★阿修羅♪ > 番外地6 > 568.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
スイスフラン暴騰
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/568.html
投稿者 中川隆 日時 2015 年 1 月 19 日 14:54:23: 3bF/xW6Ehzs4I
 


【速報】スイスフラン歴史的大暴落

突如、スイス中銀は政策金利を-0.75%に引き下げて、スイスフランの上限策を中止しました。

これまで、スイス中銀はユーロフラン1.20以上を維持する政策を取ってきており、1.20を
割り込むとスイスフラン売りの為替介入を行ってきたため、通常のトレーダーは安心して
ユーロフランを買っていたのですが、これがなくなったためスイスフランが急騰してユーロフランが大暴落、ドルや株価にも大きな変動を起こしています。
http://matome.naver.jp/odai/2142132210649651101


【CHF】スイスフランのレートに一喜一憂するスレ Part83
http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/livemarket2/1421317282/


スイスフランの歴史的動き 2015-01-15 19:48:50

ついにSNBがユーロペッグを外した。

さすがに中央銀行が売りを止めるとすさまじいことになる。

為替の恐ろしさを改めて再確認した。

うちの業者では、今日のスイス円は上が150円、下が115円になっている模様だが、もっと大きな動きを見せた業者もあるようだ。

ストップを入れていない場合、フランがらみのトレードはとんでもないことになったはずだ。儲かった人もいるかもしれないが、上昇の途中でおかしなところでロングして下落に巻き込まれた人もいるかもしれない。

Unknown (やまは) 2015-01-16 16:12:50

FXのリスクのひとつ、流動性リスクをしっかりと観察できてよかったと思います。
これもひとつ勉強になりました。

とにかくスイスフランに関しての私の個人的な信頼度はこれでゼロになりました。

今までもあまり扱ったことはありませんが、今後、二度とスイスフランはトレードしません。

世界の中銀と相談なしに、ハードカレンシーであるCHFの相場をパニックにしたSNBはもうダメだと思います。IMFのラガルド専務理事がSNBから事前に聞いてなかったと激怒しているようですが、当然のことでしょう。

Unknown (大口) 2015-01-16 22:04:41

911の時にプライス表示が不安定になり、その後システムダウンしました。

当然に新規も決済も不可な状態でポジ持ちだったので超あせりました。

たまらずフリーダイヤルに電話しましたがつながらず、そのFX業者の本部機構に電話してから現場デスクに回してもらいました。

ドル円とユーロドルだけはプライス出せますとの事でした。

ユアーズ〜ダン 手数料も電話取引で割増なはずがサービスでした。

ドル円とユーロドル以外は実質エキゾチック通貨だと知った瞬間でした。

今は亡き○○物産フューチャーズでのやりとりでした。


Unknown (やまは) 2015-01-16 23:02:56

大口さん

911の時の貴重な経験ありがとうございます。やはりそういうことになるんですね。

戦争なども含め、FXの最大のリスクはこの流動性リスク、なんでしょうね。
http://blog.goo.ne.jp/yamahafx/e/56eb586723c452023be5a805000a1283


スイスフラン暴騰 2015-01-16 08:29:25

スイス国立銀行(スイスの中央銀行)が「1ユーロ=1.2スイスフラン」の為替防衛線をいきなり撤廃。スイスフランが、一時は何と40%以上も暴騰しました。

スイス国立銀行は、スイスフランの上昇を抑えるため、無制限のフラン介入(スイスフランを発行し、外貨を買う)を非不胎化でやってきました。非不胎化とは、為替介入時に、
「自国通貨の量の増加を相殺する金融調節」を「実施しない」形の為替介入です。すなわち、スイスが為替防衛ラインを守るために為替介入した際に、外貨購入のために発行されたスイスフランがそのまま「マネタリーベースの拡大」になっていたわけでございます。

結果、スイスは日本の数倍のペースでマネタリーベースを膨張させたのですが、「物価」は上昇しませんでした。

そして、あまりにもスイスフランMBの発行額が増え、スイス国立銀行が怯えて(恐らく)防衛ラインを破棄した途端、超スイスフラン高が発生。さらに、スイスの十年物国債金利は「マイナス0.03%」になってしまいました。

信じがたいことですが、スイスの長期金利は「マイナス」になってしまったのです。もちろん、人類史上最低です。

人類史上初めて「長期金利が1%を割った」のは日本ですが、「人類史上初めて長期金利が0%を割った」国はスイスとなりました。いや、別に超低金利を競っているわけではありませんが。

スイスの事例は、日本に貴重な示唆を与えてくれました。すなわち、金融政策「のみ」で物価上昇や通貨安を目指すことは、「危険」であるという事実です。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/

スイスフランが暴騰しました。


 昨日、スイス国立銀行(スイスの中央銀行)は2011年9月に設定した1ユーロ=1.2スイスフランの上限を、突然撤廃。


 さらに、銀行がスイス国立銀行の当座預金にお金を預けた際の金利を、マイナス0.25%からマイナス0.75%に引き下げ(スイスもマイナス金利をやっているのです)。


 結果、スイスフランは一時、1ユーロ0.851フランにまで急騰し(何と、上昇率41%!)、最終的には1ユーロ0.92フラン、対前日比「30%」高で取引を終えました。


『スイス中銀がフラン上限廃止、「持続不可能だった」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KO0VA20150115


[チューリヒ 15日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は15日、過去3年にわたり維持してきたスイスフランの対ユーロの上限、1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表した。発表を受けてスイスフランは30%近く急騰、通貨高による輸出下押しへの懸念からスイス株は急落した。

 スイス中銀のダンティーヌ副総裁は12日、フラン上限について、今後も主要な金融政策手段、との認識を示したばかり。市場は完全に意表を突かれた形だ。

 今回の発表は、量的緩和(QE)策が発表されるとの観測が高まっている欧州中央銀行(ECB)理事会の開催を1週間後に控えたタイミング。実際にECBがQEに乗り出せば、スイス中銀は上限維持に向け継続的な市場介入を余儀なくされる可能性があった。

 ジョルダン総裁は会見で、決定は「パニック的な反応」ではなかったとし、持続不可能だったため上限を撤廃したと説明した。

 その上で「このような金融政策の解除を決定した際には、市場の不意を突く必要がある」とした。(後略)』


 金融市場は、もちろん大混乱。ドイツでは、電子為替取引システムに障害が発生。さらに、ドイツ銀行のプラットフォーム「オートバーン」は、一時的に価格提示を停止。


 日本の金融市場でも、日本円の為替レートが急騰。1ドル116円に円が高騰。今日の日本株は、間違いなく下落することになるでしょう。


 スイス国立銀行は、

「フランの過大な評価は弱まった」

 として、上限を撤廃することを発表したわけですが、現実の「金融市場」は想定外の動きをしたわけです。


 スイス国立銀行のジョルダン総裁は、

「パニック的な反応ではなかった」

 と発言していますが、いやいや、パニックでしょう、どう考えても。


 スイスフラン暴騰を受け、スイス株式市場では時計大手スウォッチ 、時計ブランド「カルティエ」などを傘下に持つリシュモン 、銀行大手UBS などが軒並み10%前後の株式急落となりました。今後、スイスの輸出企業にダメージがいくのは間違いないですが、それ以上に「パニック売り」という話なのだと思います。


 結局、グローバル資本主義があまりにも進み過ぎ、「誰にもコントロールできない」状況に至っているように思えるのです。


 金融経済の世界では、投資先は選ばず、お金の「貸し借り」が増えていけば、バランスシートが膨らんでいきます。バランスシートが膨らむとは、負債側はもちろん増えますが、資産サイドも増えます。結果、「株価」「為替」などの金融資産の金額が膨張していくことになります。


 そして、ここがポイントですが、金融経済で資産価格が上昇していくのみでは、直接的に実体経済で所得は創出されません。お金の貸し借りや金融資産の購入は、手数料収入を除き所得を生まないのです。


 問題は、金融資産の価格変動は直接的に所得を生みませんが、
「金融資産の価格が暴落した」
 事態になると、間違いなく実体経済が悪影響を受けることです。


 グローバル金融が暴走する、グローバル資本主義を以下に制御し、実体経済へ悪影響が及ぶことを防ぐのか。先日のチャンネル桜の討論でも最後に言いましたが、「資本移動の規制」を主要国が検討するべき時期が来たとしか思えないのです。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11977784914.html


2015年1月15日のスイスフランは、ブラック・スワンだった


2015年1月16日、イギリスの外国為替証拠金取引(FX)業者であるアルパリ社がいきなり破綻するという衝撃的な事件が起きている。

また、世界最大のFX業者であるFXCM社も同じ頃、倒産寸前に陥って他社に救済されるという状況に陥っていた。

その理由は2015年1月15日に、スイス国立銀行が、1ユーロ1.20スイスフランの上限を撤廃するという政策を突如として発表したことにあった。

スイスは今まで政府がフラン安になるように介入し続けてきたのだが、いよいよそれが限界に達して政策放棄に追いやられたということになる。

スイス政府が通貨安政策を続けていた理由は、輸出を守るためである。通貨安は自国の輸出産業を利する。さらにスイスは観光立国でもあるので、通貨安によって観光客にも来てもらいやすい環境を整えることができる。

そのため、スイス国立銀行は2011年9月以降、ずっと市場介入を続けてきて、自国通貨を売り続けてきた。

スイスフランの価格のゆがみは一気に是正された

しかし、現在ユーロは不況に喘いでおり、ECB(欧州中央銀行)もまた量的緩和するのではないかと見られている。

つまり、ECBによる量的緩和が行われると、スイス国立銀行はさらなるユーロ買いフラン売りに追い込まれる。現在でもスイスはこの政策のために外貨準備高がGDP(国内総生産)の7割を超える規模となっていた。

そのため、スイス国立銀行はこの為替介入の継続がこれ以上は持続不可能だったと認識し、上限を撤廃せざるを得なくなっていたのである。

この報道を受けて、3年以上も続いたスイスフランの価格のゆがみは一気に是正された。

フランは、一日で1ユーロ0.86フラン台にまで急騰するという価格変動に見舞われ、さらにスイスの株式市場も、一時は14%も下がるという事実上の「投げ売り」に入った。

こうした荒っぽい価格変動の直撃を受けたのが、レバレッジをかけて為替取引をしていたファンドや個人である。

ストップロス(損切りの設定)をかけていた個人もいたようだが、あまりの巨大な価格変動のためにストップロスが機能せず、強制的なロスカットに追いやられた挙げ句、追証まで発生するという状況になっている。

アルパリやFXCMが一気に経営危機に直面したのは、顧客の損失をこれらのFX業者が補填することができなかったからである。つまり、それほどの大損失を被った顧客が続出していたということである。

日本人でスイスフランを取引している人間は少ないと思われるので、全体的に見ればたいして影響はないが、円に対してはスイスフランは115円台からわずか30分で40円も価格変動を引き起こしたわけで、スイスフランをショートしていた個人はほぼ全滅と考えてよい。
http://www.bllackz.com/2015/01/201515.html

スイスフラン騒動で大儲けした人と大損した人の阿鼻叫喚の叫びまとめ #fx


げっ!超絶ロスカットwwww


全滅したろwwwwwwwwwwwww


まさに阿鼻叫喚。  -9000円で済んで良かったわ。


CHFJPY 115 → 125

EUR CHF 1.20 → 0.89

USD CHF 1.02 → 0.89

わずか数分の出来事である。

これ死人が出るだろ
低レバSでも追証じゃん
どうすんの?


1200万保有 20枚売りました
さようなら


ドルスイL脂肪
口座0円
-290万円
どうしよ

スイ円Sで詰みました
たったの2日で去年の利益+原資が消えて口座残高-420万と去年の税金です。
もうやめますさようなら

ユロスイ1.2組も死亡だよな・・・
生き残ったのはYしたやつだけ

−1700万
全財産飛んだ
終わった

-4300万 今の所、私が一番?


はあああああああああああああああああ????ん
え?なにこれゆめだよななああああおい!!

ここ10日ほど全通貨ノーポジだったが・・・
FX辞めようかなと思っている
一本前の飛行機が墜落したのと同じレベル

吐き気が留まらん…
-9200万とか絶対払えんぞ
うわなにやってんだおれ

口座の-2000万に頭にきて
スリスリしにきた猫を壁に思い切り投げたら
猫が倒れたまま起き上がらない
http://matome.naver.jp/odai/2142132210649651101
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2015年1月19日 23:30:51 : b5JdkWvGxs

フラン・ショック、損失広がる FX取引にリスク

朝日新聞デジタル 1月19日(月)21時34分配信


スイスフラン/円 チャート
http://www.asahi.com/business/exchange/chf-yen2.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150119-00000054-asahi-bus_all.view-000

 外国為替市場で先週、スイスフランが急騰したことを受け、外国為替証拠金取引(FX)業者が19日、相次いで損失を公表した。国内でスイスフランを取引していた投資家は少ないとみられているが、もうけが大きい分、大きい損失も伴うFXに専門家らは改めて警鐘を鳴らしている。

 インターネット証券大手のGMOクリックホールディングス(HD)は同日、子会社2社で、スイスフランに絡んだFXで顧客が被った損失のうち、約1億円分を会社側が肩代わりしていると発表した。顧客が損失分をすぐに穴埋めできないためだ。最終的に顧客から回収できなければ同社の損失となるが、「業績や財政状態に与える影響は極めて軽微」としている。

 マネックスグループも同日、国内外の子会社で顧客が被った損失のうち、約1億6千万円分を肩代わりしていると発表。国内分の損失は数百万円だというが、顧客が全体としてどの程度損失を被ったのかは、明らかにしていない。


02. 2015年1月20日 16:51:34 : b5JdkWvGxs

市場震撼! “スイス・ショック”に翻弄される日本企業21社
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156533
2015年1月20日 日刊ゲンダイ


“スイス・ショック”が世界の金融市場を震えあがらせている。15日にスイスの中央銀行が2011年9月から続けてきた為替の無制限介入を突如中止したことで、スイス・フランが暴騰。対ユーロで一時30%も上昇(ユーロ安でスイス・フラン高)し、金融市場はパニックに陥った。

 ユーロ安に引きずられる形で、円高が出現。円は一時1ドル=115円台と一気に4円も上昇した。

「円高を嫌って、輸出企業を中心に日本株も売られました。スイス・ショックは想定外。しばらく市場に悪影響をもたらすでしょう」(松井証券シニアアナリストの窪田朋一郎氏)

 スイス・フラン暴騰は、FX(外国為替証拠金取引)会社を直撃した。イギリスのアルパリUKは、顧客の膨大な損失を回収できず破綻に追い込まれた。国内のマネックスグループも未回収金が1億6000万円発生したと公表した。

「世界の金融界はどこでどうつながっているか分かりません。スイス・ショックが世界的な金融危機を誘発しかねないと警告する関係者もいます」(投資顧問会社エフピーネットの松島修代表)


03. 2015年1月20日 19:00:38 : b5JdkWvGxs
スイス中銀がもたらした衝撃 〜最高の「調達通貨」だったフラン暴落の意味と影響〜 (近藤駿介 証券アナリスト)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150120-00010003-scafe-bus_all

シェアーズカフェ・オンライン 1月20日(火)6時0分配信


◆ 物価下落に苦しむ中で通貨高政策に転じたスイス

「スイス国立銀行(中央銀行)は15日、自国通貨スイスフランの上昇を抑えるために対ユーロで設けていた1ユーロ=1.20スイスフランの上限を撤廃すると発表した。2011年9月以降、外国為替市場で無制限にスイスフランを売り、ユーロを買ってフラン高を防いできたが、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和観測もあって異例の政策の継続を断念したとみられる」(16日付日本経済新聞 「スイスフラン上限撤廃」)

市場は完全に「虚」を突かれた形となりました。2015年は、中央銀行にとって試練の年になるだろうことは想像していましたが、このタイミングでスイス中央銀行が対ユーロの上限撤廃に動くことは想定外のことでした。

スイス中銀の突然の決定を受けスイスフラン(CHF)は、「ユーロに対して一時41%上昇し、1ユーロ=0.8517フランの過去最高値を付けた。チューリヒ時間午後4時5分現在は1.03782フラン。対ドルは13%高の1ドル=0.8885フラン」(Bloomberg)と、急騰しました。

フランの急上昇を受けスイスの株式市場も急落。代表的なスイスSMIは▲8.67%下落し、ボラティリティは36.6%と、2011年9月にスイス中銀が対ユーロでの上限設定直前の8月に付けた43.5%以来の高水準となりました。スイスSMIのボラティリティは概ね13%前後でしたから、今回のスイス中銀の決定の衝撃の大きさが現れています。

スイス中銀の今回の決定が想定外であったのは、スイスもユーロ圏諸国と同様に物価の下落に見舞われていた(12月のCPIは前年比で▲0.3%)ことに加え、スイスフラン高を抑える政策を維持すると思われていたからです。

デフレからの脱却を目指すのであれば、明言できないものの、日銀のように通貨安政策をとるのが常套手段です。今回のスイス中銀のように、スイスフラン高を招きかねない政策は、輸入物価の下落を通して物価押し下げ要因になるからです。

「中銀の抱えるユーロ建て資産が際限なく拡大するリスクを無視できなくなったもようだ」(同日本経済新聞)という指摘もありますが、中銀資産のリスク拡大に対する不安もスイスフラン安要因ですから、物価下落に歯止めをかけるためにはそれを容認する選択肢もあったはずです。

結局のところ、今回スイス中銀はスイスフラン高に伴う物価の下落よりも、中央銀行の資産劣化に伴う信用力低下による通貨下落の方を懸念したということかもしれません。

蛇足ですが、日銀の営業毎旬報告によると、1月10日時点での日銀総資産は304兆6980億円で、そのうち84%に相当する255兆3145億円を国債が占めています。さらに、その内長期債は204兆8012億円(総資産の67%)となっており、純資産(資本金+準備金)が2兆8863億円に過ぎない日銀は、大きな金利上昇リスクを抱えているといえる状況です。

日銀は資産劣化による日銀の信用力の低下よりも、輸入物価上昇による物価高を優先しているということで、今回のスイス中銀の決断によって、姿勢の違いが明確になった格好になりました。

◆ 負けるはずのない戦を止めたスイス中銀

スイス中銀はスイスフラン高を抑えるために無制限の介入を続けて来ました。中央銀行と市場との戦いとしてまず思い出されるのが、「イングランド銀行を潰した男」として名をあげたジョージ・ソロスが1992年に仕掛けたポンド売りです。

しかし、ソロスがイングランド銀行を打ち負かすことが出来たのは、ポンド売りだったからです。イングランド銀行はソロスの仕掛けたポンド売りに対して「ポンド買い+外貨売り」介入で対応したわけですが、この介入は「売れる外貨」を持っている、調達する必要がありました。つまり、自国通貨の買い介入には限界があるということです。

これに対してスイス銀行が実施して来た介入は「自国通貨売+ユーロ買」でした。中央銀行は事実上自国通貨を幾らでも刷れるわけですから、イングランド銀行のように市場に負けることはあり得ない立場にいたといえます。

それにも拘らずスイス中銀が今回スイスフランの上限撤廃に踏み切ったのは、中央銀行の資産の劣化というコストに見合うだけの成果が上げられないと考えた証左かもしれません。

◆ 量的緩和では物価下落を止められない

スイス中銀は対ユーロでの上限を維持するために大量の「スイスフラン売+ユーロ買」を実施して来ました。この介入は、介入資金を吸収するオペを実施しない非不胎化介入でしたから、スイス中銀は大規模な資金を市場に供給して来たことになります。

スイスフラン売の介入で大量の資金がばら撒かれたにも関らず、スイスの消費者物価は足下マイナス圏まで落ち込んで来ています。つまり、市場に大規模な資金を供給することでスイスフラン高を抑え込んで来たのに、物価下落に歯止めをかけることは出来なかったということです。これでは中央銀行の資産内容の劣化というコスト(リスク)を掛けてまで自国通貨高を止める意味はありません。

直近で5%という高い経済成長を見せた米国でもディスインフレ懸念は払拭できていませんし、「異次元の金融緩和」で50%近い自国通貨安を実現した日本でも、デフレ経済への後戻り懸念が根強く残っています。このような事実が突き付けているのは、量的緩和では物価下落を止めることは出来ないということです。

このような金融政策の限界が見え始めているなかで、欧州中央銀行(ECB)も大規模な量的緩和に踏み切ることが見込まれています。ECBが効果が疑わしい量的緩和に踏み切るとしたら、スイス中銀が対ユーロでの上限を維持するためには、介入規模をさらに増やし、資金供給量を増やさなければなりません。それは同時にスイス中央銀行の資産内容の劣化を招くものでもありますから、スイス中央銀行がこれ以上お付き合いするのは無理だと判断したとしても当然かもしれません。

スイス中央銀行の対ユーロでの上限撤廃は、日米を中心に実施されてきた量的緩和政策のコストパフォーマンスに対して疑問を投げ掛けたものとなりそうです。ECB内でも量的緩和に対する意見が分かれていると報じられていますが、量的緩和による効果やコスト/リスクに対して世界の中央銀行が一枚岩ではなくなったことを白日の下に晒したという点において、今回のスイス中銀の決定は衝撃的であったといえそうです。

◆ 軽視してはいけない「最高の調達通貨」

スイス中銀の今回の決定は、金融市場にも大きな影響を及ぼしそうです。それは、スイスフランが金融市場において重要な「調達通貨」だったからです。

「調達通貨」の必要条件は、「通貨が切り上がらないこと」と「金利が上昇しないこと」の2つです。スイス中銀がこれまで対ユーロでの上限を1ユーロ=1.2スイスフランに設定して来たということは、ユーロに対しては為替リスクがないということでもありました。

さらに、ユーロ自体が対ドルで下落基調にありましたから、事実上対ユーロと固定相場になっていたスイスフランは、対ドルでも「切り上がることのない通貨」でした。しかも、物価も下落していますから「金利上昇リスクがない通貨」でもあるうえ、政策金利がマイナス金利にある唯一の通貨でもあります。

つまり、スイスフランは、キャリートレードにおいて「最高の調達通貨」であったといえます。

こうした状況のなかで、スイス中銀が対ユーロでの上限撤廃に踏み込んだということは、スイスフランが「切り上がる可能性のある通貨」に変貌したことを意味するものでもあります。スイスフランが「最高の調達通貨」から「切り上がる可能性のある通貨」に変化したことは、これまでキャリートレードを行って来た投資家にポジションの修正を迫るものです。

資金調達ポジションの修正を迫られる投資家が出てくるということは、当然資産サイドにも影響を及ぼすことになります。それに伴い、リスク資産市場のボラティリティが上昇することは自然の流れだと思われます。
メディアでは株式関係者の間を中心に、スイスフランはドル、円、ユーロという基軸通貨ではないから市場への影響は限定的であるという見方も紹介されているようですが、スイスフランがキャリートレードにおいて「最高の調達通貨」であったことを甘く見てはいけないと思います。

◆ 金利が消え、ボラティリティだけが残った

今回のスイス中央銀行の突然の対ユーロでの上限撤廃は、米国を中心にフォワードガイダンスによる中央銀行と市場の対話という世界の潮流の終焉を告げるものかもしれません。

米国のフォワードガイダンス修正に続いて、10月末の日銀の追加緩和、今回のスイス中央銀行の決定と市場の虚をつく金融政策が続いて打ち出されたということは、フォワードガイダンスに基づく金融政策の運営が制度疲労を起こし、世界の潮流ではなくなりつつあることを強く感じさせることです。

フォワードガイダンスが世界の潮流でなくなるということは、今後金融市場でボラティリティが上昇して行くことを想像させるものです。この10年ほど金融市場はフォワードガイダンスという名の下で中央銀行と馴れ合いを続けて甘やかされて来ましたから、フォワードガイダンスがない金融市場に対する投資家の対応能力はかなり落ちていると考えなくてはなりません。

フォワードガイダンスがない金融市場に対する投資家の対応能力が低下するなか、「金利」も低下し、0金利やマイナス金利も珍しいものではなくなって来ています。

金利がなくなりつつある中で、リスク資産のボラティリティが上昇する。

世界の投資家は、こうした「これまで教科書に存在しなかった金融市場」のなかでどのように戦っていくのでしょうか。世界の資産運用業務も岐路に立たされているという覚悟を持つ必要があるのかもしれません。

少なくとも「アベノミクスは買いだ」という安易な発想で運用計画を立てるような投資家は淘汰されていく運命にあるのかもしれません。GPIFの投資委員会の有識者達はどのように考えているのでしょうか。

近藤駿介 証券アナリスト 元ファンドマネージャー 経済評論家 セミナー講師


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 番外地6掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
番外地6掲示板  
次へ