本当に殺害したのが政府軍なのかも含めて注意深く見ていかないと不自然な点がありすぎる殺人事件だ。

政府軍だったら民兵の格好はしないというのを、アサドの出身宗派であるアラウィ派の私設民兵であるシャビーハがやったしてこれまでもダイナモたちがなにかというと持ち出してきた。
シリアは元々、フランス領でフランスは植民地帝国主義の常道として内乱の種植えて統治するのたとえどおり、スンニ派に対して少数派のシーア派、シーア派の流れを汲む少数宗派アラウィ派、キリスト教徒を上位に置く、いわゆる治安につく者たちにアラウィ派をわざわざ就かせ一部過激スンニ派の不満を喚起してきた。
独立して後、シリアの支配政党であるバアス党はキリスト教徒の幹部が多く軍、治安関係の幹部にはフランス統治時代のアラウィ派がそのまま残った。
冒頭に述べたようにアラウィ派の私設民兵はシャビーハと呼ばれ、過激な民族主義やスンニ派至上主義を唱える連中をターゲットにしてきたので確かにスンニ派にはよく思われていない。むしろ反感や反発する者のほうが多いだろう。
その意味で言えばスンニ派の不満がないということは嘘になる。
だが、全てのスンニ派が国を自分たちと異なる国々からきた高圧的で暴力的な偏った考えを持ち、かつその考えに同調しないと殺害する極めて残虐的な行いを強いる連中を解放者などと思うのだろうか？
これはイラクでもまったく同じ構図であり、米軍のイラク侵略によりイラク周辺国から呼び込まれたスンニ派過激派は最初、米軍を功撃する義勇軍として歓迎されたが、直にシーア派住民に対してテロ攻撃を開始しそれがシーア派住民の怒りを買いサダム時代に構築されたシーア、スンニ、クルドの世俗的融和は血で地を洗う、まるでユーゴ、ボスニア内戦のように変容してしまった。
スンニ派過激派はイラクのスンニ派部族地域で匿われていたが、あまりの傍若無人な振る舞いと狭義なイスラム解釈を子供たちに押し付けるのでとうとう部族上げてスンニ派過激派を米軍と共同して掃討する事態にまで至った。
サダムの圧政は圧政として批判されてしかるべきだが、それとは別に宗派、民族の対立を超えて、イラク・ナショナリズムでコミュニティーを築き上げてきた実績はサダムのみならず支配政党バース党の成果であり評価されるべき点である。
それはシリアでも同じだ。
シリアを国難に落としいれようと企む勢力はシリア・ナショナリズムを壊したいと願っている偏狭で暴力的な思考に支配されたゴロツキとしか言い様がない。
ジャーナリズムはここのところがわかってない。
残念だが・・・