そのとおり。
1945〜1953年の占領中に戦勝国アメリカが、日本列島〜沖縄を永く属領支配する体制をつくりあげなかった・は・ず・が・な・い。
ペリー依頼の念願だったアジア大陸東端の不沈基地をついに手に入れたのだから。
名目上「植民地」にしなかったのは、ただもうそれが流行らない時代・２０世紀だったから、だけだ。

統治のためアメリカが利用したのは、明治〜戦前期以来そこにあった官僚体制だ。長州閥下級武士連中らが、日本近代化・強国化のため（これには功績あった）、および・あ・わ・せ・て自分らの権益確保もできるようつくりあげていたサークルだ（藩閥・閨閥、のちには学閥・軍閥）。

アメリカはこれをちょっと変えて、そのまま使うことができた。
錦の御旗として、かつての「天皇の官吏」の代わりに、こんどは「自由と民主主義」をかかげさせる。道具としては、日本国憲法・教育基本法その他ワンセットで与える。
彼ら（官僚・政財界・文化人・新聞放送界、企業労組・官公労組幹部連）には、この自由と民主主義＝アメリカに仕えている限りで自分たちの永続する既得権益を保持できることを保証する。

こうして戦後も閨閥・学閥は健在だ。もっとも（ここが日本の特徴だが）、貧乏人でもこのサークルには入会試験に受かってしまえばもぐり込める（最近はそうでもないらしい）。
あとはこの錦の御旗（アメリカ流民主主義）にひたすらつかえ、せっせと利得をため込む（もとが貧乏人のばあいにはさらに始末が悪い）。

ひとつだけ違うのは、戦前は、自分たちの努力は同時に日本国力発展のためでもあった（じっさいそれは実現しつつあった）。だから曲がりなりにもやりがいがあった。
ところがいま被占領・属領下では、まことにヤリガイがない。何をやろうが、決めるのはつねに海の向こうの支配本国だから。
もっともよい例がオスプレイ。
「リーマンショック、震災があったから状況はかわった」などと消費税増税の口実にしながら、オスプレイ配備・辺野古新基地計画のほうは大震災があろうが原発事故があろうが20年以上前から何ひとつかわっていない。

いわれた通りにするだけ。ヤル気も出ないから官僚の仕事の質は低下する。
じっさい原発でもTPPでも、彼らのやる仕事の程度はおそまつの極みだ。
というよりも、それをただこなしてさえいれば自分らの既得権益は確保できる、それだけが目的化する。

◇
こう考えれば、いま主要な相手は見えてくる。
アメリカによる属領支配と、その手先・官民既得権益層だ。

田中角栄以来、この課題に取り組んだ政治家はいる。みな志なかばで倒れた（倒された）。
しかしいま、米資本主義（IMF体制）の本格的に行き詰まりつつあるこのときこそ、対米隷属脱却し国民の生活確保か、それともアメリカとともに没落（と戦争）の道へと向かうのか、が問われている。

＞「やり手の剛腕でなければこんな世紀の大仕事は不可能だ。・・・今より大きなチャンスは今後訪れないだろう。」（>>04）