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新潟・平標山で男性2人死亡 登山道で倒れる 2015年7月5日
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/624.html
投稿者 中川隆 日時 2015 年 7 月 16 日 07:03:25: 3bF/xW6Ehzs4I
 

(回答先: 雪の遺書 投稿者 中川隆 日時 2015 年 2 月 14 日 04:11:10)


平標山 - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%B9%B3%E6%A8%99%E5%B1%B1

平標山地図
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=z7Ah3yN3d1Og.khKSm-oduztc&msa=0&brcurrent=3,0x601e07cfef23d297:0xe604d6e608032f19,0&ie=UTF8&ll=36.815938,138.811606&spn=0.008819,0.055889&t=m&source=embed


【南魚沼の魅力】平標山(たいらっぴょうやま)
http://www.pref.niigata.lg.jp/minamiuonuma_kikaku/1356769580464.html

新潟・平標山で男性2人死亡 登山道で倒れる 2015年7月5日13時03分
http://matome.naver.jp/odai/2143604653990095601


 4日午後0時25分ごろ、新潟県湯沢町三国の平標(たいらっぴょう)山(1984メートル)登山道で、男性2人が倒れていると消防に救助要請があった。県警によると2人は心肺停止状態で、同県南魚沼市内の病院に搬送されたが、5日朝、死亡が確認された。ともに死因は急性心不全で、県警は病死とみて詳しく調べている。

 南魚沼署によると、2人は福島県喜多方市関柴町の会社員、蓮沼芳一さん(61)と同市寺町の会社員、真鍋守男さん(64)。福島県の女性と3人で登山していたが、蓮沼さんが「疲れたから先に登っていてほしい」と言ったため、2人が先に登った。蓮沼さんはその後、登山道で倒れているのを別の登山者らに発見され、連絡を受けた山小屋の管理人が消防に通報した。

 真鍋さんらは連絡を受けて引き返し、蓮沼さんを救助しようとしたが、その最中に真鍋さんも倒れたという。


平標山の遭難 2015/07/05 09:52

http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/023/691/37/N000/000/011/143603111173873948179.jpg

       昨日、スキーでよく出かけている平標山で遭難があった。福島から三人で出かけ、
       途中で一人が体調不良になりその場に残して、他の二人で山頂に向かった。

       帰ってくると、残された一人は心肺停止状態。先に降りてきた別のパーティに発見
       されていたが、救助中に二人のうちの一人も心肺停止になった、という。

       遭難記事を見るたびにその時の状況をいろいろ考えてみるのだが、今回のことを
       想像してみると、三人は元気に出発したが、途中で一人がバテたのだろう。

       ここで、彼らはどういう判断をしたろうか。多分その人は自分はバテたので、ここに
       いるから二人は山頂に行って来るように言ったのだろう。

       山はいつでもある、また来ればいいじゃないかとはいえ、わざわざ福島から出かけ
       て来たということを考えると、折角ここまで登ったのだし、あともう少しだから山頂を
       往復してくるよ、と二人は出発したのだと思う。

       ところが、戻ってみると彼は心肺停止。さらに追い打ちをかけるように、救助中に
       もう一人も心肺停止。いったい何があったのだろう。

       彼らの判断はよくあることであり、体調不良を訴えた人がどのような状態であった
       のか、詳細はわからないが、よくある普通の判断であったのだろうと思う。

       しかし結果としては、その判断は間違っていた。パーティを組んだら、絶対その
       パーティは崩さない。一番弱い人に合わせた行動をとる。今回の場合なら、体調
       不良を訴えた時点で登山は中止。

       自力で下山できるなら下山。無理なら救助要請を行う。あの山は大体の場所で
       携帯が使える。たとえ、足で救助要請するとしても、一人は残って介助にあたる。

       そうした対応が正しかったのだろう。しかし多くのこのような事態に、後者のような
       判断ができるだろうか。山頂往復の間に死んでしまうなんて、予想もできなかった
       ことだろう。ましてもう一人の人まで死んでしまった。

       自分の登山経験の中でも、これに似たようなことは何度も経験している。たまたま
       幸運なことに、事故には結びつかなかったが、こういう話を聞くと本当にラッキー
       だったとしか思えない。

       改めて、登山活動というものには想定外の事故がつきものであるという認識を
       持った。そして登山の基本をどんな時にでも忘れてはならないと肝に銘じた。

       それにしても、残された人はどんな気持ちでいるだろうか・・。
http://argonavis.at.webry.info/201507/article_7.html  

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コメント
 
1. 2015年7月30日 04:48:18 : b5JdkWvGxs

防ごう!山での心臓突然死(1)2015年6月19日
大城和恵 / 心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150619med00m010005000c


 前回、3大山岳死因は「外傷」「心臓突然死」「寒冷傷害(低体温症と雪崩埋没)」とお話ししました。心臓突然死は山域に関わらず起こり、登山者の多い時期に発生率が高いのが特徴です。中高年登山者が増え、ますます心配なのです……。

山での心臓突然死の特徴を知りましょう

1.突然死の原因は心筋梗塞

 中高年が山で心臓突然死を起こす場合、ほぼ全例が心筋梗塞(こうそく)によるものと報告されています。

Q:心筋梗塞ってどんな病気?

A:心臓に酸素を送る血管が詰まって(写真1)、心臓がポンプとして働かなくなる病気です。重篤な場合は心臓が停止します。

Q:心筋梗塞になると死に至りますか?

A:全てではありませんが、心筋梗塞で心停止を起こした人の半数は、1分以内に心臓が止まっています(図1)。これでは、山では救えません。

2.男性、持病のある人、運動不足の人は注意が必要

 山で心臓突然死を起こす人の特徴を知っておきましょう。

Q:年齢や性差は?

A:34歳以上の男性が9割を占めます。

Q:持病と関係あるの?

A:心筋梗塞や狭心症のある人、高血圧の人、コレステロールが高い人、糖尿病を持っている人に多く見られます。

Q:日ごろの運動は関係あるの?

A:年間2週間以上山登りをしている人の方が、山で心筋梗塞を起こしにくいと言われています。

「薬さえ飲んでいれば大丈夫だ!」「最近、検査なんてしていないなー」「久しぶりに山に行くぞー!」というのがいかに危ないか分かりますね。

3.初日・午前中に多い心臓突然死

 心臓突然死が多いのは、登山の初日、そして午前中です。これは、体が緊張状態(交感神経が活性化している状態)にあるからです。

Q:なぜ体が緊張状態になるの?

A:急激な運動、寒さや暑さ、酸素が薄い、水分不足、空気の乾燥などの急な変化に体がストレスを感じ取るからです。

Q:緊張状態はずっと続くの?

A:1日目が一番強く、2〜3日目までが高く、1週間続きます。1日目は要注意ということです。

Q:緊張したら、どうして良くないの?

A:血圧と脈拍が高くなると心臓に負担がかかり、血液がドロドロすると血管に詰まりやすくなります。こうして、心筋梗塞を起こしやすい条件がそろってしまうのです。

4.ささいなストレスも突然死に影響している

 登山に行く日は、朝早くて寝不足だったり、前日にちょっと晩酌しちゃったり……ということはよくあること。たいしたことないと思っているストレスが実は心臓突然死にまで影響していることもわかってきています。「心配事や不安がある」「睡眠不足」「風邪、虫歯、下痢などのちょっとした日常の病気」「朝食を取っていない、行動食もあまり食べない(炭水化物が不足)」「水分不足」などのときには、登山を控えましょう!

−エベレスト登山時にチームドクターとして同行した大城先生が語る−【冒険家・プロスキーヤー・三浦雄一郎さんのエピソード】

 三浦雄一郎さんは予備遠征中、ナムチェバザール(標高3440m) で、虫歯が悪化しました。たかが虫歯、されど虫歯です。虫歯があると、体調はすっきりしませんし、痛みがあれば血圧があがります。歯が痛くて食欲も落ちます。なんだか、心臓発作の足音が聞こえてきそうです……。そうです、不整脈発作が出始めていました。三浦さんは、すぐに登山を中断し、歯の治療を行いました。この決断の潔さは、本当に見事なものでした。

 山で心臓突然死を起こす人の特徴をお読みになって、自分もあてはまるのでは?と不安になってきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。


2. 2015年7月30日 04:54:54 : b5JdkWvGxs

防ごう!山での心臓突然死(2)2015年7月3日
大城和恵 / 心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150702med00m010006000c


 前回は、山での心臓突然死の特徴をお話ししました。「自分にあてはまっているな」と思った方がいらしたのでは? 山から病院までは遠すぎます。山で心臓発作を起こすと、助かるのは大変難しいことがおわかりになったと思います。登山前の事前健診と“心臓に優しい”登り方で、予防するしかありません。

予防に尽きる!

 予防には、「1.事前の準備」「2.登山前日の予防」「3.登山当日の予防」の3段階あります。

1.事前の準備

 (1)規則的な運動

 (2)病院で検査を受診: 40歳以上の男性で、日ごろ運動していない人は運動負荷試験(運動しながら心電図の変化を調べる検査)を受けましょう。私の登山外来(心臓血管センター北海道大野病院)が得意とする検査です。

 (3)持病の治療:持病がある方は、現在治療中の持病(病気)において、登山など負荷のかかる運動時に気を付ける点を確認しましょう。

 (4)禁煙:喫煙は動脈硬化を促進させ、心筋梗塞(こうそく)の原因になります。また、肺が壊れて、息切れの原因になります。


(左)運動負荷試験/(右)心臓CTで見つかった冠動脈硬化

2.登山前日の予防

 日常生活では見過ごしがちですが、登山中の心臓突然死に影響するとなれば、登山前夜は改める必要がありますね。

 (1)十分な睡眠を取る

 (2)アルコールは控える

 (3)水分を取る

3.登山当日の予防

 登山当日は、急激な運動、温度の変化、空気の乾燥などにより体がストレスを感じることで交感神経が活性化し、体が緊張状態にあります。体の緊張状態を和らげ、心臓に優しく登りましょう。

 (1)初日はゆっくり登る:科学的には、乳酸がたまらないペースが、“心臓に優しいペース”です。以下のスピードが、乳酸がたまらない目安になります。

 ・平地の半分のスピード

 ・話をしながら登れるペース

 (2)水分摂取:登山前に500ml水分を取る。

 Q:水分摂取のコツはありますか。

 A:塩分を取ると、体は水を保持しやしすくなります。朝食をしっかり食べて、塩分を補給しましょう。

 Q:出発前に水分が足りているかの目安は?

 A:起床して排尿したあともう1回排尿したら、体に水分が循環したサインで、出発準備が整ったことになります。起床時の排尿は夜間の尿ですので、それだけでは体はまだ潤っていません。そのまま登山開始すると「かくれ脱水」状態で危険です。

 Q:何をどの程度飲むの?

 A:汗をかくので、塩分補給にスポーツドリンクを半分程度に薄めたものを30分ごとに飲みましょう。一度脱水になると回復に半日以上かかります。

 Q:女性はあまり水分を取りたがりません。

 A:女性はトイレを気にして水分補給したがらないものです。リーダーは強制的に女性のトイレタイムを取って、「大丈夫です」と言われても、トイレに行かせてください。

 (3)炭水化物補給:心臓突然死には、炭水化物の不足が関係している、と言われています。朝食をしっかり取り、行動食(携帯食)を2時間おきには取りましょう。朝食の次の食事が昼食では、炭水化物不足です。

−エベレスト登山時にチームドクターとして同行した大城先生が語る−【冒険家・プロスキーヤー・三浦雄一郎さんのエピソード】

 三浦雄一郎さんは、1日に歩く距離を従来の半分に減らす「年寄り半日仕事」を守って、エベレストに登頂しました。心臓に持病のある三浦さんは、倍の時間をかけて登る自分の体に合った登り方を自ら選択し、発作を予防したのです。水分は本当に30分おきに飲んだのか?というと、実は、予備遠征の時には、そういう習慣がなく、少々戸惑っておられました。飲む量も少なめで、実際、不整脈発作が出てしまいましたが、エベレスト遠征時には、「そろそろ水を飲まないと」と自分から口にするようになりました。「水分補給をする」ことを強制的に繰り返すうちに体が覚えてしまったようです。予防策も一朝一夕には身に着かないものなので、最初は意識しないといけませんね。


3. 2015年7月30日 04:59:04 : b5JdkWvGxs

防ごう!山での心臓突然死(3)2015年7月10日
大城和恵 / 心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150709med00m010002000c


 前回は、山での心臓突然死を防ぐために知っておきたい、事前の準備、登山前日および当日の予防法についてお話ししました。今回は「山での心臓突然死」の最終回。登山中に気をつけたい「体の緊張状態」を知る方法と、実際に心臓発作が起きてしまった場合の対応法についてご紹介します。

1.体の緊張状態を知るにはどうしたらいいですか?

 心臓突然死が登山の初日と午前中に多いことは、「山での心臓突然死(1)」でお話しした通りです。これは交感神経が活性化して体が緊張状態にあるからです。自分の体が緊張状態にあるかどうかを知るために、以下の2点を確認しましょう。

 (1)排尿の回数がいつもより少なくないですか? :脱水状態にあると、排尿の回数が日常生活より少なくなります。排尿回数の減少は血液がドロドロする原因にもなります。脱水はより体を緊張状態にするため、休憩を増やして、水分をよく取りましょう。

 (2)休んでも脈拍が速くないですか? :登山の1日目に、休憩しても脈拍が下がらないことはよくありますが、これがまさに緊張状態! 出発前、そして1日目は休憩のたびに脈を測ってみましょう。休んでも1分間に90回以上脈を打っている人は、かなり要注意です。心臓が悲鳴を上げています。休憩して、水分を取り、ペースを落とす必要があります。休憩した時に、出発時と同じくらいまで脈が下がるようであれば、体の緊張は随分回復しています。

−エベレスト登山時にチームドクターとして同行した大城先生が語る−【冒険家・プロスキーヤー・三浦雄一郎さんのエピソード】

 三浦雄一郎さんの予備遠征の時の話です。遠征初日は心臓が緊張状態でした。普段は1分間に70〜75回程度の脈拍が、初日は1分間に130回程にまで上がり、休憩しても、120回程度にまでしか下がりませんでした。1週間も過ぎ、標高が4500m近くまで来ました。標高が上がるので、さぞ負担が大きくなるのでは?と思うのですが、三浦さんの脈は80回に落ち着いていました。歩けば110回程度まで上がりますが、休憩すると、すぐに80回に下がるのです。1週間してようやく体が登山に慣れ、緊張状態から回復。遠征本番では、心臓に優しい「年寄り半日仕事」が誕生しました。

2.山で心臓発作が起こったら?

 実際、登山中に心臓発作が起きてしまったら? 慌てずに対応できるよう、以下のポイントをチェックしておきましょう。

Q:そもそもどんな症状なの?

A:胸が、「しめつけられる」「重苦しい」「踏みつけられた」ように感じます。痛みの箇所が指させるほど狭い範囲、もしくはチクッとした数秒の痛みは、心臓発作の痛みではない可能性が高いです。

Q:休めばよくなりますか?

A:冷や汗をかくような胸の痛みが初めて起こったのであれば、心臓発作を疑います。一度よくなったとしても、歩き出したらまた起こる可能性があります。

Q:すぐにやることは?

A:(1)安静に休みます

 (2)周りに人を集めましょう

 (3)110番か119番をします:携帯が通じない場合は、無線か衛星電話があれば貸してもらうか、もし借りることができなければ、携帯がつながるところまで誰かに行ってもらいましょう。近くに山小屋があれば、そこでお願いします。

 (4)近くにあれば、自動体外式除細動器(AED)を用意しましょう:心臓発作を疑ったら、ただちに用意します。心臓が止まってからAEDを探しに行っては間に合いません。 

Q:どんな姿勢をとったらいいの?

A:楽な姿勢がいいですよ。上体を起こして、もたれているのが楽でしょう。

Q:意識がなくなった!!!

A:すぐに平らにあおむけに寝かせ、呼吸をしていなければ心臓マッサージを始めましょう。たとえAEDがなくても、心臓マッサージを直ちに開始することが最も重要です。

 山で心臓突然死から救えるチャンスは非常に少ないですが、ゼロではありません。そのためには三つのことが必要です。

 (1)通信手段を確保している(携帯はいつもつながるわけではありません)

 (2)救助要請する(天気が悪いと、救助までにかなり時間を要しますが……)

 (3)心臓マッサージをする(呼吸が止まったら、ただちに始めます!)

 でも、やっぱり、予防に勝る治療はないのが、特に、この山での心臓突然死なのです。


4. 2015年7月30日 05:03:19 : b5JdkWvGxs

ちょっとけがをした−それは「遭難」ですか? 2015年6月1日
大城和恵 / 心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
http://mainichi.jp/premier/health/entry/index.html?id=20150529med00m010032000c


 いつの間にか中高年入りしてしまった「登山外来の現場から」執筆者の大城和恵です。

 体の動きも体力も昔と違うことを少しずつ感じています。最近は、ちょっと臆病に、ちょっと慎重に、自分を戒めながら山に登っています。そう言いつつも先日、登山中に骨折してしまいました。「救助は呼びたくないなー。『国際山岳医救助される!』なんて書かれたくないなー。勝手に登ったのに、自力で下りないのは嫌だなー」と思いながら、なんとか1人で下山。靴の選択が悪かった、と反省しました。

 「不注意だ」と言われたら、まったくその通り。気にはなっていたんです……と心の中で言い訳する始末で、弱い立場を思い知るのでした。

 小さなミス一つは、条件がよければ対応できる。小さなミス一つでも、条件が悪ければ1人ではどうにもならない。小さなミスが二つになると、死にさえする。幸い、若い頃は小さなミスで済んできたが、年をとると小さなミスで終わらなくなるし、今までミスなんてしなかったところでミスをする。

 中高年というのは、うまくいかないことがあって初めて「自分は年をとった」と実感できるものです。登山の際、「山をなめていた」というより、「老いがこんなものとは知らなかった」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 「私は大丈夫!」と思った方、そういうあなたこそ、要注意ですよ!

 「では、何に注意をしたらよいのか」を、この連載を通してお話ししていきます。

 山を愛する人を応援する、山の医療コラムが今日からスタート!

 遭難しない登山者を目指す皆さんのお役に立ちますように……。

「遭難」ってどういうこと?

 遭難は書いて字のごとく、「難に遭う」ことです。ひどく大げさに響きますね。当事者としては「ちょっとけがした」「道を間違えた」「事故った」と表現したいものです。しかし、自力で下山が困難となった状態、連絡もとれず周囲に心配をかけた状態は、まさしく難に遭う、そう「遭難」なのです。私の知り合いも、さんざん救助隊にお世話になりながら、「事故報告書」という言い訳ばかりの報告書を書いていました。自分も、当事者になるとこうなってしまうのかな、と省みるのでした……。

山岳遭難者の7割が40歳以上の中高年

 2014年に発表された警察庁の調査(※)によると、13年中の山岳遭難者は2713人。一年を通して、遭難者の年齢は40歳以上の中高年が1996人と全体の約4分の3(73.6%)、うち60歳以上が1258人と全体の約2分の1(46.4%)を占めています。さらに遭難者のうち死亡または行方不明となった方320人のうち、実に6割以上となる204人(63.8%)が60歳以上。年を重ねるほど遭難の割合が高くなり、遭難後の生存率は低くなっているのです。しかし、雪の降る時期では、バックカントリースキーヤーやスノーボーダーが増え、冬の遭難だけをみると、比較的若い30代、40代の遭難者が目立ちます。これについては、初冬のコラムで取り上げます。

遭難の理由No.1は「道迷い」

 遭難件数の多い県は順に、1.長野県、2.静岡県、3.北海道、4.富山県。救助を要請した理由で最も多いのは、「道迷い」で4割強(41.8%)です。それに滑落(17.0%)と転倒(14.5%)が続きます。病気が1割弱(8.1%)で、その他に、疲労(5.0%)、悪天候(2.4%)、雪崩(0.7%)などがあります。

 「道迷い」は医療とはあまり関係ないようですが、うろうろと探しているうちにエネルギーが枯渇し、まだ寒い春山で緊急的に野営した結果、低体温症になってしまうなど、救助を要請した理由には生死に関わる医療的問題が隠れているのです。「滑落と転倒」には、捻挫や骨折で動けないというものから、多発外傷や頭部外傷により死を招くものまで幅広く含まれています。「病気」はわずか8.1%ですが、重症が多く死亡率が高いのが特徴です。心臓発作による救助要請が目立っています。

県によって異なる主な死因

 死者および行方不明者は全遭難者数の11.8%です。死者数の順では、1.長野県、2.富山県、3.北海道、4.山梨県と、遭難件数の多い県の順位とは異なります。13年の死亡が多い3県の死因(図1、図2、図3)を見ると、山域ごとに死因には違いがあることがわかります。

 なお、長野県(図1)、富山県(図2)は13年度の統計のため、その年度に大きな遭難事案が発生した場合、それに影響を受けた統計になります。北海道(図3)は過去12年分の統計です。

 死因は、外傷、寒冷傷害(低体温症、雪崩埋没)、心臓発作が圧倒的に多い点で共通しています。外傷と雪崩埋没は地域差が大きく、心臓発作は山域に関わらず、一定の割合で起きています(図4)。

 次回は、「中高年に多い山での心臓突然死」について、詳しくお話しします!

※警察庁生活安全局地域課「平成25年中における山岳遭難の概況」(14年6月12日警察庁発表)

【登山Q&A】

Q1:登山中に 1人で手に負えない状況になったら?

A1:速やかに110番、あるいは119番に電話しましょう。どちらでも構いません。ためらって救助要請が遅れ、日没になると、救助に来られなくなることもあります。救助要請時に大事なのは以下の3点です。

(1)「山岳遭難です」と言いましょう。電話に出る人は、街の交通事故や事件や病気を扱うことがほとんどですので、最初に趣旨を伝えてしまいましょう。

(2)「場所」を伝えます。途中で電波状況が悪いと通信ができなくなりますが、場所さえ伝えておけば、より早く捜してもらえます。

(3)携帯電話などは、バッテリーを温存するため、余計な電話はかけないようにしましょう。冷えるとバッテリーが消耗するので、懐で温めておきます。

Q2: 万一の場合に備える登山の必携アイテムと言えば?

A2:(1)カッパ:雨風をしのげます。冷えたら一気に低体温症になりますよ。

(2)ヘッドライト:光があるとより安全に行動できます。

(3)通信手段:携帯電話は通信圏外もまだ多くあります。アマチュア無線、衛星電話も有効です


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