。

 ウラジオ艦隊における同艦の役割は、その快速を利用して主力の装甲巡洋艦に先行し、敵状を偵察することだった。通商破壊を任務とする同艦隊にとって、偵察能力が極めて重要であることは説明するまでもない。

 ところが「ボガトィーリ」は、第3回出撃後の5月に、ウラジオストック周辺で濃霧のために航路を誤って座礁した。濃霧は、日本側の監視からウラジオ艦隊を隠してくれる有難いものであったが、同時に恐るべき敵でもあったのだ。

 船体が大きく破損した「ボガトィーリ」の修理は長引き、戦争が終了するまで復帰できなかった。前述のとおりウラジオ艦隊の通商破壊戦は多大な成果を上げたが、もしも同艦が健在であったならば、さらに被害が拡大したことだろう。


常識をくつがえす戦史講座〜日露戦争

旅順要塞に無謀な白兵突撃を繰り返した、乃木希典率いる第三軍司令部は無能だった。騎兵戦力ではロシア軍が圧倒的に優勢だった。日本海海戦において、日本海軍はバルチック艦隊を全滅させ、奇跡的な勝利を収めた。−−日露戦争についてあなたが持っている「常識」をくつがえします。真の日露戦争には、現代のビジネスに役立つ珠玉の教訓が詰まっています。


08. 2013年4月30日 02:25:35 : niiL5nr8dQ

>>06

中国よりは米国の方が、自由経済のシンガポール維持にとっては良いというだけのこと

それは中国の富裕層や共産党幹部にとっても同様だw


09. 2013年4月30日 02:42:39 : 3PJAqRzx3M
>>08
これは文化大革命が必要だな。

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