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「ミサイルの足かせ」はずそうと米国に「NO!」と言う韓国 離米従中にまた一歩、“不平等条約”は破棄か無視?
http://www.asyura2.com/12/warb9/msg/626.html
投稿者 MR 日時 2012 年 7 月 24 日 08:01:12: cT5Wxjlo3Xe3.
 

「ミサイルの足かせ」はずそうと米国に「NO!」と言う韓国

離米従中にまた一歩、“不平等条約”は破棄か無視?

2012年7月24日(火)  鈴置 高史

 韓国が米国に抗う。「米国に制限されてきた弾道ミサイルの射程距離を伸ばすつもりだ。許さないなら“不平等条約”を破棄する」――。突然の反抗劇の裏に何があるのか。

「米国から主権を取り返そう!」

 韓米両国は昨年1月から韓国の弾道ミサイルの性能制限に関し協議中だ。韓国の要求は(1)射程距離の上限を現行の300キロメートルから800キロメートル以上に伸ばす(2)弾頭の重量制限を現行の500キログラム以上に増やす(3)独自開発の無人偵察機の重量制限もなくす――だ。

 これまでに米国は「射程距離の上限を550キロメートルに引き上げる」と譲歩した。しかし韓国は「最低800キロメートル」を譲らず、交渉は暗礁に乗り上げている。

 そこに突然、最大手紙、朝鮮日報のキャンペーンが始まった。7月16日から21日まで連載された特集記事のタイトルは「経済トップ10の大韓民国 安全保障の足かせを解こう」。6日連続で、社説まで含めると48本もの記事で構成された異例の大特集だ。同紙が言いたいことはただひとつ。「国家主権を取り返し、ミサイルの射程を伸ばそう!」である(注1)。

日本だって持てるのに

 同紙の7月17日付社説「時代遅れの『韓米ミサイル指針』改正を」がもっとも手際よく韓国の主張をまとめている。以下の通りだ。

 「1979年、韓国の弾道ミサイル開発を懸念した米国から『射程180キロメートル、弾頭重量300キログラムに制限しろ』と要求された。国力の乏しかった当時の我が国は従わざるを得ず『韓米ミサイル指針』として受け入れた」

 「2001年の交渉でようやく射程制限を300キロメートルに伸ばせた。だが、まだ不十分。北朝鮮の先制攻撃を受けた場合、被害を受けにくい韓国の南端からミサイルで北朝鮮の最北部に反撃するには、800―1000キロメートルの射程距離が必要だ」

 「北朝鮮は射程1300キロメートルの(中距離弾道)ミサイルを実戦配備済みだ。中国も射程1万2000キロメートルを超える大陸間弾道弾(ICBM)を保有する。日本だって直ちにICBMに転換できる3段式の固体燃料ロケットを持つ。我が国だけが300キロメートルの(短距離)ミサイルに足かせをはめられているのだ」

(注1)拙著のシュミレーション小説『朝鮮半島2012年』には、韓国紙の社説がミサイル射程距離の制限問題も使って反米感情を煽るくだりがある(174ページ)。

 「韓国は北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの前に無防備な状態にある。米国は、北朝鮮が核もミサイルも持たなかった時に定めた『指針』で今も韓国を縛り付けている」

 「我々は米国を疑わざるを得ない。韓国が北朝鮮を先制攻撃するという想像し難いシナリオを米国が頭の中で描き、韓国だけに足かせをはめているのではないか、と。このような不信は韓米の同盟関係にヒビを入れかねない」

反米感情かきたて交渉で圧力

 最後のくだりは解説がいるかも知れない。李承晩政権(1948年―60年)や朴正煕政権(63年―79年)は北朝鮮との軍事的統一を諦めず、その機会を常にうかがっていた。

 このため、当時の米国は韓国が起こす第2次朝鮮戦争に巻き込まれるのを警戒し、韓国が強力な攻撃兵器を持たないよう抑えていた。生活水準が落ちるのを恐れ、平和的統一さえ歓迎しない現在の韓国人からすれば「米国は韓国をまだ、大昔の韓国のままと考えているのか」と言いたくなるのだろう。

 この異例の大キャンペーンは、保守系紙である朝鮮日報が軍と手を携え張ったと見る向きが多い。狙いはもちろん、国民の反米感情をかきたてて米国に圧力を加え、完全な譲歩を勝ち取ることだ。

 「7月16日付の『指針を無効化する時が来た』との本紙の報道を駐韓米国大使館は全訳した。韓国政府関係者も『この報道が対米交渉力向上に役立つ』と語った」と自賛する記事(7月17日付)からもそれが伺える。

 この大キャンペーンが米国を動かすかはまだ分からない。だが、少なくとも韓国人の感情に火を点けるのには成功した。記事への読者の書き込みのうち「BEST評価」だけ見ても、以下のような破棄論ばかりだ。

我々は思い通りにやる

 「直ちに『指針』を破棄しよう。我が国は米国の植民地ではない」「NO! 『指針』を廃棄しなければ国民感情が爆発し『ヤンキー ゴーホーム』の声が巻き起こることを政府も米国も知らねばならない」「北塊(北朝鮮)が1300キロメートルの射程距離のミサイルを持ち核兵器の開発をしている今、米国とのミサイル指針は破棄せねばならない」

 自ら盛り上げた反米ムードを背景に、朝鮮日報は連載最終日の7月21日付に“結論”を載せた。軍の長老、朴ヨンオク元国防次官のインタビュー記事だ。ひとことで言えば強行突破策の勧めである。ハイライトは以下の通りだ。

 「(『指針』破棄論に関し)公開的に破棄するよりも……射程500キロだろうが700キロだろうが、我がミサイルの実質的な能力を静かに強化することが大事だ。我々は、我々の思い通りの道を行こう、ということだ」

 「(『指針』を無視してのミサイル開発が、韓米同盟に大きな打撃を与えないか、との質問に対し)米国がミサイル問題で同盟を破棄することはない。米国の“最後通牒”が来たらもう一度交渉すればいいだけのこと。米国の態度も変えられると思う」

「もう、我が家に口は出すな」

 韓国のミサイル開発に詳しい聖学院大学の宮本悟・准教授も言う(注2)。「『指針』が存続しようと破棄されようと、韓国は射程を含めミサイルの性能向上に必死に取り組むだろう」。朝鮮日報のキャンペーンは「指針を改定せよ」との要求というよりも「もう我が家のことに口は出すな」との通告なのかも知れない。

 では、韓国の強い要求に米国はどう応じているのだろうか。この連載企画が明かした双方の主張から再構成すると、韓米交渉では以下のようなやり取りが続いてきたと思われる。

韓国:射程距離が800キロメートルないと、韓国の最南端から北朝鮮の最北部をミサイルで攻撃できない。

米国:韓国に対してと同様に、米国が技術を供与する代わりに射程距離に関し制限を課している国が中南米などにある。制限距離はほとんどが300キロメートルだ。韓国に800キロメートルを許せば、ほかの国にも許さざるを得なくなり、中・長距離ミサイルが世界に拡散する。

韓国:我が国は、いずれ核兵器を完成させる北朝鮮からミサイルで狙われている。核保有国の存在しない中南米の国とは状況が異なる。

米国:韓国が今より長い射程の弾道ミサイルを持つと中国や北朝鮮などを刺激しかねない。東北アジアの安定が崩れる。

韓国:中国はICBMを持っている。北のミサイルもすでに韓国全域を射程にとらえている。韓国がミサイルの射程を伸ばしても、今さら彼らを刺激しない。我が国の安全保障は危機に直面する。800キロメートルの射程のミサイルが要るのだ。

米国:ミサイル指針は特定の兵器体系やミサイルの射程距離の問題というよりも、いかに我々の国民を保護するか、いかに同盟の目的を確実に達成できるか、という問題だ。

(注2) 宮本悟・聖学院大学准教授は論文「韓国のミサイル開発」を書いている。

米韓同盟こそ韓国を危険にさらす

 最後の米国側の発言は実際に語られたものだ。2012年3月に開かれた米韓首脳会談でのオバマ大統領の発言である(朝鮮日報7月17日付「ミサイル指針 韓米両国の見解、首脳会談で違いが露呈」による)。

 要は米国が言いたいのは「韓国がミサイルの射程を伸ばさなくても、米国が北朝鮮のミサイルに対抗する武器を持っているから心配するな。米韓同盟が韓国の安全を保障していることを思い出せ」ということなのだろう。

 李明博大統領が会談でこのオバマ発言にどう反応したか、メディアは報じていない。だが、本音を語ってよければ「韓米同盟が我が国の安全を保障するどころか、毀損する可能性が出てきたから困っているのです」と李明博大統領は言いたかったに違いない。韓国の思考をたどると以下のようになる。

 米国と中国は対立を深める。両国の間で軍事的衝突が起きれば、米国の同盟国たる韓国はかなりの確率で巻き込まれる。中国が米海軍の攻撃から首都などを守るため、接近阻止(A2)戦略を導入したこともそれを加速する。

 米空母打撃部隊が黄海に入りにくくなった以上、烏山など在韓米空軍基地が北京攻撃のための出撃拠点として一気に重要性を増す。当然、中国はこれら韓国の基地に反撃、あるいは先制攻撃してくるはずだ。

奥歯にものの挟まった韓国の主張

 米韓同盟によって米国が北朝鮮からの攻撃を防いでくれるのはありがたい。が、その同盟によって米中対立に巻き込まれ、中国からの攻撃可能性が増すのはかなわない。いっそのこと、米国との同盟はうち切って中国と仲良くしたらどうだろう。

 北からの攻撃をどう防ぐか、という問題が残るが、これだって中国と同盟を結ぶことで解決できる。中国は北を年中助けている分だけ「止め男」の力量があり、米国よりも頼りになるに違いない。

 でも、一気に米国を離れ中国と結ぶわけにもいかない。移行期は「中立」となるから今以上の「強武装」が必須だ。それには北の全域に届くミサイルを大量に保有し、南端にも配備して報復力を見せつけるしかない。

 もちろん、領土紛争を抱える日本を威嚇するためにも中・長距離ミサイルは必要になる。開発には時間がかかるから、そろそろ米国の足かせたるミサイル指針は無効化しておかないといけない……。

 韓国は中国に引き寄せられている。中国の巨大な経済力と軍事力が「引力」となっているためだ。しかし、ミサイルを巡る韓米対話を見ると、米国の「斥力」も働いていることが分かる。

 もっとも、韓国が以上のように考えてもまだ縁を切ると決断していないから、大事な同盟国である米国に面と向かって「あなたとの関係を解消する布石として、中・長距離弾道ミサイルを持っておきたいのです」と言えない。

 だから、韓国メディアの「指針」に関する記事は奥歯にものが挟まった感じがあるのだろう。例えば、オバマ大統領が投げかけた質問「米国の抑止力に任せればいいではないか」に対し、論理的に答えていないのだ。

「離米従中が最も合理的」

 ただ、韓国紙を丹念に読むと、読者の書き込み欄には本音が載っていたりする。以下は、朝鮮日報の「指針キャンペーン」のある記事に寄せられた書き込みのうち「BEST」に選ばれたものだ。

 「韓国の軍事力拡大を制約し続ければ、むしろ韓国の対中国接近を加速化してしまうことを米国は明確に理解せねばならない。北塊が核武器を持った状況下で、韓国が在来式武器だけでなんとか自らの土地での戦争を回避するには、韓米同盟ではなく中共(中国)との単一経済圏、軍事的同盟が要ると判断する状況を招くだろう……」

 韓国人は「離米従中」こそが、最も合理的な身を守る手段と考え始め、すでに身内ではそれを語り合っているのだ。もちろん、米国も韓国人の心根の変化には気がついていよう。

 だからこそ「離米従中」を防ぐため、韓国の射程延長要求を、これまた奥歯にものの挟まった理屈で拒否し続けてきたのではないか。米国の抑止力に頼っている間は、韓国は米国から離れるわけにはいかないからだ。

 そしてやはり同じ理由で、米韓同盟を強化する日韓軍事協定を結ぶよう、米国は韓国に強く勧めたのであろう(「中国に『日本と軍事協定を結ぶな』と脅される韓国」参照)。

「見捨てられ」と「巻き込まれ」

 韓米ミサイル指針の根には中国があった。1971年の米中和解劇を見て、朴正煕大統領は「米国に見捨てられる」と深い危機感を抱いた。実際、米中和解もテコにニクソン政権(69年―74年)は南ベトナムから米軍を撤退させた。カーター政権(77年―81年)に至っては在韓米軍の全陸上兵力を撤収する計画を発表した。

 国の生き残りをかけ「自主国防」を決意した朴正煕大統領は核武装と、その運搬手段である弾道ミサイルの研究を開始した。しかし、米国の知るところとなり、韓国はその圧力に屈した。核開発は完全に放棄させられ、弾道ミサイル開発だけが「指針」に縛られながらかろうじて生き残ったのだ。

 70年代の米中接近による「見捨てられ」と、2010年代の米中対立による「巻き込まれ」。理由は全く逆だが、地政学的に不安定な位置にある韓国は激変期には「自主国防」に心を傾ける。しかし、米中が接近しようが対立しようが、いつも「米国にすがりつく」ことで生き残ろうとする日本人は韓国の心情をなかなか理解しない。

次期政権は「核武装中立」?

 盧武鉉政権(2013年―18年)のあまりの反米・反日ぶりに辟易した後遺症もあって、今年末の韓国の大統領選挙を日本人は「保守か左派か」、「親米か反米か」と二者択一で見がちだ。

 見落としてならないのは、第3の道、つまり「自主国防」を掲げる大統領が登場する可能性だ。その際、韓国はミサイルの射程延長などというささやかな“独立”にとどまらず「米国離れ」「中国との急接近」「日本への強腰外交」ひいては「核武装中立」といった劇的な変身を見せるだろう。

 次期大統領の有力候補の1人は、40年前に「自主国防」を決意し核ミサイル開発に乗り出した朴正煕大統領の娘、朴槿惠氏だ。彼女はまだ、どんな外交政策を採るのか、明らかにしていない。


鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

 日本経済新聞社編集委員。
 1954年、愛知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。
 77年、日本経済新聞社に入社、産業部に配属。大阪経済部、東大阪分室を経てソウル特派員(87〜92年)、香港特派員(99〜03年と06〜08年)。04年から05年まで経済解説部長。
 95〜96年にハーバード大学日米関係プログラム研究員、06年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。
 論文・著書は「From Flying Geese to Round Robin: The Emergence of Powerful Asian Companies and the Collapse of Japan’s Keiretsu (Harvard University, 1996) 」、「韓国経済何が問題か」(韓国生産性本部、92年、韓国語)、小説「朝鮮半島201Z年」(日本経済新聞出版社、2010年)。
 「中国の工場現場を歩き中国経済のぼっ興を描いた」として02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。


早読み 深読み 朝鮮半島

朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120723/234735/?ST=print  

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コメント
 
01. 2012年7月24日 08:06:56 : mHY843J0vA

韓国のミサイルが日本を向く日は近い

02. 2012年7月24日 10:05:29 : 9IH1PB0tus
なにをおっしゃるお犬さん!

米国と政府の強引な

日本へのオスプレイ配備強行

原発再稼動強行

これらに対する、いつも静かな

日本の一般人が、沖縄でも、東京でも

日本各地で米国、そして日本政府に

怒りの声を上げ

大きなうねりを起こしてる

この事の、他のアジアへの影響は

想像以上に、実に大きいものになる。

これから、国、政府の役人

会社の管理職、会社員その他の一般人

何かの団体の一員、そんな事は関係なく

悪魔たちの激しい跳梁、攻撃の中

真に平和でより良い進化を求める

人たちの大きな波が、地球全体に

さざなみのごとく広がっていくことだろう。


03. 2012年7月28日 20:06:47 : 0yqnZ0Tpj2
韓国の仮想敵国は日本です。この弾道ミサイルは日本向けですよ。対馬が韓国領だとやがて宣言する日が来ます。

04. 2012年10月21日 23:22:41 : Ulllg8UsAI
日本は改憲核武装し、韓国との全面戦争に備えろ。

沖縄左翼や反原発のスパイは、半島に送還しろ


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