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平井和正の思い出
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/451.html
投稿者 たけしくん 日時 2014 年 4 月 08 日 23:00:07: IjE7a7tISZsr6
 

(回答先: 今、なぜ「幻魔大戦」なのだ? 平井和正 投稿者 たけしくん 日時 2014 年 4 月 08 日 22:53:09)

抜粋

 「幻魔大戦」が新興宗教(オウムとか、幸福の科学とか)の
信者たちのバイブルになったとかよく言われている。
(まるでGENKENを実際に作ったみたいだ、など)
 それに対して平井和正が激怒したという。
なんと、平井和正の意図は「新興宗教駄目小説」
だったらしい。
 確かに、そう読めなくもないが、
読む人によれば「新興宗教礼賛小説」にもなる。
 「幻魔大戦」では閉じた集団を作ることの難しさが
書かれているのだが、同時にその楽しさも書かれているからだ。
 オウム幹部は絶対に読んで参考にしただろうし、
幸福の科学幹部も読んでいると思う。

引用元
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/1639/hirai.htm

(注)元ファンの立場から思い出を書きました。
   だから、今の平井和正先生を否定する気は
   全然ありません。
   おそらく、高校生ならば今の作品も楽しめると思います。
   やはり、平井先生は青春の作家だと思います。
   (大人は本を読んでただキャラとたわむれるだけでは
    不満で、なんか勉強した気にならないと納得しませんので)

 初期作品(虎の時代、狼の時代)
 中期作品(天使の時代、幻魔の時代)
 後期作品(高橋留美子の時代、気まぐれの時代)
 その後の作品(泉谷あゆみの時代)

初期作品(虎の時代、狼の時代)
 平井和正は青春の作家だ。
 社会経験のない頃、
頭の中だけで世の中を想像している頃、
勉強のプレッシャーとそれに応えられない自分、
漠然とした将来への不安、
そういう時代に読むと、ものすごい魅力を発する。
 社会との敵対、孤高の美学、
ヒロイズム、平井作品のキーワードは・・・
 語彙が貧困なのでどう形容していいか分からない。

 高校卒業までに既刊の作品を読み切り、
何度も繰り返し繰り返し読んだものだ。
  アダルトウルフガイシリーズ
   (「人狼白書」「人狼天使」を除く)
  ウルフガイシリーズ
  「死霊狩り」
  「アンドロイドお雪」
  「悪霊の女王」
  「サイボーグブルース」
  「悪徳学園」
  「メガロポリスの虎」

 詳しく書くと・・・・・・
一番最初に読んだのは
「人狼戦線」(角川文庫)だった。
 何でこれを買ったのか覚えてないのだが、
角川で文庫化され、新刊として
「人狼戦線」と「狼の紋章」が店頭に
並んでいたのだと思う。
 中学3年生の時、高校入試が終わったあと、
何となく買って帰り、夕方読んだ記憶がある。
(読んでいる最中に、母が2階に上がってきて
入試がどうだったか聞かれた。)
 このときはまあまあ面白い小説ぐらいの感触だった。
(犬神明が大人なので、今ひとつ感情移入できなかった。)
 そのあと、入試の結果を待つ期間に読んだのが
「狼の紋章」。
 これは主人公が中学生なので、
そのものズバリ感情移入できた。

 話も典型的な学園ものを土台に、
平井和正お得意の「人類駄目小説」である。
 人類駄目だけど主人公は別(ヒロイズム)、
反ヒューマニズムの味付けが絶妙である。
 途中、主人公(犬神明)と悪役(羽黒)は
最後で和解して、社会の矛盾と戦うのだろうと思っていたら、
(当時は金パチ先生が流行っていて、
 生徒は善人、被害者、
 先生(大人、社会)は悪人、加害者、
という図式が普通だった。)
 ところが、全然そんな展開ではなく、
当時の僕から見たら夢もなにもないハードな展開。
(初めて読んだハードボイルドかもしれません)
 寝る前に読み始め、そのまま夜更けまでで読み切り、
読了後寝たら、夢の中に「青鹿晶子」がでてくる始末。
起きてからも胸がきゅんと鳴り、・・・・
要するに青鹿先生(ヒロイン)に恋して
しまったわけです。

 そういう状態になったあと、
「人狼戦線」を読み直し、改めて傑作と認識した。
 実は、当時はウルフガイシリーズが10年以上前に
ハヤカワ文庫から出された作品の再文庫化だとは
全然知らず、今現在書かれている作品だと思っていた。
 「狼の紋章」のあとがきに続編があると出ていたので、
いつ出版されるのかと毎日書店に行ったり、
何というか馬鹿なことをしていた。
 じつは、ウルフガイ、アダルトウルフガイともに
全巻が祥伝社から新書で出ていたのだ。
 だから、本屋の新書コーナーに行けば全巻あったのだけど、
角川文庫のところにだけ行っていたので、見つからなかったわけ。
 祥伝社版の存在に気づいたのは、高校生になってから。
(見つけたときは感動した。)

 さて、少年犬神明が、大人の犬神明になるのだと思っていたら
2人は別人だとか、パラレルワールドだとか、
神明が大人の犬神明だとか、そういうマニアックな知識も
増やしつつ、ウルフガイを読み切ると、
当然それ以外の作品にも手を出す。
  「死霊狩り」格好いい。
  「アンドロイドお雪」本格ミステリとしても面白い。
  「サイボーグブルース」ちょっと難しかった。
  「悪霊の女王」なんかよくわからん、
  「新幻魔大戦」面白い。
など、相当に偏った読書をしていた。

 本を読んでいて、読み終わるのが辛い、
でも読まずにはいられない、という心底から面白いという
至高の読書を体験できたのは良かったのだが・・・・
 今度は平井和正なみの興奮を与えてくれないと
満足しないようになったので、
 他の作家が読めなくなってしまった。
どれを読んでも、平井和正と違う・・・という感覚。
 (これはこれ、あれはあれ、と分けて考えないといけないのに、
当時はそんな智恵はなかった)

 今にして思えば・・・
平井和正は物語の構成が下手だと思う。
だから、大きな枠組み、世界観としては
既製のものを使う。
 例えば、「狼の紋章」は学園青春もの(番長グループとの対立)、
      「死霊狩り」はウルトラ警備隊(宇宙人の殲滅)、
      「幻魔大戦」はキングギドラ(破壊王)、
 枠組みとしてはそれを使うのだが、
そこから平井和正はうまくひねって書く。
(だから、どこかで読んだ話なんだけど、
まったく新しい話のようでもある。)
 例えば、宇宙人を侵略者と規定し、
これとリアルに戦うのがウルトラ警備隊である。
 だけど、そもそも
 あの6人はどうやって選抜されたんだろう
というところにこだわって、
「死霊狩り」ではゾンビーハンターの
壮絶な選抜試験を具体的に詳しく描写する。
 そうすると既製の枠組みがまた違った視点で見え、
ウルトラ警備隊という明らかに子供だましの存在が
リアルに思えてくる。
 平井ワールドは温故知新ということだ。
 
 中期作品(天使の時代、幻魔の時代)
 さて、ウルフガイも後期になると
「人狼白書」「人狼天使」「若き狼の肖像」となり、
犬神明がおかしくなってきた。
(この時点では、どこがどうおかしい
とは言えなかったのだけど・・・、
 例えば、作中で新興宗教の教義みたいなとを
語るようになってきた。
「自分は天使ガブリエルの生まれ変わり」だとか・・・
十分ヘンだ。)

 また、高校生の頃、
 「幻魔大戦(20巻)」
 「真幻魔大戦(20巻)」
の刊行が始まった。
 これは昔書いた既刊本の文庫化ではなく、
完全な新刊だった。
 超能力者が宇宙人と戦うという分かりやすい設定を
今度はどうリアルに変貌させてくれるのだろうと
ワクワクしながら読んだ。
 3巻までは派手な超能力合戦に
人種問題、金銭面の問題、超能力者の派閥争いなどを
からめ期待通りだった。
 4巻から、主人公(東丈)は高校生活に戻り、
文芸部に入り、地道な組織作りを始めた。
 5巻あたりで学園祭で講演会を開いたり、
いろいろあって心酔者が集まりだした。
だんだん、組織固めをどうするかとか、
組織内の会議の様子とか、教義づくりをどうするかとか、
事務所をどうするとか、秘書をどうするかとか、
セミナーをやるとか、会費をどうするとか
そんな話になってきた。
(あと、信者に生体エネルギーを注入して
病気を治すとか、癌が治ったとか・・・・。
何で、そんな話になるの?)

 さて、高校生の僕は当然買って読み進むのが、
だんだん辛くなってきた。
 最初、幻魔と超能力で戦っていたはずなのに、
主人公が新興宗教を作り、信者を集めて講演をしたり、
本を書いたり、セミナーを開いて信者に講演をする、
 その講演録みたいなのでまるまる一巻費やされていたり、
とにかく展開がヘンだった。
 例えば、セミナーが3日あれば、
文庫本も3冊かけてその時にあったことを
細かく描写していくのだ。
(書いてないことはトイレに行くことだけ)
 しかし、上記の本で味わった興奮を
もう一度味わいたくて読み続けた。
(最初は後半のクライマックスへと導く伏線だと思っていた。
 なぜなら、最初の3巻でルナ姫が東京の東三千子に会いに行く、とか
ソニーが東京に行くとか、砂幻魔が現れたとか、
そういう伏線を張っていたから、
今は日本で地味に活動していても、いずれ世界規模で
活動を始めるのだろうと思っていた。
 10巻を越えた頃から本気かも・・・・と思い始めた。
高校を卒業するころに20巻を読み切り、
要するにこれは
新興宗教の組織作りを小説化したものだと
気づいた次第である。)

 何故気づかなかったかと言えば、表紙のイラストにも
トリックがあった。
15巻ぐらいまで、表紙カバーのイラストは生頼義範や
加藤なんとかなどが描いていた。、
 壮大な宇宙空間や戦艦や要塞などをバックに主人公が立つという
スターウォーズのポスターみたいなものが続いていた。
 だから、内容もいずれこういう風になるのだ、
今は将来へ向けての伏線なんだ、と思っていた。
 実際は、話の内容と表紙は全然関係なかったのだ。
 15巻ぐらいから映画化の関係で、
漫画家の大友克洋が表紙を担当すると、
眼鏡の男のアップとかインテリ風の女が立ってるだけとか
一挙に地味になって、これは話の内容にぴったりのイラストだった。
(この内容ならこういうイラストになると思う)
 しかし、これはこれで
「幻魔スピリッツを理解していない」と、
平井和正の逆鱗に触れ、
最後の方ではまた最初のようなスターウォーズみたいな
イラストに戻ったのである。

 「幻魔大戦」が新興宗教(オウムとか、幸福の科学とか)の
信者たちのバイブルになったとかよく言われている。
(まるでGENKENを実際に作ったみたいだ、など)
 それに対して平井和正が激怒したという。
なんと、平井和正の意図は「新興宗教駄目小説」
だったらしい。
 確かに、そう読めなくもないが、
読む人によれば「新興宗教礼賛小説」にもなる。
 「幻魔大戦」では閉じた集団を作ることの難しさが
書かれているのだが、同時にその楽しさも書かれているからだ。
 オウム幹部は絶対に読んで参考にしただろうし、
幸福の科学幹部も読んでいると思う。
 どう読むかは読者の自由だ。
自分が新興宗教にどっぷり浸かり、
放り出されたルサンチマンを思い切りぶつけて
書いた小説が「幻魔大戦」だと言うが、
できることならそういう小説は書いて欲しくなかった。
 平井和正が新興宗教に入信しようが、
天使を見ようがまったくかまわないが、
 初期作品(虎の時代、狼の時代)のファンとして残念なのは、
「幻魔大戦」以降(天使の時代、幻魔の時代)、
平井和正の文体が大きく変わってしまったことだ。
 (とにかく、プロットも何もなくただひたすら書くことを
使命と考えてしまったためだろうか。
 本当はただひたすら書くことの方が実は楽で、
プロットをああでもないこうでもないと練る方がよほど大変なのに。)
 初期作品は、不器用な作家だからこそ、
プロットを練って書いていたと思う。
(編集者がOKをなかなか出さなかったこともある)
 だからこそ、なかなか書き出せず遅筆でもってならしていたのが
初期の平井和正である。
 「人狼戦線」あたりがきっかけだと思うが、
天使・幻魔の時代になると、
何も考えず言霊の言うまま口述筆記することが
だんだんギャグじゃなくなってきた。
当然の結果として、量産はするのだけど、
書いても書いても話が全然終わらないようになってくる。
(「人狼白書」「人狼天使」「若き狼の肖像」など)
 こういうことを続けていたせいか、
初期作品のような綿密に練られた
濃密な文体が完全に消えてしまった。)
 
 「幻魔大戦」20巻、
 「真幻魔大戦」20巻?(犬の帝国のあたり)
を読み終えた頃、大学入学したのを機に
平井和正から離れたのだが・・・。

後期作品(高橋留美子の時代、きまぐれの時代)
 大学生の頃に、平井和正は高橋留美子と対談し、
 「高橋留美子の優しい世界」という本を書いたり、
ウルフガイの続編を書き出したという話を聞いた。
 ウルフガイの続編といえば
 「狼のレクイエム」第2部の続編と言うことだ。
順番としてはこうなる。
 「狼の紋章」
 「狼の怨歌」(未だにどう読むか知らない)
 「狼のレクイエム」第1部
 「狼のレクイエム」第2部

 「狼の怨歌」で、学園ものからスパイものへと展開が変わり、
あまりの展開に今ひとつついていけなかったのだけど、
「狼のレクイエム第1部」ではもうそれにも慣れ、
第2部は、魅力ある登場人物が多彩に出てきて
「狼の紋章」と甲乙つけがたいぐらい好きだった。
 今の作品のように
 「この人は魅力あるキャラ」と初めから決まっているのではなく、
社会的な背景を持った具体的なキャラだった。
 西城は日系二世として戦時中アメリカで暮らしたという設定、
強制収容所での生活からCIA工作員へという背景があるから
魅力が出るのです。
 
 その続編ともなれば当然買わないといけないでしょうと思い、
本屋に行ったら今度はハードカバーで値段が高い。
(当時はとても買えなかった)
以前は「私は文庫本の似合う作家になりたい」とか書いていたけど、
今度は「これだけ苦労して書いているのだから、
読者もそれに見合うお金を払うべき」とか書いてあった。
 というわけで「レクイエム第3部(黄金の少女)」を買って読む。
最初、「黄金の少女」というひねりもなにもないタイトルを見て、
嫌な予感はした。
やはり「幻魔大戦」みたいな
(推敲も構成も何もない、ただ思いつくままひたすら書くから、
登場人物が2人、堂々めぐりの議論を延々と続ける、
大学のゼミみたいに・・・タメにする議論というか・・・)
ものかなとも思ったのだけど・・・。
 しかし、何と言ってもウルフガイだし、
新興宗教の出てくる必然もないし、
教義を巡って議論になったりしないだろう、
と思っていた。
 結果、やはり平井和正は変わっていなかった(幻魔のままだった)。
 文体から濃密さが消えたのは「幻魔大戦」の頃からだけど、
あの文体はウルフガイ新作でもやはり戻っておらず、
何と登場人物は人生というか生き方というか、
そういうことについて延々と議論をする(しかも堂々めぐり)。
 なんで、こうなるの・・・と思い、
まだ続くみたいだったけど1巻で読むのを止めた。
 これで平井和正とは切れたはずなんだけど・・・

 社会人(というかフリーターの頃)、
古書店で「狼のレクイエム第3部」が全巻そろいで
1200円で売っていたので、買って読む。
(ひょっとしたら面白いかと思って)
結果、やはり僕には合わないと感じた。
 途中から斜め読みになったけど、
どうやら最後まで犬神明は登場せず、
アメリカの田舎町が舞台、
保安官(キンケイド)と暴走族との闘争の話だった。
アメリカの田舎町に何のリアリティもなく、
キンケイドにもまったく魅力を感じなかった。
(最後に虎2と神明が出てきた)。
これで、平井和正とは切れたと思ったのだけど・・・

 「ボヘミアンガラス・ストリート」という本が
あまり見たことのない版元から出ていたのは知っていた。
 「気まぐれオレンジロード」という漫画を読んで
インスピレーションを受けたそうだ。
高橋留美子といいこの漫画といい、
割と古くさい漫画が好みのようだ。
 一応、あとがきを見ると
「僕はラブストーリーを書きたかった」
とあって、それが書けたとある。
 昔、犬神明と青鹿晶子の関係に
胸をときめかした僕としては
買いたいなと思ったが、以前の経験があるので、
買い控えていたのだけど、
面白いという評判も聞くし、
古書店で1冊100円で4巻まであったので買って読む。
(ひょっとしたら以前の興奮を味わえるかと思って)
 やはり僕には合わないと感じた。
途中から斜め読みになったけど、
どうやら微熱を発する神様の高校生と女子高校生の
恋愛の話らしいが、主人公は初めからもてると決まっているようだし、
こういう決定論的なところは「幻魔大戦」と変わらず、
文体も相変わらず同じで、思いつくまま書いていると思う。
これで、平井和正とは切れたと思ったのだけど・・・

 ある日、新聞でベストセラー情報を見ていたら
「犬神明」(徳間書店)というのが
上位に食い込んでいる。
 「犬神明」と言うからには
「狼のレクイエム第3部」の続編だろうし、
第3部は犬神明が登場しなかったから、
こんどは出るわけだ。
タイトルからして「犬神明」だから、
これは犬神明を出しますよ、という意味だろう。
 しかし、「犬神明」というこの何のひねりもない題名を見て、
やはり嫌な予感はしたので、購入することはせず、
数年後図書館で全巻(10巻)借りて読む。
(ひょっとしたら・・・・・という期待を込めて)
 結果は、1巻の途中で飽きた。
あとは斜め読みしたが、やはり社会的背景はいっさい書かず、
キャラクターのみの魅力で引っぱるのは辛い。
 犬神明が二足歩行する巨大ウサギと砂漠をさまよう、
という話に何のリアリティがあるのだろう。
そこで、また延々と堂々めぐりの議論が続く。
 社会から切り離された「砂漠」「密林」という舞台は、
平井作品によく出てくるが、
社会的な背景を描けない、
頭の中の理念先行の作家であるので、
どうしてもこういう展開になるのだ。
タイトル 舞台
「狼よ故郷を見よ」 雪山
犬神明がネズミと戦うやつ 地下道
「人狼戦線」 山奥
「死霊狩り」 孤島(ゾンビー島)
「リオの狼男」 密林
狼の怨歌 地下室
狼のレクイエム 地下道、CIA本部

(昔からこの傾向はあったけど、
設定や世界観を既製のものを使っていたので
そこはうまくごまかせていたし、
心理描写がもっと丁寧だったと思う。)
 文体も相変わらず同じで、
思いつくまま書いていると思った。

 これで、平井和正とは切れたと思ったのだけど・・・

 その後の作品(泉谷あゆみの時代)
 泉谷あゆみのイラストで
平井和正が版元を変えて
何か書いているのは知っていた。
 それは「月光魔術団」なんだけど、
あのイラストを見ただけで、
買う気は起きないのだが、
なんと「月光」は「狼の紋章」の続編なのだという。
(学園を舞台にしたウルフガイ。
しかも今度の犬神明は女の子。なんのこっちゃ?)

 泉谷は「狼の紋章」を読んで感激し、漫画化をするつもりで
平井を訪ねたところ、そこに「月光魔術団」の言霊が平井に来たので、
イラストに回ったとか、いう平井らしい話である。
 さて、 「狼の紋章」の続編ときくと、
やはり「月光魔術団」も読まねばならなくなり、
ブックオフで1冊100円だったのを機に、
5巻まで買って読む。
 このころはもう昔の文体を期待せず、
新しい作家として平井和正を評価して、
とにかくまっさらな気持ちで読むよう努力して
取りかかった。
 結果、1巻はまあそれなりに楽しめたが、
2巻以降、だんだんと読むのが辛くなり、
結局5巻以降は読んでいない。
 展開が思いつきで進んでいる気がするし、
5巻の内容は1巻で書いたほうが、
小説としてまとまる気がするが、
作者は「小説の完成度」とか、
そういう小さなことは考えていないように感じた。
 とにかく、もう平井和正は僕には合わないと再確認。
僕が高校生ならまだ楽しめたのかもしれないけど、
大人になるとキャラクターのみで成立して、
社会的背景が書き込めてないようなものはもう読めない。
これで、平井和正とは切れたと思ったのだけど・・・

 「きまぐれ爆走時空バス」という本が
集英社文庫から出ていた。
 題名はヘンだし、イラストもおかしいので、
買う気はなかったのだけど、あとがきを読むと
高校生の頃のアイデアをふくらませて書いたのだという。
高校生の頃と言えば、平井作品の原点。
「レオノーラ」「殺人地帯」などが思い浮かぶ。
当時に比べれば格段のキャリアの差だから、
こなれてきてるだろうし、
アイデアが初期のままで書かれたのだとすれば、
もしかしたら面白いかと思い、買う。
(ただしブックオフ300円)。
 前半はそれなりに面白いく、
現代の高校生が乗ったバスが
タイムトラベルしてしまうと言う話。
 しかし、やはり登場人物は延々と議論を続ける。
(大学のゼミならともかく、日常生活でこんなことしないって)
 後半は、舞台がなぜか砂漠に行き、
魔王と戦うのかなんか・・・
(斜め読みなので分からなかった)。
 普通のタイムトラベルものなら、
現代からある時代(例えば、明治時代とか)に突入するので、
その時代のことをよく調べて、服装や言葉、風俗、背景など
違和感のないよう書かないといけない。
 しかし、平井は常に理念先行で書くので、
最も安易な行き先として
社会から完全に切り離された「砂漠」にバスを送ってしまうのだ。
 こうするとあとはキャラの魅力で引っ張るしかないが、
こういうのは大人になると読めない。
だから、僕は砂漠に出てから急ににつまらなくなった。

 これで、平井和正とは切れたと思ったのだけど・・・
 「月光魔術団DNA」
 「幻魔大戦DNA」
 まだまだ続く・・・・  

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