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夭折の女流ピアニスト ローザ・タマルキナ の評価は?
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/420.html
投稿者 中川隆 日時 2014 年 2 月 22 日 09:15:00: 3bF/xW6Ehzs4I
 


 ローザ・タマルキナ。

 キエフに生まれ、1937年、17歳で第3回ショパン国際ピアノ・コンクールで第2位に入賞、26歳で癌を発病した後も28歳まで演奏活動を続けるが、わずか30歳で亡くなったという。

 これまでほとんどCDもなく、資料にもほとんど載っていない。ある方に、「ユージナが「聴けー!」という感じなのに対し、タマルキナは、気づいたら彼女の世界の中にいる」、と言われたが、ラフマニノフを聴いて、確かにこんなにもしなやかでたおやかな演奏は聴いたことがなかった。
http://www.aria-cd.com/arianew/shopping.php?pg=47/47salekakosale20

Tamarkina - YouTube
http://www.youtube.com/results?search_query=Tamarkina&sm=12

Rosa Tamarkina plays Rachmaninoff Concerto No. 2, C minor, ор.18
http://www.youtube.com/watch?v=VINlasTHxIo
http://www.youtube.com/watch?v=8UxgtvJeLIo
http://www.youtube.com/watch?v=Vix-oQ1vQyQ

Brahms - Piano Quintet in F minor, Op. 34 (Rosa Tamarkina & Bolshoi Theatre Quartet)
http://www.youtube.com/watch?v=A0VcHOA6zeU


ダウンロードは

「音源ライブラリー」の「ローザ・タマルキナ」
http://www.mediafire.com/?g4n1ch4ra1w6b


のフォルダーからどうぞ。


個々のファイルには以下のリンクで直接アクセスできます。

タマルキナ名演集その1(新発見のショパン含む)
http://www.mediafire.com/download/driuvdxreruciey/%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8A%E5%90%8D%E6%BC%94%E9%9B%86%E3%81%9D%E3%81%AE1.zip

タマルキナ名演集その2
http://www.mediafire.com/download/ldo1ok5kwvms1gv/%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8A%E5%90%8D%E6%BC%94%E9%9B%86%E3%81%9D%E3%81%AE2.zip

タネーエフ:ピアノ五重奏曲
http://www.mediafire.com/download/mwc3b8is2dopmqf/%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8A%EF%BC%86%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A4%EF%BD%A5%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9SQ+%E3%82%BF%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%95+%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2.zip

ブラームス:ピアノ五重奏曲
http://www.mediafire.com/download/lqx3592gff50y2r/%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8A%EF%BC%86%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A4%EF%BD%A5%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9SQ+%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9+%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2.zip

タマルキナ,ローザ Tamarkina,Rosa

1920年・旧ソ連ウクライナ/キエフ〜1950年8月5日・モスクワ

ロシア語表記では Роза Тамаркина

1926年(6歳)旧ソ連ウクライナ共和国・キエフ音楽院の幼児科にて、ゴルジェンベルグにピアノを師事。

1932年(12歳)モスクワ音楽院に創設された早期英才教育機関『モスクワ音楽院付属中央音楽学校』の第一期生8名の中に選抜され、ゴリデンヴェイゼル(1874年〜1961年)に師事。

1937年(17歳)ポーランドのワルシャワで開催された第3回ショパン国際コンクールにて第2位(宗教・教育省大臣賞)受賞。
この時のショパン「幻想曲ヘ短調」の演奏は、審査員副委員長だったバックハウス(Backhaus,Wilhelm 1884年〜1969年)に激賞された。
モスクワ帰国の際は、第1位のヤコブ・ザークとともに赤の広場に肖像が掲げられ、栄誉メダルがモスクワ市長代理者によって授与された。

※ショパン「幻想曲ヘ短調」は、1946年のスタジオ録音がCDに復刻されている。

その後、中央音楽学校からモスクワ音楽院本科に進み、引き続きゴリデンヴェイゼルに師事。

1941年(21歳)モスクワ音楽院本科を優等で卒業。同年、大学院に進学し、イグムノフ(1873年〜1948年)に師事、大学院修了と同時にイグムノフのアシスタントに抜擢される。

第二次大戦中、ギレリス(1916年〜1985年)と結婚。戦争中はギレリスと共に慰問演奏に各地を奔走し、モスクワに戻ればイグムノフ教授を補佐して教室生の指導アシスタントに献身した。その激務が祟ったのか、戦後まもなく体調を崩す。

1946年(26歳)モスクワ市内の病院で検査の結果「癌」と診断される。
手術や抗ガン剤等の化学療法の副作用に耐えながらコンサートや指導を続けたが、1950年8月5日に力尽きて逝去。享年30歳。

タマルキナの録音はVISTA VERAから復刻CDが3枚のみ出ている。(以下の画像)

Green Doorの「ローザ・タマルキナ」(GDFS−0026)

その他、国内盤ではGreen Doorから1946年録音の復刻CD(GDFS−0026)が出ている。


Green Doorの「ローザ・タマルキナ」(GDFS−0026)

シューベルト・即興曲第2〜3番/リスト・ペトラルカのソネット第104番/ショパン・スケルツォ第3番嬰ハ短調、幻想曲ヘ短調/シューマン・幻想小曲集

また、『ロシアのピアニストII』(GDCS−0030)ではショパン・スケルツォ第3番嬰ハ短調のみ収録されている。


『ロシアのピアニストII 』(GDCS−0030)

【収録ピアニスト】
ニーナ・エメリャノワ/ローザ・タマルキナ/ユーリー・ムラフリョフ/グレゴリー・ギンスブルグ/ヴラディーミル・ソフロニツキー/スヴャトスラフ・リヒテル/アラム・ハチャトリアン

まだ若いうちに夭逝してしまった為に、演奏様式が円熟する前の録音しか遺せなかったタマルキナ。しかし、明快なテクニックと真っ直ぐに切れ込んで来る若々しさ・みずみずしさを好むファンも多い。無心に若さをぶつけるような切れ味のショパン・スケルツォ第3番、冷静に全体像をとらえたショパン・幻想曲、湖面を吹き抜ける爽やかな風のようなリスト・ペトラルカのソネット、端正で曇りの無いシューマン・幻想小曲集、極めて透明度の高いシューベルト・即興曲第2/3番……。奥に秘めた可能性はとてつもないものだった。

タマルキナが夭逝せずに円熟を重ねたら、どのようなピアニストになった事だろう…。ヴィンテージワインを好む「通」のような人から見たら、タマルキナは単年度産ボジョレーワインのような印象を受けるかもしれない。

ただ、演奏というものは若い時代でなければ出来ない事もある。円熟して行くにしたがって若さ故のある種「怖いもの知らず」の演奏は遠く離れていくものだ。ピアノ演奏には必ずしも円熟を必要としない魅力もまた存在する事を教えてくれるのがタマルキナのピアノなのだと思う。

この年代でなければ出来ない「勢い」の演奏もあるのだ。ただ、ショパン国際コンクール第2位入賞のわりにショパンの録音が少なかったのは残念。第3回ショパン国際コンクールの記録音源は無いのだろうか…。
http://www.pianist-sonobe.com/pianist_library/t/Tamarkina.html


ローザ・タマルキナの録音を再度、聴いて [音楽を聴いている]

最近、ふとした機会から、ローザ・タマルキナ(Rosa Tamarkina 1920〜1950年)の遺した録音を再聴しました。ローザ・タマルキナは旧ソ連ウクライナ共和国の生まれのピアニストで、1937年、17歳の時に第三回ショパン・コンクールで2位となり、第二次世界大戦中にエミール・ギレリス(Emil Gilels、1916〜1985年)と結婚するも、戦後、癌を患い、30歳の若さで亡くなった、夭折のピアニストです。

私は、彼女の市販されている録音は以前、一度、全て聴いているのですが、今回、新たに見つかった録音があるということで、今回、その演奏を含め、以前聴いたものも、一部、聴き直してみました。その上で、私の感想を正直に申し上げますと、

これらの演奏は、彼女の天賦の才能を感じさせるものではあるものの、私が、今後も聴き続けることは、まず、ないだろう

ということでした。演奏に不備があるとか、演奏自体が悪いと言っているのではありません。これらの録音を聴く限り、彼女の才能は、まだ発展途上であり、まだ花開く前の蕾の状態のように感じられたからなのです。才能が開花した後の録音があるのでしたら、そこに至る過程としての意味あいはあるのでしょうが、開花するまえの蕾のまま、残念ながら、若くして亡くなった方の演奏を聴くというのは、私にとっては、ただただ残酷なことをしているような気がしてなりません。

ディヌ・リパッティやユーリ・エゴロフといった夭折のピアニストは、若いながらも、ピアニストとしての才能が開花してから亡くなっているように感じられるので、その録音には私にとって意味を持つのですが、ローザ・タマルキナの録音はレコード(記録)としての意義は認めますが、、私にとっては、辛く、そして悲しいものでした。
http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19


ローザ・タマルキナのラフマニノフとタネーエフ


•ロシアのVISTA VERAから3枚のCDで発売された,伝説の名ピアニスト,ローザ・タマルキナ(Rosa Tamaekina, 1920-1950)の録音の"Vol.1"。

•ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の素晴らしさは衝撃的で,タネーエフのピアノ五重奏曲も,タマルキナの人間的な器の大きさが巧まず滲み出て いる。

•史上最も偉大な女流ピアニストと言っても過言ではないタマルキナの圧倒的名演を聴くことのできる大変貴重な1枚である。
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/special/2006best10/

◎ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 <1946>
 タネーエフ  ピアノ五重奏曲 <1948.5.26>

   ローザ・タマルキナ(ピアノ),
   ニコライ・アノーソフ指揮,ソヴィエト国立響(ラフマニノフ),
   ボリショイ劇場弦楽四重奏団(タネーエフ)

   露VISTA VERA VVCD-00092


 伝説の名ピアニスト,ローザ・タマルキナの録音がロシアのVISTA VERAから
3枚のCDで発売されることになり,これはその"Vol.1"です。

 タマルキナ(Rosa Tamaekina, 1920-1950)はキエフに生まれ,最初はキエ
フ音楽院に学びますが,12歳ときに選抜されてモスクワ音楽院の英才コース
に入り,アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルのクラスで学びます。

 17歳で第3回ショパン・コンクールに出場し,第1位のヤコフ・ザークに
次いで第2位入賞を果たします。このときの審査員だったゲンリヒ・ネイガウ
スが後に記したところによると,タマルキナが演奏したショパンの幻想曲を聴
いた審査員のバックハウスがネイガウスに向かって大声で「これは素晴らしい!
(Это прекрасно!)」と言い,ラザール・レヴィは「このような
演奏はこれまで聴いたことがない」と評したとのことです。

 モスクワ音楽院卒業後もアレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル,次いでコン
スタンティン・イグムノフに学び,演奏と教育の両面で獅子奮闘の活躍をし,
その名声は高まるばかりでしたが,26歳の時に癌と診断され,放射線治療を
受けながら演奏活動を続け,ついに30歳の若さでこの世を去ってしまいまし
た。

 タマルキナの録音は非常に少なく,シューベルト,リスト,ショパン,シュ
ーマンを収録したリサイタル盤と,ブラームスのピアノ五重奏曲のメロディア
盤LPがあることは比較的知られていますが,それ以外にどんな録音があるの
か全容は不明でした。

 それが3枚ものCDで発売されるということであり,それだけの録音が残っ
ていたとは嬉しい驚きですし,今回のCDに収録された2曲も私は存在すら知
らなかった録音です。ラフマニノフは正確な録音データは不明ですが会場ノイ
ズが入っているのでライヴ録音です。タネーエフはモスクワ音楽院大ホールで
のライヴ録音です。

 さっそく聴いてみると,最初のラフマニノフの協奏曲の冒頭の和音の連打か
らすさまじい気迫とパッションが漲っているのですが,冷静さを失うことはな
く,素晴らしいテクニックで目まぐるしいパッセージも鮮やかに弾きっていま
すし,響きには生命感と輝きが,フレーズには溢れるような感情のほとばしり
があり,まさに翻弄される思いで聴き入ってしまいました。

 第2楽章では洗練されたクリヤーな響きと,シンプルで清潔感のあるタッチ
を聴かせるとともに,旋律を朗々と歌い上げながら感情の自然な高ぶりを表出
しており,新鮮な感激とともに心洗われる演奏を聴かせてくれています。

 第3楽章でも粒立ちの良いパッセージが実に美しく,明快な響きとともにリ
リカルな旋律の魅力を存分に歌い上げ,軽快でラプソディックな表現も生き生
きとしていてしかも美しく,曲の最後に向かっては,華麗な響きとスリリング
な高揚感と,押し寄せる至福の充実感とともに全曲を聴き終えました。

 アノーソフ指揮のオケは,厚みと落ち着きのある素晴らしい響きを聴かせて
おり,急がずゆったりとタマルキナのソロを支える懐深さがあって,アノーソ
フの指揮者としての優れた力量が遺憾なく発揮されているのではないかと思い
ます。

 続いて演奏されているセルゲイ・タネーエフのピアノ五重奏曲は,あまり聴
きなじみのある作品ではないかもしれませんが,ロシアの作品というよりも,
西ヨーロッパ風の洗練された作風であり「新発見のフランクのピアノ五重奏曲」
といっても通用しそうな魅力的な作品です。

 演奏はシリアスに作品を描ききった大変に見事なもので,第1楽章では表出
力と浸透力があって,ボリショイ弦楽四重奏団の沈み込むような音色と描写も
素晴らしく,タマルキナのピアノも触発しあいながらドラマチックな世界をつ
くりあげていて傾聴させられます。

 第2楽章のスケルツォでも,シリアスな響きはそのままに,ドライな中にも
洗練されたテイストを感じるリズミカルさがあり,各奏者の掛け合いも見事で
すし,第3楽章ラルゴでは,堂々とした歩みの旋律を,明朗で味わい深い響き
と品格をもって描き出しており,作品にさらなる格調をもたらすような充実し
た演奏を堪能することができました。

 第4楽章では,他の楽章以上にピアノが主導的になるためか,タマルキナの
ピアノがスリリングな演奏でアンサンブルを主導しており,一段と彫りの深い
演奏を聴かせています。この楽章の後半はフランクの循環形式のように第1楽
章の主題が回帰するのですが,それを落ち着きのある響きで朗々と演奏してお
り,ずしりとした充実感とともに全曲を聴き終えました。

 このタネーエフの演奏は,作品の表出力に秀でているだけでなく,呼吸の合っ
た有機的で一体化したアンサンブルの表現が素晴らしく,これは深い共感と相
互理解と,各々のコミュニケーション能力の賜物ではないかと思いますし,ま
さにそこで作品が生きていると感じる素晴らしい再現ではなかったかと思いま
す。

 こうして聴いてみると,ラフマニノフでのタマルキナの演奏の素晴らしさは
衝撃的で,鮮やかなテクニックと,宝石のような輝きと,新鮮で心豊かな感情
表現は圧倒的で,この作品でこれを超える演奏は後にも先にもないのではない
かと思ったほどの隔絶した魅力と説得力があり,正直なところ,聴いていて新
鮮な感激とともに涙を禁じ得ませんでした。

 タネーエフの五重奏は,アンサンブルの作品ですからピアノだけが目立つと
いうことはないのですが,ボリショイ弦楽四重奏団とともに演奏に自然に入り
込んでいて,タマルキナの持ち味である克明で有機的でしなやかな生命感に溢
れる演奏がアンサンブル全体に浸透していたのではないかと思いましたし,タ
マルキナの演奏家として,あるいは人間としての器の大きさが巧まず滲み出て
いるのではないかと思いました。

 音質については嬉しいことに,1946年録音のラフマニノフも演奏を鑑賞
するには申し分のない音質で聴けますし,タマルキナの宝石のような和音の美
しさが堪能できることに感謝したい気持ちですし,さらに2年後の録音である
タネーエフはさらにしっかりとした音質で聴くことができ,いずれもライヴ録
音ということもあり小さなキズは多々あるものの,大きな不満のない音質です。

 いろいろ述べてしまいましたが,このCDに収録されたタマルキナの演奏は,
知られざる名ピアニストの名演などというレベルではなく,私が知る限り,史
上最も偉大な女流ピアニストによる圧倒的な名演であり,ただならぬ感激と感
動を聴き手にもたらすに違いない名録音としてぜひとも一聴をお薦めしたいと
思います。
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/cdreviews/2006-2/2006073001.htm


ローザ・タマルキナ 2006年6月29日 (木)

こんばんは。久しぶりにCDを紹介したいと思います。この写真をみて名前をわかる方は余程のピアノ好きと思われます。

ローザ・タマルキナ(1920ー1950)は1937年の第3回ショパンコンクールの第2位です。「バックハウスが愛した・・」という台詞で有名になりました。

長い間幻のピアニストでしたが、今回1946年と1948年、その他は不明の音源がグリーンドア(GDFS-0026)から出ました。

noteシューベルト 即興曲 D899より 第2番 変ホ長調
noteシューベルト 即興曲 D899より 第3番 変ト長調
noteリスト ペトラルカのソネット 第104番
noteショパン スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39
noteシューマン 3つの幻想小曲集 作品111
noteショパン 幻想曲 ヘ短調 作品49

まずは音質ですが、相当悪いです。しかし、悪い中にも彼女の「凄み」は明らかにわかる演奏がぎっしり詰まっています。技巧が精緻なこと、ダイナミック、大胆なテンポ設定は20世紀を代表する名ピアニストに名を連ねても不思議ではありません。わかりやすく言えば、若き日のアルゲリッチの技巧にリパッティの繊細さを加味したようなピアニズムです。感想は今回は敢えて書きません。その代わりに比較試聴をお勧め致します。

即興曲はリパッティと、スケルツォ第3番はアルゲリッチと比較試聴してみて下さい。その他は誰とでも結構です。

若き日のギレリスの最初の夫人でもありました。
http://piano-music-life.blog.eonet.jp/default/2006/06/post-b1ae.html


2012年07月01日17:41
ローザ・タマルキナの新発見音源発掘〜ショパン、ブラームス、シューベルトほか

tamarikina3しばらく更新をお休みするつもりだったが、そんなことも言っていられない「事件」に遭遇した。ひょんなことで、夭折した旧ソ連の天才女流ピアニスト、ローザ・タマルキナの新発見音源を入手してしまったのである。ごく最近ロシアの国立アーカイブに所蔵されている「グリンカ博物館コレクション」から発見されたテスト・プレスのディスクだそうで、年代は明記されていないが1937年にタマルキナが出場した第3回ショパン・コンクールでの演奏である可能性が高いようだ。曲目はいずれもショパンで、マズルカ作品59-3、練習曲作品10-5と作品25-2である。ディスクの保存状態は奇跡的に良好で、この年代の通常のSP録音と何ら遜色なく、鑑賞には何の支障もない。このニュースがすでに日本の愛好家に知られているのかどうかわからないが、こんな宝物を手に入れておいて自分ひとりで愉しむなんて許されないことである。そこで急遽この音源を公開することにした次第である。

私が「ロシア・ピアニズム」と俗称される秘教めいた世界に関心を持ち、あれこれきくようになったのはわりあい最近のことで、タマルキナという稀有な天才の存在を知ったのもそんなに以前のことではない。ロシアの隠れた名人・名手たちに対する知識も聴体験も至って貧しいものである。数年前にまとめてタマルキナの音源がCD化され、愛好家の間でちょっとしたセンセーションを呼んだらしいのだが、私はそれさえ知らなかったくらいだから、ロシア・ピアニズムについての私の知識のほどが知れるだろう。なので、ここで通ぶってタマルキナについての紹介や解説みたいなことを書くのはやめておこう。

今回の記事に掲載したタマルキナの写真は、いずれも1937年のショパン・コンクール出場時、17歳の時に撮影されたものである。つまり今回公開する新発見音源と同時期ということになるが、演奏は全く17歳の少女のものではなく、堂々たる大家の芸であることに驚嘆させられる。同時に、60歳や70歳の名人巨匠がどうあがいても出せっこない「青春」の息吹に満ちていることは、やはり若さゆえの特権というものだろう。ともあれ、タマルキナに魅了されているファンにとってこれは論評など無用の宝物であり、余計な前説はさておいて、ただきいていただければそれでよいと思う。

さて、公開にあたり小曲3曲だけではいかにもさびしいので、余計なお世話かもしれないがタマルキナの録音のうち私の気に入っているものをいくつか選んで華を添えることにした。上記ショパン・コンクールで審査員だったヴィルヘルム・バックハウスを狂喜させ、ラザール・レヴィを感嘆させたというショパンの幻想曲は外せないだろう。リパッティとともに永遠に色褪せない青春の叙情をたたえた決定的名演、シューベルトの即興曲2曲も。だが、私の一番愛するタマルキナの演奏は、リストによるシューベルト歌曲のトランスクリプション2曲である。これは、どんな名リート歌手による歌唱よりも私にとってはシューベルトのリートらしさを直接に伝えてくれる、かけがえのない宝物のような演奏である。

ところで、実はタマルキナについては全く別の演奏を紹介するのが本来の予定だった。その過程であれこれ調べ物をしているうちにたまたまとんでもない宝物に出会ってしまったというのが実情である。その当初予定していた演奏というのは、ボリショイ劇場弦楽四重奏団と組んで1946〜47年に録音したブラームスとタネーエフのピアノ五重奏曲である。かなり以前に入手したまま、何となくきかずに放っておいたものだが、つい先日あらためてきいてみて、私はものすごく感動してしまった。その感動のままに、ブログを休む予定を変えて記事書きの準備をしていたらこの貴重音源が舞い込んできたのである。毎度毎度、この種の巡り合わせの妙は不思議というほかない。

tamarikina2では、本来予定していたその2曲について。これらは、繰り返すが、本当に感動的な、まさに一期一会の名演奏である。ブラームスのクインテットは昔から大好きな曲だが、あいにく個人的な決定盤と言えるものがなかった。今回きいたタマルキナとボリショイ劇場SQの演奏は文句なしにマイ・ベストである。タネーエフのクインテットは今回はじめてきいたが、フランクのクインテットと異父兄弟といった感じの、しかしもしかするとフランクよりも名曲かもしれない、と思うほど素晴らしい曲だったのは嬉しい余禄だった。終楽章のコーダなど実に感動的である。これほど魅力的な作曲家をこれまで知らずにいたとは実に惜しいことをした。とはいえ、それもこれもこの5人の奏者の素晴らしい演奏あればこそ、なのだろう。ボリショイ劇場SQをきくのは初めてで、名称からして常設の団体なのかどうかも怪しいが、どの奏者も実に上手い。上手いだけでなく実に音楽的で、奏でる音色も実に魅力的である。何よりこの演奏、5人の奏者の没入と共感・共鳴ぶりが素晴らしく、ただごとではない高揚感に打たれる。そして、各人がどれほど情熱を傾けつくしても、音楽の形と流れが全く崩れを見せないどころか、ますます研ぎ澄まされていくのが素晴らしい。これはタマルキナのリードによるところが大きいのだろうか。ともあれ、このクインテット2曲は、タマルキナが単なる?天才少女ではない、本当に大きく豊かな音楽をもっているピアニストであったことの証左となろうか。

なお、1937年の新発見音源を除くと、今回公開する音源は1946年から1948年頃のものである。タマルキナが癌の宣告を受けたのは1946年、26歳の時のことである。つまり、手術の後遺症や化学療法による副作用の苦痛を押して活動していたまさにその時期の記録ということになる。しかし、ここでのタマルキナの演奏に「死」の影は全くといっていいほどさしていない。むしろ眩いばかりの生命の輝きに溢れている。そして、音に羽が生えて宙空へと舞い立つような独特の疾走感、飛翔感。これはほぼ同世代でやはり若くして世を去った天才ピアニスト、ディヌ・リパッティの演奏にも共通する感覚であるように思えるのは先入観のなせる業だろうか。いや、死に追いつかれないほど速く、高く飛び、そのまま肉体を離れてしまった ― そういう特別な生命たちなのだろう。彼らの生命の動きは速過ぎ、力強すぎ、精妙すぎるのに対し、ホモ・サピエンスの肉体なんてこういう生命を宿すには鈍すぎ、おんぼろすぎてその要求に応えられず、すぐに使い物にならなくなってしまうのだ。それ相応に鈍く粗雑にならないと、こんなものと一緒にいつまでも生きてはいられない。
http://blog.livedoor.jp/thetatoshi/tag/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%8A

 

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コメント
 
01. 2014年2月22日 09:59:49 : 2D6PkBxKqI
僕も今聴いたけど、何がいいのかさっぱりわからなかった

02. 2014年2月22日 10:03:45 : 2D6PkBxKqI
10代の天才ヴァイオリニストは沢山いるけど、40代以下の天才ピアニストなんて聞いた事もない。

ポリーニも技術だけのアホだったしね。


03. 2014年2月22日 10:11:00 : 2D6PkBxKqI
ホロヴィッツは天才ピアニストだったね。 ごめん

ホロヴィッツは異常性格者で精神分裂病すれすれだったみたいだったから特殊なんだ。


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