このような米国の拒否権発動は、パレスチナ占領地で暮らすパレスチナ人の苦境を思えば到底許されざる暴挙であり、強く非難されなければならない。同様にシリアにおけるホウラ虐殺事件に対して、これを非難する国連人権理事会決議に反対を表明したロシアの態度も強く非難されるべきものである。

ロシアは中東において唯一というべき海軍基地をシリアに持っている。またロシアにとってシリアは有力な武器輸出相手国である。こうした背景から、ロシアは中東における自国の影響力を維持し続けたいという政治的理由のために、虐殺非難決議に反対したのである。

今回の非難決議は、シリア国内のホウラにおいて多数の民間人が殺害されている状況を非難するとともに事件の真相を明らかにするという人道目的で提案されたものである。この非難決議案の内容はこうである。

『決議は、「市民に対する非道な暴力行使を可能な限り強い言葉で非難する」と表明。その上で、「人道に対する罪」を含む人権侵害の責任を問うため、透明で迅速な調査が必要だと指摘し、独立調査委員会に対して大量殺害に関与した者を特定して公表することを求めた。』

この決議案にはシリア政府を非難する文言は一切含まれていない。ホウラでの虐殺を非難し、事件の徹底した調査を求めるものだ。これだけ「ロシアに譲歩した」決議案であってもロシアは反対した。ここまでくると、ロシアは調査によってホウラの虐殺がアサド派による犯行だと判明してしまうことを恐れているとしか考えられない。

米国がイスラエル非難決議に拒否権を行使したことに強く抗議するとともに同様に、今回のホウラ虐殺の非難決議に対して反対にまわったロシアに強く抗議するものである。

また米国のイスラエル非難決議での拒否権行使は容認できないが、ロシアが今回の虐殺非難決議に反対したことについては何も言及しないという欺瞞的態度は、到底許されるものではないということを付言しておく。

DcxDg6lzRM さん、こんにちは。

ダブルスタンダードは、ホウラの虐殺事件を調査しようとした国連人権理事会決議に反対したロシアの態度を何ら問題とせずに、無視を決め込んでいるあなたのような人の態度そのものを指します。

「反欧米」で凝り固まっている頭の固い人がそうです。「反欧米」を錦の御幡として、そこからからすべてを解釈しようとするから、事実から遠いところに居ることに気が付かない。

「敵の敵は味方」という「単純」で「ステレオタイプ」な考え方しかできない人は、欧米から非難されているシリアのような軍事独裁政権がどんな酷いことを行なっていても支持するという、欺瞞に満ちた態度をとっていることに、みずから気が付くことができていないことが問題なのです。

そういう人達は、「自分は国際社会とは違う真実を知っている」というある種のうぬぼれを持っています。その根拠となるものが如何に偏っており、事実から隔たっているものであってもです。

何の反論にもなっていませんね。みずからが「反欧米ならば正義」という「ステレオタイプ」考え方から一歩も抜け出せずにいることがよく分かる書き込みです。

アサドは1年4カ月の間に自国民を1万人以上殺しました。しかし、それでも反体制運動は収まるどころか拡大を続けています。シリアの事態は今や完全な宗派戦争となっています。シャビーハと呼ぶアラウィ派民兵たちが、罰せられないことをいいことに残虐の限りを尽くし、それがまたシリア国民の大多数を占めるスンニ派の怒りをかっています。

すでに事態がシリア全土での戦闘にまで悪化した以上、アサドはシリア一国の統治者としての正当性を失ったことは明らかです。シャビーハによる暴虐をコントロールができていないことがそのことを如実に示しています。

事態がここまで悪化した責任は、昨年3月に発生した非武装のデモ隊に銃撃を加えることで鎮圧しようとしたアサド自身にある。反体制デモの当初からアサドの常軌を逸した残虐性は際立っていたが、父親譲りの無慈悲な武力行使が火に油を注ぐ結果となってしまった。父親の時はハマの１都市だけで済んだのだが、今のアサドでは当初からシリア全土が相手となったのだから最初から無理筋だったのである。

国民の大多数がその死を願っているとされる統治者はそうはいない。他にいるとすれば北朝鮮ぐらいだろうか。シリアの国内情勢は今や内戦状態である。これもアサドの自業自得だから致し方ない。事態は最高責任者がその落とし前をつけさせられるところまで行かざるを得ないだろう。

シリア国民からその死が願われている統治者は、もはや統治者たり得ず、単なる「冷酷な独裁者」でしかない。

なお、ここでのシリア国民とは国民の74％を占めるスンニ派を指している。最初は反体制デモだった反アサドの運動が、宗派戦争にまで激化した責任は、大量の流血も辞さずに反体制デモを実弾をもって武力鎮圧しようとしたアサド本人にある。少数派の支持しか得られていないアサドがシリアの大統領として生き延びられる可能性は限りなく小さい。アサドはみずからの苛烈で無慈悲な行ないによってシリア国民の大多数を敵に回してしまったのである。

いかなる形であれ、アサド本人はその流血の責任をシリア国民の大多数によってかならず取らされることになるだろう。

> 「国民の大多数がその死を願っているとされる統治者はそうはいない。他にいるとすれば北朝鮮ぐらいだろうか。」

> 日本の野田は？　「野田・悪魔・TPP」なんて歌まであるが・・・

あはは、おお笑いですな。シリアと日本を同列に比較してどういうつもりなのかなぁ。
日本の状況とシリアの状況の違いを想像することができないお人のようです。これを知ったらシリア国民は怒り出すでしょうよ。
もう少し、シリアの現状を知ろうという努力をなさったらいかがでしょうか。60年以上も平和が続いたから、こういう頓珍漢な人が出てくるんでしょうけど、困ったものです。

> それとダイナモさんが野田の熱烈な支持者であることがわかりました。反権力のポーズなんか取らずに新自由主義を礼賛したらいかがでしょうか。格差社会にも満足し、自殺大国であることに誇りを感じていらっしゃるのでしょう。生活保護叩きにもチーム世耕と一緒に参加しているのかもしれませんね。ワタミのようなブラック企業で過労自殺するのも自己責任、甘え、努力不足。小泉・竹中大好き。ハシズム万歳。東日本大震災の被災者など、この人の頭の中には微塵もありません。

お話になりません…。

> 皮肉なんですけど

は？

> 「アサドの暗殺だけでよさそうだけど、それだと軍需産業が儲からない。だから、その案は却下ってことですか？」
この質問に答えていただけないのは残念です。

って、そんな質問今までしてなかったでしょうに？
アサドが打倒されて困るのは中東唯一の拠点を持ちシリアへの武器輸出国でもあるロシア。
ロシアにとってアサドはお荷物になっているはずなので、大統領をロシアの息のかかった別の人物にすげ替えて、停戦に持ち込むということがありうるシナリオの１つでしょう。

ところが、国連停戦監視団が現地に調査に向おうとしたところ、シリア軍や住民（アサド派と見られる）が監視団の車両を取り囲み、現地への通行を阻みました。2日後に阻止行為がやんで現地に着いたところ、なんとあたりはもぬけの殻。人っ子一人いませんでした。肉片や大量の血のりはありましたが死体が１つも見つかりませんでした。現地に戦車と見られるキャタピラー跡のあることが確認されています。

シリア政府は、虐殺の犯人だとして全滅させたという反体制派の死体を公開することは最後までありませんでした。この死体こそは格好の物証となるはずでしたが、シリア政府は発表後沈黙したままです。

これはその前にホウラで起きた虐殺事件で、殺された大勢の遺体の映像が世界中に発信されたことに懲りたシリア政府が、虐殺の証拠隠滅を図ったと考えるのが自然です。虐殺の犯人だとした全滅させた反体制派の死体など、最初から存在しなかったから公開できなかったのです。

報道機関は事件直後に現地の住民から聞き取りを行ない、虐殺を行なったのがアラウィ派民兵であるとの証言を得ています。
http://mainichi.jp/select/news/20120608k0000e030225000c.html

時間が経つと事実がはっきりする場合はあります。ですが時間が経つと権力側の力によって事実が歪曲される場合もあるのです。クベイル村の虐殺事件など後者の最たるものでしょう。

虐殺の後に現地はアサド派によって制圧され、約80人とされる遺体は証拠隠滅のためにどこかに持ち去られ、生き残った住民も口封じのために殺害されたと考えられます。国連停戦監視団が現地に入ったときは、すでに隠滅工作が完了した後だったと言う訳です。こうなればアサド派に都合のいい事実の歪曲が行なわれることになります。

報道機関に証言した生き残りの現地住民も抹殺されたのでしょう。時間が経てば事実が明らかになる、と単純に考えているとしたら事実から遠ざかるばかりです。

> ＜「アサドに死を」と横断幕に書かれているからアサドがシリア国民から強い憎悪の念を抱かれている＞と、ダイナモらしく短絡しているけれど、同様の内容を持つプラカードは世界中至る所で見ることが出来るし、誰の指図で書かれたものなのか判らない。

しかし、1年4ケ月の間に1万人以上の民間人が銃砲撃で殺された国はシリアだけだろうよ。誰の指図って、まさかアサド派ではあるまい。デモ隊が書いたに決まってる。1万人の死者がでれば負傷者は3万人以だ。人口2000万人のうちの約2％の人々が殺されたり負傷させられたりした訳だ。

> ＜その死を国民から願われている統治者はもはや統治者ではなく独裁者である＞との結論にジャンプしているけれど、総ての国において統治者の死を願っている国民は一定の割合で必ず存在する

一定の割合で存在するのは確かだが、シリアでは全土で反政府デモが発生していることが決定的に異なる点だ。シリア国民の大多数がアサドから離反しているからこそ、自由シリア軍が活動を継続できているのだ。広範な支援がなければ自由シリア軍もここまで活動を継続できなかっただろう。論理の飛躍どころか、シリア国民の大多数が反アサド派だからこそ、シリア政府軍はモグラ叩き状態に陥っているのだよ。

> 人口2000万人のうちの約2％の人々が殺されたり負傷させられたりした訳だ。

ってのは、人口2000万人のうちの約2％の人々が身内を殺されたり負傷させられたりした訳だ。に訂正するよ。

自由シリア軍が如何に多くのインフラを破壊しているかがよく分かった。
で、シリア政府軍はどうしているのかな。モグラ叩きでいそがしいのだろうな。
あちらを叩けばこちらが火を吹く、といった状態にある訳だ。
アサドも大変だね。

DcxDg6lzRMさん、こんにちは。

シリアは国際社会の経済制裁のために国家財政が悪化し、ついに「新紙幣の発行」に踏み切りました。今後のこの新紙幣の発行額は増加していくものと見られます。これは国内のインフレをさらに加速させるものとなります。いつまでもシリア国民がインフレに我慢できるものではありません。経済制裁はじわじわとシリア経済を疲弊させていくでしょう。
そのうち、インフレの悪化につれて経済面からもアサドが苦境に立たされると思いますよ。

これがアサドの犯罪です。すべてはここから始まっているのです。こうした常軌を逸した武力弾圧の行使が、結果的にシリア軍から多くの離反兵士を生み出すことになりました。後は皆さんご存知の通りです。

この点ですべての責任はアサドにあるのです。いまさら話し合いなどできるはずもありません。アサドの蒔いた種がアサドを苦しめる結果となっています。

シリアがなせ今の状況になったのか。その責任は誰にあるのか。アサドがその責任をとらされる日が来るまで闘いは続くでしょう。