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狙われる?貧困層の若者 「経済的徴兵制」への懸念
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投稿者 中川隆 日時 2015 年 8 月 03 日 07:29:19: 3bF/xW6Ehzs4I
 

(回答先: 先進国で有数の貧乏国民になりつつある日本人 投稿者 中川隆 日時 2015 年 5 月 03 日 11:24:20)

特集ワイド:狙われる?貧困層の若者 「経済的徴兵制」への懸念

毎日新聞 2015年07月23日 東京夕刊


絶対、あり得ない−−。安全保障関連法案の議論で「徴兵制復活に道を開くのではないか」と追及を受けると、安倍晋三首相ら政権幹部は必ず断定調で反論する。だが今、経済的な事情から貧困層の若者が自衛官の道を選ばざるを得ない「経済的徴兵制」への懸念が語られ始めている。これを杞憂(きゆう)と言えるのか。【小林祥晃】

 ◇「苦学生求む」自衛隊勤務で学費無料/下位階級は大幅な定員割れ

 「格差社会では、徴兵制は必要ありません。志願兵はいくらでも、経済的徴兵制で集められるのですから」。米国社会に詳しいジャーナリストの堤未果さんは言う。どういうことか。

 貧困から抜け出し、人間らしい生活をするためにやむなく軍に入隊する。そんな実態を、米国では「経済的徴兵制」あるいは「経済的な徴兵」と呼ぶ。堤さんは著書「ルポ 貧困大国アメリカ」で、経済的徴兵制に追い込まれた若者の例を紹介している。

 イリノイ州のある若者は「この国で高卒では未来がない」と、無理をして大学を卒業したが職がなかった。残ったのは奨学金約5万ドル(約620万円)の返済と、在学中の生活費に消えたクレジットカードの借金約2万ドル(約250万円)。アルバイトを掛け持ちして返済に追われたが、そんな生活を変えたいと2005年に軍に入隊した。

 入隊したのは、国防総省が奨学金返済を肩代わりする制度があるためだ。米軍には他にも、除隊後の大学進学費用を支給する高卒者向けの制度もある。「若い入隊者の多くは、こういった学資援助の制度に引かれて志願しますが、入隊期間などの支給条件が厳しく、奨学金や進学資金を満額受給できるのはごく一部」(堤さん)。ちなみに、イリノイ州の彼は入隊直後、イラクに約1年派遣されたが、帰還兵特有の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患い、働けなくなった。

 世界の兵役拒否制度を調べている京都女子大の市川ひろみ教授(国際関係論・平和研究)によると、米国が徴兵制から志願制に切り替えたのはベトナム戦争から米軍が撤退した1973年。その後、フランスも90年代半ばに、イタリア、ドイツは00年以降、相次ぎ志願制になったという。「徴兵制の廃止や停止は世界的傾向です。無人機の登場に象徴されるように、大勢の兵士が総力戦にかり出された第二次世界大戦期などとは、戦争のあり方が激変したのです」と説明する。

 だが、いくらハイテク兵器が発達しようが、敵地を占領するには地上戦は欠かせない。だから軍隊は若い兵士を一定数確保する。米国の場合、ここで経済的徴兵制が機能する。

 堤さんが解説する。「社会保障費や教育費の削減とともに、経済的困窮者の入隊が増えたのです。特に08年のリーマン・ショック以降、軍は入隊の年齢制限を緩め、若者だけでなく中年の兵士も受け入れています」

 日本でも「格差」が問題になって久しい。大学生の半数は何らかの奨学金を受給し、低賃金や失業による返済滞納も増えている。働いていても生活が苦しい「ワーキングプア」がさらに増えれば、米国のような経済的徴兵制の社会になる恐れはないのか。

 労働問題に詳しい熊沢誠・甲南大名誉教授は「自衛隊に入らないと食べていけないという状況には、すぐにはならないだろう」と断りつつ「生活苦の学生を狙った『ブラックバイト』が問題化していることも考えると、奨学金免除などの露骨な優遇策をとれば、志願者は増えるのではないか」と危惧する。

 実際に貧困と自衛隊を結びつけて考えざるを得ない出来事も起きている。

 今月、インターネット上にある写真が投稿され話題になった。「苦学生求む!」というキャッチコピーの防衛医科大学校の学校案内ちらし。「医師、看護師になりたいけど…お金はない!(中略)こんな人を捜しています」との言葉もある。作製したのは、自衛隊の募集窓口となる神奈川地方協力本部の川崎出張所。川崎市内の高校生らに自衛隊の募集案内などとともに送付したものだ。

 防衛医大は、幹部候補を養成する防衛大学校と同じく学費は無料、入学後は公務員となり給与も出る。ただし卒業後9年間は自衛隊に勤務する義務があり、その間に退職する場合は勤務期間に応じて学費返還(最高で約4600万円)を求められる。ネット上では、この背景を踏まえ「経済的徴兵制そのもの」「恐ろしい」など批判が渦巻いた。

 同出張所は「経済的理由で医師や看護師の夢を諦めている若者に『こんな道もあるよ』と伝えたいと思い、独自に考えた」と説明する。とはいえ、卒業生は医官などとして最前線に派遣される可能性は当然ある。ネット上の批判について、担当者は「考え方の違いでしょう」と話した。

 一方、昨年5月には文部科学省の有識者会議で奨学金返済の滞納が議題に上った際、委員を務めていた経済同友会のある副代表幹事(当時)が無職の滞納者について「警察や消防、自衛隊などでインターンをしてもらったらどうか」と発言し、一部の識者らから「経済的な徴兵に結びつく」との声が出た。実際にそのような検討はされていないが、既に自衛隊には、医歯理工系学部の大学3、4年生と大学院生に年間約65万円を貸与し、一定期間任官すれば返済を免除する「貸費学生」制度がある。熊沢さんはこう話す。「若者の学ぶ機会を広げる奨学金はそもそも無償化すべきだ。国が喜ぶことをすれば返済を免除するという手法は、不当な便益供与で好ましくありません」

 自衛隊の定員は陸、海、空合計で約24万7000人だが、実際の人員は2万人以上少ない約22万6000人(14年度末)。少子化の影響もあり、人材確保は常に課題だ。特に若手が担う下位階級の2士、1士、士長は定員の74%しか確保できていない。また防衛大学校では、集団的自衛権を巡って憲法解釈が変更された昨年度、任官拒否者が前年の10人から25人に急増した。

 堤さんは「経済的な徴兵の素地は、着々と整えられています」と力を込める。それは医療や社会保障などの相次ぐ制度改正だ。「安保法制に目を奪われている間に、派遣法改正議論や介護報酬切り下げ、各地を企業天国にする国家戦略特区など米国型株主至上主義政策が次々に進められています。特に心配なのが、日本にとって最後の防波堤である国民皆保険制度の切り崩し。近著『沈みゆく大国アメリカ』にも書きましたが、国内法改正、国家戦略特区、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の3方向から日本の医療は狙われている。戦争は国内からじわじわと始まるのです」

 市川さんは、米国で対テロ戦争の帰還兵に聞き取り調査した経験からこう話す。「犠牲者が出ても、志願制ゆえに一般の人は『自己責任』と考える。派遣された兵士が百数十万人といっても、人口比では1%未満です。多くの人は帰還兵の心の病の問題には無関心でした」。経済的徴兵で傷ついた人たちは、社会からも置き去りにされるのか。
 

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コメント
 
1. 2015年8月05日 13:40:36 : b5JdkWvGxs

「弱い者は死ね」という社会に突き進む日本 森永卓郎 2007年5月28日


 5月14日の参議院本会議で国民投票法案が与党の賛成多数で可決、成立した。いよいよ、憲法改定への動きが始まった。

 この法案を単に憲法改定の手続きを定めたものだから、これで憲法を変えると決まったわけではないという人もいるし、法律の施行は3年後だからあわてることはないという声もあるが、そうではない。

 この法律に基づいて次期国会では衆参両院に憲法審査会が設置され、憲法改定のための議論が始まる。実際に国民投票が行われるのは早くて2011年になるが、改定に向けた動きは始まっているのだ。

 与党は国民投票法案が成立したといっても自動的に「憲法9条改正」の話になるわけではないと言っているが、そもそも9条を改定するために作られた法律なのだから、そのことが採り上げられることは間違いない。

 「戦後60年も経ったのだから、憲法を修正するのは戦後レジーム(体制)の転換だ」という意見は一見もっともらしいが、憲法はそもそも国家の理念を定めたものだ。理念は時間が経っても変わるものではない。

 会社でも長生きしている組織ほど理念を変えていない。もちろん経営戦略は変えるが、基本理念を変えると会社はバラバラになる。

 「米国軍が押しつけた憲法だから変えるべきだ」と言う人がいるが、それは理屈にも大義にもなっていない。問題は憲法が国民にとっていいか悪いかであって、誰が作ったものかは関係ない。

“日本軍”が米軍の一部になる

 国民投票法案の最大の問題点は戦前の言論統制と同じ思想が法律の中に入り込んでいることだ。

 この法律が施行されると、公務員や教員は立場を利用して国民の投票行動を誘導するような発言をしてはならないということになるので、「憲法を変えてはいけない」としゃべっただけで逮捕されることになる。

 大学教授も教壇で学生に向かって、「この大切な憲法を変えるな」と言えなくなるのだ。こんなおかしな法律があっていいはずがない。

 放送事業者も中立を守らねばならず、何も発言できなくなる一方で、テレビコマーシャルに関しては投票前2週間だけを禁止期間としている。つまり、2週間前までは資金力のある政党が世論に訴えかけるコマーシャルを流しまくっても、テレビで議論はできない。

 そうなれば、一部の政党が国民の意見を誘導できることになる。

 政府はここまでしてなぜ憲法を変えようとしているのか。なぜ、憲法を変える必要があるのか。

 おかしなことに自民党の憲法草案では戦争放棄の条項は残して、戦力の不保持を変えようとしている。自衛軍を持つのに、なぜ戦争を放棄するのか。矛盾しているではないか。

 これは、自分の国を自分で守ろうという気など実は毛頭ないという証拠だろう。狙いは米国への媚び、へつらいである。

 世界の警察を標榜していた米国だが、イラク戦争の泥沼化などで、もはや世界に君臨し続ける体力がなくなってきた。極東の治安維持にまで力を回せなくなってきたというのが本音だろう。

 そこで、その役割を日本に押しつけたい。日本が米国の手先として極東の治安を守れというわけだ。要するに、米国が敵と見なして戦う相手とは、集団的自衛権を行使して日本も戦えという意味だ。

 だが、現状の憲法では後方支援だけで軍事行動は許されない。そのため、9条を改定して、自衛隊を軍隊に改組し、米軍の極東防衛戦力の一部となりたいのだろう。


戦場に行くのは負け組たち

 5月15日の衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数によって、イラク復興支援特別措置法の期限を2年間延長することが決まった。

 目的は自衛隊機が援助物資や兵隊、装備を今後も運び続ける必要があるからだという。確かに形式上はイラクのマリキ首相が日本に支援を要請する形になっているが、既にバグダッドでは民間の航空機が頻繁に飛んでいるのだ。そうした状況で、自衛隊機を飛ばす必要があるのだろうか。むしろ、NGOなど民間の支援団体に対して「イラク支援を助けてくれ。日本政府がバックアップするから」と言った方がいいのではないか。

 要するに、目的はイラク支援という形を取った米国の応援なのだ。だから、民間の活動ではなく、日本国の自衛隊機が飛ばなければならない。

 国民投票法案も同じだ。国を守るためでも、新しい国を作るためでもなく、単に米国への全面追従外交を強化するために他ならない。

 もし、憲法が改定され“日本軍”が米国軍の一部になったら、当然ながら日本が戦争に巻き込まれるリスクは大きく高まる。いざ戦争となれば、いま米国で起きていることが日本でも起きる。

 現在、イラク戦争で命を落とした米兵は3000人を超えた。しかも、最前線で戦う最下層の兵士の年収はわずか1万5000ドル(180万円)だ。そんな低賃金で命をかけてまで、なぜ彼らは戦場に行くのだろうか。

 それは、彼らの米国での年収がもっと低いからだ。年収100万円であれば、180万円は所得倍増だ。そして、低所得者だけが戦争の犠牲になっていく。

 日本も米国と同じような所得構造になりつつある。負け組と呼ばれるフリーター、ニートなどの若者たちに対して、勝ち組と呼ばれる人たちはなんと言っているか。

「増税して、生活を追いつめて、働かせろ」

 勝ち組にとって負け組は仲間ではない。彼らがどうなろうとも、自分たちさえよければいいというのが新自由主義の特徴だ。

 新自由主義政策とは1979年に発足した英国のサッチャー政権が導入した改革で、これが米国のレーガン政権から日本の中曽根政権に引き継がれた。その特徴は、小さな政府と市場原理主義だが、もう一つの柱が金持ち優遇政策だ。一般庶民は増税し、金持ちは減税することが新自由主義政策の基本である。

 したがって、勝ち組が兵士として戦場の最前線へ行くことなどない。行くのは負け組ということになる。それは米国を見れば明らかだ。


大学の秋入学は徴兵制の準備か

 国民投票法案とともに、もう一つきわめて怪しいのが大学の秋学期入学制度の推進だ。

 高校を卒業するのが春なのに、いったい誰が秋の入学に賛成しているのだろうか。4月から入学できる方がいいに決まっている。

 表向きは海外留学生を受け入れやすくするということだが、実は文部科学省の強い圧力で、いまや大学は「セメスター制度」で半期ごとに単位を与えるような仕組みに変わっている。半期ごとに単位が与えられるのだから、留学生が9月から入学しても問題はない。

 なぜそこまでして秋学期入学にこだわるのかといえば、徴兵制度導入の準備ではないか。秋までの期間は軍事訓練をするのにちょうどいい。

 日本はいま戦争への道をまっしぐらに進んでいる。9条改定が通るかどうか分からないが、改定に真っ向から反対しているのは社民党と共産党のみだ。夏の参議院選挙の結果、もし民主党が分裂するようなことになれば、9条改定大連立政権が出来て、改定へ突き進む可能性が高い。

 誰もあまり問題にしないが、いま日本は大きな岐路に立っている。

 「弱い者は死ね」という冷酷な社会にしたいのか。米国型社会の大原則は経済でも戦争でも同じなのだ。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/83/index.html


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