山本美香：最後の取材
21.08.2012, 16:47
http://japanese.ruvr.ru/2012_08_21/shiria-yamamoto-mika-kisha-chimeishou/

シリア内戦に犠牲者リストに日本人ジャーナリスト、山本美香さんが加わった。 45歳の山本美香さんはフリージャーナリスト団体「ジャパン・プレス」に属し、紛争地域における取材を専門としていた。以前にはアフガニスタン、イラク、ウガンダなどで取材を行っており、執筆活動のほか、日本では表彰もされている。
シリア取材のなかで山本さんはシリア反対派勢力である「自由シリア軍」とともに行動していた。先週末には政府軍と反対派との間で激しい戦闘が行われているアレッポに入った。日曜の朝、政府側から反対派武装勢力への武装解除要求の最後通牒期限が切れた後、政府軍は攻撃を始めた。その後、世界中のマスメディアにはスレイマニア地区において日本人ジャーナリストが致命傷を追ったとの知らせが伝えられ、搬送されたトルコで遺体が確認された。日本外務省も亡くなった人物が、山本美香さんであることを認めている。

武装勢力側は、山本さんが政府軍のスナイパーが撃った弾丸により死亡したとしているが、同僚だったサトウ・カズカさんは少し違った見方を示している。サトウさんによれば、「迷彩服を着た人々のグループが近づいてくるのが見えたが、それはおそらく政府軍の兵士のようだった。彼らはあらゆる方向に射撃を繰り返しており、ほんの20‐30メートル、もしかするさらに近かったかもしれない。」という。つまり山本さんを撃ち殺したのがスナイパーなのか、兵士なのかは釈然とはしていない。

また先週末、アレッポにおいてトルコ人、レバノン人、アラブ人のジャーナリストらが行方不明になった状況もいまだ良く分かっていない。彼らはトルコ経由でシリアに入国していた。しかし明らかなのは、シリア内戦がジャーナリストにとってきわめて危険なものだということだ。山本美香さんのほかにも、2011年3月に反政府勢力の蜂起が始まって以来、シリアでは3名の欧米人ジャーナリストが死亡している。2012年1月11日にはホムスでフランスの従軍記者、ジリ・ジャキエさんが亡くなった。ジャキエさんはイラク、アフガニスタン、コソボ、パレスチナ自治区などでの取材でよく知られていた。また2月22日には同じ場所で米国のサンデー・タイムズ紙のメリー・コルヴィン記者およびフランス人写真家レミ・オチリクさんが亡くなっている。

一方でシリア国営メディアのジャーナリストらも多くの犠牲を出している。2012年7月27日、反対派武装勢力が「アル＝イフバリヤ」の建物を攻撃した結果、テレビ局職員9名が殺害された。8月初旬にはイスラム過激派勢力はシリアの有名なＴＶ司会者であるムハメド・アル＝サイードさんを処刑した。ムハメドさんは7月中旬に自宅から誘拐されていた。8月6日にはダマスカスのオメイヤドフ広場にあるテレビセンターの建物でテロ攻撃が発生し、宗教放送を準備していた「ヌル・アシ＝シャム」のスタジオに被害が出た。また4名の職員が負傷した。

8月8日、数百人のジャーナリストらはメディア関係者の殺害・誘拐が続いていることに抗議し、ダマスカスの国営テレビ局の建物のそばで座り込みを行った。8月12日にはサナ通信社のアリ・アッバスさんがダマスカス郊外の自宅で殺されているのが発見された。シリア政府が世論に自らの見解を伝えられなくするために、武装勢力側は手段を選んではいない。テレビ局「アル＝イフバリア」のヤラ・サレフ記者はそのことを証言している。

8月初め、サレフ記者のグループはダマスカスから出る際に過激派組織「預言者の孫たち」（シリア自由軍所属）に止められ、アブダッラ・チブル記者、フサム・イマダ記者が殴打されたほか、カメラマンのハテム・アブ・ヤヒヤさんが殺された。その後、ヤラ記者はカメラの前で、カメラマンを殺したのは政府軍だと無理やり言わされ、その映像がインターネットに掲載された。ヤラ記者によれば、武装勢力は捕虜たちに食事もほとんど与えず、殺害すると常に脅迫しているという。幸いなことにヤラ記者らはその後、シリア軍の特殊部隊により解放された。

コメント
01. 2012年8月22日 10:37:07 : aIjrukObbg 普通の認識で 『テロリスト側』に居たんですね。 とは言え、 人生色々、信条も色々、 ご冥福を祈ります。
02. 2012年8月22日 22:45:17 : dS0xDWogkQ なんで政府側から取材しないんだろう。 素性の分からない外国人傭兵に囲まれて、 その傭兵が殺したシリア政府軍のせいだと 言えば、反政府軍の思う壷なのに。
03. 2012年8月28日 10:36:08 : 6tHv528rsg シリア国民はわりとシオニストに対抗するアサド政権を支持している。アサド政権に対する反感を煽り、軍事介入する口実を得るのが、欧米の目的だったのでしょう。美香さんは嵌められた。リビアでは上手く行きましたが、今回は軍事介入は無理でしょう。まだまだ少ないとはいえ、確実に目覚めている庶民いますから。正義はゆっくり動くそうですから、気長に、やけを起こさず、騙されずしぶとく対峙しましょう。

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• Re:ジャーナリストの山本美香さん死亡…シリアで戦闘に巻き込まれる （スポニチ）　犯人達は誘拐しながらまんまと逃走 中田英寿 2012/8/22 07:50:26 (1)
  • Re:山本美香さん死亡の事件　ＢＢＣ　異例の扱いで悼む(スポニチ）　山本氏の死を利用するな 中田英寿 2012/8/22 07:54:21 (0)

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