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米ネオコンとは?
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/751.html
投稿者 中川隆 日時 2016 年 12 月 21 日 08:13:42: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: グローバリズムの世界 投稿者 中川隆 日時 2016 年 7 月 30 日 10:39:03)


2016年12月16日
米ネオコンの敗北、金融奥の院の凋落、・・・カネが力を喪失・人々の意識へ
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2016/12/6298.html

今後世界はどう動くのか?

世界情勢は今、プーチン・ロシアを中心に目まぐるしく変わっている。
今回は、最近まで世界を主導してきた、アメリカ勢力と背後の欧州寡頭勢力の力について分析する。


●アメリカ勢力分析

当ブログ記事 「アメリカ大統領選を受けての世界情勢分析」1/2
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2016/11/6267.html

によると
米大統領選直前のアメリカ国内の勢力は、

@第一勢力:ロスチャイルド―FRB-中央銀行を作った。アメリカのマスコミを握っている。

A第二勢力:ロックフェラー―戦後のアメリカを牛耳ってきた軍産複合体の主体であり、石油利権を基盤にした産業集団(※ブッシュ政権まで第一勢力)

B第三勢力:ネオコン―★クリントン家・ブッシュ家とつながるのはこの勢力。


つまり、大統領選でのヒラリーの敗北は、ネオコン勢力の敗北を意味する。直後のデモを煽っていたのもこの勢力。

●米ネオコンとは?

ネオコンは金貸し奥の院(欧州貴族)が作り出した革命勢力の一派。
狙いは、戦争や革命の創出+重要拠点である中東支配。そのためのアメリカ大統領支配。

旧革命勢力である社会主義の行き詰まりの果てに、新たな思想を生み出し世界革命を推進しようとした勢力である。


ネオコンの源流について
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/bushco/neocontotrokkizm_history.htm

 より以下引用


ネオコン派の源流は1950年代にさかのぼる。が、注目されたのは60年代後半でこの頃、ベトナム反戦から生まれたリベラル派などを批判し、「反ソ」や「道徳」を訴えるアーヴィング・クリストルやノーマン・ポドーレツらが台頭した。

アーヴィング・クリストルやノーマン・ポドーレツらは、第四インター系の社会主義的世界同時革命を捨て、アメリカとイスラエルが手を組みシオニズムを旗印に世界支配を企てるという理論を創造していった。この理論が次第に影響力を持ち始めネオコンを形成していくことになった。

目的や理念のためには手段を選ばない現実政治主義を特徴としている。政治のマキャベリズムに通暁し、グローバリズムや自由主義だけではなく、利用できるものは「愛国主義」や「反テロリズム」から「大イスラエル主義」や「宗教右派(キリスト教シオニスト)」まで手当たり次第に利用するところに特徴がある。

ネオコンは空理空論家ではない。9・11以降の世界史は、むしろ国際金融資本勢力による「世界革命」が進行している過程にあると考えられる。そのネオコン=世界革命家が利用している最大でかつ最強の手段が、米国の権力機構である。

ネオコンは革命の夢想家では無い。石油と軍事を中核にした利権屋でもある。但し、単なる利権屋とすると見間違う。彼らは利権屋でありながら、世界的に普遍化すべき理念・価値観・制度・政策を持っている。そのような理念・価値観・制度・政策を現実化することこそが、最大の利権になるとも考えている。

シンクタンク的組織PNACから、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官・・・という実行部隊をブッシュ政権内に送り込み、中東戦争・対テロ戦争へと誘導していった。
彼らの登場とともに、

極左共産主義思想→グローバリズム→New World Order

へと思想の方向が繋がっていった。


●バックは誰か?

かなり観念的・理屈っぽい集団だが、バックは誰か?

欧州→イスラエルを支配する貴族と思われる。

1948年、パレスチナの地にイスラエルを建国する。

この急進派の中核貴族が、イスラエルのアイゼンベルグとブロンフマン一族である。
ブロンフマン一族は、初代からベルギー貴族ランベール一族と血縁関係にあり、出自は欧貴族である。

参照:
金貸し支配の構造D その他の欧州金主、金主と金貸しとの関係? - 金貸しは、国家を相手に金を貸す
http://www.kanekashi.com/blog/2016/09/4947.html


アイゼンベルグはイスラエルの軍事を始め産業全体を支配する最大の企業集団であり、かつロスチャイルドのボスでもある。

彼らがアメリカを動かすために作り出したのが、極左派ネオコンと宗教感情的な極右派キリスト教原理主義であり、表裏一体の関係にある。
両者に乗っかった代表がブッシュ大統領であった。

●ネオコンの今後、敗北が意味すること

ISというテロ集団はネオコンとアメリカが作り出していた。そのアメリカを失って、ISも風前の灯である。→ISはつぶされる、欧米は中東への橋頭堡を失う。

ネオコン自身は反グローバリズム・アンチ戦争のプーチン・トランプに徹底的にマークされ勢力を縮小していく。→欧貴族の米橋頭堡の一つが潰される。

重要なのは、ネオコンのグローバリズムやキリスト教原理主義の感情的な言葉が通用しなくなってきたということだ。彼らの創り出す愛国的な言葉も戦争の方便と見抜かれている。

トランプの生み出す直感的な言葉、保護主義的(≒民族主義的)言葉のほうが分かりやすく、潜在思念に響くということだろう。人々は乗せられたり、ごまかされにくくなった。

→これは、いままで革命や戦争を生み出してきた革命勢力(金貸しの手先)が意味をなさなくなった。力を喪ったということ。

→金貸しの手先勢力が瓦解していく過程。代わって大衆の意識潮流が、新たなエネルギーを生み出し、新たな政権を動かして始めた。


※ネオコンはまだ力を保持している、どう動くのか?

・最近のテロ、テロに活路?→徐々に封じ込められていく。未来はない。
・大統領選直後のニュージーランドの地震、福島沖地震はネオコンの仕業か?
>米国戦争屋の中で、核兵器や核爆発による地震津波兵器を取り仕切っているのは、イスラエルとつながるネオコンと観ています。そして、3.11事件や9.11事件の黒幕はネオコンではないかと疑われます。

リンク
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/36347672.html


・・・日本などに地震攻撃を加えてくる可能性は捨てきれない。しかし、政権から追い出され、HAARP基地など米軍内部から押さえ込まれていけば、その手も次第に使えなくなっていく。

※3.11の際に、イスラエル企業が福島原発の管理をしていた。かつイスラエルは北朝鮮とのコネクションも持っている。幅広い諜報ネットワークを持っていると思われる。注意は必要。

●金融奥の院の凋落

さらにネオコンのバック、欧貴族の力も相当衰弱していると考えられることである。彼らの力の源泉は金融・金・財宝だが、世界的な供給過剰でカネが力を喪っている。彼らは力の源泉を喪った。

英のEU離脱、そして愛国派・民族主義の台頭を抑えられない。プーチンとトランプがそこを突いていく。

そしてEUは崩壊するだろう。既に重要拠点のトルコ・地中海はロシアへ。→欧州は、500年ぶりに世界の片田舎に戻る。

金融が力の根源だったが、最近カネづるであるFRB・ドルの通貨発行権を中国が握っているという情報が出ている。


●今後?

「米・英・ロ連合 vs. 欧州・中国」へ向かうという説がある。

恐らくそんなに簡単ではない。当面、軍事的にはロシア主導、経済・金融的には中国主導、大衆の意識潮流的にはプーチン(トランプも同方向)・・・という形で合従連衡と分裂を繰り返しながら、最後には、人々の意識の向かう先を統合できた勢力が主導していく形になるだろう(カネの力ではない)。

一言で言えば仲間をまとめる力、人類の一体化欠乏を統合する追求力が次代の制覇力となる。

→∴プーチン・ロシア(+トランプ・アメリカ?)が世界を主導する。

日本は明治以来の田布施+官僚が支配し、温存されたまま。彼らは、学校制度・マスコミにより支配体制を温存している。そこを突破するには、事実追求力と思考・意識の開放。


関連記事

欧州奥の院・金貸しは一貫して帝国・国家を解体してきた。
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2016/09/6076.html

ドルの通貨発行権を中国が握り、中国とアメリカの力関係は逆転した!
http://www.kanekashi.com/blog/2016/11/5047.html

トランプを生み出した人々の意識
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2016/11/6234.html


http://blog.nihon-syakai.net/blog/2016/12/6298.html  

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コメント
 
1. 中川隆[6515] koaQ7Jey 2017年2月01日 07:56:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6970]
2017.02.01
米主導の侵略戦争で発生した難民問題でEUは今でも混乱しているが、新たに米国も混乱の原因に


移民や難民が問題になっている。ドナルド・トランプ米大統領はそうした人びとのアメリカへの流入を規制しようとしているのだが、それをネオコンなど反トランプ派は「人権問題」だとして激しく批判、大統領の命令を無視したとして司法長官代理が解任される事態に発展した。これに対し、トランプ大統領はツイッターで、32万5000人のうち109名が引き留められて質問を受けただけであり、空港で生じた大きな問題の原因はデルタのコンピュータ、抗議活動、そしてシュマー上院議員の涙だとしている。

 バラク・オバマ政権の時代にはEUへ「難民」が殺到して大混乱になった。西側の有力メディアが大きく取り上げるようになったのは2015年9月。トルコ政府が難民のヨーロッパ行きを認めたことが引き金になったと言われている。その難民を生み出した最大の要因はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルといった国々が始めたリビアやシリアに対する侵略戦争だ。

 西側メディアは海岸に横たわる3歳の子どもの遺体の写った画像を利用して難民受け入れをEUに迫った。この子どもが乗っていた船が沈没、溺死して遺体が流れ着いたとされたが、身体の位置が海岸線と垂直の方向になっていることから誰かによって置かれたのではないかとも指摘されていた。後の子どもの父親が難民の密航を助ける仕事をしていたという話も出てくる。ユーゴスタビア攻撃の前、1990年代に西側のメディアは侵略を正当かするために偽報道を続けてきた。これは本ブログで繰り返し、書いてきたことだ。

 この地域における違法難民の問題は2015年4月にECIPS(情報政策安全保障欧州センター)が警鐘を鳴らしていたが、西側の政府やメディアはそれを無視していた。このEUにおける難民問題は解決されていない。

 難民の中には戦闘訓練を受けたダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)の戦闘員が潜り込んでいるとする情報も流れていた。難民を送り出しているトルコはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュの拠点があり、トルコ政府からの支援を受けていた。

 2005年7月8日付けのガーディアン紙でロビン・クック元英外相が明らかにしたように、「アル・カイダ」とはCIAから訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル。1970年代の終盤にズビグネフ・ブレジンスキー国家安全保障担当補佐官(当時)が計画した秘密工作に基づいて編成された武装集団の戦闘員を供給するための仕組みとして作られた。

 ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラクはアメリカ軍やNATO軍が先制攻撃したが、イラクで行き詰まってしまう。そこで、オバマ大統領は自分の師匠にあたるブレジンスキーの手口を真似し、アル・カイダ系武装集団をリビアやシリアでは投入した。

 リビアではNATOとアル・カイダ系のLIFGの連携がうまくいったが、シリアでは失敗する。アル・カイダ系武装集団を危険視していたマーチン・デンプシー大将が統合参謀本部議長を辞めた5日後、2015年9月30日にロシア軍はシリア政府の要請を受けて空爆を始めた。デンプシーが議長を辞め、ロシアが空爆を始める直前に難民問題が急浮上したことになる。オバマ政府は難民の原因をシリア政府に押しつけ、軍事介入するつもりだった可能性もあるが、そうだったなら、ロシア軍の介入で難しくなった。

 移民や難民を利用して意に沿わない体制を揺さぶるのはネオコンの常套手段だと言えるだろう。当然、その中には自分たちが訓練した戦闘員が紛れ込んでいる。中東や北アフリカで侵略軍の末端で戦っている兵士はサウジアラビアなどの資金で雇われているのだが、兵士になる大きな理由のひとつは、アメリカによる破壊と殺戮で中東/北アフリカの経済が破綻したことにある。稼ごうと思ったら、戦闘員になるか国外へ移り住むしかない。そうした原因を作ったネオコンの後始末をトランプは押しつけられているとも言えるだろう。

 ちなみに、今回、入国を禁止された難民の出身国はシリア、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンというネオコンに破壊された国々。「テロリスト」の黒幕的な存在であるサウジアラビアが含まれていない。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702010000/


2. 中川隆[6529] koaQ7Jey 2017年2月02日 17:09:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6984]
2017.02.02
ネオコンなどロシアと核戦争も辞さずという勢力に同調してリベラル派もトランプ大統領を攻撃

ドナルド・トランプ米大統領に対する攻撃は大統領選の延長線上にあり、攻撃の主体はヒラリー・クリントンを担いでいた勢力、つまりネオコン、戦争ビジネス、巨大金融資本を含む好戦派にほかならない。反トランプ陣営に加わっている有力メディアはそうした勢力の宣伝部門であり、「リベラル派」もそうした勢力と関係が深く、少なくとも一部は資金などの支援を受けている。トランプを批判する「リベラル派」にネオコンが同調しているのではなく、ネオコンなどに「リベラル派」が従っているのだ。

 本ブログですでに指摘してきたことだが、ヒラリーの周辺にいる好戦的な人物にはマデリン・オルブライト(ズビグネフ・ブレジンスキーの弟子)、ビクトリア・ヌランド(ネオコンで、ロバート・ケイガンの妻)、フーマ・アベディン(サウジアラビアで育ち、母親はムスリム同胞団の幹部。元夫のアンソニー・ウェイナーはネオコン)がいる。

 また、オバマ政権で国家安全保障担当補佐官を務めたスーザン・ライスの母親はオルブライトの友人で、スーザン自身、オルブライトから学んでいる。ヒラリーは上院議員時代に巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人とも呼ばれるほど戦争ビジネスと近い関係にあることでも有名だ。

 ヒラリーの好戦的な性格を印象づけた映像がある。2011年10月20日にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺された際、その事実をCBSのインタビュー中に知らされた彼女は「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。

 リビアの場合、バラク・オバマ政権は国連を無視する形で制空権を握り、NATOに空爆させて地上の手下、アル・カイダ系のLIFGを中心とする武装集団を支援してカダフィ体制を倒したわけだが、シリアではつまずく。武器/兵器や戦闘員をシリアへ移動させたのだが、ロシアがアメリカに制空権を握らせず、バシャール・アル・アサド体制を倒すことができない。

 本ブログでも繰り返し書いたように、西側の政府や有力メディアはアメリカ/NATOの直接的な軍事介入を正当化するために偽情報を流したが、いずれも短期間に嘘が発覚していまった。結局、戦闘員の増派や武器/兵器の供給でアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を強化して戦うしかなくなった。

 その結果、シリア政府軍は劣勢になるのだが、それでもアメリカの好戦派は不満だったようで、例えば2015年3月11日になるとロバート・スケールズ退役少将がロシア人を殺せと発言している。

 スケールズ少将の願いは、その年の11月24日に叶う。トルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を待ち伏せ攻撃で撃墜したのだ。11月24日から25日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍幹部と会談したこととの関連が疑われた。後に、WikiLeaksが紹介したように、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシア軍機の撃墜を決めたのは10月10日だとする情報があるのだが、エルドアンが独断でロシア軍機撃墜を決められないだろう。つまり、少なくともアメリカ政府は承諾していた可能性が高い。

 2016年2月にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問した頃からアメリカでは大統領選挙の流れが変わったと見られている。そうした焦りもあるのか、ヒラリー・クリントンの支援者であるマイク・モレル元CIA副長官は2016年8月8日、ロシア人はイラン人に代償を払わせるべきだと語っている。司会者のチャーリー・ローズからロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われ、その通りだと答えている。わからないように殺すというのだ。8月22日には国防総省の広報官、ピーター・クックは自分たちが中心になっている連合軍を守るために必要ならシリアやロシアの戦闘機を撃墜すると語っている。

 ヒラリーの背後には金融資本も存在している。例えば、漏洩したヒラリーの電子メールを見ると、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることがわかる。国務長官時代に投機家のジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたことも明らかにされた。

 このソロスはナイル・トーベを介してジェイコブ・ロスチャイルドにつながり、そのジェイコブも所属する金融機関N・M・ロスチャイルドにリチャード・カッツを通じてつながる。このN・M・ロスチャイルドにはエベリン・ド・ロスチャイルドもいる。またジョージ・カールワイツによってソロスはエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。

 ヒラリーを取り巻くこうした勢力がトランプを攻撃、「リベラル派」が同調、あるいは従っているのだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702020000/


3. 中川隆[6549] koaQ7Jey 2017年2月04日 10:21:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7005]

1992年にネオコンが作成した世界制覇プラン、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」
ソ連が消滅した直後、アメリカが唯一の超大国になったという前提でネオコンが描いたものですが、21世紀に入ってロシアが再独立したことから破綻しています。

それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進しようとしているため、世界は核戦争に近づいてきました。

アメリカに従属していた国々やアメリカの支配層にもそうしたネオコンの暴走を懸念する人が増えているようで、一昨年半ば段階ではオバマ後の大統領に内定していたと見られるネオコンの候補、ヒラリー・クリントンが大統領になれなかった一因もその辺にあるでしょう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702040000/


4. 中川隆[6582] koaQ7Jey 2017年2月07日 14:10:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7039]
2017.02.07
オバマ政権がイランと話し合っていたのは何らかの工作を進めるための時間稼ぎだという見方もある

ドナルド・トランプ政権がアメリカとイランとの関係を悪化させていると懸念する人が少なくない。国防長官のジェームズ・マティス退役海兵隊大将は東京で開かれた記者会見で、イランを「最大のテロリズム支援国家」と表現したというが、これが嘘だということは安全保障問題担当補佐官のマイケル・フリン退役陸軍中将が熟知しているはず。

 繰り返し書いてきたことだが、例えば、2009年12月30日にアメリカの国務省が出した通信文には、サウジアラビアの資金提供者が全世界に展開する「スンニ派テロリスト」への最も重要な資金源を構成していると書かれている。

 2014年9月にはトーマス・マッキナニー空軍中将がアメリカが組織する手助けをしたと発言、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で語った。同じ年の10月にはジョー・バイデン米副大統領(当時)がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると述べ、2015年にはクラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと語った。そしてフリン元DIA局長は2015年8月、アル・ジャジーラの番組へ出演した際にダーイッシュが勢力を拡大できたのはバラク・オバマ政権の政策があったからだと指摘している。

 こうしたアメリカの政治家や軍人の発言をマティス長官が知らないはずはなく、彼はバラク・オバマやヒラリー・クリントンに匹敵するほどのデマゴーグと言えるだろう。

 ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力、つまりネオコンなど好戦派はイランを破壊しようとしてきた。核兵器を使おうとした疑いも持たれている。そのプランが消えているはずはない。時間の経過と共にネオコンの戦略に取り込まれたオバマ大統領も同じだ。そのオバマ政権がイランと核問題を話し合いで解決しようと考えていたとは思えない。そもそも、アメリカ政府は核兵器をそれほど脅威だと考えているのだろうか?

 現在、中東には世界有数の核兵器保有国が存在する。いうまでもなくイスラエルだ。内部告発者のモルデカイ・バヌヌが1986年に示した推計数は100発から200発、ジミー・カーター元大統領は2008年の時点で150発以上、2014年には300発以上としたうえで正確な数字は誰にもわからないとしている。コリン・パウエル元国務長官が2016年に示した数字は約200発だ。その大半はテヘランに向けられているとも言われている。

 アメリカがイスラエルに何らかの制裁を加える、まして攻撃するなどということはありえないだろう。ところが、核兵器を持っていなかったイラクを「大量破壊兵器」を口実にして先制攻撃、国を破壊し、国民を虐殺してきた。イスラエル/ネオコンは核兵器を開発していようがいまいがイランを破壊したがっている。それに同調しているのがサウジアラビアだ。

 こうして見ると、オバマ政権が真剣にイランと話し合っていたようには思えない。彼らの手口を考えると、話し合いは時間稼ぎである。ウクライナやシリアの「停戦」はそうした目的で実施されていた。態勢の立て直し、工作/作戦の準備だ。ロシアの経済界にはウォール街やシティにつながる勢力のネットワークが存在しているが、イランも同様。

 ひねくれた見方をするならば、「話し合い」の間にそうした勢力と何らかの準備を進めている可能性がある。イランを最も攻撃したがっている勢力はヒラリー・クリントンを担いでるネオコンだ。

 イランを攻撃すれば自動的にロシアとの戦争になる。ロシアがシリアに対する侵略を阻止しようとしたのはイランを守るという側面もあった。中国もロシア側につくだろう。イラン攻撃はイスラエルの情報機関や治安機関が反対する可能性も高い。トランプ大統領の言動から考えて、こうした方向へ進む可能性は小さい。

 戦争したがっているのはネオコンやロシアからイスラエルへ亡命したオリガルヒたちで、ウクライナのキエフ政権ともつながっている。アメリカとイランとの関係悪化はイランを破壊したがっているネオコンにとって良くない展開だという見方も成り立つ。問題はマティス長官やヨーロッパのアメリカ軍、NATO軍の暴走を止められるかどうかだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702070000/


5. 中川隆[6598] koaQ7Jey 2017年2月08日 21:25:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7055]
2017.02.07
ネオコンがイランを殲滅すると主張していたのは1991年で、その計画は続いている(その1)

イランの核問題に関してイランとP5+1(中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカの国連常任理事国とドイツ、EU)が合意、JCPOA(合同包括行動計画)に署名したのは2015年7月14日のことだった。

 しかし、これでイランに平和が約束されたわけではない。アメリカのネオコンはイランの核兵器でなく、存在そのものを問題にしているからだ。この点、サウジアラビアもネオコンと同じである。

 ネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は1991年の段階でイラク、シリアと同じようにイランを殲滅すると主張していた。イラクの「大量破壊兵器」にしろ、シリアの「人権弾圧」にしろ、イランの「核」にしろ、殲滅のための口実にすぎない。実際、「イランの核」が大きな問題として取り上げられたのは2002年、イラクを先制攻撃しようとジョージ・W・ブッシュ政権がしゃかりきになっていた頃のことだ。

 ビル・クリントンが大統領だった2000年2月、CIAは買収済みのロシア人核科学者を介してイラン政府高官へ核兵器に関する欠陥設計図を渡したと言われている。「マーリン作戦」だ。イランを核兵器開発へ誘導して失敗させようとしたのか、核兵器開発を口実にして軍事侵略しようと目論んだと信じられている。(James Risen, “State of War : The Secret History of the CIA and the Bush Administration,” Free Press, 2006)

 設計図がイラン側へ渡された2年後、イランの反体制派が核兵器疑惑を公にする。その反体制派とはムジャヒディン・ハルクの政治部門だという「イラン国民抵抗評議会」。イスラエルの情報機関から情報をえたという。それ以降、核を口実にしてイランへ軍事侵略しようとアメリカは目論んでいたが、その流れが2013年に大きく変わった。

 変化の切っ掛けは国務長官の交代。2013年2月1日、国務長官がヒラリー・クリントンからジョン・ケリーに交代したのだ。長官に就任した翌月にケリーはウィリアム・バーンズ国務副長官やジェイク・サリバン国家安全保障担当副大統領補佐官を含むチームを軍用機でオマーンへ派遣、イラン側の代表と会談させ、ここからアメリカとイランの交渉は始まったと言われている。

 ケリーの前任者であるヒラリーは巨大金融資本の影響下にあり、投機家ジョージ・ソロスの指示に従って動いてことを示す電子メールがあきらかにされているが、上院議員時代は巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人と呼ばれていた。

 彼女が国務長官を務めていた2011年春にアメリカはリビアやシリアに対する侵略を本格化、その年の10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はNATO軍の空爆とアル・カイダ系武装集団LIFGを主力とする地上部隊の連係攻撃で倒され、その時にカダフィは惨殺された。それをCBSのインタビュー中に知らされたヒラリーは「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。人が殺されたことを聞いてこれほど素直に喜ぶ人は多くないだろう。

 彼女が親しくしているグループの中にはユーゴスラビアを先制攻撃して破壊したマデリーン・オルブライトやネオコンとしてウクライナの合法政権をネオ・ナチで倒したビクトリア・ヌランド、父親がサウジアラビアの要職についていたことがあり、母親がムスリム同胞団(注)の幹部だというフーマ・アベディンが含まれている。

 アルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの弟子であると同時にスーザン・ライスの師でもある。ヌランドの結婚相手はネオコンの中枢グループにいるロバート・ケーガン。アベディンは一時期、ネオコンのアンソニー・ウェイナーと結婚していた。(その2へ続く)


(注)1929年にエジプトのハサン・アル・バンナーが創設したとされている。1954年にエジプトのガマール・アブデル・ナセルを暗殺しようとして失敗、非合法化されたが、このときに保護したのがサウジアラビア。その結果、ムスリム同胞団はサウジアラビアの国教であるワッハーブ派の影響を強く受けることになった。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

 ワッハーブ派はサラフ主義に基づく運動で、18世紀にサウジアラビアを支配しているイブン・サウード家と結びつくことで勢力を拡大した。イブン・サウード家は破壊、殺戮、略奪を正当化するのに都合が良い宗派だということで手を組んだようだ。このコンビに目をつけ、利用したのが「大英帝国」である。ムスリム同胞団もイギリスとの関係が指摘されている。

 2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が作成、バラク・オバマ政権へ提出された文書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者/ワッハーブ派、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI。シリアのアル・ヌスラはAQIの別名だともしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702070001/

2017.02.08
ネオコンがイランを殲滅すると主張していたのは1991年で、その計画は続いている(その2)


ところで、ジョン・ケリー国務長官がイラン側と秘密裏に接触しはじめた2013年3月、シリアのアレッポでは化学兵器が使われ、シリア政府派すぐに調査を要求するという事態になっていた。西側の政府やメディアは政府軍が使ったことにしようとしたが、イスラエルのハーレツ紙は状況から反政府軍が使ったと分析、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。ロシア政府も独自に試料を分析、サリンや砲弾は「家内工業的な施設」で製造されたもので、反政府軍が使ったとする推測を公表している。いずれも説得力があった。

 その5カ月後、8月21日にダマスカス郊外が化学兵器で攻撃され、西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、NATOを軍事介入させようとする。NATOが空爆し、アル・カイダ系武装集団などの傭兵部隊が地上で攻勢をかけるというリビア方式を目論んだと見られている。この攻撃は「偽旗作戦」だった可能性が高いということだ。

 攻撃の直後に現地を独自に調査したキリスト教の聖職者マザー・アグネス・マリアムはいくつかの疑問を明らかにしている。例えば、攻撃が深夜、つまり午前1時15分から3時頃(現地時間)にあったとされているにもかかわらず犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずだが、明確になっていないのはなぜか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのか・・・・・また、国連のシリア化学兵器問題真相調査団で団長を務めたアケ・セルストロームは治療状況の調査から被害者数に疑問を持ったと語っている。(PDF)

 この攻撃が行われる10日ほど前、反シリア政府軍がラタキアを襲撃し、200名とも500名とも言われる住人が殺され、150名以上が拉致されたと言われている。化学兵器の犠牲者を撮影したとされる映像の中に、ラタキアから連れ去られた住民が含まれているとする証言もあった。

 また、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使はアメリカ側の主張を否定する情報を国連で示して報告書も提出、その中で反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾していることを示す文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。

 そのほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事も書かれ、10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話が流れた。

 12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 こうした化学兵器の使用について、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)が調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。

 この化学物質を供給したのはジョージア(グルジア)のトビリシにあるアメリカの兵器に関する研究施設だとする情報も流れている。この施設を設計したのはベクテルで、問題の物質を製造や輸送にはジョージアの情報機関、ウクライナのネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)、トルコの情報機関、NATO、そしてアル・カイダ系武装集団が関わっているというのだ。

 西側の政府や有力メディアの主張に対する反論が出てくる中、NATOが直接、軍事介入するという話が伝えられた。そして9月3日、地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射された。

 このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまっていた。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に通告はなく、実際に攻撃は始めたのではないかと推測する人もいる。ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかというのだ。

 つまり、アメリカ政府はロシアとの戦争を覚悟の上で直接的な武力行使に出たのだが、失敗したのではないかということ。この推測が正しいなら、ロシアとの通常兵器による戦争でアメリカは惨敗することを意味する。そうなると、必然的に全面核戦争へ移行せざるをえなくなる。

 その間、オバマ政権がサラフ主義者/ワッハーブ派などを支援していると指摘していたフリンDIA局長は2014年8月に職を解かれ、軍事力の行使に否定的だたチャック・ヘイゲル国防長官は15年2月に好戦派のアシュトン・カーターに交代、アル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を危険視していたマーチン・デンプシー統合参謀本部議長は好戦的なジョセフ・ダンフォードに交代した。

 オバマ政権は開戦用の陣容を整えたように見えたが、それは2015年9月末から始まったロシア軍の軍事作戦で粉砕される。ロシアは戦闘能力の高さを改めて見せつけたのだ。JCPOAにイランとP5+1が署名した2カ月後のことだ。イランを攻撃すれば、そのロシア軍と戦争になる。

 それでも戦争に突入したがっている人がいるとするならば、その人は世界の破滅を願っているのか、アメリカ軍を「神の軍隊」だと妄想しているのだろう。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702080000/


6. 中川隆[6616] koaQ7Jey 2017年2月10日 15:38:45 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7075]
2017.02.10
トランプ政権の国務副長官候補として名前の挙がっているエイブラムズは犯罪に手を染めたネオコン


ロシアとの関係改善を嫌う勢力、つまりヒラリー・クリントンを担いでいた人びとはドナルド・トランプ政権の国務副長官にネオコンのエリオット・エイブラムズを押し込もうとしているとする情報が流れている。

 若い頃、エイブラムズはネオコンのゆりかご的な存在だったヘンリー・スクープ・ジャクソン上院議員の事務所で働いているが、その事務所の顧問だった人物がCIAの内部でソ連に関する偽情報を発信していたチームBを率いていたハーバード大学のリチャード・パイプス教授。そこにはリチャード・パール、ダグラス・フェイス、エイブラム・シュルスキーなど、後にネオコンの中核メンバーを形成する人びとも所属していた。

 ロナルド・レーガン政権になるとエイブラムズは国務次官補に就任、イラン・コントラ事件(イランへの武器密輸とニカラグアの反政府ゲリラに対する違法な支援)に連座することになった。次のジョージ・H・W・ブッシュ政権では大統領特別補佐官、その息子のジョージ・W・ブッシュ政権では中東問題担当の主席顧問を務めている。レーガン政権でエイブラムズはロバート・ケーガンらと一緒に情報操作のテクニックを学んでいるが、その師にあたる人物がCIAのウォルター・レイモンド。

 ビル・クリントン政権ではネオコンの影響力が低下、戦争にも消極的になる。その中で好戦的な姿勢を維持していたマデリン・オルブライト(ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子)やネオコンのビクトリア・ヌランド(ロバート・ケーガンの妻)を政権内へ引き入れ、大統領を戦争へと導く役割を果たしたと言われているのがビルの妻、ヒラリーだ。

 クリントン政権が戦争へと傾く切っ掛けは国務長官の交代。1997年にウォーレン・クリストファーからオルブライトへ替わり、好戦的な雰囲気が強まった。その翌年、ネオコン系シンクタンクのPNACはイラクが大量破壊兵器を使えないようにし、サダム・フセインを排除するべきだとする内容の手紙をクリントン大統領へ送っている。その手紙にサインしたひとりがエイブラムズだ。

 ブッシュ・ジュニアが大統領になり、ニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された翌年、2002年にベネズエラのウゴ・チャベス大統領を排除することを目的としたクーデターが試みられた。

 そのクーデターの黒幕として名前が挙がっているのは、オットー・ライク、ジョン・ネグロポンテ、そしてエイブラムズだ。アメリカの武官、例えばジェームズ・ロジャーズ中佐の関与も指摘されている。クーデターの際、アメリカ海軍がベネズエラ沖で待機、新政権は実業家のペドロ・カルモナを中心に組閣されることになっていたという。

 エイブラムズをどのように扱うかは、トランプ政権がどの程度ネオコンに浸食されているかを判断する材料になる。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702100000/


7. 中川隆[6804] koaQ7Jey 2017年2月20日 18:01:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7265]
日本を裏で操る米国「ジャパンハンドラー」はなぜ排除されたのか?=高島康司 2017年2月16日
http://www.mag2.com/p/money/33677


トランプ政権がこれまで外交の中枢を担っていた外交官・職員を排除している。これにより日本と歴代米政権を仲介する「ジャパンハンドラー」も排除された可能性が大きい。


日本と米政権を結ぶ「ジャパンハンドラー」の失脚が意味するもの

アメリカ支配は崩壊しつつあるのか

トランプ政権が発足してからまだ1カ月も経っていないが、過激な大統領令などその衝撃はあまりに大きい。しかし予期せぬ変化は、大統領令のような報道されているものだけではない。省庁の人事なども例外ではない。

日本の外務省にあたる国務省だが、大量の外交官や専門職員が辞任している。当初この辞任は、トランプ政権への抗議としての辞任ではないかと報じられたが、実際はそうではなかった。トランプ政権は人事を刷新するため、書面で外交官らに対し、これ以上彼らの職務は必要ない旨を通知していたのだ。

これには、これまで外交の中枢を担っていた高官も含まれている。ジェントリー・スミス外交使節室長、ジョイス・バー次官補、ミシェル・ボンド次官補、パトリック・ケネディ国務次官、そしてヌーランド国務長官補・欧州ユーラシア担当も辞任している。特にビクトリア・ヌーランドは、ジョン・マケイン上院議員とともに、2014年のウクライナ政変を背後から仕掛けた張本人だ。

この人物が排除されたということは、トランプ政権はロシア敵視の工作を、少なくともこれまでのようには実施しないということを表している。

排除されたジャパンハンドラー

これとともに、日本と歴代の米政権を仲介していたジャパンハンドラーと呼ばれるチームも排除された可能性が大きい。ジャパンハンドラーとは、ジョセフ・ナイハーバード大学教授、ジェラルド・カーチスコロンビア大学教授、リチャード・アーミテージ元国務副長官、マイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)副理事長、カート・キャンベル元国務次官補などの面々だ。

彼らは、日本の主要メディアでは「知日派」として報道されているが、それは事実に反する。彼らは、軍産やネオコンなどの歴代の米政権をコントロールしているパワーグループの指令を日本に伝えることを役割としている、いわばエージェントの集団だ。

普通、アメリカと関係を持つ多くの国々は、歴代の政権に影響を与えることのできるさまざまな人脈のチャンネルを持っている。例えば韓国だが、キリスト教福音派の「ヨイド福音教会」などを中心にして、米共和党内の福音派に強いパイプがある。福音派は共和党内の最大派閥なので、韓国はこのパイプを使って米政権に影響を与えることが可能だ。

また中国だが、「パンダ・ハッガーズ」と呼ばれる親中派の議員団が存在し、政界で中国政府の利害を反映するロビー活動を展開している。

さらに米国務省には、親中派の外交官が多い。これは中国外務省が過去何十年にもわたって、アメリカの外交官を多数輩出している「ハーバード大学外交大学院」に、中国外務省の職員を大量に留学させているからでもある。国務省の外交官と中国外務省の職員は、いわばクラスメートなのである。

また、中国に生産拠点がある米大手の製造業も、歴代の政権に影響を与えることができる立場にある。ちょっとうがった見方をすれば、彼らは北京政府の意向と利害で動く親中派の代表だ。

このように、どの国も歴代の米政権とは複数の強いパイプで結ばれており、米政府から一方的に指令を受ける立場ではない。このようなチャンネルを通して、韓国や中国は米政府に強く働きかけることも十分に可能だ。韓国や中国はこの他にも有力な人脈を複数持っており、米政府とは重層的な関係が展開できる状況にある。

ところが日本の場合、米政府に繋がるあらゆるパイプはおもに軍産系を中心としたジャパンハンドラーだけに限定され、その他のチャンネルは実質的に存在しないに等しい状態だ。


8. 中川隆[6894] koaQ7Jey 2017年2月28日 19:12:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7356]
2017.02.28
プロパガンダ色を強めていたハリウッド映画の祭典で賞を授与されても物笑いの種になるだけ


アメリカ映画芸術科学アカデミーなる団体が存在するらしい。その団体が2月26日にアカデミー賞の授与式なるイベントを実施、短編ドキュメンタリー映画賞に「白いヘルメット」を選んだという。前回も書いたように、これはシリアでアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)などの宣伝部門として活動しているシリア市民防衛(白ヘル)のプロパガンダ映画である。(白ヘルの実態は本ブログで何度か書いてきたので、今回は割愛する。)

 ダーイッシュなどの武装集団の中心はサウジアラビアが送り込んだサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団で、ロシアのチェチェンや中国の新疆ウイグル自治区からも戦闘員として参加していると言われている。ウラジミル・プーチン露大統領によると、ロシアから4000名近く、旧ソ連圏諸国から約5000名が反シリア政府軍へ参加している。

 バラク・オバマ前米大統領へ平和賞を授与したノーベル賞でも言えることだが、昔からアカデミー賞は支配層の意思、支配層が被支配層(大多数の人びと)にどのような幻影を見せたいのかによって決まる。

 しかし、そうした実態は多くの人に知られている。有力メディアの「報道」も同じなのだが、すでに「洗脳」ではなく「茶番」になっている。今でも支配層が描く幻影を信じている人がいるとするならば、それは騙されているのではなく、その幻影を信じたいだけだろう。「勝てば官軍負ければ賊軍」、「勝ち馬に乗る」方が得であり、「長い物には巻かれよ」と考えれば、幻影を正当化する口実に飛びつくことにもつながる。その口実を学校やメディアは提供してきた。

 しかし、すでにアメリカは「勝ち馬」でなくなっている。1991年12月にソ連が消滅した直後、ネオコンはアメリカを「唯一の超大国」になったと思い込み、92年2月にはポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心とする人びとは国防総省のDPG草案という形で世界制覇戦略を作成した。いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。

 その前提はロシアと中国を属国にしたということ。ボリス・エリツィンがロシアの大統領だった時代は間違いでなかったが、21世紀に入ってプーチンがロシアを再独立化させ、前提を崩してしまった。本来ならこの段階でウォルフォウィッツ・ドクトリンを放棄、少なくとも大幅な手直しをする必要があったのだが、驕り高ぶったネオコンは現実をドクトリンに合わせようともがいている。

 1971年8月にリチャード・ニクソン大統領がドルと金の交換を停止すると発表した段階でアメリカ経済は破綻していた。それを誤魔化すため、ドルが基軸通貨だという特権を利用し、金融操作で生きながらえようとして打ち出されたのがミルトン・フリードマンの理論に基づく新自由主義だ。

 ドルを発行することで必要な商品を外国から購入、流れ出たドルをOPEC諸国との取り決めなどで回収、固定化するペトロダラーの仕組みも考えられた。新自由主義の時代に金融は「自由化」され、大量のドルが投機市場へ吸収されて「バブル」になる。これが現実世界で起こればハイパーインフレだ。

 そして現在、この金融操作が限界に近づいている。ロシアを締め上げるつもりで始められたと言われる原油価格の暴落はサウジアラビアを財政赤字に陥らせ、アメリカ国内の高コストの石油産業はダメージを受けている。イギリス経済も苦しくなっている。

 ところが、締め上げる対象だったはずのロシアが受けたダメージは比較的小さく、中国との関係を強化、両国はドル離れを進めている。同調する国が増えれば、ドルは基軸通貨の地位から陥落するだろう。そうなれば国内での生産能力を放棄する政策を推進してきたアメリカは存続できない。

 その前に軍事力でロシアや中国を制圧したいのだろうが、それが困難だということをシリアでの戦乱は証明した。通常兵器での戦争でアメリカはロシアに勝てない。ネオコンはそれでも軍事力でロシアや中国を屈服させようとしてきたが、必然的に全面核戦争の危険性を高めることになった。そうした状況への懸念が昨年のアメリカ大統領選挙で戦争ビジネスやネオコンを後ろ盾とするヒラリー・クリントンを敗北させる一因になったように見える。有力メディアやハリウッドの正体はすでに露見している。アメリカが「勝ち馬」でないと多くの人が思い始めたなら、一気にこの国は崩れるだろう。それだけに、アメリカの支配層やその傀儡たちは必死のはずだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702280000/


9. 中川隆[6943] koaQ7Jey 2017年3月04日 07:16:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7405]
2017.03.04
シリア政府軍のパルミラ再奪還の2日前、米英仏はシリアへの制裁強化を国連で求め、中露が拒否


ロシア空軍の支援を受けたシリア政府軍が3月2日、パルミラを奪還したようだ。昨年12月11日にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)は約4000名の部隊で奇襲攻撃、下旬にはこの地域を制圧していた。その際、ダーイッシュは住宅地伝いに侵攻、ロシア空軍機は爆撃できなかったとも言われている。またシリア政府軍は兵站線が弱く、偵察が不十分だったと指摘されていた。

 昨年、イラクのモスルを制圧していたダーイッシュが攻撃されているが、その際、アメリカやサウジアラビアは「ムジャヒディン」がモスルからシリアのデリゾールやパルミラへ安全に移動させることで合意していたとされているが、そうした形でシリアのダーイッシュやアル・カイダ系武装集団は戦闘態勢を整えていたのだろう。モスルからシリアへ9000人程度が移動すると言われていたが、実際にどの程度が動いたかは明確でない。

 デリゾールの場合、昨年9月17日にシリア政府軍をアメリカ主導の連合軍がF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で攻撃、80名以上の政府軍兵士を殺害している。空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始していることから、両者は連携していると見られている。その作戦が今回の攻撃を実現させたと言えるだろう。28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊した。当時、シリア政府軍はダーイッシュに対する攻撃を準備しているところだった。また、アメリカ軍の偵察衛星のつかんだ情報が反政府軍へ渡されていた可能性が高いとする分析もある。

 ロシア系メディア(アラビア語のスプートニク)によると、その後、アレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部をシリア沖にいるロシア軍の艦船から発射された3発の超音速巡航ミサイルが9月20日に攻撃、約30名が殺したという。その中にはアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールから派遣された軍人や情報機関の人間が含まれ、この司令部がデリゾールででの空爆を指揮したとも言われている。

 当時、バラク・オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、そのうちマブロウカには少なくとも45名、アイン・イッサには100名以上、コバネには300名以上、タル・アブヤダには少なくとも200名だとされている。言うまでもなく、こうした派兵はシリア政府軍が承諾したものでなく、最終目的はバシャール・アル・アサド体制の打倒。手先として利用してきたダーイッシュやアル・カイダ系武装集団がロシア軍の空爆で劣勢のため、テコ入れしているように見える。

 安全保障担当補佐官を辞任したマイケル・フリン中将は2012年7月から14年8月まで軍の情報機関DIA(国防情報局)の局長を務めていたが、12年8月にDIAが作成、ホワイトハウスに提出された報告書には、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があると書かれている。

 オバマ政権は反シリア政府軍の「穏健派」を支援すると主張していたが、その報告書はそうした味方を否定、反シリア政府軍の主力がサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだとしている。その勢力を西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコが支援しているとも主張している。こうした指摘は正しいのだが、この報告書が意味していることは、ダーイッシュを生み出し、育てたのはオバマ政権にほかならないということ。そのダーイッシュをアメリカ軍が支援するのは必然だ。

 一方、任期切れ寸前のオバマ大統領は昨年12月にロシアの外交官35名を含む96名のロシア人を国外へ追放、年明け後の1月6日にはアブラムズM1A1戦車87輌を含む戦闘車両をドイツへ陸揚げ、戦闘ヘリのブラック・ホーク50機、10機のCH-47、アパッチ24機なども送り込んだ。派兵されたアメリカ兵の人数は2200名。アメリカ欧州陸軍のベン・ホッジス司令官はポーランドに送り込まれたアメリカ軍の戦車に一斉射撃させているが、同司令官によると、これはロシアに対する戦略的なメッセージなのだという。

 また、12月にはジョン・マケインとリンゼイ・グラハム、ふたりのネオコン上院議員がジョージア(グルジア)、バルト諸国、そしてウクライナを訪問、ウクライナではキエフ政権が1月下旬からウクライナ東部のドンバス(ドネツク、ルガンスク、ドネプロペトロフスク)に対する攻撃を激化させている。2月4日にはルガンスクの軍司令官の自動車が爆破され、司令官は殺された。

 その間、12月19日にトルコのアンカラでアンドレイ・カルロフ駐トルコ露大使が射殺され、20日にはロシア外務省の幹部外交官がモスクワの自宅で射殺され、29日にはロシアの石油会社ロスネフトの会長に近いという元KGB/FSBの幹部の死体が自身の自動車内で発見され、1月9日にはギリシャのアパートでロシアの領事が死亡、26日にはインド駐在露大使が心臓発作で死亡、そして2月20日にはビタリー・チュルキン国連大使が心臓発作で死亡している。CIAがロシア政府に対して「恐怖(テロ)戦術」を始めたと疑う人は少なくない。

 2月26日にはアメリカ映画界のイベント、アカデミー賞の授与式でシリア市民防衛(白ヘル)の活動に関する映画「白いヘルメット」が短編ドキュメンタリー映画賞に選ばれたという。本ブログでは何度か指摘してきたが、この白ヘルはアル・カイダ系武装集団やダーイッシュの宣伝部隊だ。

 チュルキンが急死した8日後、アカデミー賞の授与式から2日後に国連ではアメリカ、イギリス、フランスが提出したシリアに対する制裁強化を求める決議がロシアと中国の拒否権で阻止されている。

 1992年2月にネオコンが始めた世界制覇戦争は破綻の瀬戸際に立っている。その手先として活動してきたのがダーイッシュやアル・カイダ系武装集団、あるいはウクライナのネオ・ナチ。シリア政府軍によるパルミラ再奪還はアメリカ支配層の置かれた厳しい状況を象徴する出来事でもある。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703040000/


10. 中川隆[6965] koaQ7Jey 2017年3月05日 10:39:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7428]
2017.03.05
アル・カイダ系武装集団の資金源になっているサウジの国王がアジア大陸東岸を歴訪する不気味


サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王が2月下旬からアジア大陸東岸の国々を歴訪している。マレーシア、インドネシア、ブルネイ、日本、中国、モルディブの6カ国だ。

 このサウジアラビアはサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団と関係が深く、そうした勢力が主力になっているのがリビアやシリアを侵略しているアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。そこにチェチェンや新疆ウイグル自治区などからの戦闘員が加わっている。

 こうした武装集団の資金源がサウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸産油国だが、モルディブも資金を提供していると言われている。インドネシアは世界で最も多いイスラム教徒を抱えている国であり、新疆ウイグル自治区は中国。

 当初、侵略は成功するかに見えたのだが、2015年9月末にロシア軍がシリアで空爆を始めてから戦況が一変、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは劣勢になっている。イラクに親イスラエル/サウジアラビアの傀儡国家を作ることに失敗した後、シリア東部からイラク西部にかけての地域をダーイッシュが支配していたが、これはバラク・オバマ政権が望むところだった。

 これはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が2012年8月に作成した報告書が指摘していた。東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があり、それこそがシーア派拡大(イラクやイラン)の戦略的なカギを握っているシリアの体制を孤立化させると分析、それは反対勢力を支援している国々(アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど)が望んでいることだとしている。

 2009年12月30日にアメリカ国務省が出した電子メールには、サウジアラビアの寄付者が全世界のスンニ系テロリスト集団に対する最も重要な資金供給源だと書かれ、2014年8月19日にヒラリー・クリントンが出したものには、秘密裏に資金や物資をその地域にいるISIL(ダーイシュ)や他のスンニ系過激派へ供給しているカタールやサウジアラビアという表現がある。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュのスポンサーはサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国だとヒラリーは認識していたということだ。

 シリアより1カ月早く、2011年2月に政権転覆を目的とした軍事侵略が始まったリビアではNATOの航空兵力とアル・カイダ系武装集団LIFGを主力とする地上軍の連携でムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月に倒された。

 リビアでの目的を達成した戦闘員は武器/兵器と一緒にトルコ経由でシリアへ入るが、その拠点になったのはベンガジにあったCIAの施設。そうした工作をアメリカの国務省は黙認していた。その際、マークを消したNATOの輸送機が武器をリビアからトルコの基地まで運んだとも伝えられている。

 ベンガジにはアメリカの領事館があるのだが、そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていた。

 この時、リビアの武器庫から兵器が持ち出されてシリアの反政府軍、つまりアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュへ渡された。その武器庫には化学兵器も保管されていたわけで、化学兵器もシリアへ持ち込まれた可能性は高い。その輸送をCIA、そしてヒラリー・クリントン国務長官(当時)が承認していたと考えても良いだろう。

 何度も書いてきたことだが、2013年3月にシリアでは化学兵器が使われたと言われている。まず政府が反政府(侵略)軍の化学兵器使用を発表、それに対して反政府軍も政府軍が実行した主張する。

 これについてイスラエルのハーレツ紙は攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言した。

 その5カ月後、つまり2013年8月にダマスカスの近くで化学兵器が使われ、西側の政府や有力メディアはシリア政府が実行したと叫びはじめ、シリアに対する軍事侵攻を正当化しようと宣伝をはじめるが、この宣伝が嘘だということはさまざまな形で指摘されていることは本ブログで書いてきた。(今回は割愛する。)

 トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。

 中東、北アフリカ、チェチェン、新疆ウイグル自治区などで活動している武装集団の背後にはサウジアラビアがいて、化学兵器の使用にも関係している。さまざまなタグがつけられているが、こうした集団はアメリカなど西側支配層が侵略のために雇っている傭兵集団だ。

 侵略戦争が泥沼化しているだけでなく、原油価格の低迷で財政赤字が深刻化しているサウジアラビアは東南アジアや東アジアへ「転進」するつもりかもしれない。サウジアラビア国王のアジア歴訪は不吉だ。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703050000/


11. 中川隆[7073] koaQ7Jey 2017年3月12日 13:59:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7539]
2017.03.12
14年前の3月に米軍は偽情報を口実にしてイラクを先制攻撃、中東/北アフリカを破壊と殺戮の地に

2003年、今から14年前の3月20日にアメリカ軍はイギリス軍などを引き連れてイラクを先制攻撃、中東から北アフリカにかけての地域を戦乱で破壊と殺戮の地にした。この地域に存在する自立した国を破壊しようという人びとは現在でも侵略戦争を続けている。

 2006年10月にイギリスの医学雑誌「ランセット」はジョンズ・ホプキンズ大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究による調査報告を掲載、それによると、2003年3月から2006年7月までの間に65万4965名以上のイラク人が死亡、そのうち60万1027名は暴力行為(要するに戦闘)が原因だという。イギリスのORB(オピニオン・リサーチ・ビジネス)は2007年夏までに約100万人が殺されたという調査結果を公表している。

 イラク攻撃を推進していたのはネオコンと呼ばれる親イスラエル派で、その中心グループに属すポール・ウォルフォウィッツは1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしている。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(3月、10月)1991年当時、ウォルフォウィッツは国防次官を務めていた。

 1991年12月にはソ連が消滅、ネオコンたちはアメリカが「唯一の超大国」になったと思い込み、目前に「パクスアメリカーナ」の時代があると認識、自立した「雑魚」を潰しにかかる。その基本プランが1992年2月に国防総省で作成されたDPGの草案。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。

 ソ連の消滅で世界は平和になると思った人びとは冷戦の構造を見誤っていたということである。武力による世界支配というアメリカ支配層の野望をソ連の存在が押さえ込んでいたのだ。実際、アメリカ支配層がソ連に圧勝できると考えたとき、全面核戦争の危機が高まった。そうした時期のひとつが1960年代の前半だ。

 アメリカの統合参謀本部(JCS)が1949年の段階に作成された研究報告で、ソ連の70都市へ133発の原爆を落とすということが書かれている。1954年にSAC(戦略空軍総司令部)が作成した計画では、1954年にSAC(戦略空軍総司令部)は600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すことになっている。そして1957年初頭には、300発の核爆弾でソ連の100都市を破壊するという「ドロップショット作戦」が作成された。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、1960年10月から62年9月までJCS議長を務めたリーマン・レムニッツァーやSAC司令官だったカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。そのために偽旗作戦のノースウッズも作成されたが、この目論見はジョン・F・ケネディ大統領によって阻止された。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンは2001年9月11日の攻撃で一気に動き出す。ネオコンの基本戦略はシリアとイランを分断することにあり、そのためにイラクのサダム・フセインを排除して親イスラエルの傀儡国家を成立させようとした。その口実に使われたのが大量破壊兵器。

 実際はそうした兵器をイラクが保有、あるいは開発している事実はなかったのだが、西側の政府や有力メディアは偽情報を盛んに流す。そうした中でもニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラー記者は目立った。その偽報道が露見すると彼女は同紙を2005年に辞めるが、07年には政策研究マンハッタン研究所へ迎え入れられ、08年にはFOXニューズに入る。2010年にはケイシーの家族やリチャード・メロン・スケイフという富豪が支援していたニューズマックスへ移籍した。また、偽報道の功績からか、CFR(外交問題評議会)のメンバーにもなっている。つまり、支配層から仲間として迎え入れられている。

 CFRが発行している雑誌、フォーリン・アフェアーの2006年3/4月号にアメリカはロシアや中国との核戦争で圧勝するとする論文が掲載された。これを書いたのはキール・リーバーとダリル・プレスで、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるとしている。アメリカの好戦派は1960年代と似た心理になっていたと言えるだろう。

 これに対し、ロシアはシリアで自分たちの軍事能力をアメリカに見せつけた。通常兵器での戦闘ならアメリカはロシアに負けると考える人は少なくない。歴史的に見てアメリカ軍が勝ったのは先住のインディアン、すでに国力が衰退していたラテン・アメリカのスペイン軍、そして日本くらいだろう。核兵器を手にして自分が世界の支配者になったと思ったようだが、ベトナムでもイラクでも勝てていない。シリアではアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)などワッハーブ派/サラフ主義者を主体とする集団、ウクライナではネオ・ナチを使って侵略戦争を繰り広げている。現在、ロシアや中国を軍事的に挑発しているが、通常兵器では勝てない以上、アメリカは核兵器に頼らざるをえない。2003年の先制攻撃によって、私たちはそうした世界に突入してしまった。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703120000/


12. 中川隆[7095] koaQ7Jey 2017年3月13日 13:45:11 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7561]

2017.03.13 3月利上げと半世紀ぶりのサウジ国王来日
http://golden-tamatama.com/blog-entry-saudiarabia-in-japan.html


FOMCが15日に利上げ発表。
そしてその時、サウジのサルマン国王が日本にいる。

何かある。。

ちなみに半世紀前にサウジ国王がやってきた時は何が起きたでしょう。
直後にニクソンショックが起きたのでした。


1971年 5月20日 サウジ ファイサル国王来日

1971年 8月15日 ニクソンショック(米ドルと金との兌換停止)

つぁぁぁ。
これは非常に気になります。

ちなみにサウジと言えば、昔からCIAの資金提供国でした。
CIAとつるんでテロのスポンサーをやってきた国ですね。
アルカイダのビンラディンさんに始まり今はイスラム国のIS。

なんでISがトヨタのランドクルーザーを乗り回せるのかというと
中東でトヨタ車を陸揚げできるのは、イスラエルとサウジアラビアの港だけだからです。
それを考えればスポンサーが誰なのか分かるでしょう。

中東の偽テロはCIA、そしてサウジやトルコが作ってた。
来日するサルマン国王は優しげな国王というイメージで語られることが多いのですが
偽テロを作ってきたスポンサーが優しい訳ないのです。

ちなみにトルコにはISの訓練場があります。
これも色んな人が言ってることです。

で、最近、トランプさんになって中東のテロがぱったり止まった。
ワタスが気になってるのは石油がかなり下がり始めてるとこです。

3月に入って急に下がる原油価格。

そのためCRB指数も暴落してます。

CRB指数が下がると、次に株が暴落することが多い。

サウジ国王は、日本の後、中国に行きます。
今まで米国債を買ってきたのは日本、サウジ、中国です。

今までCIAの手下で頑張ってきました。
アメリカさんを支えてきました。

でも、もう、限界です。
米ドルを買い支えるのやめます。

必殺、逆ニクソンショーック!
サウジ国王は、日本にその相談に来たのでしょうか。

どうも今月15日のFOMCのイエレンおばちゃん。
そしてサウジ国王来日。
連動してる気がします。

今後の大きな流れ。
アメリカ一国支配体制を終わらせる。
世界を多極化させる。

だからこそトランプ政権誕生であり、ISの解散なのかもしれません。

今月後半。
何か大きく動く気がしてきました。
http://golden-tamatama.com/blog-entry-saudiarabia-in-japan.html


13. 中川隆[7127] koaQ7Jey 2017年3月15日 12:51:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7595]
2017.03.15
米国でトランプを排除し、ペンスを大統領に据える工作が進行中だとWikiLeaksのアッサンジ


WikiLeaksのジュリアン・アッサンジは3月14日にTwitterで、マイケル・ペンス副大統領を大統領にする計画が進行中だと書いている。ドナルド・トランプを排除してペンスを後釜に据えようということらしい。ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されて大統領になったリンドン・ジョンソン、ウォーターゲート事件で失脚したリチャード・ニクソンを引き継いだジェラルド・フォードと同じパターン。この情報はペンスに近い情報関係者から今月、入手したようだ。

 アッサンジによると、こうした動きをヒラリー・クリントンは歓迎、水面下で支援しているとも書いている。ペンスの動きは予想可能で、打ち負かすことができることが理由だとしている。

 こうした情報を「ばかげている」と否定しているペンス副大統領はキリスト教系カルト(キリスト教シオニスト)に近く、アメリカはイスラエルと共にあると公言している人物。インディアナ州知事の時代に成立させた「宗教の自由復活法」は、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の顧客を宗教的な理由で差別しても処罰されなくすることが目的だったと言われている。トランプ大統領も親イスラエルを表明しているが、ペンス副大統領はシオニストの領域に入っていると言え、ネオコンに近い。

 ネオコンはロシア、中国、イランなどを軍事的に制圧する戦略を持ち続けていいるが、トランプが国家安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン元DIA局長はロシアとの関係改善を訴えていた。そのフリンは2月13日に国家安全保障担当補佐官を辞任している。

 その辞表を読んでみると、辞任する理由は事実上、書かれていない。次期政権の国家安全保障担当補佐官として、各国の安全保障担当者、大臣、大使と電話で話をしたが、それは政権の移行を円滑に進め、大統領、補佐官、外国の指導者との必要な関係を築く手始めだったとしている。これは正しい。辞任する理由として挙げられているのは次期副大統領のペンスに対する電話に関する説明が不完全だったということくらいだが、これが辞任の理由だとは思えない。

 そこで、イランに対する強硬姿勢が本当の理由だとする人もいるが、イランに対する軍事的な圧力はロシアとの関係悪化に直結する。つまり、ロシアとの関係改善を掲げている人物はそうした方向へ進みたくないはずだ。

 1991年にイラクやシリアと同様、イランの破壊を主張していたのはネオコンのポール・ウォルフォウィッツである。その姿勢は現在に至るまで変化していない。アメリカの話し合いは時間稼ぎ、あるいはカラー革命、軍事クーデター、軍事侵略などの環境整備に過ぎない。

 タックスヘイブンのひとつであるパナマを舞台にした資金の情報を明らかにしたパナマ文書についてロシアの情報機関がリークしたと主張していたクリフォード・ガディ、シリアに飛行禁止空域を作るべき(アメリカが制空権を握るべき)だと主張していたマイケル・オハンロンが所属するブルッキングス研究所はネオコン系で、トランプを敵視している勢力。

 ネオコンなどアメリカの好戦派のプランを作成しているのはブルッキングス研究所だと見られている。バラク・オバマ政権で国連大使を経て安全保障問題担当大統領補佐官に就任したのはスーザン・ライスだが、彼女の母親、ロイスはブルッキングス研究所の研究員だった。

 ロイスはマデリーン・オルブライト(ユーゴスラビアを軍事侵攻したときの国務長官)と親しく、その縁でスーザンは子どもの頃からオルブライトを知っていた。そのオルブライトの師はアフガニスタンで戦争を仕掛けたズビグネフ・ブレジンスキーだ。

 そのブルッキングス研究所はイランをいかに攻撃し、破壊するかを提案をしている。しばしば好戦派の人びとが使う台詞、「本当は避けたいのだが、やむを得ず、苦汁の選択で戦争する」を使える環境を整備して戦争を仕掛けようということだ。これはネオコンのプランであり、ヒラリー・クリントンやバラク・オバマの政策を決めてきた。そうした政策にトランプが抵抗するならフリンのように排除してペンスを次の大統領に決めるということ。そうした動きがあるとアッサンジは言っている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703150000/


14. 中川隆[-7980] koaQ7Jey 2017年4月28日 16:28:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.04.28
次期仏大統領に選ばれる可能性が高いマクロンは巨大銀行と結びついたオランド現大統領の側近


フランス大統領は5月7日に実施される第2回目の投票で決まる。候補者は「前進」のエマニュエル・マクロンと「国民戦線」のマリーヌ・ル・ペン。マクロンは「中道」、ル・ペンは「極右」というタグをメディアはつけている。

マクロンが圧勝する見込みだというが、この人物は2006年から09年まで社会党に所属、その間、08年にロスチャイルド系投資銀行へ入り、200万ユーロという報酬を得ていたといわれている。

2009年から16年の間は無所属だったというが、12年から14年にかけて大統領府副事務総長、14年から16年にかけては経済産業デジタル大臣を務めた。言うまでもなく、この時の大統領はアメリカ支配層の操り人形に過ぎなかったフランソワ・オランドだ。この経歴で「中道」とは到底言えない。

マクロンが社会党を離れた2年後、社会党の大統領候補になると見られていたドミニク・ストロス-カーンIMF専務理事がニューヨークのホテルで逮捕されている。その前月、つまり2011年4月にストロス-カーンはブルッキングス研究所で演説、失業や不平等は不安定の種をまき、市場経済を蝕むことになりかねないとし、その不平等を弱め、より公正な機会や資源の分配を保証するべきだと主張していた。

しかも、進歩的な税制と結びついた強い社会的なセーフティ・ネットは市場が主導する不平等を和らげることができ、健康や教育への投資は決定的だと語っただけでなく、停滞する実質賃金などに関する団体交渉権も重要だと語っている。アメリカ支配層を怒らせたことは想像に難くない。

後にストロス-カーンの容疑は限りなく冤罪に近いということが判明するが、IMF専務理事は辞めさせられ、大統領候補にもなれなくなった。アメリカ支配層から見れば、目障りな人物を排除できたということだ。フランスの大統領選挙に介入したと言われても仕方がないだろう。

オランドはフランスの有権者に嫌われているようだが、大統領に選ばれる可能性が高いというマクロンはオランドと同じ勢力に操られている。マクロンが勝利するということは、オランド政権の政策を継続することにほかならない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704280000/

[32初期非表示理由]:担当:アラシ

15. 中川隆[-7968] koaQ7Jey 2017年4月30日 09:18:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.04.30
露国と中国に対する攻撃システムTHAADを米国は韓国に配備、その経費10億ドルを出せと米大統領


アメリカは4月25日に抗議活動の中、THAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムのレーダー、ランチャー、通信機器を含む機器を6台のトレーラーでゴルフ場の「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」へ運び込んだ。このシステムの配備に韓国政府は難色を示していたが、そうした意向を無視、強引に配備したわけだ。

その上、アメリカ大統領は韓国に対し、貿易交渉に絡めて10億ドルを「用心棒代」としてよこせと言った。アメリカとの貿易協定で韓国経済は悲惨な状況に陥り、中国へ接近する一因になっている。自分たちが望んでいなかったTHAADの費用はアメリカが出すべきだと韓国政府が主張したのは当然だろう。そうした遣り取りの中、アメリカ軍は朝鮮半島の近くで韓国軍と合同軍事演習を実施する。

生産能力を放棄、庶民から富を収奪することで国を弱体化、ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうなのがアメリカ。かつて、中国との貿易で完敗したイギリスは軍事力を使って麻薬を売りつけ、略奪することで大儲けした。が、現在の米英は高額兵器によるカネ儲けで目が眩んで軍事力も低下している。

ウラジミル・プーチンが実権を握ってから再独立したロシアは急速に国力を回復したが、1991年12月にソ連を消滅させたボリス・エリツィン時代と同じ感覚で、2006年の段階でもネオコンはアメリカが「唯一の超大国」だと思い込んでいたようだ。例えば、フォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)の3/4月号には、ロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるようになるとするキール・リーバーとダリル・プレスの論文が掲載されている。

それから2年後、2008年8月にグルジア(ジョージア)は南オセチアを奇襲攻撃した。イスラエルとアメリカ、特にイスラエルが武器/兵器を供給し、将兵を訓練していた。侵攻作戦はイスラエルが立てたとも言われている。その侵攻作戦はロシア軍の反撃で粉砕されてしまった。

この段階でアメリカもロシア軍が強いということを認識したはずだが、それを再確認させたのが2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で始めた空爆。戦闘機による攻撃以上にアメリカ側がショックを受けたのは、カスピ海から発射された巡航ミサイルがシリアのターゲットへ正確に命中した事実だと言われている。潜水艦からもミサイルが発射された。

S-300やS-400といった防空システム、マッハ6から7で飛行する弾道ミサイルのイスカンダルは西側にとって脅威だ。また、海底1万メートルを時速185キロメートルで進むことができ、射程距離は1万キロに達し、遠隔操作が可能な戦略魚雷の存在もロシア軍はリークし、キール・リーバーとダリル・プレスの論文は戯言だとアメリカに警告している。

ネオコンを含むアメリカの好戦派は凶人、あるいは狂犬を装って相手を屈服させてきた。脅せば屈するという戦法だが、ロシアや中国は脅しても屈しない。通常兵器で勝てない相手を脅そうとエスカレートさせていけば、核戦争の到達する。ヒラリー・クリントンはそうした方向へ進もうとしていた。

ドナルド・トランプはそうした狂気の戦法を放棄する姿勢を見せていたが、大統領就任から100日も経たないうちにクリントンと同じようになった。ポール・ウォルフォウィッツは喜んでいるようだが、世界は非常に危険な状況に陥った。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704300000/

[32初期非表示理由]:担当:アラシ

16. 中川隆[-7686] koaQ7Jey 2017年5月10日 09:13:03 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.05.10
サウジは高額兵器で欲望を実現しようとし、ネオコンは核戦争の脅しで中露を屈服させようとする

1970年代終盤にズビグネフ・ブレジンスキーがサラフィ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心にして戦闘集団を組織して以来、戦闘員を雇い、戦費を提供してきたサウジアラビアだが、その傭兵集団による侵略がシリアで躓き、イエメンへの侵攻も失敗して苦しい状況に陥っている。しかも自らが仕掛けた原油相場の下落で財政赤字が深刻化、体制は揺らいでいる。

そのサウジアラビアで最も強く傭兵集団と結びついていると言われている人物が副皇太子で国防相でもあるモハンマド・ビン・サルマンだが、そのサルマンがイランとの軍事衝突が起こる場合はイランが戦場になると発言、つまりイランに対する先制攻撃を5月2日に示唆した。それに対してイランは7日、サウジアラビアが「おろかなこと」をした場合、メッカとメディナを除く地域を破壊すると警告している。

サルマンは傭兵を送り込むか、アメリカから購入した「高額兵器」を使って目障りな国々を制圧するつもりだったようだが、相手のことも自分のことも理解できず、腕力を過信した結果その目論見は外れている。

この思考回路はネオコンに似ている。1991年12月にソ連が消滅してアメリカが唯一の超大国になったと考え、92年2月に国防総省内でDPGの草案という形で世界制覇のプランを作成したのだ。

その当時のロシアに大統領として君臨していたボリス・エリツィンはソ連を消滅させる上で中心的な役割を果たした西側巨大資本の傀儡で、その娘は今でも西側がロシアに張り巡らせたネットワークの中心的な存在。エリツィン時代のロシアは西側支配層とその手先(オリガルヒ)に略奪され、弱体化していた。

しかし、21世紀に入ってウラジミル・プーチンが実権を握ると状況は一変、急速に国力を回復させるのだが、ネオコンはソ連消滅時の勝利感から今でも抜け出せていない。CFR/外交問題評議会が発行しているフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できる日は近いと主張していた。

ヨーロッパでロシアの周辺に配備しているミサイル(報復攻撃に備えるだけでなく、先制核攻撃に使われると見られている)や韓国に配備しつつあるTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムは先制核攻撃の準備だろう。アメリカは1950年代から先制核攻撃の準備を進め、攻撃のチャンスをうかがってきたことは本ブログでも繰り返し、書いてきた。今は射程500キロメートルでもすぐに1000キロメートルへ伸ばすことができ、2400キロメートルの攻撃的なミサイルへ切り替えることができるのだ。

リーバーとプレスの論文が発表された2年後、ジョージア(グルジア)は南オセチアを奇襲攻撃する。当時のジョージア政府はイスラエルの強い影響下にあり、国防大臣と領土統合大臣は流暢にヘブライ語を操ることができた。しかもイスラエルはジョージアへ武器を提供し、将兵を訓練していた。奇襲作戦を立案したのはイスラエルの軍人だという推測もある。

もうひとつ注目されているのは、攻撃の1カ月前、つまり2008年7月10日にアメリカの国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪れ、攻撃の直後にも再度訪問した事実。南オセチアへの奇襲攻撃は大統領だったミハエル・サーカシビリが計画したとジョージアの元大臣が語っているが、その背後にイスラエルとアメリカがいたことは間違いない。

調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、その前年までにアメリカ、サウジアラビア、イスラエルはシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めている。その手先になるのがサラフィ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団である。この計画もロシアや中国は出てこないという前提で進められていたのだろう。

しかし、2015年9月30日にネオコンの世界制覇プランは破綻してしまう。リビアと同じように、アメリカ/NATOとアル・カイダ系武装集団(つまりサウジアラビアが雇った傭兵)の連携でシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒そうとしたのだが、侵略勢力の偽情報はことごとく露見、9月30日にはロシア軍がシリア政府の要請で空爆を開始したのだ。すでに戦闘機でアメリカはロシアの後塵を拝しているが、カスピ海の艦船から巡航ミサイルで正確にシリアのターゲットへ命中させて西側を驚かせた。マッハ6から7で飛行、西側の防空システムは対応できないと考えられている弾道ミサイルのイスカンダルも脅威だ。

また、2015年11月には新型魚雷の存在がリークされている。これは潜水艦から発射され、遠隔操作が可能で、海底1万メートルを時速185キロメートルで進み、射程距離は1万キロに達する。先制第1撃でロシアや中国を壊滅させられるということが幻想に過ぎないことを示し、核戦争でアメリカは勝てないことを知らせようとしている。

しかし、自分たちは世界の支配者になり、何をしても許されると信じて破壊と殺戮を繰り広げてきたのがネオコンであり、その宣伝部門が西側の有力メディア。1992年に始めた世界制覇プランが失敗に終わった場合、責任を問われるかもしれないと彼らは恐怖している可能性がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705100000/


17. 中川隆[-7572] koaQ7Jey 2017年5月21日 07:18:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.05.21
有力メディアを使い、正体不明の情報源が語った真偽不明の話で大統領を攻撃するクーデター状況


アメリカの有力メディアは正体不明の情報源が語ったという真偽不明の話で世界を戦争へと導き、今はドナルド・トランプ大統領を攻撃している。デニス・クシニッチ元下院議員もFOXニュースの番組で指摘しているが、深層国家がアメリカの政治システムを攻撃している。マイケル・フリン国家安全保障担当補佐官が2月13日に辞任した直後、ジャーナリストのグレン・グリーンワルドはクーデターという表現を使っていた。

現在、トランプ攻撃の最前線にいるのがジェームズ・コミー前FBI長官だ。CNNやNBCを含むメディアによると、フリンに関する調査を中止するようにトランプ大統領が自分に言ったとコミーはメモに書いたと情報源が語っているらしい。その情報源が何者かはわからない。

これは本人が語ったわけでないのだが、コミー本人は長官だった5月3日に宣誓の上で証言した際、捜査を打ち切るように圧力を受けたことはないと述べている。その発言から5日後に彼は解任され、アンドリュー・マッカビ副長官が長官代理になった。解任されたとき、コミーは寝耳に水で驚いたようで、解任を予想させるような出来事はなかったということだろう。

その後、CNNが伝えたところによると、コミーの考えに精通している人物の話だとして、ドナルド・トランプ大統領がロシアに関する調査についてコミーの判断に影響を及ぼそうとしたと信じるようになったが、犯罪的な気持ちで手続きを妨害する意思を持っていたかどうかは証明することが難しいらしい。フリンに関する調査を中止するようにといった具体的なことを言われたようには思えない。この話を本当にコミーがしたかどうかもわからない。

ユーゴスラビアにしろ、アフガニスタンにしろ、イラクにしろ、リビアにしろ、シリアにしろ、ウクライナにしろ、アメリカをはじめとする西側の有力メディアは侵略の前に偽情報を大々的に流してきた。それほど時をおかずに嘘がばれることも珍しくないが、それでも公然と嘘をつき続け、多くの人はその嘘を事実だとして受け入れてきた。トランプ攻撃でも同じことが繰り返されている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705200001/


18. 中川隆[-7597] koaQ7Jey 2017年5月30日 09:36:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.05.30
アフガニスタンでアル・カイダの仕組みを作り、地上に破壊と殺戮を広めたブレジンスキーが死亡

ズビグネフ・ブレジンスキーが5月26日に死んだ。1928年3月28日にポーランドのワルシャワで外交官の息子として誕生したが、一族の出身地はガリツィアのブレザニー(現在はウクライナ)だという。1938年に父親の仕事でカナダのモントリオールで生活を始め、1953年にはハーバード大学で博士号を取得、後にコロンビア大学で教えるようになる。このころかCIAと関係ができたと見られているが、その一方でデイビッド・ロックフェラーと親しくなる。

ベトナム戦争への本格的な軍事介入に反対、ソ連との平和共存を売ったいていたジョン・F・ケネディ大統領、ベトナム戦争へ反対していたマーチン・ルーサー・キング牧師、ケネディ大統領の弟でキング牧師と親しかったロバート・ケネディーが暗殺される一方、アメリカは戦争へとのめり込むが、国内では反戦運動が活発化、1972年の大統領選挙で民主党の候補は反戦の意思を明確にしていたジョージ・マクガバンが選ばれた。しかも、共和党のリチャード・ニクソンもデタント(緊張緩和)を考えていた。ブレジンスキーはマクガバンやニクソンに敵対する。

選挙戦の最中、民主党の内部ではヘンリー・ジャクソン上院議員を中心に反マクガバン派がCDMを結成している。ジャクソン議員のオフィスは後にネオコンの幹部になる人たちが送り込まれ、教育の場になっていた。その中にはポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パール、ダグラス・フェイスも含まれていた。

ニクソン失脚後にジェラルド・フォードが大統領になるとデタント派が粛清され、CIA長官はウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへ、国防長官はジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルドへ交代になる。また、リチャード・チェイニーが大統領首席補佐官に就任、ウォルフォウィッツやジャクソン議員の顧問だったリチャード・パイプスはCIAの内部でソ連脅威論を正当化するための偽情報を発信するチームBのメンバーに選ばれている。

1976年の大統領選挙で勝ったジミー・カーターはブレジンスキーとデイビッド・ロックフェラーが後ろ盾になっていた人物。ブレジンスキーはその政権で安全保障補佐官に就任した。

1978年にCIAとイランの情報機関SAVAKはエージェントをアフガニスタンへ派遣、軍内部の左派将校を排除し、左翼政党を弾圧するように工作(Diego Cordovez and Selig S. Harrison, “Out of Afghanistan”, Oxford University Press, 1995)、79年4月にはNSC(国家安全保障会議)でアフガニスタンの「未熟な抵抗グループ」に対する同情を訴え、CIAはゲリラへの支援プログラムを開始している。5月にはCIAイスタンブール支局長がアフガニスタンのリーダーたちと会談している。

こうした工作が功を奏し、1979年12月にソ連の機甲部隊がブレジンスキーの思惑通りに軍事介入してくる。そのソ連軍と戦わせるために彼はCIAに戦闘員を訓練させているが、その戦闘員を雇っていたのがサウジアラビア。CIAは対戦車ミサイルのTOWや携帯型地対空ミサイルのスティンガーを供給している。

サウジアラビアで教鞭を執っていたアブドゥラ・アッザムが戦闘員を集める工作を始めるのだが、そのアッザムの教え子のひとりがオサマ・ビン・ラディン。ふたりは1984年にパキスタンへ行き、そこでMAK(礼拝事務局)を創設する。アル・カイダの前身になる団体だ。

このアル・カイダを戦闘集団だと誤解している人もいるようだが、実際は違う。ロビン・クック元英外相が指摘しているように、CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵の登録リスト。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

 アル・カイダに登録されている戦闘員を中心に武装集団を編成、さまざまなタグをつけて侵略の手先にするという仕組みを作り上げたのはブレジンスキーだということ。後にフランスのヌーベル・オプセルヴァトゥール誌からブレジンスキーはインタビューを受け、こうした戦闘集団を作り、戦乱を広めたことを後悔していないかと聞かれているが、それに対して後悔はしていないとした上で、「秘密工作はすばらしいアイデアだった」と答えている。(Le Nouvel Observateur, January 15-21, 1998)

ブレジンスキーは地上に破壊と殺戮を広めたひとりだった。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705300000/


19. 中川隆[-7624] koaQ7Jey 2017年6月01日 09:24:20 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.06.01
朝鮮の弾道ミサイル対策と称し、中国を恫喝するため、韓国政府に無断で同国へTHAADを増設


朝鮮の弾道ミサイル攻撃に備えると称し、アメリカ軍はTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器を韓国へ持ち込みつつある。朝鮮のミサイル発射実験もアメリカにとってありがたいことだったはずだ。

スキャンダルで朴槿恵政権が機能不全の状態になっているのを利用してシステムを2基搬入したのだが、その後、新大統領の文在寅に知らせることなく、さらに4基を設置したことが判明した。新大統領の反対を予想し、勝手に持ち込んだということだ。そこで調査が開始されたようだ。

アメリカの好戦派を引っ張っているネオコンは1991年12月にソ連が消滅した段階でアメリカが唯一の超大国になったと信じ、翌年の2月に国防総省内でDPGの草案という形で世界制覇のプランを作成した。

ボリス・エリツィンを使ってロシアは属国化、中国はカネで懐柔済みで、自立した国は簡単に屈服させられると考えていたようだ。また西ヨーロッパ、アジア全域、旧ソ連圏を潜在的なライバルだとみなし、ライバルとして成長しないように押さえ込むことになっていた。

21世紀に入ってロシアではウラジミル・プーチンがロシアを再独立させたが、国力の回復は先だと推測していたようで、例えば、CFR/外交問題評議会が発行しているフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張している。アメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てると見通しているのだ。

そうした分析は間違っていることをロシア政府はさまざまな方法で示してきたが、ネオコンは後へ引けない状態。イスラエルと共にネオコンの同盟相手であるサウジアラビアはサラフィ主義者(ワッハーブ派、クフィール主義者)のスポンサー、つまりアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の黒幕。そのサウジアラビアの国王が3月、約1カ月に渡ってマレーシア、インドネシア、ブルネイ、日本、中国などを歴訪、アジアの東岸に戦乱を広めるつもりではないかと懸念する人は少なくなかった。

東南アジアではインドネシア、マレーシア、タイなどでサラフィ主義者が活発に動き始め、ミャンマーでアウン・サン・スー・チー派から弾圧されているロヒンギャと呼ばれるイスラム教徒の中へ潜り込み始めているようだが、5月23日にはフィリピン南部、ミンダナオ島のマラウィ市がダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に制圧されたと伝えられている。

安倍晋三政権の動きもこうした東アジア情勢と無関係ではないだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201706010000/


20. 中川隆[-7106] koaQ7Jey 2017年7月30日 18:23:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.07.29 ブッシュJr政権の時代から政権転覆工作のターゲットになってきたベネズエラの現状にCIAは満足
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201707290000/


マイク・ポンペオCIA長官は7月20日、アスペン治安フォーラムでベネズエラの「移行」が期待できると語っている。その中でメキシコやコロンビアが協力しているかのようなことも口にしたが、両国は否定した。

ジョージ・W・ブッシュ政権が中東侵略に気をとられていた頃、ラテン・アメリカではアメリカから自立する動きが出ていた。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、エクアドル、ホンジュラス、ニカラグア、ベネズエラなどだが、その中でも産油国のベネズエラは中心的な存在だった。

ベネズエラを自立した国にしたのはウーゴ・チャベス。1999年に大統領へ就任、それに対してブッシュ・ジュニア政権はクーデター計画を始動させる。2002年のことだ。その黒幕と指摘されているのはイラン・コントラ事件でも登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そしてジョン・ネグロポンテ国連大使だ。

ネグロポンテは1981年から85年まで、つまりCIAがニカラグアの反革命ゲリラを支援して政権転覆を目論んでいた時期に工作の拠点になっていたホンジュラス駐在大使を務め、2001年から04年にかけては国連大使、04年から05年まではイラク駐在大使。その後、国家情報長官や国務副長官に就任している。

2002年のクーデター計画は、事前にOPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスからチャベスへ知らされたため、失敗に終わるが、それで終わらなかった。例えば、WikiLeaksが公表したアメリカの外交文書によると、2006年にもクーデターが計画されている。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに操られている機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、それによってアメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるとしている。チャベスは2013年3月、癌のため、58歳の若さで死亡した。

バラク・オバマが大統領に就任して間もない2009年6月、ネグロポンテが大使を務めたこともあるホンジュラスでマヌエル・セラヤ政権がクーデターで倒された。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、セラヤ大統領を拉致してコスタ・リカへ連れ去ったのである。

アメリカ政府はホンジュラスのクーデター政権を容認しているが、当時、現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、ヒラリー・クリントン国務長官も実態を知っていた。この正当性のない政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したという報告がある。

クーデターを支援していたひとり、ミゲル・ファクセが麻薬取引が富の源泉であることもアメリカ側は認識していた。ちなみに、ミゲルの甥にあたるカルロス・フロレス・ファクセは1998年から2002年にかけてホンジュラスの大統領だった人物である。

クーデターの中心になったロメオ・バスケスが卒業したSOA(現在の名称はWHINSEC)はアメリカ支配層がラテン・アメリカ諸国の手先を育成するため、1946年にパナマで設立された施設。対反乱技術、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、軍事情報活動、尋問手法などの訓練を実施する。

1984年にSOAはパナマを追い出され、アメリカのジョージア州フォート・ベニングへ移動、2001年には「治安協力西半球研究所(WHISCまたはWHINSEC)」と名称を変更したが、行っていることは基本的の同じだと言われている。

ラテン・アメリカは15世紀からスペインやポルトガルに略奪されている。金や銀をはじめとする資源が豊富で、「十字軍」による略奪と並び、近代ヨーロッパの基盤を築く上で大きな役割を果たした。18世紀までにボリビアのポトシ銀山だけで15万トンが運び出されたとされているが、この数字は「少なくとも」である。

19世紀になるとアメリカの巨大資本がラテン・アメリカで大規模農業を展開、「バナナ共和国」と呼ばれるようになる。その巨大資本がラテン・アメリカからスペインを追い出す戦争の引き金になった出来事が1898年のメイン号爆沈事件。

アメリカの軍艦メイン号が停泊中に沈没したのだが、アメリカ側はこれをスペインの破壊工作だと主張、戦争を始めたのだ。その戦争で勝利したアメリカはフィリピンも手に入れることに成功、中国を侵略する橋頭堡にしている。

1900年の大統領選挙で再選されたウイリアム・マッキンリーが翌年に暗殺され、副大統領のセオドア・ルーズベルトが跡を継ぐ。その新大統領は「棍棒外交」を展開し、ベネズエラ、ドミニカ、キューバを次々と「保護国化」していった。こうした巨大資本の利権をまもるために海兵隊が使われている。

第2次世界大戦後、民主化の波がラテン・アメリカへも押し寄せるが、それをアメリカはクーデターなどで潰していく。例えば、1954年のグアテマラ、64年のボリビア、ブラジル、71年のボリビア、73年のチリなどだ。そして現在、自立の波を潰すため、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラなどでクーデターを進めている。


21. 中川隆[-7105] koaQ7Jey 2017年7月31日 13:55:31 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.07.31 EUを怒らせた米国の露国制裁を目的とした法律への報復として露政府は米外交官755名を追放へ

ロシアのウラジミル・プーチン大統領は同国に駐在しているアメリカの外交官を455名まで減らさせると語った。現在、ロシアのアメリカ大使館には1210名の外交官がいるようなので、755名を追放することになる。

これはアメリカのロシアに対する「制裁」法への報復で、昨年12月にバラク・オバマ大統領がアメリカとロシアとの関係悪化を狙って行った外交官35名を含むロシア人96名を追放した行為への対抗措置は保留したままだ。

アメリカの大使館は情報活動や破壊活動の拠点であり、相当数の外交官は情報機関のオフィサーやエージェント。通信傍受のための施設もあると見られている。日本のアメリカ大使館も巨大だが、ロシアで活動している「外交官」も多い。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201707310000/


22. 中川隆[-6667] koaQ7Jey 2017年8月16日 07:41:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.08.16 侵略勢力を撃退しつつあるシリア政府軍側のヒズボラはイスラエルの最新戦車を破壊する能力


ロシア軍の支援を受け、シリア政府軍の支配地域がここ2カ月の間に3.5倍に拡大したという。アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの3国同盟を中心とする侵略勢力の手先、アル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が敗走している。

5月28日にロシア軍はダーイッシュの幹部がラッカの近くに集まるという情報を得て空爆、その際にこの武装集団を率いていたアブ・バクル・アル・バグダディを含む約30名の幹部が殺された可能性が高く、内部崩壊しているように見える。また、3国同盟に協力していたトルコやカタールは侵略軍から離脱、バシャール・アル・アサド大統領を排除するという侵略側の目論見は崩れた。そこで、アメリカ政府はクルド勢力を使ってユーフラテス川より北の地域を占領、その状態を維持するために自国軍の軍事基地を建設中だ。

調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書いている。その記事の中でジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで外交問題評議会の終身メンバーでもあるバリ・ナスルはサウジアラビアが「ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係がある」と指摘、その「イスラム過激派」が手先だとしている。

ハーシュの記事が出る前年、2006年7月から8月にかけてイスラエルはレバノンに軍事侵攻、ヒズボラと戦っているが、その際、イスラエル海軍のコルベット艦がヒズボラの対艦ミサイルで損傷を受けたるなど予想外の苦戦。イスラエルにとってヒズボラはシリアやイランと同じように目障りな存在になった。

イスラエルと緊密な関係にあるネオコンは遅くとも1991年の段階でイラク、シリア、イランを殲滅するとつもりだった。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)で最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、国防次官だったネオコンのポール・ウォルフォウィッツはその年、イラク、シリア、イランを殲滅すると口にしているのだ。そのうちイラクは2003年に侵略し、殺戮、破壊、略奪を繰り広げている。

そして2011年春、アメリカ/NATOなどはリビアとシリアに対する侵略を本格化させた。リビアが狙われた大きな理由はムアンマル・アル・カダフィがアフリカを自立させようとしたからだと見られているが、シリアはネオコンの予定通り。

ネオコン/イスラエルの戦略を知っているヒズボラはシリアへの侵略戦争でシリア政府軍側について戦ってきたが、その間に戦闘能力を高めている。ヒズボラが使っている対戦車兵器のRPG-29、AT-14コルネット、メティスMでイスラエルの最新戦車、メルカバ4は破壊されたことは象徴的だ。中東におけるアメリカやイスラエルの軍事的優位が揺らいでいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708150000/


23. 中川隆[-6617] koaQ7Jey 2017年8月23日 18:15:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.08.23
グローバル化に異を唱え戦争に反対するバノンを排除したネオコンは自分の傀儡からも嫌われている


ステファン・バノン首席戦略官が解任された。グローバル化を批判するバノンをアメリカの支配層が排除したということだろう。バラク・オバマ政権がダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を生み出したと語っていた元DIA局長のマイケル・フリン国家安全保障担当補佐官をホワイトハウスから追い出した段階で道筋は決まっていたとも言える。

バノンの政策を「保護主義」と表現してきた日本のマスコミなどは今回の解任を肯定的に伝えている。確かに問題のある人物ではあるが、巨大資本が全てを支配するシステムに異を唱え、戦争に反対していたことは事実。それを大手メディアは嫌っている。中国との経済戦争をバノンは望んでいたが、朝鮮の核兵器開発問題では軍事的な解決を否定、「忘れろ」と語っていた。

しかし、ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は軍事的な手段しか思い浮かばないようだ。19世紀に経済破綻を侵略戦争(幸徳秋水が言うところの切取強盗)と麻薬でイギリスは乗り切ろうとしたが、アメリカは同じことをしようとしている。

日本を含む西側のメディアはアメリカの巨大資本が君臨する世界を夢想している。政府、議会、司法を上回る権力をアメリカの巨大資本に与えるISDS(国家投資家紛争処理)条項を含むTPP(環太平洋連携協定)を推進してきたのはそのためだ。

こうした夢想を実現できると彼らに思わせる出来事が1991年12月に起こっている。ソ連が消滅したのだ。これによってアメリカは「唯一の超大国」になったと認識したネオコンは残された服わぬ国々を武力で制圧しようとする。それが1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。1991年のうちにポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すべき国として挙げていた。

イラクは2003年に侵略されたが、その前にアフガニスタンが攻撃されている。自分たちが作り上げたタリバン政権がコントロールできなくなり、破壊しようとしたのである。アメリカの傀儡として大統領に就任したのがハミド・カルザイだが、今はアメリカに批判的で、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はアメリカが作った道具だとしている。

1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックはアル・カイダについてCIAから訓練を受けた戦闘員のデータベースだと説明したが、その戦闘員の多くはサウジアラビアが雇い、送り込んだサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で、アフガニスタンでソ連軍と戦わせることが目的だった。

イラクでサダム・フセイン体制が倒された後、アメリカは親イスラエル政権を樹立しようとして失敗、ヌーリ・アル・マリキが首相になる。この人物もアメリカの影響下にあったはずだが、2014年3月にアメリカの同盟国であるサウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると語り、ロシアへ接近する姿勢を見せた。21世紀に入ってウラジミル・プーチンが大統領になると、ロシアは再独立して国力を急速に回復させていたのだ。

その年の4月に実施された議会選挙でマリキが党首を務める法治国家連合が第1党になるのだが、マリキは首相になれなかった。アメリカ政府が介入したと見られている。マリキはペルシャ湾岸産油国を批判しただけでなく、アメリカ軍の永続的な駐留やアメリカ兵の不逮捕特権を認めなかった人物で、アメリカ支配層に嫌われたようだ。

しかし、新しく首相になったハイデル・アル・アバディ首相もアメリカに背く。2015年9月30日にロシアがシリア政府の要請で空爆を始め、その成果を見た彼はイラクもロシアに空爆を頼みたいという意思を示したのだ。そこでジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長がイラクへ乗り込み、ロシアへ支援要請をするなと恫喝したようだ。

そうした状態であるため、アフガニスタンでもロシアや中国の存在感が強まっている。戦略的に重要な場所にあるだけでなく、アヘン戦争以来、米英がカネ儲けに使っているケシ(アヘンやヘロインの原料)の産地。ケシの畑を守ることもアメリカ/NATOの役割だと言う人もいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708230000/


24. 中川隆[-6595] koaQ7Jey 2017年8月28日 08:14:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.08.27
GWブッシュ政権からベネズエラの自立政権を倒すクーデターを米政府は計画、トランプ政権も継続


アメリカはベネズエラの体制転覆を目論んでいる。ドナルド・トランプ大統領はベネズエラを軍事侵攻する可能性があると8月11日に語り、25日にニッキー・ヘイリー国連大使はベネズエラに対し、「独裁制」を許さないと語った。7月20日にはマイク・ポンペオCIA長官がベネズエラの「移行」が期待できるとアスペン治安フォーラムで語っている。

そうした動きに対抗、ベネズエラ政府は中国から融資を受け、ロシアの企業へ石油を売却、石油生産設備を外国へ売ることでアメリカの石油企業や銀行に乗っ取られることを防ごうとしている。ここでもアメリカは中国やロシアと衝突しそうだ。

世界を股にかけて侵略戦争を繰り返し、殺戮と破壊を続けている自分たちの「帝国」にとって目障りな政府は公正な選挙で選ばれていても「独裁政権」というタグが付けられる。タグの付け替えで人心を操作しようというワンパターンの手口。そのタグを信じる、あるいは信じている振りをする人も少なくない。

世界有数の産油国であるベネズエラはラテン・アメリカ自立のカギを握る国で、ここを制圧すれば残る国を屈服させることは容易になる。アフリカ大陸におけるリビアがそうだったのと同じような立場だ。

そのベネズエラをアメリカから自立させたのが1999年から大統領を務めたウーゴ・チャベス。アメリカで2001年に誕生したジョージ・W・ブッシュ政権はアフガニスタンへの先制攻撃を実施、03年にはイラク侵略を先制攻撃したが、その間、チャベス排除も試みている。

2002年にクーデター計画が始動したのだが、その黒幕と指摘されているのはイラン・コントラ事件でも登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そして1981年から85年までのホンジュラス駐在大使で、後に国連大使にもなるジョン・ネグロポンテ。

クーデターの際、アメリカ海軍がベネズエラ沖で待機、新政権は実業家のペドロ・カルモナを中心に組閣されることになっていたというが、この計画は事前にOPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスからチャベスへ知らされたため、失敗に終わっている。

WikiLeaksが公表したアメリカの外交文書によると、2006年にもクーデターが計画されている。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに組み込まれた機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、アメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるというのだ。

そのチャベスは2013年3月、癌のため、58歳の若さで死亡した。癌の原因が人為的なものかどうかは不明だが、生前、キューバのフィデル・カストロから暗殺に気をつけるよう、経験に基づいて警告されていたことは確か。さまざまな暗殺手段が存在するが、癌を引き起こすウイルスも使われていると言われている。「疑惑の人」も指摘されている。チャベスの側近として食べ物やコーヒーなどを運んでいたレムシー・ビリャファニャ・サラサールだ。この人物は後にアメリカへ亡命、保護されている。

カリスマ性のあったチャベスの死はアメリカの支配層にとってありがたいこと。それでも選挙でチャベスの政策を引き継ぐという立場のニコラス・マドゥーロが勝利、アメリカ支配層は社会不安を煽る御得意の工作を始めた。

2015年2月にもクーデター未遂があったと言われている。この政権転覆作戦を指揮していたのはNSC(国家安全保障会議)で、それを許可したのはリカルド・ズニーガ。CIAの人間で、対キューバ工作の責任者でもある。2月12日にはベネズエラ軍を装った航空機で傭兵会社のアダデミ(かつてのブラックウォーター)が大統領官邸を爆撃、マドゥーロを殺害することになっていた。軍事行動の責任者はSOUTHCOM(アメリカ南方軍)で情報部門を統括していたトーマス・ゲリー准将(当時)とアダデミのレベッカ・チャベス。例によって作戦の司令部はアメリカ大使館で、NEDなどを介して現地のNGOを動かしていた。

アメリカの支配層がベネズエラを「バナナ共和国」へ逆戻りさせたい理由のひとつはシェール・ガス/オイルを軸にした戦略の破綻。アメリカはロシアの重要な収入源である石油や天然ガスの輸出ルートを断ち切ってロシアを乗っ取る一方、自国のシェール・ガス/オイルを売りつけようと目論んでいたのだが、大きな問題が浮上している。

ひとつは生産コストの高さ。2014年の原油相場急落はロシア経済を破綻させることに失敗、イギリスの北海油田にダメージを与え、サウジアラビアを財政赤字に陥らせた。そしてシェール・ガス/オイルの採算割れだ。

もうひとつは短い生産持続可能期間。当初の生産両を維持できるのは4、5年程度で、7、8年経つと8割程度下落すると言われている。また、シェール・ガス/オイルの採掘方法は地下水を汚染し、地下水に頼っているアメリカの農業の死滅を早めることになる。つまりシェール・ガスやオイルに頼るわけにはいかないのだ。

ロシアで産出される天然ガスや石油の主要マーケットはEUであり、その主要な輸送ルートであるウクライナを属国化することで輸送を断ち切ろうとしたのがアメリカの好戦派。2014年2月にネオコンはネオ・ナチを手先に使い、ウクライナでクーデターを成功させるのだが、思惑通りには進まなかった。EUは窮地に陥ったが、ロシアは東を向き、中国と結びついたのだ。両国は戦略的なパートナーになった。

ウクライナのクーデターから間もなくして原油相場が急落したが、これはアメリカやサウジアラビアが仕掛けたと言われている。2014年9月11日にアメリカのジョン・ケリー国務長官とサウジアラビアのアブドラ国王が紅海の近くで会談しているが、これは相場下落の謀議だったとも噂された。

ネオコンのH・R・マクマスター国家安全保障補佐官はベネズエラへ近い将来に軍事侵攻することを計画していないと語っているが、軍事侵攻しないということではない。トランプ大統領の過激発言によって軍事侵攻しにくくなったという側面もある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708260000/


25. 中川隆[-6508] koaQ7Jey 2017年9月04日 04:47:30 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.09.03
BRICSの会議や露国主催のEEFが開かれる直前、FBIが露領事館に押し入るタイミングで朝鮮が核実験


ICBMへ搭載できる水爆の開発に成功したとしていた朝鮮は9月3日、​水爆の爆破実験​に成功したと発表した。日本のマスコミは大騒ぎで、政府は軍事力の増強、治安体制の強化に利用しようとしている。9月4日から5日に中国の厦門で開かれるBRICSの会議、9月6日から7日にかけてロシアのウラジオストックで開かれるEEF(東方経済フォーラム)を意識している可能性は高い。EEFでは340億ドルを超す商取引が成立するとされている。

ところで、ビル・クリントン政権の第2期目からバラク・オバマ政権に至るまで、アメリカは侵略戦争を繰り返してきた。2001年9月11日の出来事はそうした動きを加速、今ではロシアや中国と核戦争も辞さないという姿勢を見せている。

そうした好戦的な政策に反発した人々の声がドナルド・トランプを大統領にする大きな要因になったが、トランプに対する攻撃は大統領就任前から続いている。アル・カイダ系武装集団を使った侵略に批判的だったマイケル・フリン前DIA局長をトランプ大統領は国家安全保障補佐官に据えたが、政権が誕生して間もない2017年2月に追い出され、最近では朝鮮半島の核問題で「軍事的な解決はない。忘れろ」と発言していたステファン・バノンも首席戦略官を辞めさせられた。

しかし、世界的に見るとアメリカ支配層の好戦的な政策に反対する人はいて、例えば、韓国の文在寅大統領は朝鮮半島での戦争を許さないという姿勢を鮮明にしていた。韓国政府は中国やロシアへ接近しているが、その中国やロシアも朝鮮のミサイル発射や核実験には反対している。つまり、今回の実験を最も喜んでいるのは東アジアの軍事的な緊張を高めたがっているアメリカであり、そのアメリカの属国である日本のマスコミは、はしゃいでいる。

アメリカが世界制覇に向かい、暴走を始めたのは1992年の初頭。1991年12月に西側支配層はボリス・エリツィンを使ってソ連を消滅させることに成功、その後はエリツィンを操ってロシアの資産を搾り取り始めたのだが、その段階でネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと考え、イラク、シリア、イランといった国々を軍事的に屈服させようとしている。

その計画がウォルフォウィッツ・ドクトリンだが、それは21世紀に入ってウラジミル・プーチンがロシアを再独立させたことで破綻する。そこで、中東や北アフリカを侵略する一方、ロシアや中国に対する経済戦争、外交戦争、宣伝戦争、あるいは軍事力を使った恫喝につながった。

そうした対中露戦争の一環として、アメリカ国務省は8月31日、サンフランシスコのロシア領事館とワシントンDCやニューヨーク市にある関連施設から9月2日までに立ち退くように命令、その領事館や館員の自宅をFBIなど当局が捜索すると発表した。40時間足らずで明け渡せということ。明らかに敵対的な挑発行為だ。

バラク・オバマ政権の時代からアメリカではネオコンなど好戦的な勢力が有力メディアと手を組んで反ロシア・プロパガンダを続けてきた。トランプを当選させるために選挙へ介入したという主張が中心だが、その証拠は全く示されていない。民主党の電子メールをハッキングしたとも主張しているが、この場合、証拠は内部からのリークだったことを示している。

本ブログでは何度も書いているように、ロシアや中国に恫喝は通じない。中東への侵略は破壊と殺戮をもたらしたが、アメリカの支配力は弱まっている。そのため、軍隊を入れ、力で押さえつけるしかないのだが、それも機能していない。アメリカと同盟関係にあるイスラエルやサウジアラビアも揺らいでいる。現在、アメリカ支配層の思惑通りに動いているのは日本と朝鮮くらいだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709030001/


26. 中川隆[-6498] koaQ7Jey 2017年9月06日 10:37:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.09.06
戦争反対派を排除した米政権が中国を睨み、朝鮮半島を破壊と殺戮の場にしても不思議ではない


アメリカの支配層は世界の富を独り占めにするため、各国を属国化してきた。ターゲット国のエリートを買収、それが無理なら暗殺、クーデター、軍事侵略。ズビグネフ・ブレジンスキーは1970年代の終盤、サウジアラビアの協力でサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を集め、軍事訓練、武器/兵器を与えてソ連軍と戦わせた。バラク・オバマ政権はその傭兵部隊をリビアやシリアへ送り込み、政権転覆を目論んだわけだ。その活動範囲は中東や北アフリカを超えて広がりつつある。勿論、そうした動きを支援しているのはアメリカである。ウクライナではネオ・ナチを同じように使ってクーデターを成功させた。

シリアでアメリカは体制転覆に失敗したが、国を破壊、国力を弱めることには成功している。イラクはサダム・フセイン体制が倒されたが、最近はロシアへ接近、イランやシリアなどとも手を組みつつある。アフガニスタン、リビア、イエメン、ウクライナなどは破綻国家だ。

現在、ドナルド・トランプ政権は「朝鮮の脅威」を利用して東アジアの軍事的な緊張を高めつつあるが、本ブログでは何度も指摘しているように、アメリカの目標はロシアや中国の制圧。中国がアメリカ軍の朝鮮侵略を阻止するとしている理由もそこにあるだろう。朝鮮半島や東南アジアを中東、リビア、ウクライナのようにすれば、中国の一帯一路プロジェクトは機能しない。中国を疲弊させることもできると計算している可能性がある。朝鮮はアメリカに操られていると見れば行動を予測しやすい。

アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ウクライナといった国々への侵略は有力メディアを使った嘘の流布から始まったが、過去を振り返ると偽旗作戦も多用されている。中国東北部の制圧するための軍事作戦を正当化するために日本軍が1931年9月の行った南満州鉄道の線路爆破も偽旗作戦だが、アメリカの手口でもある。

キューバを軍事侵略する口実にしようとしたノースウッズ作戦はジョン・F・ケネディ大統領の反対で実行されなかったが、次のリンドン・ジョンソン政権はベトナムを侵略するためにトンキン湾事件をでっち上げている。

このでっち上げは1964年7月30日に始まる。南ベトナムの哨戒魚雷艇が北ベトナムの島を攻撃したのだ。その翌日に米海軍の特殊部隊SEALsの隊員が率いる20名の南ベトナム兵がハイフォン近くにあるレーダー施設を襲撃、8月2日に北ベトナムは報復として情報収集活動中だった米海軍のマドックスを攻撃、それをアメリカ側は先制攻撃だと主張したと言われている。8月7日にアメリカ議会は「東南アジアにおける行動に関する議会決議(トンキン湾決議)」を可決、本格的な軍事介入をはじめたのだ。(Douglas Valentine, "The Phoenix Program," William Morrow, 1990)

失敗した偽旗作戦もある。アメリカ支配層の中にはイスラエルがシリアやエジプトとの戦争で勝利し、領土を拡大させることを望む人たちがいた。そのひとりが秘密工作で名前がしばしば出てくるCIAのジェームズ・ジーザス・アングルトンだ。

ジョンソン政権当時、秘密工作を統括していたのは「303委員会」だった。1967年4月に開かれたこの委員会の会議で「フロントレット615」という計画について米空軍の准将から説明があった。情報収集船のリバティを潜水艦と一緒に地中海の東岸、イスラエル沖へ派遣するというもの。実際に派遣されたのは6月8日。6月5日から10日にかけてイスラエルはエジプトやシリアと戦争している。第3次中東戦争だ。戦争の勃発をアメリカ政府は「予見」していたように見える。

この戦争ではアメリカ空軍からイスラエルへ4機の偵察機が貸し出され、ペイントをイスラエル軍のものに塗り替えて戦争に使われたと2002年に放送されたBBCのドキュメンタリーでは指摘されている。

その日、リバティに対する最初の偵察飛行は8日の午前6時に行われている。10時には2機のジェット戦闘機が飛来、10時半、11時26分、12時20分にも低空で情報収集戦に近づいている。当然、船がアメリカの情報収集戦だということを確認できたはずだ。

そして午後2時5分、3機のミラージュ戦闘機がリバティ号への攻撃を開始、ロケット弾やナパーム弾を発射した。ナパーム弾を使ったということは、乗員を皆殺しにするつもりだということを意味する。

イスラエル機はまず船の通信設備を狙って破壊するのだが、2時10分に通信兵は寄せ集めの装置とアンテナで第6艦隊に遭難信号を発信することに成功。これに気づいたイスラエル軍はジャミングで通信を妨害した。

その数分後には3隻の魚雷艇が急接近して20ミリと40ミリ砲で攻撃、さらに魚雷が命中し、さらに傾いた船に銃撃を加えている。その結果、乗組員9名が死亡、25名が行方不明、171名が負傷した。

そこへ大型ヘリコプター、SA321シュペル・フルロンが2機近づいて、船の上空を旋回し始める。中にはイスラエルの特殊部隊員が乗っていた。リバティの乗組員はイスラエルが止めを刺しに来たと思ったようだ。3時36分には魚雷艇とマークの入っていないジェット戦闘機が現れたのだが、すぐに姿を消してしまう。(Alan Hart, “Zionism Volume Three”, World Focus Publishing, 2005)

遭難信号を受信した時、第6艦隊の空母サラトガはリバティから航空機で約30分程度の場所で訓練中。サラトガのジョー・タリー大佐によると、攻撃を知るとすぐに12機の戦闘機や爆撃機が救援のために離陸しているのだが、第6艦隊のローレンス・ゲイス司令官は航空機に帰還するよう命令している。また、リバティが攻撃されたことはジョンソン大統領へすぐに報告されたが、動きは鈍い。ロバート・マクナマラ国防長官は第6艦隊に対し、戦闘機をすぐに引き返させるようにと叫んでいたという。(Alan Hart, “Zionism Volume Three”, World Focus Publishing, 2005)

第6艦隊の司令官やホワイトハウスはリバティの沈没を願っていたように見える。遭難信号を発信したことが計算外だったのかもしれない。そうした連絡なしに船が沈没したならば、その責任をエジプト、あるいはソ連に押しつけることが可能。アメリカ軍が戦争に参加する口実にするため、リバティを犠牲にしようとしたのではないかと疑う人もいる。

ソ連に責任を押しつければ米ソ開戦だろうが、その当時、ソ連軍はアメリカ軍が介入したならエジプト側について戦うとガマル・ナセル大統領へ伝えていたと言われ、エジプトに責任を押しつけても第3次世界大戦に発展していたということ。朝鮮半島でも似たようなことをアメリカが目論んでいても不思議ではない。朝鮮がアメリカに操られているとしても、最後には裏切られる。それがアメリカの手口だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709060000/


27. 中川隆[-6486] koaQ7Jey 2017年9月07日 08:29:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.09.07
日米が中国から航行の自由を奪うつもりの海域を避けてパイプライン建設のミャンマーでも米は工作

現在、アメリカ支配層はロシアと中国の封じ込めに躍起である。1991年12月にソ連が消滅、ロシアは傀儡のボリス・エリツィンを大統領に据えて属国化、中国は1980年代からエリート層を懐柔しているつもりで、残された「雑魚」を潰していけば良いとネオコンは考えた。​国務次官だったポール・ウォルフォウィッツが1991年、シリア、イラン、イラクを殲滅すると口にした​のは、そうした理由からだ。そうした計画を1992年2月、ウォルフォウィッツたちは国防総省のDPG草案という形で文書化した。

2003年にアメリカはイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒し、リビアやシリアはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵集団を侵略軍として送り込んでいる。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)だ。

この計画を狂わせたのがロシアのウラジミル・プーチン。アメリカの属国担ったはずのロシアを再独立させ、国力も回復させてしまったのである。そのロシアをもう一度つぶすためにウクライナでネオナチを使ったクーデターを実行、原油相場を急落させて経済的に圧力を加えようとしたのだが、クーデターでクリミアを制圧することに失敗、ロシアと中国を戦略的同盟国にしてしまった。原油相場の急落はアメリカと同盟関係にあるサウジアラビアを苦境に陥れ、アメリカのシェール・ガス/オイル業界にも大きなダメージを与えることになった。

封じ込めの一環として、アメリカの属国である日本はインドを巻き込んでAAGC(アジア・アフリカ成長回廊)を打ち出し、中国が打ち出している一帯一路(陸のシルクロードと海のシルクロード)に対抗しようとしている。インドのナレンドラ・モディ首相はイスラエルとも緊密な関係にある人物で、アメリカの計画に乗ったのだろうが、その一方でインドはロシアや中国と同じBRICSの一員。今年5月末にモディは一帯一路を拒否する意思を示したが、これはBRICSからの離脱にもつながる発言で、実現は容易でない。

海のシルクロードの出発点は南シナ海。だからこそ、アメリカや日本はその海域における中国の自由な航行を妨害するため、軍事的な緊張を強めてきた。朝鮮半島の軍事的緊張もロシアや中国の経済戦略を潰すことが目的のひとつだろう。中東/北アフリカやウクライナのように戦乱で破壊と殺戮の地になれば、ロシアや中国を苦しめることになる。

それに対し、中国は南シナ海やマラッカ海峡を通過せずに石油を輸送するため、ミャンマーにパイプラインを建設した。その契約は軍事政権の時代、2005年に結んでいる。その軍事政権を倒すために行われた「サフラン革命」は2007年に始まっている。この「革命」はアメリカやイギリスの支援を受け、CIAの資金を扱っているNEDからも資金が流れ込んでいた。

この時の主力になった仏教徒はイスラム教徒のロヒンギャを差別、革命で実権を握ってからロヒンギャの集落を襲撃して多くの住民を殺害している。かつてシオニストがパレスチナで行ったように、虐殺で恐怖心を煽り、国外へ逃げ出すように仕向けているとも見られている。実際、​今年1月までに6万5000人がバングラデシュ、マレーシア、インドネシア、タイなどへ難民として出国​している。

襲撃したグループのリーダーはウィラトゥなる人物で、「ビルマのビン・ラディン」とも呼ばれている。その集団はアウンサンスーチーを支持している「民主化運動」の活動家たちでもあり、ミャンマーの最高権力者、人によっては独裁者と呼ぶアウンサンスーチーは虐殺を容認してきた。

このロヒンギャにも魔の手は伸びている。サウジアラビアがワッハーブ派の広めてきた。パキスタンも協力しているようだ。アウンサンスーチー派による弾圧はロヒンギャへ憎しみの種をまくことになり、戦闘員を集めやすくする。勿論、アメリカとサウジアラビアは同盟関係にあり、中東や北アフリカではこの2カ国とイスラエルが中心になって戦乱を広めてきた。ミャンマーもそうならないとは言えない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709070000/


28. 中川隆[-6416] koaQ7Jey 2017年9月12日 10:20:59 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.09.12
ベネズエラは貿易決済を人民元中心の通貨バスケットで実施、中国は石油取引の決済を兌換人民元で


アメリカは世界有数の産油国であるベネズエラのニコラス・マドゥロ政権を倒し、傀儡体制を再建しようとしている。アメリカに反旗を翻したウーゴ・チャベスのようなカリスマ性はないものの、マドゥロは彼の志を引き継いでいる人物だ。中国やロシアはベネズエラがアメリカに蹂躙されることを望んでいない。

その​マドゥロは9月7日、ドルの束縛から解放されると語っていた​が、予想通り、人民元を主とする通貨バスケット制を採用することが明らかにされた。ベネズエラの動きはロシアや中国のドル離れ政策と符合、中国は石油の支払を金に裏付けられた人民元で支払う方針を打ち出している。その仕組みが実現した場合、人民元は上海と香港の取引所で金に換金することが可能だ。

生産を放棄したアメリカは現在、基軸通貨を発行する特権で生きながらえているにすぎない。発行したドルを回収するため、アメリカの支配層はサウジアラビアなど主要産油国に対して決済をドルでするように求め、その代償として軍事力による支配体制の保護(支配者の地位と富の保障)を約束した。集まったドルはアメリカの財務省証券、高額兵器などを購入させて回収するという仕組みだ。これがペトロダラー。カネを回転させるだけのマルチ商法だ。そのほか、金融取引の規制を大幅に緩和して投機市場を育て、そこへ資金を吸い込むという仕組みも作られた。

石油取引の決済をドル以外の通貨で行うようになると、ドルを循環させる仕組みが破綻してしまい、アメリカを中心とする支配システムは崩れてしまう。石油取引の決済をドルからユーロへ変えると発表したイラクのサダム・フセイン体制、金貨ディナールをアフリカの基軸通貨にし、石油取引の決済に使おうとしたリビアのリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はともにアメリカが軍事的に破壊した。

7月20日にはマイク・ポンペオCIA長官はベネズエラの「移行」が期待できるとアスペン治安フォーラムで語り、ドナルド・トランプ大統領はベネズエラを軍事侵攻する可能性があると8月11日に述べ、25日にニッキー・ヘイリー国連大使はベネズエラに対して「独裁制」を許さないと主張している。

ネオコンのH・R・マクマスター国家安全保障補佐官はベネズエラへ近い将来に軍事侵攻することを計画していないと語っているが、軍事侵攻しないということではない。トランプ大統領の過激発言によって軍事侵攻しにくくなったという側面もある。

奴隷国家のサウジアラビアやアパルトヘイト国家のイスラエルをアメリカは決して非難しんない。アメリカに「独裁制」と呼ばれた国は自立した国だということを意味している。

ベネズエラを自立させたのは1999年から大統領を務めたチャベス。アメリカで2001年に誕生したジョージ・W・ブッシュ政権はアフガニスタンやイラクを先制攻撃したが、その間、チャベスの排除も試みている。

​2002年にクーデター計画​が始動したが、その黒幕と指摘されているのはイラン・コントラ事件でも登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そして1981年から85年までのホンジュラス駐在大使で、後に国連大使にもなるジョン・ネグロポンテ。

クーデターの際、アメリカ海軍がベネズエラ沖で待機、新政権は実業家のペドロ・カルモナを中心に組閣されることになっていたというが、この計画は事前にOPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスからチャベスへ知らされたため、失敗に終わっている。

​WikiLeaksが公表したアメリカの外交文書​によると、2006年にもクーデターが計画されている。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに組み込まれた機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、アメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるというのだ。

そのチャベスは2013年3月、癌のため、58歳の若さで死亡した。癌の原因が人為的なものかどうかは不明だが、生前、キューバのフィデル・カストロから暗殺に気をつけるよう、経験に基づいて警告されていたことは確か。

2015年2月にもクーデター未遂があったと言われている。この政権転覆作戦を指揮していたのはNSC(国家安全保障会議)で、それを許可したのはリカルド・ズニーガ。CIAの人間で、対キューバ工作の責任者でもある。2月12日にはベネズエラ軍を装った航空機で傭兵会社のアダデミ(かつてのブラックウォーター)が大統領官邸を爆撃、マドゥーロを殺害することになっていた。軍事行動の責任者はSOUTHCOM(アメリカ南方軍)で情報部門を統括していたトーマス・ゲリー准将(当時)とアダデミのレベッカ・チャベス。例によって作戦の司令部はアメリカ大使館で、NEDなどを介して現地のNGOを動かしていた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709120000/


29. 中川隆[-6399] koaQ7Jey 2017年9月15日 09:27:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.09.15
ベトナム戦争で経済が破綻した米はペトロダラーの仕組みでドルを循環させ始めたが、それが破綻へ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709150000/

​ベネズエラのニコラス・マドゥロ政権は石油取引の決済に人民元を主とする通貨バスケット制を採用​するとしていたが​、石油の取引にドルは使わず、ユーロに切り替える​とも報道されている。

前にも書いたが、中国は石油の支払を金に裏付けられた人民元で支払う方針を打ち出している。その仕組みが実現した場合、人民元は上海と香港の取引所で金に換金することが可能だ。

ベネズエラがドル離れを推進する引き金はアメリカによる「制裁」、つまり経済戦争の開始。これまでもアメリカは戦術として「制裁」を使ってきた。例えば、​7月25日に下院で419対3、27日に上院で98対2という圧倒的な賛成を得てロシア、イラン、朝鮮に対する「制裁」法案が可決​されている。

しかし、制裁の対象になっている国を支援することもある。例えば、中東のアパルトヘイト国家、イスラエルに対するボイコット(Boycott)、投資撤退(Divestment)、制裁(Sanctions)、いわゆる​BDS運動​が2005年7月から展開されているが、それを禁止しようという法案がアメリカ議会で浮上している。また、現在、ロシアを挑発する発言を続けている国連大使のニッキー・ヘイリーはサウス・カロライナ州知事だった当時、BDS運動に反対していた。


BDS運動が始まる前からイスラエルに対する批判は高まっていた。その切っ掛けは1982年に引き起こされたサブラとシャティーラ(パレスチナ難民キャンプ)における虐殺。その年の1月にアリエル・シャロン国防相がベイルートを極秘訪問、親イスラエル派とイスラエル軍が軍事侵攻した際のことについて話し合い、その直後にペルシャ湾岸産油国の国防相とも秘密裏に会合、そして9月にファランジスト党のメンバーがイスラエル軍の支援を受けながらサブラとシャティーラで数百人、あるいは3000人以上の難民を殺したのである。

それはともかく、石油取引のドル決済はアメリカの支配システムを維持する上で非常に重要。1970年頃になるとアメリカ経済は破綻、71年8月にはリチャード・ニクソン大統領がドルと金との交換停止を発表している。ドルの下落を食い止めるためにさまざまな政策が打ち出されたが、その中で最も重要なものがペトロダラー。サウジアラビアなどの産油国に石油取引の決済をドルに限定させ、その代償として各国の防衛、そうした国々を支配する人々の地位と収入を保障した。ドルを貯め込んだ産油国はアメリカの財務省証券や高額兵器を購入してドルをアメリカへ循環させたのである。日本もドルの循環と凍結に協力してきた。

ドルの循環を効率的に行うため、石油相場の上昇が図られる。1973年10月に勃発した第4次中東戦争の直後にOPECは価格を4倍に引き上げたのだが、サウジアラビアのファイサル国王の腹心で、その当時に石油鉱物資源相を務めたシェイク・ヤマニによると、​1973年5月にスウェーデンで開かれた秘密会議でアメリカとイギリスの代表が400%の原油値上げを要求、それで値上げが決まった​という。その秘密会議はスウェーデンで開催されたビルダーバーグ・グループの会合。その後、巨大な投機市場を創設してドルを吸い上げるようになるが、それでもペトロダラーの仕組みはアメリカ支配層にとって重要だ。すでにロシアや中国もドル離れを進めているが、そこへ産油国のイランが加わる可能性は高い。そこにベネズエラも加わるわけで、アメリカにとっては深刻な事態だと言えるだろう。

この苦境から脱することは容易でない。アメリカに残された手段は限られている。つまり軍事力だが、それも怪しい。正規軍が衝突した場合、アメリカ軍がロシア軍に勝てないことはジョージア(グルジア)やシリアで明確になっている。そこで、かつて作った傭兵の仕組みを利用したが、これもシリアで粉砕された。


30. 中川隆[-6383] koaQ7Jey 2017年10月02日 07:39:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.10.02
日本のファシズム化は1982年から米国で始められたプロジェクトの結果で、これまで傍観していた


民主党を破壊する引き金を引いた野田佳彦を幹事長にしたのにつづき、日本と中国との関係を壊す突破口を開いた前原誠司を代表に選んだ時点で民進党の命運は尽きていた。民進党のリベラル派で新党を結成するというが、真の意味でリベラルな人間がいるのだろうか。もしいるなら、こうした無様なことにはなっていなかっただろう。

本ブログでは何度も指摘してきたが、日本のファシズム化はアメリカが震源である。1982年にロナルド・レーガン大統領が出したNSDD55によって、核戦争時に地下政府を作る計画(COGプロジェクト)がスタート、88年の大統領令で対象は核戦争から「国家安全保障上の緊急事態」に変更された。この変更によって2001年9月11日の世界貿易センターや国防総省本部庁舎への攻撃でCOGが始動したと見られている。愛国者法がすぐに提出されたのは20年近い準備期間があったからだ。同時に地下政府が作られた可能性もある。

日本でも盗聴法、特定秘密保護法、安保関連法、共謀罪の創設、そして緊急事態条項が導入されようとしている。国民を監視、弾圧、戦争へ協力させる体制が整備されつつあると言えるが、その震源地はアメリカにほかならない。

アメリカが露骨な侵略戦争を始めたのは1990年代の前半から。1991年12月にソ連というライバルが消滅し、アメリカは唯一の超大国になったと認識したネオコンなど好戦派が本性を現したのである。その世界制覇プランが1992年2月に国防総省の​DPG草案​という形で書かれた。このプランはウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。このドクトリンに基づき、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれた。

その過程で好戦派の計画が頓挫しそうになったことがある。2009年9月に内閣総理大臣となった民主党の鳩山由紀夫は東アジアの平和を訴える人物で、ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいて動いたいる勢力とは相容れない関係。

鳩山は小沢一郎に近かったが、その小沢に対する攻撃は2006年に始まっている。週刊現代の6月3日号に「小沢一郎の“隠し資産6億円超”を暴く」という記事が掲載され、09年11月には「市民団体」が陸山会の04年における土地購入で政治収支報告書に虚偽記載しているとして小沢の秘書3名を告発、翌年の1月に秘書は逮捕されている。また「別の市民団体」が小沢本人を政治資金規正法違反容疑で告発し、2月には秘書3人が起訴された。マスコミと検察がタッグを組み、小沢を潰しにかかったと言える。

結局、検察が「事実に反する内容の捜査報告書を作成」するなど不適切な取り調べがあったことが判明、この告発は事実上の冤罪だということが明確になったが、小沢のイメージを悪化させることには成功、今でも受けたダメージから回復できていない。鳩山は2010年6月に総理大事の座から降りた。

その後任になった菅直人は消費税の増税と法人税の減税という巨大企業を優遇する新自由主義的政策を打ち出して庶民からの支持を失い、首相就任の3カ月後には海上保安庁が尖閣諸島の付近で操業していた中国の漁船を「日中漁業協定」を無視する形で取り締まり、日本と中国との友好関係は急ピッチで崩れ始める。その協定を無視した取り締まりの責任者が前原だった。

この鳩山/小沢潰しは検察とマスコミによるクーデターだとも言えるだろうが、似たようなことが1970年代にも引き起こされている。1976年2月にアメリカ上院の多国籍企業小委員会でロッキード社による国際的な買収工作が明らかになり、この年の7月に田中角栄が受託収賄などの疑いで逮捕されたのだ。

ロッキード事件の発端はジョン・マックロイの調査だとも言われている。ガルフ石油が全世界で行っていた賄賂工作を調査していたのだが、その切っ掛けはアンゴラで革命だと見られている。革命で西側の巨大資本は利権をうしなったが、その時にガルフ石油だけが革命政権と取り引きを継続、それをアメリカの支配層は怒ったと見られている。その延長線上にロッキード事件もあるというわけだ。

このマックロイはウォール街の大物で、第2次世界大戦後、世界銀行の総裁を経てドイツの高等弁務官を務め、高等弁務官時代にはナチスの大物を守ったことでも知られている。大戦後に収監されていた元ドイツ国立銀行総裁、ヒャルマール・シャハトを助け出したのもマックロイ。シャハトの義理の息子で元ナチス高官のオットー・スコルツェニーも収監されていたが、シャハトのアドバイスに従ってアメリカと協力関係に入った。スコルツェニーは拘留される前にナチスの仲間をアルゼンチンに逃がす組織、ディ・シュピンネ(蜘蛛)を設立、自由の身になった後の1948年には同じ目的でODESSAを創設している。

日本での買収は全日空の旅客機導入に絡んでのことだとされているが、実際は次期対潜哨戒機の選定が目的だと見られてる。そうなると、本筋の政治家は田中以外の人物だということになるが、この人物は児玉誉士夫が1984年1月に急死したことで助かったようだ。

1970年代、アメリカではベトナム戦争に反対する声が高まり、72年の大統領選挙では民主党の候補者に戦争反対を主張するジョージ・マクガバンが選ばれている。これは支配層の内部に衝撃を与えた。すぐ、民主党の内部に反マクガバン派が結成されるが、その中心になったのはヘンリー・ジャクソン上院議員。同議員のオフィスには、ポール・ウォルフォウィッツなど後にネオコンと呼ばれる人々が送り込まれ、訓練を受けていた。

民主党内部の反乱だけでなく、メディアからも攻撃されたマクガバンは惨敗、大統領選挙で勝ったリチャード・ニクソンはウォーターゲート事件で失脚、副大統領から昇格したジェラルド・フォード大統領の時(1974年〜77年)にデタント派は粛清されてネオコンが表舞台に出てきた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710020000/


31. 中川隆[-6358] koaQ7Jey 2017年10月03日 10:35:23 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.10.03
支配システムを維持するために中国やロシアを屈服させようとしているネオコンに服従する日本
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710030000/


明治以降、日本の「エリート」はイギリスやアメリカの支配層に従属することで国内における地位を維持し、富を蓄積してきた。一種のオリガルヒだ。現在、アメリカで最も力を持っている勢力は1970年代の半ばに台頭したネオコンで、金融資本や戦争ビジネス、国外ではイスラエルと深く結びついている。

イギリス、アメリカ、イスラエルには有名な情報機関があり、その内部には破壊工作(テロ)部門が存在している。中でもイギリスのMI6(SIS)、CIA、モサドが有名。イギリスやアメリカの場合、こうした情報機関を創設し、動かしてきたのは金融資本だ。例えば、CIAの前身であるOSSの長官を務めたウィリアム・ドノバン、OSS幹部で大戦後はCIAのドンになったアレン・ダレス、ダレスの側近で破壊工作部門を指揮したフランク・ウィズナーなど幹部にはウォール街の弁護士が少なくない。後にMI6へ吸収されるイギリスの破壊工作機関SOEの中心的な存在だったチャールズ・ハンブロは銀行家の一族。CIA長官になったジョージ・H・W・ブッシュ(エール大学在学中にCIAからリクルートされた可能性が高い)の父親や祖父はウォール街の大物、ダレスの側近でCIA長官になったリチャード・ヘルムズの祖父、ゲーツ・マクガラーは国際決済銀行の頭取を務めていた。

1932年のアメリカ大統領選挙でニューディール派を率いるフランクリン・ルーズベルトが当選すると、JPモルガンをはじめとするウォール街の金融機関がファシズム体制の樹立を目指すクーデターを計画したとスメドリー・バトラー少将らが議会で証言している。その当時の日本はJPモルガンの強い影響下にあり、その巨大金融機関と最も近い関係にあったと言われている人物が井上準之助だ。

米英の金融機関を中心とする支配システムは戦後も続くが、1970年頃には立ち行かなくなる。そして1971年8月、リチャード・ニクソン大統領は金とドルとの交換を停止すると発表した。この後、アメリカはドルを基軸通貨として維持するためにサウジアラビアなど産油国に話をつけ、石油取引の決済をドルに限らせた。産油国に蓄積したドルを回収するためにアメリカの財務省証券や高額兵器を買わせ、アメリカは産油国の支配層に対し、国の防衛し、支配者の地位や収入を保証した。これがペトロダラーの仕組み。

さらに、金融に関する規制を大幅に緩和させて投機市場を育成、ドルを吸収させるシステムも整備した。これにより、現実世界のハイパーインフレを投機市場のバブルへ転換させることに成功、そのバブルを支配層の富に見せかけている。

詐欺にような仕組みでアメリカの支配システムは維持されているのだが、ドルが基軸通貨でなくなるとその幻影が消えてしまう。金銀財宝だと思っていたものが単なる枯れ葉に過ぎないということが知られたなら、アメリカの支配システムは崩壊する。ドルからの決別しようとしたイラクのサダム・フセイン体制やリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒され、フセインやカダフィが殺されたのを偶然だと考えてはならない。そして今、イラクやリビアより厄介な国がドル離れを進めている。その国とは中国やロシアで、両国に追随する動きも見られる。

朝鮮半島の軍事的な緊張はアメリカの中国を締め上げるために好都合。アメリカはイスラエルやサウジアラビアを中心とする国々と手を組み、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使ってシリアを侵略、体制を転覆させようとしたが、これはロシアに阻止された。そこでクルドを前面に出してきたのが現在の状況だ。

ネオコンは自分たちの支配システムを維持するため、ロシアや中国を屈服させようと必死になっている。昨年の大統領選挙でドナルド・トランプはそうした政策に反対していたが、大統領就任から間もない段階でネオコンに屈してしまった。そのネオコンに従属しているのが日本。つまり、日本は中国やロシアとの戦争に協力させられている。シリアではアメリカがロシア軍を直接、攻撃し始めた。安倍晋三政権の衆議院解散はこうしたことが背景にある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710030000/


32. 中川隆[-6376] koaQ7Jey 2017年10月03日 17:14:46 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

なぜアメリカ合州国は第四帝国なのか
Finian CUNNINGHAM 2017年9月27日
Strategic Culture Foundation
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-e5c4.html


先週の国連での、トランプ大統領による北朝鮮を“完全に破壊する”宣言や、彼がアメリカの軍事力をまくしたてるのは、ナチス第三帝国が“総力戦”を言うのといい勝負だ。

トランプや彼の閣僚幹部が北朝鮮や他の反抗的な国々に対する“軍事的な選択肢”を、いとも気軽に口にするのは、国連憲章のみならず、ナチス指導部のニュルンベルク裁判で確立された国際法の原則にもまず間違いなく違反する。明らかな自衛行動でない戦争を威嚇に利用するのは“侵略”だ。

ドナルド・J・トランプ大統領のもとのアメリカ合州国は、戦争を始める自称の“権利”を、これまで以上にあからさまに採用している。北朝鮮に対する“自衛”という度を越した主張は、侵略の身勝手な言い訳だ。トランプが北朝鮮指導者金正恩は“長続きしないだろう”と言えば、その言葉は、アメリカが“宣戦布告”したと北朝鮮が考える合理的な根拠になる - 特に、“あらゆる選択肢”を用いるというアメリカによって繰り返される軍事的威嚇という文脈で。

国連総会でのトランプのやくざのごとき演説は、世界機関の平和構築という公式任務に対する衝撃的な拒絶だった。好戦的なトランプを、一部の評論家たちは、1938年-39年頃のニュルンベルクでの党大会におけるナチス演説になぞらえている。

アメリカ人評論家のポール・クレイグ・ロバーツは、アメリカは今や第四帝国、つまりナチス第三帝国の後継者だと、気味悪く要約した。

ポール・クレイグ・ロバーツのような名声ある人物が、そうした重大なコメントをするなら、耳を傾けねばなるまい。かけだしがふっかけている誇張した単なる口論ではないのだ。ロバーツ氏の業績は申し分がない。1980年代、ロナルド・レーガン政権で、彼は財務省次官補をつとめた。ロバーツ氏は、ウオール・ストリート・ジャーナルで編集者もつとめ、受章もしている著作者だ。尊敬される元政府部内者が、アメリカを“第四帝国”と呼ぶのは、アメリカがルビコンを超えている証しだ。

だが真実を言えば、アメリカはとうの昔にルビコンを超え、暗い領域に入っている。アメリカ国家を、ナチス・ドイツになぞらえるのは、単なる比喩ではない。 極めて現実的な歴史的なつながりが存在するのだ。

第二次世界大戦とナチス・ドイツ敗北の余波の中、1947年にアメリカ中央情報局(CIA)が創設されてから、今年で70周年だ。アメリカ人著者、ダグラス・ヴァレンティンが最近言った。節目は、CIA“70年間の組織犯罪”の象徴だ。

CIAとペンタゴンのアメリカ軍指導者たちは、多くの点で、ナチス・ドイツの継承者だ。第二次世界大戦後、何千人ものナチス軍、諜報機関幹部、科学者やエンジニアが、ペンタゴンや初期のCIAによって、すぐさま採用された。

1945年末、アメリカ統合参謀本部が承認したペーパークリップ作戦は、 ナチス・ミサイル技術を受け入れる上で極めて重要だった。ナチス親衛隊少佐、ヴェルナー・フォン・ブラウンや他の何百人ものロケット専門家たちが、アメリカ兵器開発と、NASA宇宙計画で貢献した。

アレン・ダレスや他の初期のCIA幹部(組織は、1947年まで、戦略諜報局OSSと呼ばれていた)が監督したサンライズ作戦で、ナチスの最高司令官たちが、裁判を逃れ、ヨーロッパから脱出するための“縄ばしご”を作った。アメリカCIAが支援・幇助したナチス幹部の中には、カール・ヴォルフ大将とラインハルト・ゲーレン少将がいた。

アメリカの諜報機関と軍と第三帝国残滓とのつながりが、CIAとペンタゴンという組織自体と、その対ソ連冷戦イデオロギーを生み出した。アメリカは、ヨーロッパ各国から盗まれたナチスの金で恩恵を受けたのみならず、アメリカは、第三帝国の諜報や、秘密の軍事技術を利用した。(例えば、David Talbotの著書、The Devil's Chessboard、on formation of CIA.を参照)

ラインハルト・ゲーレン少将は、戦後、ワシントンで仕事についたあと、ウクライナ・ファシストの多くの知己とともに、第二次世界大戦後の何十年間も、ソ連国境内で妨害工作を行う、ゲーレン組織を立ち上げた。

第二次世界大戦後、アメリカ合州国の権力構造は、二つになった。一方には、選出された議員たちと大統領による公式政権がある。もう一方には、CIAとアメリカ軍産複合体で構成される“秘密の政府”で本当に権力を持った人々がいる。

アメリカの“秘密の政府”あるいは“陰の政府”は、過去70年間、思い通りにしてきた。民主党、共和党、どちらの政治家が選ばれようと、政府政策に大きな影響はない。大企業権力という支配層エリートの要求応えるCIAと“陰の政府”が采配を振るっているのだ。言うことを聞かない大統領は誰であれ、1963年11月に暗殺されたジョン・F・ケネディのような仕打ちをうける。そこで選挙後、トランプがいくじなく降伏するわけだ。

ナチスの戦時略奪品からの資金があり、ロシア嫌いで、国際法を軽視するCIAとアメリカ軍は必然的に殺人マシンとなった。

第二次世界大戦からわずか五年後、アメリカは“世界共産主義を打ち破る”という名目で朝鮮と戦争を始めた。アメリカ1950年-53年の朝鮮戦争中に使ったの多くは新軍事技術は、ペーパークリップ作戦で採用されたナチス・エンジニアが開発したものだった。アメリカが朝鮮にふるった虐殺的破壊は、第三帝国が行った蛮行と違いはない。

過去70年にわたり、アメリカ支配者連中は、公然の戦争、クーデター、暗殺や代理戦争を世界中の何十もの国々にしかけてきた。このアメリカの破壊による世界の死者数は、2000万人と推計されている。

アメリカ指導者が“アメリカ例外主義”を褒めたたえるのは、戦略的権益を推進するための“覇権”と軍事力を行使する“権利”の婉曲表現だ。これは、他国の征服を正当化するために引き合いにだされていた第三帝国至高主義思考と何ら変わらない。

トランプと彼の閣僚が、北朝鮮を絶滅すると威嚇する際、精神構造には前例がないわけではない。第二次世界大戦以来、ほとんど全てのアメリカ指導者が、 “敵国”とされた国々に対する同じ一方的な武力行使を行ってきた。トランプが代表しているものは、同じ侵略を一層むき出しにしたものに過ぎない。

アメリカの暴力による世界中の恐るべき死亡者数に加えて、現在アメリカは、軍に、ロシアが使っているものの10倍、あるいは、続いて軍事支出の大きな九カ国が割り当てているものの10倍、毎年約7000億ドル使っていることに留意すべきだ。アメリカは、軍事基地世界中の100カ国以上に置いている。過去四半世紀、アメリカは恒久的な違法戦争状態にある。

アメリカが、直接の前身をナチス・ドイツとする、第四帝国だというのは決して誇張ではない。第二次世界大戦後の、ナチス要員と違法な資金によるCIAとペンタゴンの発展が、アメリカ支配者が、第三帝国のイデオロギーに染まるのを保証したのだ。

偏見のない人々にとって、アメリカ第四帝国の遺産伝承は明らかだ。侵略戦争、大虐殺、代理戦争、クーデター、暗殺部隊、大規模国民監視、マスコミ・プロパガンダと大規模拷問 - 全て何の罪も問われないままの独善。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/09/27/why-united-states-fourth-reich.html
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孫崎享氏の今朝のメルマガを一部、断片的にコピーさせていただこう。


「希望の党」。小池氏、前原氏、長島氏等米国の「ジャパンハンドラー」と強い結びつき。組織づくりも、米国の指示に従うのか。共同報道の、組織の「ガバナンス長」って、日本人にどれ位通用しているか。英語は、「Chief governance officer」。

希望の党の規約案全文が1日、判明した。

・ガバナンス長は役員として、コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(組織統治)の構築を統括。国会議員でなくても就任できる。

この組織のあり様は、日本人が書いたとは思えない。

ガバナンス長?どこの何様かと思わせる傲慢な物言い、宗主国陰の政府がついていればこそと納得。

安保法制に賛成の人間しか受け入れない。つまり属国化推進派=宗主国走狗集団。

電車中吊り広告で、選挙直後に開催される大学セミナー広告を見た。登場人物を見れば中身がわかる。ジャパン・ハンドラー様が中心。属国の大学は、ハーバード大学どころの奴隷度でないと感心。ムサシ選挙の監督もかねて来日し、説教するのだろうか。

大本営広報部、一つ見たが、方針が変わることは必ずしも悪くないという説を開陳する論説委員にあきれた。風に合わせて「方針を変える」のが方針のような人間をどうして信じられるだろう。

ということで、大本営広報部でない組織から情報を得たいと思う。

日刊IWJガイド「本日にも『希望の党』の一次公認候補者が発表に!『合流』を決めて「軍門」にくだる民進党議員らは含まれるのか!?/民進党・リベラル派の議員らが次々『無所属』『非希望』を表明!新党結成か?『前原解任・合流撤回案』も!/枝野幸男氏が市民の前に登場!『何があってもブレない、媚びない』!/安倍自民でも小池希望でもない社・共とリベラルの第三極結集へ! リベラル派歓迎! の社民党・福島みずほ氏に岩上安身が本日午後4時からインタビュー!/本日18時からは阿部知子氏の街宣を中継!」2017.10.2日号〜No.1844号〜
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/32586


33. 中川隆[-6061] koaQ7Jey 2017年10月23日 10:13:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
アメリカで国内の収容所化が本格化してから約30年、その波が押し寄せている日本では人々が鈍感
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710220000/

日本がウォール街を拠点にする巨大金融資本の強い影響下に入ったのは関東大震災からである。その間、ウォール街と対立関係にあったニューディール派のフランクリン・ルーズベルト大統領の時代は例外だが、そのときでも駐日大使はウォール街の大物だった。支配者をアングロ・シオニストというとらえ方をするならば、始まりは明治維新だ。

ルーズベルトが大統領に就任した直後、1933年から34年にかけてアメリカではJPモルガンをはじめとする金融資本の大物たちがクーデターを企てて失敗したが、ウォール街にとって好都合なことに、ドイツが降伏する直前、1945年4月に急死した。

それ以上に大きな変動は1960年代から70年代にかけて引き起こされている。1963年11月22日に平和の戦略を掲げるジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されてからデタント派が粛清されたジェラルド・フォード政権までの期間だ。ネオコンが台頭してくるのはフォード政権の時である。

そして1980年代から国家改造が本格化している。まず国内を収容所化するCOGプロジェクトが開始され、ソ連が消滅した直後の1992年には世界制覇を目指す戦争を始めると宣言するウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成されている。このCOGプロジェクトとウォルフォウィッツ・ドクトリンが現在、アメリカ支配層の基本戦略になっている。


最近になって日本では緊急事態条項が問題になっているが、COGプロジェクトでは1988年に憲法の機能を停止させる条件が核戦争から国家安全保障上の緊急事態へ変更され、2001年9月11日の世界貿易センターや国防総省本部庁舎への攻撃で始動している。

こうしたアメリカの動きを見ていれば、遅くとも1992年には日本でも収容所化や侵略戦争という計画に日本も組み込まれると考えなければならなかった。実際、警鐘を鳴らす人もいたが、少なかった。勿論、今でも緊急事態条項を多数が問題にしているとは言えないが、それよりも遥かに少なかった。そして、現在の状況を生み出したわけである。


34. 中川隆[-6065] koaQ7Jey 2017年10月26日 21:04:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.10.26
選挙で安倍政権は「この国を、守り抜く」というフレーズを使ったが、実際は戦争への道を進む


今年10月22日が投票日だった衆議院議員選挙で安倍晋三の率いる自民党が465議席のうち284議席(61%)を獲得した。自民党と与党を形成してきた公明党が29議席、自民党の別働隊とも言うべき希望の党が50議席、日本維新の会が11議席で、この4党の合計は374議席(80%)に達する。決して人気があるとは言えない安倍政権で、選挙前には苦戦も噂されているが、結果は違った。

この選挙で自民党が使ったキャッチフレーズは「この国を、守り抜く」。ミサイル発射や爆破実験を続ける「北朝鮮の脅威から、国民を守り抜きます」ということらしい。安倍政権はアメリカに従い、朝鮮半島の周辺や南シナ海などで軍事的な示威活動を続けているのだが、それには口をつぐんで「平和に向けた外交努力を続け、断固、国民を守り抜きます」と主張している。

本ブログでは繰り返し書いてきたが、1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、アメリカ国防総省ではDPG草案という形で世界制覇計画を書き上げた。そのときの国防長官がリチャード・チェイニー、作成の中心は国防次官だったポール・ウォルフォウィッツやその教え子であるI・ルイス・リビー国防次官補だ。そこで、この計画は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれ、その危険性から有力メディアへリークされている。

この当時、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識、潜在的なライバル、つまり旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどがライバルに成長することを防ぎ、膨大な資源を抱える西南アジアを制圧しようと目論んだ。そのため単独行動主義を打ち出している。ソ連という邪魔な存在が消え、ロシアは傀儡のボリス・エリツィンが支配、軍事侵略を自由にできると考えたようだ。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、ウォルフォウィッツ次官は1991年、イラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたてから10日ほど後にクラークがペンタゴンを訪れると、かつての同僚からイラクを攻撃すると聞かされる。クラークも同僚の理由はわからなかったという。そして数週間後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺が攻撃予定国のリストを作成したという話を聞く。そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。(3月、10月)

ウォルフォウィッツ・ドクトリンを受け、1992年にPKO法が公布/施行され、91年には細川護熙政権の諮問会議「防衛問題懇談会」が「日本の安全保障と防衛力のあり方」、いわゆる樋口レポートを発表するが、その内容にいネオコンは怒る。国連を中心としたものだったからだ。1994年には武村正義官房長官が解任されたが、これはアメリカの命令だとされている。

日本の国連中心主義を問題にしたのはマイケル・グリーンとパトリック・クローニン。ふたりはカート・キャンベル国防次官補を介してジョセフ・ナイ国防次官補やエズラ・ボーゲルに接触、「日本が自立の道を歩き出そうとしている」と主張、1995年の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。

1997年には「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」が作成され、99年には「周辺事態法」が成立、2000年にはネオコン系シンクタンクPNACがDPGの草案をベースにした「米国防の再構築」が発表されているが、この年にはナイとリチャード・アーミテージのグループが「米国と日本−成熟したパートナーシップに向けて(通称、アーミテージ報告)」を作成している。

9/11後の2002年に小泉純一郎政権は「武力攻撃事態法案」を、03年にはイラク特別措置法案を国会に提出した。2004年にアーミテージは自民党の中川秀直らに対して「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つになっている」と言明している。2005年には「日米同盟:未来のための変革と再編」が署名されて対象は世界へ拡大、安保条約で言及されていた「国際連合憲章の目的及び原則に対する信念」は放棄される。

2006年になると、アメリカ支配層の機関誌とも言えるフォーリン・アフェアーズ誌にキール・リーバーとダリル・プレスの論文「未来のための変革と再編」が掲載されているが、そこにはロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張されていた。この段階でもネオコンなどアメリカの好戦派は全面核戦争で圧勝できると信じていたのだろう。そして2012年にはアーミテージとナイのコンビが「日米同盟:アジア安定の定着」を発表した。

リーバーとプレスの論文が発表された2年後、2008年にジョージア(グルジア)のミヘイル・サーカシビリ政権は南オセチアを奇襲攻撃、ソ連軍の反撃で粉砕されている。南オセチアでの戦闘でアメリカやイスラエルはロシア軍の強さを認識したはずだ。

流れを見ると、この年の7月10日にはアメリカのコンドリーサ・ライス国務長官がジョージアを訪問、そして8月7日にサーカシビリ大統領は分離独立派に対話を訴え、その8時間後の深夜に南オセチアを奇襲攻撃したのだ。(Tony Karon, “What Israel Lost in the Georgia War”, TIME, August 21, 2008)2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を派遣している。

この当時、ジョージア政府はイスラエル色が濃かった。例えば、流暢にヘブライ語を話せる閣僚がふたりいたのだ。ひとりは奇襲攻撃の責任者とも言える国防大臣のダビト・ケゼラシビリであり、もうひとりは南オセチア問題で交渉を担当していた再統一担当大臣のテムル・ヤコバシビリだ。

南オセチアで戦争が行われる前年、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書いている。工作の手先がサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団になることも示されている。

アメリカは東アジアの軍事的な緊張を高めるため、朝鮮を利用してきた。中国に対する恫喝だと言える。当然、中国もそれは承知しているはずで、もしアメリカと韓国が朝鮮の体制を転覆させ、朝鮮半島の政治的な様相を変えようと攻撃したなら、中国はそれを阻止するとしている。

「この国を、守り抜く」と宣伝しているが、安倍政権は日本をアメリカの核戦争に巻き込みかねない好戦的な政策を推進してきた。その政策を後押ししてきたのがマスコミにほかならない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710260000/


35. 中川隆[-6086] koaQ7Jey 2017年10月27日 16:07:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.10.27
景気回復でなく米国の支配システムを支えることが目的のアベノミクスで景気が回復するはずはない


今回の衆議院議員選挙で自民党は「アベノミクスの加速で、景気回復・デフレ脱却を実現します」と宣伝していたが、アベノミクスは日本の国力を脆弱化させるだけだ。経済指標が改善しているように見えても、その実態は悪いまま。GDPや企業収益は庶民の豊かさに関係なく、仕事の中身は改善されていない。「正社員有効求人倍率」や「若者の就職内定率」など簡単に操作できる。どの国でも選挙が近づくと「おいしそうな政策」を政治家は口にするようになり、指標の粉飾を始めるものだ。

現在、ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派はロシアや中国を核戦争で脅している。この両国を屈服させなければならない状況に追い込まれているのだ。

アメリカ支配層が脅さなければならない理由は、経済の破綻にある。その実態が表面化したのは1971年。当時のアメリカ大統領、リチャード・ニクソンがドルと金の交換を停止すると発表したのだ。その後、アメリカが行ってきたのは経済でなくコロガシである。

アメリカはドルが基軸通貨だという利点を生かして生き残ろうとするのだが、そのシステムの中心に位置づけられたのがペトロダラー。サウジアラビアをはじめとする産油国に対して貿易の決済をドルにするように求め、集まったドルでアメリカの財務省証券や高額兵器などを購入させ、だぶついたドルを還流させる仕組みを作ったのだ。その代償としてニクソン政権が提示したのは、アメリカの軍事力で国を保護、支配層の地位と収入を保障するというものだった。日本とアメリカも似たような取り決めをしている可能性がある。

1962年から86年までサウジアラビアの石油相を務めたザキ・ヤマニによると、​ニクソン・ショックの2年後、「スウェーデンで開かれた秘密会議」でアメリカとイギリスの代表は400パーセントの原油値上げを要求した​というが、これもペトロダラーの仕組みを強化することが目的。この秘密会議とは、ビルダーバーグ・グループの会合である。

1970年代から金融取引の規制が大幅に緩和され、巨大な投機市場が出現する。経済が行き詰まり、金融/投機のプロだけでなく製造業者や個人も投機での運用を始める。つまり資金を投機市場が呑み込み始めたのだ。現物取引だけでなく、先物、オプション、スワップなど投機色の強い金融派生商品が出現、巨大資本や富豪たちの資産は桁違いに大きく膨らんだように見えるが、こうした資産は幻影にすぎず、投機市場への資金流入が頭打ちになって相場が下がり始めると急速に縮小、アメリカやイギリスを中心とする支配システムは崩壊する。

投機市場を縮小させないためには資金を流入させ続ける必要がある。安倍首相が日銀の黒田東彦総裁と組んで「量的・質的金融緩和」、いわゆる「異次元金融緩和」を進めてきた最大の理由はここにあるだろう。これは資金を世界の投機市場へ流し込むだけで、景気を回復させる効果はなく、勿論、庶民への恩恵はない。

こうしたバラマキのツケを払わされるのも庶民。「緊縮財政」で庶民は搾り取られる。歴代政府、つまり官僚は不安定で報酬も少ない非正規雇用を増やすなど労働条件を悪化させ、社会保障政策も大きく後退させてきた。

損害を小さくするため、カモを見つけてババをつかませる必要があるのだが、その面でも日本は協力しようとしている。ETF(上場投資信託)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もそうした目的で利用されるだろう。

アメリカは他国を屈服させるために軍事力を使う。軍事力を使った恫喝だ。かつてリチャード・ニクソンは自分たちが望む方向へ世界を導くためにアメリカは何をしでかすかわからない国だと思わせようとし、またイスラエルのモシェ・ダヤン将軍は狂犬のように振る舞わなければならないと語ったが、バラク・オバマ大統領はその戦法を採用したのだ。

安倍晋三首相は自分が何を行っているかを理解している。2015年6月1日に赤坂の「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会でそれを示す発言をした。週刊現代によると、そこで​「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と安倍が口にした​というのだ。軍事的な緊張の場面が朝鮮半島へ移動しても同じことだ。

前回も書いたように、アメリカが日本に中国との戦争を始める準備をさせ始めたのはソ連が消滅した直後、1992年2月にウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成されたときのこと。当初、日本側は国連中心主義で抵抗したが、ネオコンは怒る。1994年には武村正義官房長官が解任され、1995年には「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」が発表された。その後、急ピッチで日本はネオコンの戦争マシーンに組み込まれていく。

21世紀に入ってウラジミル・プーチンがロシアを再独立させ、国力を回復させることに成功するとロシアや中国の周辺にミサイルを配備、経済戦争を仕掛け、重要な収入源である石油や天然ガスをEUヘ輸送できなくするためにウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを実行した。

原油価格の急落はロシアを締め上げるためにアメリカとサウジアラビアが仕掛けたと言われているのだが、石油価格の下落で窮地に陥ったのはアメリカのシェール・ガス/オイルやサウジアラビア。サウジアラビアは財政赤字になっている。

通常兵器の戦闘でアメリカがロシアに勝つことは困難だということをジョージア(グルジア)の南オセチア奇襲やシリアでの戦闘でアメリカも理解しているだろう。核戦争で脅すしかないのだが、それでもロシアや中国は屈服しない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710270000/


36. 中川隆[-6050] koaQ7Jey 2017年10月30日 18:59:52 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.10.30
スーチー体制のミャンマーにおけるイスラム教徒虐殺に目覚めて批判を始めた西側はテロを目論む

アウンサン・スーチーが君臨するミャンマーに対する批判が高まってきた。スーチーが実権を握って以来、イスラム教徒のロヒンギャの集落が襲撃されて多くの住民が殺害されているのだが、アメリカやイギリスで育ち、教育を受けたスーチーは米英支配層の影響下にあり、西側の政府や有力メディアは見て見ぬ振りをしてきた。その状況が変化したようである。

襲撃グループはウィラトゥなる人物が率いる仏教徒はアウンサン・スーチーを支持している「民主化運動」の活動家たちだということもあってスーチーは虐殺を黙認、西側の反応は鈍かった。アメリカがスーチーの行為に寛容な理由は中国がミャンマーで進めていたプロジェクトにブレーキをかけることにあったのだろう。

軍事政権の時代からミャンマーの北部では石油や天然ガスのパイプラインが建設されていた。中国がミャンマーにパイプラインを建設した最大の理由は石油や天然ガスをマラッカ海峡を通らずに運ぶルートが欲しかったからだと見られている。

中国は一帯一路、つまり「シルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロード」を経済発展の基本プランだと考えている。それをアメリカは潰すため、日本を巻き込んで南シナ海の軍事的な緊張を高めてきた。その海域は中国から見て海上ルートの出発点だ。アメリカは中国の自由な航行を認める気がない。

マラッカ海峡を回避するために中国がプロジェクトを進めていたミャンマーとの関係をアメリカ政府は改善、2011年には「民主化」を実現する。2011年にはアメリカの国務長官だったヒラリー・クリントンがミャンマーを訪問してスーチーとも会い、2012年以降はそのスーチーが実権を握った。

こうした流れの中、パイプラインは予定より遅れたものの稼働したが、北部カチン州のイラワジ川上流に中国と共同で建設されていたミッソン・ダムの工事は2011年9月に中断が発表されたままだ。

しかし、その後、ミャンマー政府は中国との関係改善にも乗り出しているようにも見える。ラカイン州など経済的に遅れた地域の開発に中国が協力する姿勢を見せているのだ。ラカイン州はロヒンギャと仏教徒との衝突の舞台。こうした問題を緩和させるためには経済格差を改善する必要があるとミャンマー側も考えているのだろう。

一方、当初は仏教徒によるロヒンギャの集落襲撃を黙認してきた西側がここにきてロヒンギャの問題でミャンマーを批判するようになった。さらに、サウジアラビアが資金を出し、アメリカが支援するという形でワッハーブ派の戦闘集団がミャンマーに潜り込んでいるとも伝えられている。その基本的な仕組みはアメリカ政府が1970年代終盤にアフガニスタンで作り上げている。

その頃、ジミー・カーター政権で国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーはアフガニスタンを不安定化させてソ連を揺さぶるため、同国へサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を戦闘員として送り込む。サウジアラビアが兵員と資金を提供し、アメリカが戦闘員を軍事訓練して兵器/武器を提供、パキスタンの情報機関ISIが協力するという仕組みだ。

1991年にソ連が消滅した後、アメリカがユーゴスラビアで採用した作戦をミャンマーでも実行するのではないかと考えている人もいる。この時にアメリカ政府はアル・カイダ系武装集団をバルカンへ送り込み、セルビア人を殺させている。​1992年から95年の間にこうした武装集団が殺したセルビア人は2400名近い​という。

その結果としてセルビア人とイスラム教徒は武力衝突する。そのイスラム教徒にはアメリカが送り込んだ戦闘員以外の人も含まれていた。この衝突を西側の政府や有力メディアはセルビア人による虐殺だと描き、1999年3月にはNATO軍がユーゴスラビアを先制攻撃した。

1992年に「ニューズデー」のロイ・ガットマンは16歳の少女がセルビア兵にレイプされたと報道、反セルビア感情が世界に広がる切っ掛けをつくったが、この話は嘘だということが別のジャーナリスト、マーティン・レットマイヤーによって確認されている。この時に「人権擁護団体」も偽情報を流す上で重要な役割を果たしたが、その背後では広告会社が暗躍していた。

西側はコソボをユーゴスラビアから分離独立させたが、アメリカの手駒になっていた勢力は麻薬や臓器の密輸で儲けていたと言われている。また、2006年3月から08年1月までコソボ自治州の首相だったアギム・セクはクロアチア軍の准将だった人物で、1995年に同軍は民族浄化、つまり非クロアチア系住民の虐殺を目的とした嵐作戦を実行している。そのコソボにアメリカは軍事基地を建設した。

こうしたことが東南アジアでも行われると懸念する人がいる。ミャンマー政府も懸念しているようで、昨年6月、​ミャンマーとロシアの国防相は軍事協力で合意​している。アメリカの破壊工作をロシアはここでも阻止しようとしているのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201710300000/


37. 中川隆[-6038] koaQ7Jey 2017年11月03日 10:49:16 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.11.03
6月から原油相場が上昇、ブレント原油は60ドル台に入ったが、その背後で世界情勢に大きな変化

原油相場が上昇、ブレント原油の場合、今年(2017年)6月下旬に1バーレル45ドル台だった価格が10月末には60ドル台に入った。6月には中東情勢に大きな変化があり、緊迫の度合いが高まったが、世界情勢が大きく変化した時期のようにも思える。

5月から6月にかけてシリアでは東南部でアメリカ主導軍がシリア政府軍を攻撃、ラッカの近くでは政府軍の戦闘機を撃墜、またヨーロッパではNATO軍の戦闘機がロシアの国防大臣が乗った航空機に近づいて威嚇、ロシア軍の戦闘機に追い払われるということもあった。

その背景にはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする侵略勢力が手先として使っていたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)、つまりサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする武装集団が2015年9月30日から行われているロシア軍による軍事介入で崩壊状態になったことが大きい。アメリカ軍によってこうした武装勢力が倒されたかのような宣伝もなされているが、世界的に見れば、その嘘は見抜かれている。

武装勢力の敗走、つまりアメリカ、イスラエル、サウジアラビアが敗北したことを象徴する出来事がダーイッシュを率いているとされるアブ・バクル・アル・バグダディの死亡情報だろう。5月28日にロシア軍が行った空爆で約30名の幹部と一緒に殺害された可能性があるとロシア国防省は発表している。西側ではこの情報を消そうとしてきたが、その後の展開を見ると正しかった可能性が高い。

その直前、ドナルド・トランプ米大統領は中東を訪れている。5月20日から21日にかけてサウジアラビア、22日から23日にかけてイスラエルだ。そのあとイタリアとベルギーを訪問した。そして6月5日、サウジアラビアはカタールとの外交関係を断絶すると発表、経済戦争を仕掛けている。バーレーン、エジプト、アラブ首長国連邦も同調、このうちエジプトを除く4カ国はカタールとの陸、海、空の移動も禁止した。この強硬策を主導したのは副皇太子だったモハンマド・ビン・サルマンで、同月21日には皇太子へ就任した。

しかし、カタールはすでにイランやロシアとの関係を修復する交渉を進め、サウジアラビアからの攻撃に対する準備はできていた。ビン・サルマンは24時間でカタールは屈服すると見通していたとする情報も流れているが、そうした展開にはならなかった。

カタールを屈服させようとしてサウジアラビアはロシアへも接近、5月末にはビン・サルマンがロシアを訪れてウラジミル・プーチンと会談して10月4日から7日にかけてのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王のロシア訪問につながった。その時の会談で石油相場について協議しただけでなく、サウジアラビアがロシアから防空システムS-400を含む兵器/武器の供給を受けることも決まった。その防空システムが想定している相手はイスラエルやアメリカだと見られている。

ロシアと戦略的な同盟関係にある中国でも5月に注目すべき出来事があった。5月14日から15日かけて北京でBRF(一帯一路フォーラム)が開催され、29カ国が参加しているのだ。そのうち首相が出席したのはポーランド、ハンガリー、セルビア、ギリシャ、イタリア、スペイン、エチオピア、パキスタン、スリ・ランカ、モンゴル、カンボジア、マレーシア、フィジー、大統領はフィリピン、ベトナム、インドネシア、ラオス、ケニア、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルコ、チェコ、スイス、アルゼンチン、チリ、そしてミャンマーは最高実力者のアウン・サン・スー・チー。国連、世界銀行、IMFなどもトップを送り込んできた。

1992年にネオコンなどアメリカの好戦派が始めた軍事力による世界制覇プロジェクトはロシアの再独立で揺らいだが、それでも当初の計画を強引に進めようとした結果、信頼をなくして自分たちの衰退ぶりをさらすことになった。ドルが基軸通貨の地位から陥落するのは時間の問題だと見られている。ロシアと中国を中心とした多極化へ進むのか、アメリカの巨大資本が世界を支配するファシズム体制へ進むのか、岐路にさしかかっている。

すでにアメリカ離れは世界規模で進んでいる。各国支配層はアメリカのカネと暴力に屈服しているが、それでは流れを抑えきれないだろう。核戦争の脅しがロシアや中国に通用するとは思えない。そうした中、アメリカ支配層に盲従しているのが日本である。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711020000/


38. 中川隆[-5971] koaQ7Jey 2017年11月09日 11:15:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.11.08
ベトナムで米露の首脳が会談するようだが、その背後では中露を制圧するという米英の長期戦略


​ドナルド・トランプ米大統領は11月2日、ベトナムでロシアのウラジミル・プーチン大統領と会談するとFOXニュースに語り​、ロシア側も会談の予定を確認した。トランプ大統領は「朝鮮の脅威」について話し合うとしているが、勿論、それは表向きの口実にすぎないだろう。朝鮮が脅威だと考える国がロシアや中国を核戦争で脅すはずはない。

アメリカの支配層が核戦争で脅し、屈服させようとしている相手はロシアと中国である。人類を死滅させるか、それとも自分たちに従属するかというわけだが、ロシアや中国はこうした脅しに屈しない。そこで核戦争が勃発する可能性が高まっているのだ。この政策を驀進しようとしていたのがヒラリー・クリントンにほかならない。

そうした世界制覇を夢見ている勢力をアングロ・シオニストと呼ぶこともある。アメリカとイギリスを中心とするアングロ・サクソン系諸国とシオニズムを信仰してイスラエルを絶対視する人々をそう表現しているのだが、その夢は遅くとも19世紀に始まっている。

その勢力の中で主導権を握っていた国は第2次世界大戦が終わるまでイギリス。この国では18世紀の後半から19世紀の前半にかけて技術革新があって生産力は向上、工場制生産が広がるのだが、貿易で中国に完敗してしまう。しかも国内はチャールズ・ディケンズが『オリバー・ツイスト』で描いたような富が一部に集中する社会になっていた。生産力の向上は大多数の庶民にとって良いものではなかった。経済は破綻寸前だったとも言えるのだが、その経済を立て直すために採用されたのが侵略による略奪と麻薬取引である。

1840年から42年にかけてイギリスは中国(清)を攻撃して屈服させることに成功、香港を奪い、賠償金などを支払わせ、上海、厦門、広州、寧波、福州を開港させたのだ。アヘン戦争である。さらなる利権を獲得するため、1856年にも戦争を仕掛けた。アロー戦争だ。

その3年後、アヘン戦争で大儲けしたジャーディン・マセソン商会はトーマス・グラバーとウィリアム・ケズウィックを日本へ送り込んでいる。グラバーは有名小説家の書いた歴史小説にもよく登場する人物で、長崎にオフィスを構えた。こうした流れの中で明治維新は実行された。後に内戦の長期化を当て込んで武器を大量に仕入れ、見込み違いから破産、三菱に助けられている。

ケズウィックの祖母にあたるジーン・ジャーディン・ジョンストンはジャーディン・マセソン商会の共同創設者であるウィリアム・ジャーディンの姉。横浜にオフィスを開いた。1862年に香港へ戻ってから麻薬資金を扱っていた香港上海銀行で働き、その縁で蒋介石の側近で青幇の杜月笙と親しくなっている。

しかし、イギリスの支配層が最も力を入れていたのはロシアの制圧だ。その戦略を理論づけた論文が1904年に発表されている。ハルフォード・マッキンダーという学者が考えたもので、世界は3つに分けられている。第1がヨーロッパ、アジア、アフリカの世界島、第2がイギリスや日本のような沖合諸島、そして第3が南北アメリカやオーストラリアのような遠方諸島だ。世界島の中心がハートランドで、具体的にはロシアを指し、そのロシアを支配するものが世界を支配するとしていた。

広大な領土、豊富な天然資源、そして多くの人口を抱えるロシアを締め上げるため、西ヨーロッパ、パレスチナ、サウジアラビア、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯を、その外側に外部三日月地帯をマッキンダーは想定した。日本は内部三日月帯の東端にあり、侵略の重要拠点であるのみならず、傭兵の調達地と認識されていた。

その日本ではイギリスを後ろ盾とする長州が薩摩を巻き込んで徳川体制を倒して明治体制を樹立する。その新体制は1871年7月に廃藩置県を実施するが、その翌年に琉球国を潰して琉球藩をでっち上げて併合、74年に台湾へ派兵、75年に江華島へ軍艦を派遣して朝鮮を挑発、そこから日清戦争、日露戦争、そして中国侵略へと向かっている。1939年には関東軍がソ連軍と衝突して惨敗したが、これも同じ流れのように見える。ジョージ・ケナンズの「封じ込め政策」やビグネフ・ブレジンスキーの戦略もマッキンダーの理論と考え方は同じだ。

ところで、ロシアの十月革命(1917年11月)でボルシェビキが実権を握るとアメリカの国務省では反ソ連グループが形成される。ラトビアのリガ、ドイツのベルリン、そしてポーランドのワルシャワの領事館へ赴任していた外交官たちが中心で、その中にはケナン、あるいは駐日大使を務めたジョセフ・グルーも含まれていた。(Christopher Simpson, "The Splendid Blond Beast," Common Courage Press, 1995)

ここで詳しく書くことはできないが、アングロ・シオニストの世界制覇計画には長い歴史があると言える。1991年12月にソ連が消滅、ロシアの大統領には米英の傀儡だったボリス・エリツィンが就任した時点で、彼らは自分たちが唯一の超大国になったアメリカを動かす世界の支配者だと認識、自立心を残している国々を潰していこうとする。その戦略が1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリン。残された中で最も警戒すべき相手は中国であり、だからこそ東アジアを重視するという政策を打ち出した。

この戦略を根底から覆したのがウラジミル・プーチンにほかならない。ロシアを再独立させ、国力を急ピッチで回復させてアングロ・シオニストの前に立ちふさがったのだ。そしてシリアではアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする勢力の侵略計画を潰してしまった。この三国同盟が侵略のために使ってきたアル・カイダ系武装集団、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はロシア軍によって壊滅寸前だ。アメリカはクルドへ切り替えようとしたが、思惑通りに進んでいない可能性があり、別の傭兵集団を編成しているとも考えられる。

そうした中、サウジアラビアでは国王親子がライバルを粛清、イランを戦争で脅し、イスラエルはアメリカ、ギリシャ、ポーランド、フランス、イタリア、ドイツ、インド、さらにもう1カ国で軍事演習を実施して軍事的な緊張を高めている。このまま進むとアメリカは中東の利権を失う可能性があり、何を仕掛けても不思議ではない状況。原油相場の動きは緊迫感を感じさせないが、ベトナムで行われる予定のトランプ大統領とプーチン大統領の会談における主要テーマが朝鮮だとは思えない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711080001/


39. 中川隆[-5897] koaQ7Jey 2017年11月15日 11:04:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.15
米国に従い、朝鮮の行動を利用して中国を挑発、軍事的緊張を高めてきた安倍政権だが、行き詰まり


東アジアの軍事的な緊張を高める出来事を2010年に引き起こしたのは日本の海上保安庁である。9月に「日中漁業協定」を無視して尖閣諸島の付近で操業中だった中国の漁船を取り締まったのだ。

海上保安庁は国土交通省の外局で、当時の国交大臣は前原誠司。総理大臣は菅直人だった。この行為によって田中角栄と周恩来が「棚上げ」で合意していた尖閣諸島の領有権問題が引きずり出され、日本と中国との関係は急速に悪化する。これはアメリカの戦略にとって好都合な動きだ。

海上保安庁が協定を無視して中国漁船を取り締まる3カ月前、2010年6月にベニグノ・アキノ3世がフィリピンの大統領に就任した。この人物の父親は1983年8月にマニラ国際空港で殺されたベニグノ・アキノ・ジュニアであり、母親は86年2月から92年6月まで大統領を務めたコラソン・アキノ。いずれもアメリカ支配層の影響下にあった。つまり傀儡。

イギリスやアメリカを中心とするアングロ・シオニストは20世紀の初頭からロシアを制圧しようと目論んでいる。そのために西ヨーロッパ、パレスチナ、サウジアラビア、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯とその外側の外部三日月地帯で締め上げようという戦略を立てる。その戦略をハルフォード・マッキンダーは1904年に発表している。

ズビグネフ・ブレジンスキーもこの戦略の信奉者で、彼のプランもマッキンダーの考えに基づいて作成された。アメリカにはフィリピン、ベトナム、韓国、インド、オーストラリア、そして日本を結びつけ、中国やロシアに対抗する「東アジア版NATO」を築くという戦略があるが、これも基本は同じだ。

中国には一帯一路(海のシルクロードと陸のシルクロード)というプロジェクトがある。かつて、輸送は海路の方が早く、運搬能力も高かったのだが、技術の進歩によって高速鉄道が発達、パイプラインによるエネルギー源の輸送も可能になった。海の優位さが失われている。しかも中国は南シナ海からインド洋、ケニアのナイロビを経由して紅海に入り、そこからヨーロッパへ向かう海路も計画している。この海路を潰すため、東の出発点である南シナ海をアメリカは支配しようと考え、日本はアメリカに従ったということだ。

ところが、2016年6月に大統領となったロドリゴ・ドゥテルテはアメリカに従属する道を選ばない。ベトナムなどもアメリカの好戦的なプランから離れていく。ロシアと中国は東アジアでの経済的な交流を活発化させて軍事的な緊張を緩和しようとする。

例えば、今年(2017年)9月4日から5日に中国の厦門でBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の会議が開催され、9月6日から7日にかけてロシアのウラジオストックで同国主催のEEF(東方経済フォーラム)が開かれた。このイベントに朝鮮も韓国や日本と同様、代表団を送り込んでいる。韓国がロシアや中国との関係を強化しようとしていることは明白だ。

こうした中、核兵器の爆発実験や弾道ミサイル(ロケット)の発射実験を繰り返し、アメリカの軍事的な緊張を高める口実を提供してきたのが朝鮮にほかならない。BRICSの会議やEEFが開かれた直後、9月15日にもIRBM(中距離弾道ミサイル)を発射している。

このところ朝鮮の爆発実験やミサイルの発射は成功しているようだが、少し前までは四苦八苦していた。ところが、短期間の間にICBMを開発し、水爆の爆破実験を成功させた可能性があるという。そこで、外国から技術、あるいは部品が持ち込まれたと推測する人もいる。

ミサイルのエンジンについて、​イギリスを拠点にするシンクタンク、IISS(国際戦略研究所)のマイケル・エルマン​は朝鮮がICBMに使ったエンジンはソ連で開発されたRD-250がベースになっていると分析、朝鮮が使用したものと同じバージョンのエンジンを西側の専門家がウクライナの工場で見たとする目撃談を紹介している。

ジャーナリストのロバート・パリーによると、​エンジンの出所だと疑われている工場の所在地はイゴール・コロモイスキーという富豪(オリガルヒ)が知事をしていたドニプロペトロウシク(現在はドニプロと呼ばれている)にある​。

コロモイスキーはウクライナ、キプロス、イスラエルの国籍を持つ人物で、2014年2月のクーデターを成功させたネオ・ナチのスポンサーとしても知られている。2014年7月17日にマレーシア航空17便を撃墜した黒幕だとも噂されている人物だ。

国籍を見てもわかるようにコロモイスキーはイスラエルに近いが、朝鮮はイスラエルと武器の取り引きをした過去がある。1980年のアメリカ大統領選挙で共和党はイランの革命政権に人質解放を遅らせるように要求、その代償としてロナルド・レーガン政権はイランへ武器を密輸したのだが、その際、イランは大量のカチューシャロケット弾をアメリカ側へ発注、アメリカはイスラエルに調達を依頼し、イスラエルは朝鮮から購入してイランへ売っているのだ。この関係は切れていないと考えるのが自然だろう。

その後も朝鮮とイスラエルとの関係は続き、イスラエルには朝鮮のエージェントがいるようだ。そのエージェントがエンジンの件でも重要な役割を果たしたという情報も流れている。

2010年9月に海上保安庁が協定を無視して中国漁船を取り締まって日中関係を悪化させた翌年の3月11日、東北の太平洋側で巨大地震が発生、日本と中国の対立は緩和されそうな雰囲気になる。そうした流れを壊し、関係悪化の方向へ引き戻したのが石原慎太郎と石原伸晃の親子だ。

2011年12月に石原伸晃はハドソン研究所で講演、尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすと発言したが、この背後にはネオコンの大物でポール・ウォルフォウィッツの弟子にあたり、ハドソン研究所の上級副所長だったI・ルイス・リビーがいたと言われている。

そして2012年4月、石原慎太郎知事(当時)はヘリテージ財団主催のシンポジウムで尖閣諸島の魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示して中国との関係は決定的に悪くなった。

安倍晋三もハドソン研究所と関係が深いが、そのつながりを築いたのもリビー。その安倍は2015年6月1日、赤坂にある赤坂飯店で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、​「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にした​という。

こうしたアメリカの好戦的な動きに一貫して同調してきたのは日本くらいだろう。アメリカ海軍は航空母艦を東アジアに回遊させて朝鮮、実際は中国を威嚇してきたが、すでに航空母艦の時代は過ぎ去っている。

例えば、ロシアが開発した超音速(マッハ5から8)の対艦ミサイル、ジルコンはあらゆるプラットフォームから発射でき、防ぐことは困難だと言われている。また、ECM(電子対抗手段)はアメリカのイージス艦の機能を停止させられる可能性が高い。つまり、アメリカの艦隊は全滅させられるだろうということだ。

2015年11月には​ロシア軍がリークした新型魚雷​の場合、潜水艦から発射された後の遠隔操作が可能で、海底1万メートルを時速185キロメートルで進み、射程距離は1万キロに達するという。

それでもネオコンなどアメリカの好戦派はロシアや中国を核戦争で脅そうとするだろうが、西側の支配層のうちどの程度が追随するかは不明だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711150000/


40. 中川隆[-5852] koaQ7Jey 2017年11月19日 12:25:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.19
かつてシリア侵略に加担したカタールの元首相が米国を中心とする勢力の侵略作戦について語った

アメリカの軍と情報機関が不法占領を続けているシリアでは新たな戦争を始めようとする動きがある。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使ったバシャール・アル・アサド体制の打倒に失敗、クルドを新たな侵略の手駒にするプランもうまくいかず、イスラエルとサウジアラビアはアメリカを直接的な軍事介入へと導こうとしている。そうした目論見に応えようとするアメリカの勢力がネオコン、あるいはアングロ・シオニストだ。

シリア侵略の中核はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟だが、当初はそこにトルコ、カタール、ヨルダン、アラブ首長国連邦、フランス、イギリスなどが加わっていた。そのうちトルコとカタールが離脱、そのカタールで1992年1月から2013年6月まで外務大臣、2007年4月から2013年6月まで総理大臣を務めたハマド・ビン・ジャッシムがシリア侵略の内情をBBCのインタビューで語っている。

ハマドによると、2006年7月から8月にかけて行われたレバノンへの軍事侵攻に失敗したことを受け、2007年から対シリア工作が始まったのだという。本ブログでは何度も書いてきたことだが、調査ジャーナリストの​シーモア・ハーシュ​は2007年3月5日付けのニューヨーカー誌にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始していると書いていた。

その2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官はそのベースになるプランが遅くとも1991年の段階で作られていたことを指摘している。その当時、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたというのだ。(​3月​、​10月​)

1991年12月にソ連が消滅してボリス・エリツィンを大統領とするロシアはアメリカの属国になると、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識して世界制覇プランを国防総省のDPG草案という形で作成している。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。

2003年3月にアメリカ主導軍による先制攻撃でイラクのサダム・フセイン体制は崩壊、その後も殺戮と破壊が続く。ウォルフォウィッツが口にした3カ国のうち、残るはシリアとイランということになる。レバノンのヒズボラはイランとの関係でターゲットになった。

ハマド・ビン・ジャッシムによると、レバノン政府の親サウジアラビア派を支援してシリアでの戦乱を煽ったいたのがサード・ハリリ。11月4日にサウジアラビアでテレビを通じて辞任を発表した人物である。そのハリリもシリア侵略が失敗したことを理解、ヒズボラとの連合政府へ参加する意向だということを今年10月中旬にイタリアのラ・レプブリカ紙へ語っている。

サウジアラビアでハリリの後ろ盾になっていたアブドル・アジズ・ビン・ファハド王子が粛清劇の最中に死亡、ハリリも拘束されて辞任を強いられたと言われている。現在は家族が人質に取られた形で表面的には自由に動いているようだ。

イラクのクルドもシリアへの侵略に協力していたとしているが、リーダーのマスード・バルザニが父親のムラー・ムスタファ・マスードと同じようにイスラエルの指揮下にあることは広く知られている。イスラエルやサウジアラビアはマスードを利用してイラク北部を奪おうとしたのだが、イラク・クルドの反マスード派がイラク政府側へつき、キルクークを政府軍が奪還したことから「独立」の目論見は失敗に終わった。シリアのクルドも侵略軍の傭兵として政府軍やロシア軍と戦うことを拒否したようだ。

そこでイスラエルやサウジアラビアは、シリア北部を占領して基地を建設しているアメリカ軍を利用しようとしている可能性が高い。アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は相変わらずロシアに対して吠え続け、核戦争も辞さない姿勢を示している。

今年8月にネオコンの​リンゼイ・グラハム​上院議員は朝鮮との戦争に関し、「もし数千人が死ぬとしても、死ぬのはそこでであり、ここではない」とテレビ番組で語っていた。朝鮮を攻撃すれば朝鮮が反撃するだけでなく、中国が軍事介入してくる可能性は高い。朝鮮戦争の時もそうだったが、アメリカは朝鮮半島での戦争を対中国戦の一環だと認識している。中国の戦略的同盟国であるロシアも動くだろう。ロシアがその気になればアメリカの空母艦隊は対艦ミサイルなどで全滅、アメリカに残された道はふたつしかなくなる。降伏するか、あるいは全面核戦争だ。

ネオコンは中国やロシアと戦争を始めても、第2次世界大戦のように、アメリカ本土は戦場にならないと考えている可能性がある。日本は朝鮮半島に近いわけだが、日本人も似たようなものだろう。高をくくっている。日本のマスコミは「大東亜共栄圏」を掲げて侵略戦争を行った当時よりもひどい状況だ。

それに対し、ドナルド・トランプ政権の首席戦略官だった​ステファン・バノン​は朝鮮の核問題に絡み、「軍事的な解決はない。忘れろ」と発言していた。ソウルに住む1000万人が開戦から最初の30分で死なないことを示されない限り軍事作戦には賛成しないという姿勢だった。そして彼は首席戦略官を解任された。死者が数千人で済むはずはないとバノンは理解している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711190000/


41. 中川隆[-5811] koaQ7Jey 2017年11月23日 10:05:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.23
現在、世界は軍事的な緊張の高まりで不安定な状況になっています。そうした状況を生み出した最大の原因はネオコンをはじめとするアメリカの好戦派が作成した世界制覇プランにあると言えるでしょう。

そのプラントは、1992年2月に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心に作成された国防総省のDPG草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)です。このプランに従い、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれてきました。

1991年12月にソ連が消滅、ロシアをアメリカの属国にしたという認識に基づいて書き上げられたのですが、21世紀に入ってロシアが再独立に成功、国力を急速に回復させたことからネオコンのプランは崩れ始めました。それを食い止め、当初の計画を実現しようと彼らはもがいているわけです。

アメリカやイスラエルは自分たちが望む状況を作り出すため、狂犬のように振る舞ってきました。恫喝して屈服させるということです。軍事力が圧倒的に小さい相手なら有効な手段ですが、アメリカの支配層はロシアや中国に対しても同じ手法を使っています。

この両国は大量の核兵器を保有し、脅しには屈しません。アメリカの好戦派は脅しをエスカレートさせ、現在は核戦争で脅しています。今のところロシアがアメリカの挑発に乗っていないため世界は存続していますが、非常に危険な状態だと言えるでしょう。

そのアメリカはテロリストを使ったシリア侵略に失敗しました。そこで、イスラエルやサウジアラビアはイランやレバノンで新たな戦争を目論んでいると推測する人もいるのですが、この2カ国でイランやレバノンのヒズボラに勝つ力はないと見られています。そこでアメリカを巻き込もうとしているようです。

バラク・オバマ政権はヨーロッパ、中東、東アジアで軍事的な緊張を高め、ロシアを偽情報で攻撃するプロパガンダ戦も始めました。アメリカの支配層が世界を支配するシステムの構築が目的ですが、その目論見は失敗、追い詰められているように見えます。

ネオコンの手口を振り返ると、大きなイベントを利用して軍事行動を起こすことがあります。例えば、2008年8月の北京オリンピックに合わせて実行されたジョージア(グルジア)の南オセチアに対する奇襲攻撃。この攻撃の黒幕はイスラエルとアメリカでした。2014年2月にはソチ・オリンピックに合わせ、ウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させています。

2018年は2月9日から25日にかけて平昌オリンピック、3月18日にはロシア大統領選挙の投票、6月14日から7月15日にかけてはモスクワでFIFAのワールド・カップが予定されています。ネオコンが戦争をしかけそうな環境だと言えるでしょう。

西側の有力メディア、特に日本のマスコミはアメリカ支配層が定める型に従って話を作ります。その中から事実を見つけ出すことが21世紀に入ってから困難になりました。そうした実態を知る人が増えてきたため、情報統制を強化して事実を隠そうとする動きがあります。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711230000/


42. 中川隆[-5805] koaQ7Jey 2017年11月25日 11:15:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.25
米国の支配システムを支えているサウジアラビアの動向に世界が注目する中、朝鮮半島舞台に茶番劇


現在、世界で最も注目されている国はサウジアラビアだろう。世界有数の石油産出国だというだけでなく、ドルを基軸通貨の地位へ留める上で重要な役割を果たしてきたからだ。すでに生産能力を手放し、教育制度を崩壊させたアメリカは基軸通貨を発行する特権、生産活動ではなく通貨を発行することでかろうじて生き延びている。

発行した通貨をアメリカの金融システムへ循環させる上でサウジアラビアは中心的な役割を果たしてきた。石油取引の決済をドルに限定することで世界のドル需要を維持し、受け取ったドルをアメリカへ戻すモーターとして機能したのである。いわゆるペトロダラーの仕組みだ。この仕組みに協力する代償は、国の安全保障と支配層の地位や資産の保証。サウジアラビアの動向はアメリカの支配システムと密接に結びついている。

どこかの国を除き、朝鮮半島の茶番劇は「チラ見」されている程度だろう。中国との全面戦争を覚悟しないかぎり、アメリカが朝鮮を攻撃するとは思えない。アメリカは朝鮮をテロ支援国リストに載せたらしいが、アメリカは世界最大のテロ実行国であり、テロ支援国でもある。笑えないジョークだ。

ペトロダラーを必要とした最大の理由はアメリカ経済の破綻にある。1971年8月にリチャード・ニクソン大統領がドルと金との交換停止を発表したが、それもひとつの結果だ。それ以降、アメリカはコロガシを始める。

ドルの地位を維持するために産油国を使った循環システムが生み出された。その当時のサウジアラビア国王ファイサル・ビン・アブドル・アジズは反ソ連だったものの、1970年9月に急死したエジプトのガマル・ナセルに替わってヤセル・アラファトPLO議長を支えた人物で、アメリカの言いなりはなっていなかった。

ナセルの後任はヘンリー・キッシンジャーの操り人形だったアンワール・サダト。新大統領は左翼を弾圧する一方、ムスリム同胞団をカイロへ呼び戻し、サウジアラビアとの同盟を打ちだしてイスラエルやアメリカとの関係を修復している。1972年7月にはソ連の軍事顧問団をエジプトから追い出した。

そのサダトが1973年10月にイスラエルが支配していたエジプトやシリアの領土を攻撃、第4次中東戦争が始まる。キッシンジャーはエジプトとイスラエルの戦争を仕組み、エジプトを勝たせ、サダトのイスラム世界における影響力と高めようとしたとも言われているが、この時にイスラエル政府は核兵器の使用を協議している。

この戦争が始まると産油国は原油価格を4倍に引き上げているが、​この値上げは開戦の5カ月前、1973年5月にスウェーデンで開かれた秘密会議で決まった​とザキ・ヤマニ元サウジアラビア石油相は話している。この会議を開いたのはビルダーバーグ・グループだ。当時、ファイサル国王はエネルギーのライバルを利するとして値上げを嫌っていた。

そのファイサル国王は1975年3月、執務室で甥のファイサル・ビン・ムサイドに射殺された。ジャーナリストのアラン・ハートによると、クウェートのアブドル・ムタレブ・カジミ石油相の随行員として現場にいたビン・ムサイドはアメリカで活動していたモサド(イスラエルの情報機関)のエージェントに操られていたという。ギャンブルで負けて借金を抱えていたビン・ムサイドに魅力的な女性を近づけ、借金を清算した上で麻薬漬けにし、ベッドを伴にしたりして操り人形にしてしまったというのだ。(Alan Hart, “Zionism Volume Three,” World Focus Publishing, 2005)

暗殺の前年、アメリカではニクソンがウォーターゲート事件で辞任、ジェラルド・フォードが副大統領から大統領へ昇格している。フォード政権の時代にアメリカではデタント派が粛清され、ネオコンが台頭したことは本ブログで何度か指摘した通り。

ファイサル国王が暗殺された後、当初は第一副首相として、1982年から2005年まで国王としてサウジアラビアを統治したファハド・ビン・アブドル・アジズは親米派として知られている。

アメリカは1973年からアフガニスタンの反体制派へ資金援助を始め、77年にジミー・カーターが大統領になるとズビグネフ・ブレジンスキーが国家安全保障担当の大統領補佐官に就任、78年には王政時代のイランと手を組んでアフガニスタン工作を本格化させる。(Diego Cordovez and Selig S. Harrison, “Out of Afghanistan”, Oxford University Press, 1995)

ブレインスキーはサウジアラビアの協力でサラフィ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心とする戦闘集団を編成、1979年4月にCIAはそのグループに対する支援プログラムを始める。5月にはCIAイスタンブール支局長がアフガニスタンのリーダーたちと会談した。そのセッティングをしたのがパキスタンの情報機関ISIだ。(Alfred W. McCoy, “The Politics Of Heroin”, Lawrence Hill Books, 1991)

雇われた戦闘員には武器/兵器が提供され、CIAが訓練している。​ロビン・クック元英外相が指摘​しているように、こうした軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵の登録リストが「アル・カイダ」だ。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

1979年11月にソ連の情報機関KGBは特殊部隊を、また12月には対テロ部隊をカブールへ派遣、その直後にソ連軍の機甲部隊がアフガニスタンへ軍事介入した。後にフランスのヌーベル・オプセルヴァトゥール誌からブレジンスキーはインタビューを受け、戦闘集団を作り、戦乱を広めたことを後悔していないとした上で、「秘密工作はすばらしいアイデアだった」と答えている。(Le Nouvel Observateur, January 15-21, 1998)

ブレジンスキーの弟子だと言われているバラク・オバマ大統領はこの手法を使い、リビアとシリアを侵略した。アフガニスタンの成功体験が影響したのだろうが、失敗した。

サウジアラビアはイスラエルと同じようにブレジンスキー時代からアメリカと手を組んで侵略戦争を実行しているのだが、シリアで敗北、イエメンへの軍事侵攻は泥沼化、カタールを従属させようとして失敗、苦境を乗り切るためにモハメド・ビン・サルマン皇太子はイスラエルやアメリカと手を組んでサウジアラビア支配層の粛清を始めた。アメリカの好戦派は中東で新たな戦争を目論んでいるが、状況は悪くなるだけだろう。それが人類の死滅へつながる可能性もある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711250000/


43. 中川隆[-5772] koaQ7Jey 2017年11月26日 17:38:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.26
米大統領はトルコとの関係を修復するためにクルドへの武器供与を止めると約束したが、困難山積み


トルコ外務省によると、11月24日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はアメリカのドナルド・トランプ大統領と電話で会談、​トランプ大統領はエルドアン大統領に対し、アメリカはYPG(クルド人民防衛隊)に対して武器を供給しないと約束​したという。ロシアのソチでロシア、イラン、トルコの大統領が集まってシリア情勢について会談した2日後のことだ。

アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力のシリア侵略計画は2011年3月に始動、当初はトルコも参加していたが、2016年6月下旬にエルドアン大統領は2015年11月24日のロシア軍機撃墜を謝罪、2016年7月13日にトルコ首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。その2日後にトルコでは武装蜂起はがあったものの、短時間で鎮圧されている。

この武装蜂起について、エルドアン政権は首謀者はアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあるとも言われているフェトフッラー・ギュレンだと主張、蜂起の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたとしている。

しかも、今年11月にノルウェーで実施されたNATOの軍事演習でトルコ政府が敵だと表現されていたことから​エルドアン大統領は11月17日、自国兵士40名を引き揚げさせると発表​、アメリカとトルコとの関係は冷え切ってしまった。

2015年11月24日のロシア軍機撃墜は同年9月30日にロシア政府がシリア政府の要請を受けて空爆を開始、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に大きな打撃を加え始めたことを受けてのこと。ロシア軍を脅すつもりだったのだろうが、ロシア側は新型の防空システムを配備、地中海やカスピ海からの巡航ミサイルによる攻撃などで応じた。ロシアを怒らせてしまったと言えるだろう。

2012年8月の段階でDIA(国防情報局)は、シリアの反政府軍の主力をサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(イラクのアル・カイダ)だと指摘、つまりバラク・オバマ政権が主張する「穏健派」は存在しないと指摘する報告書をホワイトハウスへ出した。その当時のDIA局長、マイケル・フリン中将はダーイッシュが脚光を浴びる中、2014年8月に退役を強いられている。

2015年にはアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを危険だと考えるチャック・ヘイゲル国防長官やマーティン・デンプシー統合参謀本部議長がポストを追われ、好戦派が後釜に座る。つまり国防長官はアシュトン・カーター、統合参謀本部議長はジョセフ・ダンフォードに替わったのだ。アメリカ軍、あるいはNATO軍を直接、シリアへ軍事侵攻させる準備だったようにも見える。ロシア軍の介入はデンプシーが議長を辞めた5日後だ。

ジョン・ケリー国務長官(当時)の言葉を借りると、ロシア軍の介入によって方程式が変わってしまった。そして現在、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは壊滅寸前。アメリカはこうした武装集団をクルドに切り替えようとしたが、クルドはアメリカの思惑通りに動いていない。イラクのクルドはイスラエルの指揮下にあるマスード・バルザニの影響力が急低下、シリアのクルドはシリア政府軍やロシア軍と戦おうとしていないようだ。

アメリカはバラク・オバマが大統領だった当時に特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣、トルコ政府によると、クルドが支配している地域に10カ所以上の軍事基地をアメリカ軍は建設済みだとしている。クルドを手先として使えるなら「満州国」の建設も可能だったろうが、クルドとの関係が切れたなら、こうしたアメリカ軍の基地は孤立してしまう。

トルコとの関係にしても、エルドアン政権がクーデター計画の首謀者だとしているフェトフッラー・ギュレンがネックになる。この人物をアメリカ政府はトルコ側へ引き渡せないだろう。クルドへの武器供与を止めることも困難が伴う。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711260001/


44. 中川隆[-5812] koaQ7Jey 2017年11月29日 12:16:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.11.29
日本の経済代表団が中国を訪問したが、そのタイミングで日本の大企業で立て続けに不正が発覚

日本経済団体連合会、日本商工会議所、日中経済協会で構成される経済代表団が11月20日から6日間にわたって中国を訪問したという。1975年から日本の3経済団体は毎年中国を訪問、今回は日本の大手企業のトップや役員など250名が参加するという大規模なものだった。日本にとって中国は重要なビジネス・パートナーであり、エネルギー戦略を考えるとロシアとの取り引きを拡大するべきであろう。

10年ほど前、ある日本の大手企業で管理職を務める人物から中国なしに商売は成り立たないと言われたことを思い出す。その基盤を築いたのが田中角栄と周恩来だった。1972年9月に田中角栄首相が中国を訪問し、日中両政府は戦争状態の終結と国交正常化を柱とする共同声明を発表、78年8月には日中平和友好条約が締結されている。田中首相の訪中はリチャード・ニクソン米大統領が中国を訪れた7カ月後のことだ。

中国訪問から4年後、田中はスキャンダルに襲われる。1976年2月にアメリカ上院の多国籍企業小委員会で明るみ出たロッキード社による国際的な買収事件で田中の名前が浮上し、その年の7月には受託収賄などの疑いで逮捕されたのだ。事件が発覚する切っ掛けは小委員会へ送られてきた資料だった。

買収の目的は全日空の旅客機導入にあったとされているが、金額では次期対潜哨戒機の選定が遥かに大きく、この軍用機が本筋だったと信じている人は少なくない。この推測が正しいとするならば、児玉誉士夫の子分と言われた大物政治家に疑惑の目が注がれることになる。が、この政治家は1984年1月に児玉が急死したことから逃げ切ることができた。

ところで、田中角栄の周辺が騒がしくなったのは逮捕の2年前のこと。「文藝春秋」誌の1974年11月号に立花隆が書いた「田中角栄研究」と児玉隆也の「淋しき越山会の女王」が掲載されたのが始まりだ。この頃から田中バッシングが始まっている。

1974年にアメリカでは大きな出来事があった。ニクソン大統領がウォーターゲート事件で辞任、ジェラルド・フォードが副大統領から昇格し、デタント(緊張緩和)派の粛清を始めたのだ。ロシアとの関係修復を試みたドナルド・トランプ大統領が有力メディアや政府機関から攻撃されているのと似た状況だ。

フォード政権ではネオコンが台頭している。例えば、ドナルド・ラムズフェルドが国防長官に就任、リチャード・チェイニーは大統領副補佐官、1992年2月に世界制覇プロジェクトを作成したポール・ウォルフォウィッツは軍備管理軍縮局に勤務する一方、CIA内に設置されたソ連の脅威を宣伝するチームB(Bチームとも呼ばれる)に所属していた。ソ連との関係悪化を目論んだのだ。

ネオコンを含むアメリカの好戦派は日本が中国やロシアへ接近することを許さない。東アジアの軍事的な緊張を高め、アメリカ軍が軍隊を貼り付けて中国やロシアを封じ込め、状況によっては先制核攻撃で破壊しようとしている。本ブログでは何度も書いたように、アメリカには1950年代からそうした計画があった。1957年にはアメリカ軍の内部でソ連に対する先制核攻撃を準備しはじめ、この年の初頭にはソ連への核攻撃を想定した「ドロップショット作戦」を作成している。それによると、300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012)

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、1960年10月から62年9月まで統合参謀本部の議長を務めたリーマン・レムニッツァーやSAC(戦略空軍総司令部)司令官だったカーティス・ルメイを含む​好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定​だったという。その計画を実行する上で最大の障害だと見られていたジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺され、その直後にCIAは暗殺の背後にキューバやソ連が存在するという宣伝を行ったが、思惑通りには進まなかった。このルメイに対し、日本政府はケネディ大統領が暗殺された翌年、「勲一等旭日大綬章」を授与している。

ネオコンの世界制覇プラン、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンから3年後の1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補が「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を公表、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていくのだが、2009年9月に内閣総理大臣となった民主党の鳩山由紀夫はその流れに逆らう。東アジアの平和を訴えたのだ。

その鳩山と近かった小沢一郎に対する攻撃は2006年に始まっている。週刊現代の6月3日号に「小沢一郎の“隠し資産6億円超”を暴く」という記事が掲載され、09年11月には「市民団体」が陸山会の04年における土地購入で政治収支報告書に虚偽記載しているとして小沢の秘書3名を告発、翌年の1月に秘書は逮捕されている。また「別の市民団体」が小沢本人を政治資金規正法違反容疑で告発し、2月には秘書3人が起訴された。マスコミと検察がタッグを組み、小沢を潰しにかかったと言える。ニクソンやトランプに対する攻撃と似ている。「首相の意向に背けば官僚人生終り」ということはない。

2010年6月に首相は鳩山から菅直人へ交代、9月に海上保安庁は「日中漁業協定」を無視して尖閣諸島の付近で操業中だった中国の漁船を取り締まった。海上保安庁は国土交通省の外局で、当時の国交大臣は前原誠司だ。

この取り締まりによって田中角栄と周恩来が「棚上げ」で合意していた尖閣諸島の領有権問題が引きずり出され、日本と中国との関係は急速に悪化する。軍事的な緊張が高まり、経済面にも悪い影響が出た。これはアメリカ支配層にとって好都合なことだ。

海上保安庁が協定を無視して中国漁船を取り締まる3カ月前、2010年6月にベニグノ・アキノ3世がフィリピンの大統領に就任している。この人物の父親は1983年8月にマニラ国際空港で殺されたベニグノ・アキノ・ジュニアであり、母親は86年2月から92年6月まで大統領を務めたコラソン・アキノ。いずれもアメリカ支配層の影響下にあった。つまり傀儡だ。

ちなみに、ここにきて日本の大企業による不正が立て続けに発覚している。例えば日産、神戸製鋼、三菱電線(三菱マテリアルの子会社)、東レハイブリッドコード(東レの子会社)。勿論、不正は許されない行為だが、その発覚するタイミングが興味深いことも事実だ。

そう言えば、鳩山が首相に就任した2009年にトヨタの問題がアメリカで浮上、​15年9月18日にアメリカの環境保護局(EPA)はフォルクスワーゲンが販売している自動車の一部が排ガス規制を不正に回避するためのソフトウエアを搭載していたと発表​している。その2週間前の9月4日に同社はアメリカからの圧力をはねつけ、ロシアでエンジンの生産を始めていた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711280000/


45. 中川隆[-5818] koaQ7Jey 2017年12月02日 18:16:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.02
NSAの盗聴内容とFBIへ話した内容の不一致を理由にオバマ政権の政策を批判したフリンを起訴へ

ドナルド・トランプ大統領の安全保障補佐官だったマイケル・フリン中将が「偽証」したとする声明を特別検察官のロバート・ミュラーが発表した。ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使との会話についてFBIに間違った情報を伝えたということが理由。フリンとキスリャクとの会話は電子情報機関のNSAが盗聴、記録し、その内容とフリンの話を照らし合わせた結果だという。つまり、会話の内容は問題にされていない。アメリカの支配層(トランプ大統領ではない)はターゲットを潰すため、NSAが盗聴した会話の内容を本人が正確に語らなかったという「犯罪」を使ったわけだ。

フリンの通話に限らず、NSAは全ての通信を傍受し、記録している。つまり、NSAで通信傍受システムを開発した人物を含む専門家が指摘しているように、トランプやその周辺の人々がロシア側と不適切な遣り取りをしていたならNSAが証拠を握っているはず。新たな捜査は必要ない。ミュラーを特別検察官に据えたという事実が「ロシアゲート」のインチキを示している。

民主党本部のサーバーをハッキングして入手したと思われる電子メールと添付ファイルをWikiLeaksは2016年7月22日に公表、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものが含まれている。民主党幹部たちが昨年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在も知られている。

WikiLeaksによる電子メールの公開を民主党や有力メディアは「ロシアの陰謀」だと主張し、その内容に人々が目を向けないように大々的なキャンペーンを張っている。この主張が事実なら、その証拠をNSAは握っているはずで、FBIもすぐそれを手に入れることができる。そうした証拠が提示されていないのは、証拠がないからだろう。少なからぬ情報関係者は内部から漏れていると指摘している。

ところで、民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNC(民主党全国委員会)の委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意が証明されたのは彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だ。

ヒラリーは投機家のジョージ・ソロスと緊密な関係にあり、その人脈はサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナイェフにつながる。この人物は2015年4月に皇太子となったが、ヒラリーがアメリカ大統領に選ばれなかったこともあり、今年(17年)6月にそのポストから引きずり下ろされる。後任はムハンマド・ビン・サルマンだ。ビン・サルマンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに近い。ソロスとネタニヤフとの関係は悪いと伝えられている。

今回、ミュラーが起訴したフリンは2012年7月24日から14年8月7日にかけてDIA(国防情報局)の局長を務めた人物。その間、2012年8月にDIAはシリア情勢に関する報告書をバラク・オバマ政権へ提出し、その中で反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだと指摘している。バラク・オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。

また、オバマ政権が「穏健派」に対する支援を止めなければ、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。それはダーイッシュという形で現実のものになった。

このダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはイラクのファルージャやモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れ、多くの人に知られるようになる。

このとき、アメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、エージェントなどから情報を得ていたはずだが、反応しなかった。つまり、ダーイッシュの軍事侵攻を容認していた。パレードしている車列などは格好の攻撃目標だったはずだ。こうしたオバマ政権の姿勢にフリンは反発、政権の内部で対立が生じたようだ。そして8月にフリンは追い出される。退役後、フリン中将はアル・ジャジーラの番組に出演、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っているが、これは事実だ。

「ロシアゲート」では1799年に制定されたローガン法が重要な役割を果たした。民間人が外交へ介入することを禁じた法律だが、問題にされた時期、トランプが次期大統領になることは決まっていた。形式的には民間人だが、事実上、大統領としての準備を始めねばならないときの出来事。司法長官代理だったサリー・イェーツはフリンを「偽証トラップ」で引っかけるため、この法律を使ったようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712020001/


46. 中川隆[-5783] koaQ7Jey 2017年12月07日 10:19:33 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.07
中東でロシアに負けつつある米国、その大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めた自爆攻撃

アメリカのドナルド・トランプ大統領は12月6日午後1時にエルサレムをイスラエルの首都だと認める演説をした。エルサレムを聖地だと考えているイスラム教徒をはじめ、少なからぬ人から批判されている。軍事的な緊張を一気に高め、新たな戦争の引き金になりかねないからだ。アメリカやイスラエルの言いなりになってきたパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領もトランプ大統領を批判せざるをえない。

本ブログでもすでに指摘したが、イスラエルとサウジアラビアだけでイランを倒すことは難しい。ヒズボラが相手でも勝てないだろうと推測する人がいる。つまりアメリカ軍を引き込む必要がある。アメリカ支配層としても、ロシアに押されている状況を変えるため、ギャンプルに出ても不思議ではない。自爆攻撃のようにも見える。

バラク・オバマ大統領は地上部隊を派遣しないとしていたが、実際は相当数のアメリカ兵がシリアへ侵入、居座っている。アメリカの国防総省によると、アメリカ軍の部隊はイラクに8892名、アフガニスタンに1万5298名、シリアに1700名、​合計2万5910名​いるとしているが、実際はこの数字を大幅に上回っていると言われている。シリアの場合、トルコ政府によると、クルドが支配している北部に13基地を建設済み。将兵は7000名に達するとする情報もある。

アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が考えていた最初の計画では、シリアのバシャール・アル・アサド体制を倒してサラフィ主義者の国を作ることになっていた。それが破綻、次にシリアを解体しようとしたが、これも失敗、イラン、イラク、シリア、トルコにまたがるクルドの国を作るという計画も思惑通りに進まなかった。クルドがアメリカの思惑通りに動いていないようだ。

その間、イラク、イラン、シリア、ロシアが連携を深め、そこへトルコやカタールも加わるという展開になり、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟は窮地に陥っている。シリア占領軍も孤立し、撤退せざるをえなくなるかもしれない。戦闘になればアメリカ軍は新たな泥沼へはまり込むことになる。

アメリカではトランプを担ぐ勢力とヒラリー・クリントンを担ぐ勢力が今でも激しく対立しているが、その背後には前者がシェルドン・アデルソンやベンヤミン・ネタニヤフ、後者には投機家のジョージ・ソロス、さらにその後ろにはロスチャイルドがいる。少し前からネタニヤフとソロスの対立が伝えられているが、その理由はこうしたところにある。

2016年の大統領選挙でトランプへ最も多くの資金を提供したのはアデルソンだが、そのアデルソンと緊密な関係にあるネタニヤフはチャールズ・クシュナー、つまりトランプの娘と結婚した相手の父親と友人関係にある。このネタニヤフ-クシュナーのラインに結びついているのがサウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子。

ビン・サルマンに皇太子の座を奪われたホマメド・ビン・ナイェフはソロス-ヒラリー・クリントンのライン。皇太子の交代はアメリカ大統領がクリントンでなくトランプになったことと関係しているとも言われている。

その後、今年(2017年)11月4日からサウジアラビアで反皇太子派に対する大規模な粛清が始まり、48時間で約1300名が逮捕され、その中には少なからぬ王子や閣僚が含まれているとされている。

例えば、サウジアラビア国家警備隊を率いていたムトイブ・ビン・アブドゥッラー、衛星放送のMBCを所有するワリード・ビン・イブラヒム・アル・イブラヒム、ロタナTVを含むエンターテイメント会社のロタナ・グループの大株主であるアル・ワリード・ビン・タラル王子、ネットワーク局ARTを創設したサレー・アブドゥッラー・カメル、そしてバンダル・ビン・スルタンといった名前も流れた。​拘束された人々はアメリカの傭兵から拷問を受けているとする情報​も伝えられている。

本ブログでは何度も書いてきたが、バンダル・ビン・スルタンはブッシュ家に近く、1983年10月から2005年9月にかけてアメリカ駐在大使、2005年10月から2015年1月にかけて国家安全保障会議事務局長、2012年7月から2014年4月にかけて総合情報庁(サウジアラビアの情報機関)長官を務めた。サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やチェチェンの反ロシア勢力を動かしていたことでも知られている。リビアやシリアを侵略する際、サラフィ主義者を動かしていたのはビン・スルタンにほかならない。暴力的という点では皇太子派も前皇太子派も大差はないということだ。

しかし、両派のボスには違いがある。前皇太子派はブッシュ家、ヒラリー・クリントン、ジョージ・ソロス、ロスチャイルドであり、現皇太子派はクシュナー親子、そしてネタニヤフにつながる。

粛清が始まる数日前、ドナルド・トランプの義理の息子にあたるユダヤ系のジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを秘密裏に訪れていることから、粛清との関係が噂されている。クシュナー親子はネタニヤフと近く、粛清にイスラエル政府が関与している可能性もある。ネタニヤフ首相の父親はウラジミール・ジャボチンスキーの秘書を務めていた人物だ。ネタニヤフは一時期、頻繁にロシアを訪問していた。イランを攻撃するため、ロシアを排除したかったのだろうが、失敗している。パレスチナ問題でも批判されたようだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712070000/


47. 中川隆[-5769] koaQ7Jey 2017年12月08日 11:02:13 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.08
CIAやFBIを信用できないトランプ大統領が編成しようとしているとされる私的情報機関の危険性

アメリカの情報機関と治安機関、つまりCIAとFBIをドナルド・トランプ大統領はコントロールできていない。こうした機関はヒラリー・クリントンを担いでいた勢力の手先として動いていると言え、大統領は信用していない。そこで​トランプは私的な情報機関を編成しようと計画​していうとする情報が伝えられている。

2017年12月5日付けのインターセプトによると、1997年に傭兵会社のブラックウォーター(2009年にXE、11年にアカデミへ名称変更)を創設したエリック・プリンスにトランプの私的情報機関を作らせようとしているという。プリンスの姉、ベッツィ・デボスはトランプ政権で教育長官を務め、夫のディック・デボスは「アムウェイ」の創設者だ。

エリックは海軍の特殊部隊SEAL出身で、熱心なキリスト教原理主義者。今は未公開株を取り引きするフロンティア・リソース・グループを経営、軍事的サービスを提供するフロンティア・サービス・グループの会長を務めている。いずれもアフリカをビジネスのターゲットにしているようだ。

歴史的に見て、イギリスやアメリカの情報機関、つまりMI6やCIAは金融機関と関係が深い。例えばアメリカの場合、第2次世界大戦の際に創設されたOSSの長官、ウィリアム・ドノバンはウォール街の弁護士。ドノバンの友人で、その当時から戦後にかけて破壊活動を統括、CIA長官にもなったアレン・ダレスもウォール街の弁護士。ダレスの側近で、大戦後に破壊活動を指揮したフランク・ウィズナーもウォール街の弁護士。

やはりOSS時代からダレスの側近だったリチャード・マクガラー・ヘルムズの母方の祖父にあたるゲーツ・マクガラーは国際決済銀行の初代頭取であり、ジェラルド・フォード政権でCIA長官と務めたジョージ・H・W・ブッシュの父親プレスコット・ブッシュ、その妻の父親であるジョージ・ハーバート・ウォーカーは大物銀行家で、ウォール街からナチへ資金を流す重要なパイプのひとつだったと言われている。ジョージ・H・W・ブッシュのHはハーバート(Herbert)、Wはウォーカー(Walker)のイニシャル。それだけウォーカーはブッシュ家にとって大きな存在だと言える。

CIA長官に就任した際、ジョージ・H・W・ブッシュを情報の素人であるかのように言う人がいたが、エール大学に在学中、CIAのリクルート担当だった人物と懇意で、もし彼がCIAに入っていなければ驚きだ。ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された7日後の1963年11月29日に作成された大統領暗殺に関係したFBIの文書に、「中央情報局のジョージ・ブッシュ氏」という表現があることをジョセフ・マクブライドがネイション誌の1988年7月16/23日号で明らかにした。

これに対し、CIAのスポークスパーソンはAPの記者に対し、「その人物は1963年当時、本部にいたジョージ・ウイリアム・ブッシュに間違いない」と話したのだが、その後、マクブライドは「ジョージ・ウイリアム・ブッシュ」が文書の登場するブッシュでないことを確認している。

また、有力メディアと同様、FBIや軍の内部にはカネと地位で懐柔された人物が少なくないと見られている。少なくとも今回の件でFBIの幹部が公正でないことは再確認されている。

司法省も信頼できなことを示す出来事が1980年代に発覚している。ある私企業が開発した不特定多数の情報を収集、蓄積、分析するシステムを司法省が不公正な手段で手に入れて情報機関へ渡し、そのシステムにトラップ・ドアを組み込んで各国政府、国際機関、大手金融機関などに売っていた疑いが強まったのだ。

この件は裁判になり、1988年2月にワシントン破産裁判所のジョージ・ベイソン判事は司法省が不正な手段を使って会社を破産させ、システムを横領したと認め、翌年の11月にはワシントン連邦地裁のウィリアム・ブライアント判事も破産裁判所を支持する判決を言い渡している。1992年9月には下院の司法委員会が破産裁判所の結論を支持する内容の報告書を公表した。下院の調査により、相当量の重要書類が「行方不明」になっている事実も明らかになっている。

破産裁判所のベイソン判事は判決後に再任を拒否された。後任の判事は裁判で司法省側の弁護士が就任する。また控訴裁判所は「破産裁判所と連邦地裁に裁判権がない」という理由で原判決を破棄、1997年8月に最高裁判所は司法省の言い分を認める判決を言い渡した。イラン・コントラ事件で偽証して有罪になったロバート・マクファーレン、あるいは証券詐欺や銀行詐欺などでロサンゼルスの連邦地裁で有罪の評決を受けるアール・ブライアンを「信頼できる証人」だとしての逆転判決だった。

こうした事情はあるが、勿論、私的な情報機関を大統領が編成することは問題が大きい。1970年代に議会が情報機関の秘密工作にメスを入れたことから議会の目を避けるため、80年代には私的情報機関が作られ、活動した。実際にはCIAと連携していたが、形式的に別組織だとされたわけだ。ちなみに、イスラエルも「元情報機関員」が多くの「私的企業」を創設し、情報活動を行っている。

アメリカやイギリスの支配層は現在、巨大資本が国を支配する体制を築き上げようとしている。TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)はそのための協定。ISDS(投資家対国家紛争解決)条項によって、各国の立法府も司法府も無力化されてしまう。この条項によって巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制を政府や議会が作ったなら企業は賠償を請求できることになり、健康、労働、環境など人びとの健康や生活を国が守ることは難しくなる。

法律家の話を聞くと、この問題には法律体系の問題があるという。TPPの場合、アメリカのほかオーストラリア、カナダ、ニュージーランドは判例法を基本とする英米法の国であるが、日本は国会で制定された法律を基本とする大陸法を採用している。統一した法体系を作りあげることは不可能だ。そして、問題が起こって仲裁になると出てくる法律家は英米法の人間だろう。日本が主導権をとることはできない。米英の巨大資本が日本を支配するということだ。

フランクリン・ルーズベルト大統領は1938年4月29日、ファシズムについて次のように定義している。

「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」

私的情報機関は傭兵組織と同様、そうした体制の暴力装置になるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712080000/


48. 中川隆[-5654] koaQ7Jey 2017年12月16日 09:08:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.16
サウジから連れ出されたレバノン首相は新たなシリア侵略を仕掛ける役割を負わされている可能性


サウジアラビアで大規模な粛清が始まった今年(2017年)11月4日、レバノンのサード・ハリリ首相が辞任を表明する録画映像をサウジアラビアのテレビが流したが、その表明は後に取り消された。粛清が始まった頃、ハリリとビジネスで緊密な関係にあったアブドゥル・アジズ・ビン・ファハド王子の死亡説も流れたが、サウジアラビア情報省はすぐに否定している。

軟禁状態だとされたハリリをサウジアラビアから連れ出したのはフランスの​エマニュエル・マクロン大統領​。招待という形でハリリはフランスを訪問した。家族同伴と伝えられているが、ふたりの子どもはサウジアラビアに残っている。人質だと言う人もいる。

マクロンは2006年から09年まで社会党に所属、その間、08年にロスチャイルド系投資銀行へ入り、200万ユーロという報酬を得ていたといわれている人物。つまり、ロスチャイルドの使用人。粛清を主導したと見られているモハメド・ビン・サルマン皇太子とも親しいと言われている。

今年9月にビン・サルマン皇太子はイスラエルを秘密裏に訪問していることから、今回の粛清はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権と連携してのことだった可能性がある。また、粛清の直前、ドナルド・トランプの義理の息子にあたるユダヤ系のジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを秘密裏に訪れていることも注目されている。

ところで、サード・ハリリの父親、ラフィク・ハリリは2005年2月に殺されている。この殺害事件を扱うために「レバノン特別法廷(STL)」が設置され、ヒズボラに所属するという4名が起訴されている。

この事件では早い段階から「シリア黒幕説」が流された。2005年10月に国連国際独立委員会のデトレフ・メーリス調査官は「シリアやレバノンの情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」と主張、「シリア犯行説」に基づく報告書を安保理に提出しているのだが、証拠は示されていない。メーリスはアメリカやイスラエルの「情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」とは考えなかったようだ。

メーリスの報告書では犯人像が明確にされていないうえ、暗殺に使われた三菱自動車製の白いバンは2004年に相模原で盗まれたのだが、そこからベイルートまで運ばれた経緯が調べられていないなど「欠陥」が当初から指摘されていた。

また、アーマド・アブアダスなる人物が「自爆攻撃を実行する」と宣言する様子を撮影したビデオがアルジャジーラで放送されたが、このビデオをメーリスは無視。また、ズヒル・イブン・モハメド・サイド・サディクなる人物は、アブアダスが途中で自爆攻撃を拒否したため、シリア当局に殺されたとしているのだが、​ドイツのシュピーゲル誌​は、サイド・サディクが有罪判決を受けた詐欺師だと指摘する。

しかも、この人物を連れてきたのがシリアのバシャール・アル・アサド政権に反対しているリファート・アル・アサド。サディクの兄弟によると、メーリスの報告書が出る前年の夏、サイドは電話で自分が「大金持ちになる」と話していたようだ。

もうひとりの重要証人、フッサム・タヘル・フッサムはシリア関与に関する証言を取り消している。レバノン当局の人間に誘拐され、拷問を受けたというのだ。その上で、シリア関与の証言をすれば130万ドルを提供すると持ちかけられたと話している。

メーリスの報告書が出された後、シリアやレバノンの軍幹部が容疑者扱いされるようになり、レバノン軍将官ら4人の身柄が拘束されたのだが、シュピーゲルの報道後、報告書の信頼度は大きく低下、シリアやレバノンを不安定化させたい勢力の意向に沿って作成されたと疑う人が増えた。2005年12月になるとメーリスは辞任せざるをえない状況に追い込まれ、翌月に辞めている。後に特別法廷は証拠不十分だとして4人の釈放を命じ、その代わりにヒズボラのメンバーが起訴されたわけである。

STLは2007年、国連の1757号決議に基づいて設置されたのだが、国連の下部機関というわけではなく、サウジアラビア、アメリカ、フランス、イギリス、レバノンが年間85億円程度だという運営資金を出していた。

この法廷が設置される前年、2006年7月から8月にかけてイスラエルはレバノンに軍事侵攻、ヒズボラと戦っている。その際、イスラエル海軍のコルベット艦がヒズボラの対艦ミサイルで損傷を受けたるなど予想外に苦戦した。イスラエルが単独で攻め込むことは難しい状況になったのだ。

一方でハリリ・グループは「未来運動」なる活動を開始、武装部隊(テロ部隊)を編成した。その部隊を財政的に支援してきたのがデイビッド・ウェルチ米国務省次官補を黒幕とする「ウェルチ・クラブ」なるプロジェクトだと言われている。

​WikiLeaksが公表した外交文書​によると、ロンドンを拠点とする反アサド派を2000年代の半ばからアメリカ政府は資金面などで支援、亡命シリア人のネットワークの「正義発展運動」も生み出した。

2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載された調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュのレポートによると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が​シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作​を開始している。

また、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語ったことは、2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が明らかにしている。(​3月​、​10月​)

2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから数週間後、ジョージ・W・ブッシュ政権はイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画をたてていたともクラークは語っている。

シリアの体制転覆は遅くとも1991年の段階でネオコンのスケジュールに入っていた。そうした状況の中、ラフィク・ハリリは暗殺された。アメリカはその責任をシリア政府になすりつけてアサド体制を倒そうとしたが、まだ倒されていない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712160000/


49. 中川隆[-5763] koaQ7Jey 2017年12月19日 11:58:42 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.19
露国が軍隊をシリアから引き揚げ、CIAの情報提供に感謝する一方、米国は中東で新たな戦争の準備
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712190000/


ロシアのウラジミル・プーチン大統領はシリアに派遣した軍の主力を帰還させ、サンクト・ペテルブルグで計画されたテロを防ぐためにCIAが協力したとして感謝の意をドナルド・トランプに伝えたという。ロシアは軍事的な緊張を緩和させる方向へ進もうとしている。

しかし、アメリカの支配層はロシアやイランの中東における影響力が強まることを阻止するため、新たな戦争を目論んでいるようだ。これはイスラエルやサウジアラビアの意向でもある。1992年2月に国防総省のDPG草稿としてポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心に作成された世界制覇プランをあくまでも実現しようとしている。

このプランはウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれ、旧ソ連圏だけでなく西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようとしている。1991年12月にソ連が消滅すると、ソ連政府との約束を反故にしてNATOを東へ拡大、その一方で1991年にウォルフォウィッツが口にしていたようにイラク、シリア、イランの殲滅を目指すことになった。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語ったところによると、ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていたという。(3月、10月)

2007年には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが3月5日付けのニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始したと書いている。2003年3月にアメリカ主導軍はイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒すだけでなく、すでに国を破壊し、国民を虐殺していたので、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの残り2カ国、つまりシリアとイラン、さらにイランと関係が深いヒズボラがターゲットになるわけだ。

2011年春にリビアとシリアに対する秘密工作が顕在化、その手先としてアル・カイダ系武装勢力が使われる。ハーシュのレポートではジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院ディーンのバリ・ナスルの話として、サウジアラビアがムスリム同胞団やサラフィ主義者を雇うと見通しているが、その通りになった。アル・カイダ系武装集団にしろ、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)にしろ、その中心はムスリム同胞団やサラフィ主義者である。

そうした武装集団は2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍によって壊滅させられ、ロシア軍が引き揚げることになったのだが、アメリカは新たな戦争を目論んでいる。まず手先をクルドへ切り替えようとして武器/兵器を供給、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュに対してクルドを攻撃しないように指示していた。

ところが、クルドはアメリカ側の思惑通りには動かない。そこでシリア北部へ侵入、居座ろうとしている数千人のアメリカ軍は厳しい状況に置かれたが、まだクルドへの軍事的な支援は続けていると伝えられている。すでにロシアへ接近しているトルコとクルドの関係は悪く、その点をアメリカが利用て懐柔した可能性がある。ここにきてシリア政府はクルドを裏切り者と非難している。

アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは傭兵にすぎず、その本体はアメリカ、イスラエル、そしてサウジアラビア。イギリスのロビン・クック元外相は2005年にガーディアン紙へ寄稿した文章の中で、アル・カイダはCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵の登録リストだと指摘している。ちなみに、アル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

アメリカはロシア軍に敗れた武装勢力の幹部をヘリコプターで救出、戦闘員をバスや戦闘車両などで逃がしてきた。一部は希少金属を確保するためにアフガニスタンへ運んだようだが、新たな戦闘集団を編成する準備も進めている。例えば、シリア領内、トルコとの国境から70キロメートル、イラクとの国境から50キロメートルの場所にあるハサカー難民キャンプで戦闘員を訓練を始めたと伝えられている。この武装勢力とクルドを連携させるつもりだろう。

新たな戦闘をアメリカは中東だけでなく、ウクライナ、場合によっては東アジアでも始める可能性がある。オリンピック、サッカーのワールドカップ、ロシアの大統領選挙など2018年にアメリカが開戦の切っ掛けとして好むイベントがあることは不気味だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712190000/


50. 中川隆[-5754] koaQ7Jey 2017年12月20日 10:54:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.20
米の元国家情報長官はCIAの協力でテロを防げたと感謝する露大統領が米大統領を操っていると主張


アメリカのジェームズ・クラッパー元国家情報長官はCNNの番組で、​ドナルド・トランプ米大統領はウラジミル・プーチン露大統領の協力者として扱っているように見えると発言​した。サンクト・ペテルブルグで計画されたテロを防ぐためにCIAが情報を提供したことに対して感謝の意をプーチンがトランプに伝え、トランプがロシアをパートナーと表現したことに反発したようだ。

サンクト・ペテルブルグで攻撃を計画していたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)のスリーパーだったとされているが、このグループはアル・カイダ系武装集団と同じようにアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心に編成された武装集団。2011年春にシリアやリビアへの侵略が始まった段階では、イギリス、フランス、トルコ、カタールなども参加していた。

この中からすでにトルコとカタールは離脱してロシアへ接近、その配下の武装集団も離脱しているだろう。残っているのはサウジアラビアが雇い、CIAの破壊工作部門や特殊部隊が訓練した傭兵のはずだが、サウジアラビアでそうした武装勢力を指揮してきたバンダル・ビン・スルタンは11月4日から始まった粛清で拘束されたと言われている。

ビン・スルタンはブッシュ家と緊密な関係にあり、必然的にCIAとも深く結びついているが、粛清を実行したモハメド・ビン・サルマン皇太子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフやトランプ大統領の義理の息子にあたるジャレッド・クシュナーと緊密な関係にある。このクシュナーは粛清が始まる直前、10月25日から28日にかけてサウジアラビアを極秘訪問していた。

トランプ大統領の資金源やジャレッドの父親が親しいネタニヤフはイスラエルの情報機関モサドとつながりが深く、モサドはCIAの内部に協力者のネットワークを築いている。バンダル・ビン・スルタン人脈の計画をトランプに近い人脈が潰した可能性もある。

ところで、アメリカは侵略を繰り返してきた国であり、1991年12月にソ連が消滅した段階でその支配層は世界制覇が最終局面に入ったと考えたのだろう。そこでウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成された。

その後、21世紀にロシアが再独立したことで計画に狂いが生じ、それを1992年の段階に戻そうともがいている。そのためにロシアや中国を制圧しようとしているのだが、アメリカの支配層は遅くとも20世紀の初頭から中国やロシアへの侵略を考えていた。

先住民の殲滅が一段落、1898年2月のメーン爆沈を利用してアメリカがスペインと戦争を始め、南アメリカだけなくフィリピンの植民地化にも成功、このフィリピンを利用して中国を侵略を目論んでいる。当時、すでにイギリスはアヘン戦争で中国に対する侵略を本格化、イギリスの支援を受けた日本も日清戦争で東アジアにおける利権を獲得していた。その中へ割って入るため、アメリカは門戸開放政策を打ち出している。

こうしたアメリカについて、「真にキュバ叛徒の自由のために戦えるか、何ぞ比律賓(フィリピン)人民の自由を束縛するの甚しきや。真にキュバの自主独立のために戦えるのか、何ぞ比律賓の自主独立を侵害するの甚しきや。それ他の人民の意思に反して、武力暴力をもって弾圧し、その地を奪い富を掠めんとす。」と1901年の時点で批判したのは幸徳秋水だった。(『廿世紀之怪物 帝国主義』警醒社、1901年)

それ以降、アメリカの支配層、つまり巨大資本は中国やロシアを制圧を目指してきた。同じアングロサクソン系のイギリスではそうした戦略をハルフォード・マッキンダーという学者がまとめ、1904年に公表している。

彼は世界を3つに分けた。ひとつはヨーロッパ、アジア、アフリカの「世界島」、ふたつめはイギリスや日本のような「沖合諸島」、そして最後に南北アメリカやオーストラリアのような「遠方諸島」だ。世界島の中心が「ハートランド」。具体的にはロシアを指している。

その上でインド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ「内部三日月帯」を、またその外側に「外部三日月地帯」を想定し、そのふたつの三日月地帯でハートランド、つまりロシアを締め上げようとしたのだ。内部三日月帯の上にはイギリスの植民地になっていたインドがあり、東の端には手先としての日本が存在する。そうした戦略のため、イギリスは日本の軍事力増強を行ったと考えるべきだろう。1932年に出現したサウジアラビア、1948年に建国が宣言されたイスラエル、いずれも内部三日月地帯の上にイギリスが作り上げた国だ。現在、イスラエルとサウジアラビアが同盟関係にあることを公然と示しているが、歴史を振り返ると、それは必然だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712190000/


51. 中川隆[-5776] koaQ7Jey 2017年12月28日 09:37:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.28
アル・ヌスラを2018年にシリアから一層すると露軍参謀総長は発言、米軍は新たな侵略軍を編成


ロシアのバレリー・ゲラシモフ参謀総長は12月27日、​シリアからアル・カイダ系武装集団のアル・ヌスラを2018年に一掃する​と語った。イラクからシリアへ侵入したAQIをアル・ヌスラと呼んでいたが、今年(2017年)1月に他のグループと合体、ターリル・アル・シャム(レバント解放機構)と名乗っている。

この武装集団にしろ、ライバルと言われるアラー・アルシャムにしろ、あるいはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)にしろ、その主なメンバーはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)。当初はイスラム同胞団も中心的な位置を占めていた。

アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする外部勢力によって、こうした戦闘集団がイラク、リビア、シリアなどへ侵略の先兵として送り込まれたことは本ブログで何度も指摘してきた通り。現在、三国同盟はシリアでの巻き返しとイランへの軍事侵略を目論んでいる。

こうした侵略計画をアメリカのネオコン(シオニスト)は遅くとも1991年に立てていたと見られている。この年、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

2003年3月にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権は従属国を従えてイラクを先制攻撃し、サダム・フセイン政権を倒した。イラクでは現在も破壊と殺戮が続いている。

この攻撃を正当化するため、アメリカ政府はイラクが大量破壊兵器を保有、今にもアメリカを核攻撃するかのように宣伝していた。それが嘘だということは当時から指摘されていたが、西側の政府や有力メディアのプロパガンダで強引に侵略したわけだ。大量破壊兵器の話が嘘だと明確になっても、こうしたプロパガンダの実行者は責任をとっていない。いや、責任をとっていないどころか、ウクライナ、リビア、シリアなどでも「独裁者による民主主義勢力の弾圧」という新たな嘘で侵略を後押ししてきた。

当初、ブッシュ・ジュニア政権はフセインを倒した後、親イスラエル体制を樹立させようとしていたが、これは失敗した。それが影響したのか、2007年にはシリア、イラン、レバノンに対する秘密工作の存在が明らかにされている。2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュのレポートによると、​アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始​しているというのだ。

そのレポートの中で、サウジアラビアは「ムスリム同胞団やサラフ主義者と深い関係」があり、「最悪のイスラム過激派を動員することができる。一旦、その箱を開けて彼らを外へ出したなら、2度と戻すことはできない。」とするバリ・ナスルの発言が引用されていた。この人物はジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院のディーンで、外交問題評議会の終身メンバーでもある。つまり、支配層に近いのだが、そうした人でもネオコンなど好戦派の行動を懸念していたということだ。

ムスリム同胞団やサラフ主義者で編成される武装集団が登場したのは1970年代の終盤。ズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで行った秘密工作が最初だ。戦闘員をサウジアラビアが雇い、アメリカ政府が兵器を供給、CIAなどが軍事訓練、イスラエルが支援するという構図は基本的に今も崩れていない。

1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックも指摘しているように、​アル・カイダとはCIAがアフガニスタンでロシア軍を潰すために雇い、訓練した数千名に及ぶムジャヒディン(聖戦士)のコンピュータ・ファイル​。アラビア語でアル・カイダとは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使われる。

そうしたデータベースから要員を集めて戦闘手段は組織され、さまざまなタグが付けられる。そうした戦闘集団に最も大きな影響力を持っていると言われていた人物がバンダル・ビン・スルタン。1983年10月から2005年9月まで駐米大使を、05年から15年にかけては国家安全保障会議事務局長、12年7月から14年4月まで総合情報庁(サウジアラビアの情報機関)長官を務めた人物で、チェチェンの武装勢力も動かしていた。ブッシュ家と緊密な関係にあることでも知られ、バンダル・ブッシュとも呼ばれている。なお、サウジアラビア皇太子モハンマド・ビン・サルマンの粛清では、このバンダル・ビン・スルタンも拘束された。

本ブログでは何度も指摘しているように、三国同盟を中心とする勢力は「テロリスト」をターゲット国へ送り込み、その「テロリスト」と戦うという名目でターゲット国へ軍隊を送り込み、その体制を転覆させるという計画を持っている。リビアではその計画が機能したが、シリアではロシア軍がバシャール・アル・アサド政権を支援し、三国同盟の侵略計画は失敗した。

そこで三国同盟はクルドを使おうとする。途中、侵略勢力の思惑通りに動かなくなったようだが、ここにきてアメリカ軍はシリア北部に築いた軍事基地で新たな武装勢力「北部シリア軍」を編成、訓練していると​ロシア​や​イラン​は主張している。その武装勢力にはSDF(シリア民主軍)やYPG(クルド人民防衛隊)が含まれているという。

本ブログでも指摘してきたが、アメリカの軍や情報機関はダーイッシュやアル・カイダ系武装集団の戦闘員、特に幹部を救出してきた。トルコへ亡命したSDF(シリア民主軍)の元広報担当、タラル・シロによると、​ダーイッシュの戦闘員数千名はアメリカとの秘密合意に基づき、ラッカを脱出してデリゾールなどへ向かった​とロイターの記者に語ったという。

またBBCによると、脱出にはトラック50台、バス13台、ダーイッシュの車両100台が使われと脱出に加わった運転手のひとりから聞いたと伝えている。またトルコのメディアによると、SDFはアメリカ政府が武器をYPGへ供給するために作り上げた隠れ蓑で、実態は同じだとシロは話している。

このクルド勢力と対立関係にあるトルコはすでにロシアやイランと連携する姿勢を示し、​トルコのメブリュト・チャブシオール外相はシリアを脅威と見なさないと発言​した。ところが​レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は記者会見でアサド大統領を「テロリスト」だと表現​、アメリカ側にとっては好ましい雰囲気になっている。

イスラエルの意向だけでなく、アメリカ支配層は自分たちの支配体制を維持するためにロシアや中国を制圧しようと必死で、新たな戦争で逆転を目論んでいるはずだ。ロシアや中国を中心とする多極化を目指す勢力に敗れたなら、アメリカは唯一の超大国という妄想が崩れるだけでなく、過去の悪事の責任をとらされる可能性が出てくる。彼らにとって、これは人類死滅よりも避けたい事態だろう。その狂気の集団に日本の支配層は従っている。そうした日本人が見ているのはアメリカの旗だけだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712280000/


52. 中川隆[-5777] koaQ7Jey 2017年12月29日 07:57:24 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2017.12.29
米国は他国を攻撃する際に「テロ支援国」というタグを使うが、実態は米国がテロを仕掛けている

他国に対して軍事的、経済的、あるいは政治的な攻撃を仕掛ける際、アメリカは「テロ支援国」というタグをしばしば使う。「テロリスト」は反体制派だというイメージを利用してのことだろう。

このタグをアメリカが宣伝に使い始めるのは、おそらく1972年のことだ。その当時、CIA長官だったリチャード・ヘルムズがソ連を「テロリストの黒幕」だと呼んだのである。第2次世界大戦からしばらくの間は「アカ」というタグをつけていたが、その効果が薄らいだと判断したのだろう。1979年にはアメリカとイスラエルの情報関係者がエルサレムに集まり、「国際テロリズム」に関する会議を開き、ソ連を「テロの黒幕」だと根拠なく非難している。

1970年代の終盤は、ズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで秘密工作を始めた時期でもある。1976年の大統領選挙で勝ったジミー・カーターの政権で安全保障補佐官を務めているが、このカーターに目をつけたのがブレジンスキーとデイビッド・ロックフェラーだった。

1978年にCIAとイランの情報機関SAVAKはエージェントをアフガニスタンへ派遣させ、軍内部の左派将校を排除して左翼政党を弾圧するように工作する。(Diego Cordovez and Selig S. Harrison, “Out of Afghanistan”, Oxford University Press, 1995)翌年の4月にはNSC(国家安全保障会議)でアフガニスタンの「未熟な抵抗グループ」に対する同情を訴え、CIAはゲリラへの支援プログラムを開始した。そして5月にはCIAイスタンブール支局長がアフガニスタンのリーダーたちと会談している。

戦闘員の中心はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で、雇っていたのはサウジアラビア。資金調達のためにケシ系の麻薬(ヘロインなど)の取り引きが行われ、これは今でも続いている。BCCIはそうした資金を扱っていた「CIAの銀行」である。麻薬取引は今でも続いている。

CIAやアメリカ軍の訓練を受けた人たちは「派遣戦闘員」として登録される。ロビン・クック元英外相が指摘しているように、​CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルがアル・カイダ​(データベース)だ。

アメリカが供給したTOW対戦車ミサイルや携帯型対空ミサイルのスティンガーに苦しめられたソ連軍は1989年2月までに撤退した。そのアフガニスタンを支配するため、アメリカはパキスタンの支援を受けて1994年にタリバーンを組織、96年9月に首都のカブールを制圧している。その際にムハンマド・ナジブラー大統領を拘束、大統領兄弟の睾丸を切り取るなど残虐な行為を繰り返した。

そうした経緯を考えれば当然のことだが、アメリカ支配層はタリバーンを支持する。例えばCFR(外交問題評議会)のバーネット・ルビンはタリバーンと「イスラム過激派」との関係を否定、国防総省と関係の深いRAND研究所のザルマイ・ハリルザドも同じ見解を表明している。タリバーンのアメリカにおけるロビイストはリチャード・ヘルムズ元CIA長官の義理の姪にあたるライリ・ヘルムズだった。現在、アメリカはそのタリバーンと戦うという名目でアフガニスタンに軍事介入している。

本ブログでは何度も書いてきたが、リビアやシリアを侵略する手先としてもアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする勢力はサラフィ主義者やムスリム同胞団を使い、そうした武装勢力と戦うという名目で軍事介入している。その実態は軍事侵略だ。

アメリカは第2次世界大戦の直後から戦略の道具として「テロリスト」を使い始めた。大戦の終盤、イギリスと共同で編成したゲリラ戦部隊のジェドバラがその始まり。その人脈が中心になって破壊工作(テロ活動)を目的とした極秘機関OPC(政策調整局、当初の名称は特別プロジェクト局)が創設され、1952年8月にはこの機関が中核になってCIAの内部に計画局が設置され、53年1月にドワイト・アイゼンハワーが大統領に就任すると、アレン・ダレスがCIA長官になる。

CIA計画局が作られた後、秘密工作を監督するために工作調整会議が設置されて議長にC・D・ジャクソンが就任する。この人物は1931年にTIMEへ入り、43年から45年にかけて戦時情報機関のOSSに所属、戦後はTIME-LIFEインターナショナルの常務取締役、フォーチュンの発行人を務めたり、ドワイト・アイゼンハワーのスピーチ・ライターになったりしている。1963年11月22日にジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された際、証拠の「ザプルーダー・フィルム」を隠したのはこのC・D・ジャクソンにほかならない。そのフィルムが日の目を見たとき、そこには大きな傷があった。

この人脈は「NATOの秘密部隊」も操ってきた。NATOは1949年4月に創設されたが、それより前から秘密部隊は存在、WUCC(西側連合秘密委員会)が統括していた。NATO創設後の1951年からはCPC(秘密計画委員会)の下で活動、後にその下部組織として設立されたACC(連合軍秘密委員会)が指揮するようになる。この委員会を動かしてきたのはアメリカとイギリスの情報機関だ。

秘密部隊の中でも特に広く知られているのがイタリアのグラディオ。イタリアはヨーロッパを支配する上で重要な国で、しかも歴史的にコミュニストの力が強い。そこでアメリカ支配層は1948年に実施された同国の総選挙へ介入した。アメリカはナチが略奪した財宝を押収、それを工作の資金として使ったと言われている。ソ連封じ込めで有名なジョージ・ケナンは、イタリアの選挙結果がアメリカ側の思惑どおりにならなければ、フォッジア油田をアメリカ軍が直接占領すると言っていた。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌之訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信社、1994年/Christopher Simpson, “Blowback”, Weidenfeld & Nicolson, 1988)

その程度の介入ではイタリアのコミュニストを潰すことができず、グラディオは1960年代から80年代にかけて極左を装い、爆弾攻撃を繰り返している。いわゆる緊張戦略だ。テロ活動で社会不安を煽り、左翼にダメージを与え、治安体制を強化使用としたのだ。この作戦は成功した。アル・カイダ系武装集団などを使う手口は、このグラディオと基本的に同じである。アメリカは「テロ帝国」なのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712290000/


53. 中川隆[-5779] koaQ7Jey 2017年12月30日 11:21:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.30
強襲揚陸艦に見える「いずも」就航、オスプレイやF-35の購入、ミサイル配備で日本は戦争準備?


日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれつつあり、大陸への攻撃準備を進めているように見える。本ブログでは以前にも書いたが、日本は「専守防衛」を放棄、安倍晋三政権もこの理念を尊重する気など更々ないだろう。

最近の動きを見ると、2015年に就航したヘリコプター護衛艦の「いずも」は艦首から艦尾まで平らな「全通甲板」を有し、垂直離着陸が可能なMV22オスプレイやステルス戦闘機F-35Bの離発着が想定されていると言われていた。その外観は2014年にアメリカ海軍が就航させた強襲揚陸艦「アメリカ」を連想させる。

F-35は高額低性能な戦闘機で、「空飛ぶダンプカー」とも呼ばれている。2015年1月にカリフォルニア州のエドワード空軍基地近くで行われたF-16戦闘機との模擬空中戦では完敗している。攻撃してきた戦闘機を迎え撃つには適さないということだ。唯一のセールスポイントはステルス性能で、これを生かすためには敵の艦船や基地に近づいて攻撃するしかない。日本が購入する目的はそれだと思われても仕方がない。

日本政府が導入を決めた地上配備型イージスシステム「イージス・アショア」は韓国へ持ち込まれているTHAAD(終末高高度地域防衛)と同様、攻撃兵器へ容易に変更できる代物。旧ソ連圏を含むヨーロッパ各地にアメリカ軍/NATO軍が配備してきたミサイルと目的は同じだ。前にも書いたように、イージス・アショアはソフトウェアを変えるだけで攻撃用兵器に転換することができる。

イージス・アショアやTHAADを含むミサイルで中国や朝鮮半島の沿岸を攻撃、F-35を侵入させて相手の防衛体制を破壊、そこへオスプレイで戦闘員を送り込んで橋頭堡を築くというシナリオは成り立つだろう。本ブログでは何度も指摘してきたが、アメリカは中国制圧を目論んできた。フランクリン・ルーズベルト、ジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソンといった大統領はそうした意思が薄かったかもしれないが、ルーズベルトはドイツが降伏する前の月に急死、ケネディは暗殺され、ニクソンはスキャンダルで失脚した。

ロナルド・レーガンが大統領に就任した翌年の12月、アメリカは戦術弾道ミサイルのパーシングIIをヨーロッパに配備してソ連を刺激。その直後の1983年1月に中曽根康弘首相はアメリカを訪問、ワシントン・ポスト紙のインタビューで日本を「巨大空母」と表現した。中曽根首相は日本をアメリカの「不沈空母」だと表現したと報道され、これを誤訳だと騒いだ人もいるが、本質的な差はない。

ワシントン・ポスト紙によると、中曽根首相は「日本列島をソ連の爆撃機の侵入を防ぐ巨大な防衛のとりでを備えた不沈空母とすべきだ」と発言、さらに「日本列島にある4つの海峡を全面的かつ完全に支配」し、「ソ連の潜水艦および海軍艦艇に海峡を通過させない」と語ったのである。日本をアメリカの空母に見立て、ソ連を攻撃する拠点にすると宣言したのだ。空母が「不沈」か「巨大」かは本質的な問題ではない。

この挑発的な発言から3カ月後、つまり1983年の4月から5月にかけて、アメリカ海軍は千島列島エトロフ島の沖で大艦隊演習「フリーテックス83」を実施する。この演習には3空母、つまりエンタープライズ、ミッドウェー、コーラル・シーを中心とする機動部隊群が参加、演習では空母を飛び立った艦載機がエトロフ島に仮想攻撃をしかけ、志発島の上空に侵入して対地攻撃訓練を繰り返し、米ソ両軍は一触即発の状態になったのだが、この演習を日本のマスコミは無視している。(田中賀朗著『大韓航空007便事件の真相』三一書房、1997年)

そして同年8月31日から9月1日にかけて、大韓航空007便がソ連の領空を侵犯、アラスカの「緩衝空域」と「飛行禁止空域」を横切り、ソ連軍の重要基地の上を飛行した末に、サハリン沖で撃墜されたと言われている。そこで撃墜されずに飛行を続けた場合、その延長線上にはウラジオストクがある。

さらに、その年の11月にはNATO(北大西洋条約機構)軍が軍事演習「エイブル・アーチャー83」を計画、核攻撃のシミュレーションも行われることになっていた。これをソ連の情報機関KGBは「偽装演習」であり、全面核戦争を仕掛けてくるのではないかと疑って応戦の準備を始めている。

その後、ソ連では牧歌的親米派のミハイル・ゴルバチョフとエドゥアルド・シュワルナゼのコンビがソ連解体の道筋を作り、ロシア大統領だったボリス・エリツィンが1991年12月、勝手にベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めて連邦を崩壊させた。これがいわゆる「ベロベーシ合意」だ。エリツィンはロシアをアメリカの属国にし、国民の財産を略奪して西側支配層と山分けすることになる。

ソ連消滅でアメリカが唯一の超大国になったと信じたネオコンは1992年2月に国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成する。作業の中心にいたのは国防次官だったポール・ウォルフォウィッツ。そこで、このプランはウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

そのプラン作成を受け、日本では1994年8月に細川護煕政権の「防衛問題懇談会」が「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」を作成するが、自分たちの意図するものと違っていたことからネオコンは怒る。そこで1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補は「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を作成した。中曽根首相は専守防衛を放棄する姿勢を見せていたが、本格的に日本がアメリカの戦争マシーンに組み込まれていくのはナイ・レポート以降だ。

アメリカの戦争マシーンにとって日本と韓国はいずれも手駒であり、この両国が対立している状況は好ましくない。そうした状況の中、スキャンダルで機能不全になっていた韓国の朴槿恵政権はTHAADミサイル・システムを導入させ、従軍慰安婦に関する問題で日本と合意している。この間、朝鮮が行ったミサイル発射や爆破実験はアメリカにとって好都合だった。岸信介の孫、安倍晋三にしてみると、アメリカの侵略戦争に加担すれば祖父たちが東アジアで行った犯罪的な行為を封印できるということになる。勿論、中国やロシアから見れば、安倍政権が行っていることは自分たちに対する戦争の準備だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712300000/


54. 中川隆[-5759] koaQ7Jey 2017年12月31日 09:31:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2017.12.31
イスラエルと米国は1991年の計画に執着、イランの体制を秘密工作で倒そうと目論んでいる疑い
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712310000/


マシュハドを含むイラン北東部のホラーサーンで12月28日、政府を批判する小規模なデモがあった。最高実力者のアリー・ハーメネイーを批判しているわけではない。アメリカ国務省はこのデモを利用し、イラン政府を批判している。

政府の中心人物、ハサン・ロウハーニー大統領は核開発の問題をP5+1(国連安全保障理事会の常任理事国5カ国とドイツ)の合意で解決、「経済制裁」の解除、好景気というシナリオを描いていたが、その通りに進まないことに対する不満があるようだ。その抗議活動へMEK(ムジャヒディン・ハルク)が潜り込み、暴力行為で社会不安を煽ろうとしているとも言われている。これはアメリカが得意とする手口だ。

このMEKはかつてマルクス主義を掲げていたが、1979年のイスラム革命の後に弱体化、21世紀に入るとイスラエルの強い指揮下に入ったとされ、2002年からイランの核開発に関する情報を流しているが、その信頼度には疑問が持たれている。2010年から11年にかけて、イスラエルの指示でイランの科学者などを暗殺したとも言われている。

​12月始めにイスラエル政府は国家安全保障顧問を中心とする派遣団をアメリカへ送り込み、ホワイトハウスでアメリカ政府高官と会談​、ドナルド・トランプ政権の包括的な対イラン戦略を討議、またシリアにおけるイランの活動に対する反撃の見通しも検討したと伝えられている。この会議と28日のデモは関連していると推測する人もいる。

イランがイラクやシリアと同様、遅くとも1991年の段階でネオコンは殲滅の対象にしていた。これについては、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

1991年の段階で西側の支配層はソ連を解体する目処をつけ、この年の12月にはロシア大統領だったボリス・エリツィンが勝手にベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めて連邦を崩壊させている。その直後、1992年2月、ネオコンの中枢グループに所属するポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が国防総省の​DPG草案​という形で世界制覇プランを作成した。

エリツィンは西側支配層の傀儡で、ロシアは西側巨大資本の属国になった。残るは東アジアの中国と中東の雑魚。ウォルフォウィッツなどネオコンは旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配するだけだと考え、彼らにとっての重要地域はヨーロッパから東アジアへ移動する。

この計画は21世紀に入ってウラジミル・プーチンがロシアを再独立させたことで破綻したのだが、それでもネオコンは執着、あがいている。2006年に3/4月号のフォーリン・アフェアーズ誌(CFR/外交問題評議会が発行)に掲載された​キール・リーバーとダリル・プレスの論文​では、アメリカ軍の先制第1撃によってロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いと主張されている。

しかし、この考えが間違っていることはすぐに判明する。イスラエルとアメリカを後ろ盾とするジョージアが2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で粉砕されてしまったのだ。

イスラエルがジョージア軍の装備を強化、軍事訓練を始めたのは2001年のこと。同国の軍事会社がジョージアへ無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む武器/兵器を提供、軍事訓練も行っている。(Tony Karon, “What Israel Lost in the Georgia War”, TIME, August 21, 2008)

ジョージアのエリート部隊を訓練していた会社はイスラエル軍のガル・ヒルシュ准将(予備役)が経営する「防衛の盾」で、予備役の将校2名の指揮下、数百名の元兵士が教官としてジョージアに入っていた。しかも、イスラエル軍の機密文書が使われていたとする証言もある。イスラエルは「イラクでNATO軍を助けるため」に訓練していることになっていたのだが、実際はオセチアやアブハアーズへ派遣される兵士だった。(The Times, August 8, 2008)2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を派遣している。

こうした準備を終え、2008年7月10日にはアメリカの国務長官だったコンドリーサ・ライスがジョージアを訪問、そして8月7日にミヘイル・サーカシビリ大統領は分離独立派に対して対話を訴え、その8時間後の深夜に南オセチアを奇襲攻撃したのだ。

あまりの惨敗だったことからジョージアの作戦が無謀だったと「解説」する人が日本にはいたが、実態は違う。7年間という時間をかけて装備を増強、軍事訓練をし、おそらくイスラエルが立てた作戦で攻撃したのだ。それでジョージアは完膚なきまでに叩きのめされてしまった。アメリカやイスラエルはロシアに正面から挑んでも勝てないということだ。8月15日にライスは再びジョージアを訪問、サーカシビリと会談している。

2003年3月にアメリカ軍は属国の軍隊を率いてイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒したが、当初の目論見、つまり親イスラエル体制の傀儡国家を樹立することには失敗している。そらにジョージアの件も重なり、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟は1970年代終盤にズビグネフ・ブレジンスキーが始めたサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主要戦闘員とするゲリラ戦を始める。そのターゲットになったのがリビアとシリア。こうした​CIAの訓練を受けた戦闘員は登録リストに載せられる。それがアル・カイダ。​そのリストを使って傭兵を集めて侵略したわけだ。

2015年9月30日にシリア政府の要請で同国へ軍事介入したロシア軍によって、その傭兵部隊は壊滅状態。残された戦闘員をアメリカ軍は救出、一部はアフガニスタンへ運ばれたようだが、クルドが支配するシリアの北部にあるアメリカ軍の基地でそうした戦闘員も訓練を受けている。

一時期、アメリカとの関係が悪化したと見られていたクルドだが、ここにきて再び手を組み、アメリカ軍がシリア北部に築いた軍事基地で新たな武装勢力「北部シリア軍」を編成、訓練を受けている。その中心はSDF(シリア民主軍)やYPG(クルド人民防衛隊)で、そこにアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が加わっているということになる。

この新たな戦闘部隊はシリア政府軍を倒すために使われると見られているが、イランへ送り込まれることもありえるだろう。リビア、シリア、ウクライナでアメリカはまず抗議活動を演出、武装勢力を潜入させて流血の惨事を創り出し、その責任を政府に押しつけて軍事介入するというシナリオを使ってきた。イランでも同じシナリオを使っても不思議ではない。


55. 中川隆[-5733] koaQ7Jey 2018年1月03日 10:36:41 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.03
米英は自立した体制を潰すためにクーデターを繰り返してきたが、イランで新工作開始との見方


イランの反政府行動で死者が出ていると伝えられている。イラン政府はアメリカが介入していると非難、ロシアは内政問題だと静観の構えだ。2018年にアメリカが、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がイランの体制転覆を狙って何らかの行動に出ることは予想されていたが、その幕開けなのかもしれない。

ところで、アメリカ支配層は遅くとも1991年の段階でイランの体制転覆を狙う動きがあった。イラク、シリア、イランを殲滅するとポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が口にしたのは1991年のことだ。この話は2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が語っている。(​3月​、​10月​)

ウォルフォウィッツが国防次官だったのは1989年5月から93年1月にかけてのことで、当時の大統領はジョージ・H・W・ブッシュ。その頃、イラクとクウェートは石油採掘をめぐって対立し、交渉が進展しないことに業を煮やしたイラクが1990年8月にクウェートへ軍事侵攻、翌年1月にアメリカ軍主導の軍隊がイラクへ攻め込んでいる。いわゆる「湾岸戦争」だ。

ウォルフォウィッツはネオコンの大物として知られているが、このネオコンはロナルド・レーガンが大統領だった1980年代からイラクのサダム・フセインを排除して親イスラエル政権を樹立させ、ヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国帯を形成し、シリアとイランを分断するという戦略を立てていた。

そこで、ネオコンは湾岸戦争の際にフセインを排除(つまり殺害)するつもりだったのだが、ブッシュ・シニア大統領はフセイン体制を倒さずに戦争を止めてしまう。それの怒ったひとりがウォルフォウィッツで、イラク、シリア、イランを殲滅するという発言につながる。

ブッシュ大統領の判断に反発したネオコンだが、湾岸戦争ではその後の戦略を決める光景を彼らは目にした。ソ連軍が介入してこなかったということだ。1985年3月から91年8月までソ連の党中央委員会書記長を務め、90年3月から91年12月までソ連大統領だったミハイル・ゴルバチョフ、その側近だったエドアルド・シェワルナゼ、このふたりは西側に好意的な感情を持つ人物で、そうしたこともソ連が強く出なかった理由のひとつだろう。シェワルナゼは外務大臣を務めていたが、外交の経験はなかった。

1991年12月にはロシア大統領だったボリス・エリツィンが勝手にベロベーシの森で秘密会議を開き、国民に諮ることなくソ連からの離脱を決めて連邦を崩壊させる。エリツィンとその取り巻きはそれから約10年に渡り、西側の富豪たちと手を組んで旧ソ連圏の資産を略奪して私腹を肥やすことになった。

その一方、1992年2月にウォルフォウィッツを中心とするグループは​国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成​する。いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。このドクトリンを危険だと考える人はアメリカの支配層内にもいたようで、メディアにリークされて問題になった。そこで書き直されたようだが、その考え方は消えない。このプランに基づいて日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。

ソ連の消滅でネオコンたちはアメリカが唯一の超大国になったと考えた。ソ連が消滅した後のターゲットとして考えたのは中国。そこで東アジア重視を打ち出すが、潜在的なライバルがライバルに成長しないよう、潰していくことも想定している。その潜在的なライバルとは東アジアや旧ソ連圏のほか、西ヨーロッパも含む。ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアの支配も重視している。1991年のウォルフォウィッツ発言はこのプランを先取りしたものだと言える。

イラク、シリア、イランを含む中東の国々を属国化するため、アメリカやイギリスはこれまど幾度となくクーデターや暗殺を実行してきた。そのひとつが1953年夏、イランのムハマド・モサデク政権を倒したクーデター。

当初、イギリスとアメリカの利害は対立していたが、途中から手を組んで秘密工作を進めている。モサデクがイギリスの利権を揺るがすと判断した同国の対外情報機関SIS(通称MI6)はクーデターを考え、アメリカのアレン・ダレスCIA長官に接触する。1953年4月にダレスは100万ドルの資金提供に合意した。(Richard J. Aldrich,"The Hidden Hand," John Murray, 2001)

ダレスCIA長官の兄、ジョン・フォスター・ダレス国務長官は6月22日、イラン政府の転覆を準備する許可をアレンCIA長官、そしてCIAの中東担当で、破壊工作部門に所属していたカーミット・ルーズベルト(シオドア・ルーズベルトの孫)に出している。この時に作成されたのが「アイアス作戦」だ。ドワイト・アイゼンハワー大統領は7月に最終的なゴーサインを出している。

それに対し、8月16日にモサデクを支持し、国王とアメリカに抗議するデモが始まる。アメリカのロイ・ヘンダーソン駐イラン大使はこのデモに抗議、18日にモサデクは警察や軍隊に命じてデモを止めさせた。19日になるとCIAが手配した反モサデクのデモが始まる。

反政府デモの一部はモサデクを支持する新聞社や政党、政府施設などを襲撃、CIAのエージェントがテヘラン・ラジオを制圧して「モサデグ解任の命令が国王から出され、ファズロラー・ザヒディが新首相に就任した」とする情報を流した。(Brendan O'Malley & Ian Craig, "The Cyprus Conspiracy," 1999)結局、モサデクの支持派と反対派の衝突で約300名が死亡、一部では戦車での戦闘も行われている。国王が帰国したのは混乱が治まった後だ。(Richard J. Aldrich,"The Hidden Hand," John Murray, 2001)

クーデターに成功したアメリカは支配システムを築く一環として秘密警察の導入を決める。そして生まれたのがSAVAK(国家情報治安機構)。当然、SAVAK創設にはCIAが深く関係しているが、同じ程度重要な役割を果たしたのがイスラエルの情報機関モサドである。モサドとSAVAKとの関係は、CIAが1972年にまとめた報告書が指摘している。ズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代終盤にアフガニスタンで始めた秘密工作ではCIAの下、モサド、SAVAKがサウジアラビアやパキスタンの情報機関と同じように参加している。

クーデターでアメリカの傀儡王制が復活したのだが、1978年の初めにイランを極秘訪問したイスラエルのモシェ・ダヤン国防相(当時)は同国で活動していた情報機関員から国王の様子が奇妙だとする報告を受け取っている。精神状態が不安定で、会談中に取り乱したり泣き出したりすることがあるというのだ。

イラン国王の寿命はあと数年ではないかとする警告をテヘラン駐在の非公式大使ウリ・ルブラニがエルサレムへ伝えたのはダヤンがイランを訪問した数カ月後のこと。(Gary Sick, "October Surprise," I.B. Tauris, 1991)イラン王制は1979年1月に崩壊、2月1日にはアヤトラ・ホメイニがフランスから帰国した。

この当時、アメリカやイスラエルが最も恐れたのはイランで社会主義革命が引き起こされること。それを防ぐため、ホメイニを中心とするイスラム革命を容認したとする見方もある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801030000/


56. 中川隆[-5732] koaQ7Jey 2018年1月05日 10:14:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018.01.05
流血の弾圧を演出、軍事介入へつなげようとするのは米国の常套手段だが、イランでも使われている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801050000/

アメリカ政府はイランのデモを利用して揺さぶりをかけている。ウクライナのクーデターやリビアやシリアにおける体制転覆工作では、平和的なデモ、それを暴力集団が乗っ取り、暴力行為で治安当局を挑発、戦乱という流れだった。暴力行為には銃撃が含まれ、一般市民も犠牲になっている。イランでも似た手口が使われているようだ。

こうした工作を隠すために使われるタグが「民主化」や「人権」。西側の有力メディアがプロパガンダの主力になることは言うまでもないが、1990年代以降、「人権擁護団体」が重要な役割を果たしてきた。イランでもHRW(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)が登場、その事務局長は政府支持派のデモの写真を抗議活動の様子を撮影したものだとしてツイートしている。

2011年にバーレーンで撮影された映像をイランにおける30万人のデモだとツイッターで伝えられたことを本ブログでも紹介したが、これまでもアメリカの侵略作戦にとって都合の良い偽情報は伝えられてきた。こうした偽情報を信じれば、支配者が定めた枠組みの中で民主化や人権を擁護している気持ちになれる。

1990年8月にイラク軍がクェートへ軍事侵攻した。石油採掘をめぐる対立がこじれてのことだ。イラクのサダム・フセインが軍事力の行使を決断した一因はアメリカ政府がイラク軍のクウェート侵攻を容認するかのようなメッセージを出していたことにあるのだが、これは罠の可能性があるとPLOのヤセル・アラファト議長やヨルダンのフセイン国王は警告していた。そうした意見をフセインは無視したわけだ。この時も偽情報が流されている。

イラク軍がクウェートへ攻め込んだ2カ月後、アメリカ下院の人権会議で「ナイラ」なる少女がイラク軍の残虐性を涙ながらに告発、アメリカで好戦的な雰囲気を高めることに成功した。この「告発劇」はPR会社のヒル・アンド・ノールトンが演出したもので、主演の少女はアメリカ駐在クウェート大使の娘。つまり、彼女は戦争を目撃していない。彼女の話は嘘だった。そして1991年1月にアメリカ軍を中心に編成された連合軍がイラクを攻撃する。

1991年12月にソ連が消滅した直後、92年2月に国防総省のDPG草案という形でネオコンは世界制覇プランを作成した。これは本ブログで何度も書いてきたことだ。ボリス・エリツィンが大統領になったロシアはアメリカの属国。ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと認識、自立した姿勢を崩そうとしない体制や潜在的なライバルを潰そうとする。手始めのターゲットにされたのがユーゴスラビアだ。

1992年の段階で西側の有力メディアはユーゴスラビアを悪魔化して描くプロパガンダを開始している。そうした中、最も「活躍」したひとりがニューズデイのヨーロッパ支局長だったロイ・ガットマン。ボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたと書いているが、彼は現地を取材していない。ヤドランカ・シゲリというクロアチアの与党HDZ(クロアチア民主団)の副党首に聞いた話を垂れ流したのだ。

ガットマンの記事が発表されるとセルビア人によるレイプという話は西側で売れ筋のテーマとなり、多くのマスメディア関係者が現地を訪れている。そうしたひとり、アレクサンドラ・スティグルマイアーはボスニア・ヘルツェゴビナで実態を調べ始めるが、西側が望むような事実は見つけられなかった。

レイプ証言を映像化しようと現地入りしたフリーランスのジャーナリスト、マーティン・レットマイアーもガットマンたちが伝えた話を裏付ける事実を見つけられない。レイプ現場とされた場所にはセルビア人警察官の未亡人が住む小さな家があるだけで、あるはずのスタジアムはなかった。セルビアの収容所でレイプされ、妊娠した女性で混雑しているとされた病院を取材したところ、スタッフは過去7ヶ月の間にレイプで妊娠した患者は3名だけだと語る。

事実を重視したジャーナリストは西側の有力メディアから相手にされず、偽情報を流したガットマンは脚光を浴び、1993年にピューリッツァー賞を贈られている。シゲリは人権問題のヒロインとなり、1996年にはジョージ・ソロスと近い関係にあることで知られているHRWは彼女を主役にしたドキュメント映画を制作している。

ちなみに、当時の状況について、ICRC(赤十字国際委員会)はガットマンたちとは違うことを言っている。つまり、戦争では全ての勢力が「不適切な行為」を行っているが、セルビア人による組織的なレイプが行われた証拠はないというのだ。(Diana Johnstone, "Fools' Crusade," Monthly Review Press, 2002)

情報をコントロールし、人々を操ろうというプロジェクトをアメリカ支配層は第2次世界大戦後から始めている。モッキンバードだ。その中心人物はアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだった。

この4名は金融界との関係が深い。ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士であり、ヘルムズの母方の祖父は国際決済銀行の頭取だった人物。グラハムの妻、キャサリンの父親は世界銀行の総裁である。

モッキンバードが始まった頃、アメリカ支配層は破壊工作(テロ活動)を目的とした秘密機関のOPC(政策調整局)を設置している。局長に選ばれたのはアレン・ダレスの側近だったフランク・ウィズナー。この点だけでもテロ活動とプロパガンダが密接な関係にあることがわかる。

OPCの機関のベースになったジェドバラは大戦の終盤、米英の特殊工作機関、つまりイギリスのSOE(特殊作戦執行部)とアメリカの戦時情報機関OSS(戦略事務局)によって編成されている。OPCは1950年10月にCIAと合流、翌年1月にアレン・ダレスがCIA副長官になる。そして1952年8月にOPCを中心にして計画局(The Directorate of Plans)が編成された。そこが行った秘密工作の一端が1970年代に議会で明らかにされ、1973年3月に名称は作戦局(The Directorate of Operations)へ変更される。2005年に組織が手直しされ、現在はNCS(国家秘密局)として活動している。

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最終更新日 2018.01.05 09:34:13







2018.01.04

イランで抗議活動が暴力化する直前、イスラエルと米国の安全保障責任者がイラン問題を話し合い


カテゴリ:カテゴリ未分類

イランで反政府デモが行われ、死者も出ているようだ。当初は経済政策への小規模な抗議だったが、そこへMEK(ムジャヒディン・ハルク)が潜り込み、暴力行為に及んだ結果だという。

抗議活動は小規模だが、西側メディアの取り上げ方は大きい。そうした御都合主義に憤った人物が2011年にバーレーンで撮影された映像をインターネット上にアップロードした。皮肉のつもりだったのだろうが、それをイランにおける30万人のデモだとして伝える人物が現れ、多くの人が注目するという皮肉な展開になった。

2011年は「アラブの春」が話題になった年。バーレーンでは抗議活動に参加する人が次々と殺されたり行方不明者になっていた。そうした中、2月22日には20万人が参加したと言われるデモがあり、​サウジアラビアからバーレーンへ約30両の戦車​が運び込まれ様子も目撃されている。3月に入ると約1000人のサウジアラビア軍兵士とUAE(アラブ首長国連邦)の警官約500名がバーレーンへ派遣された。

その後も大規模なデモが展開されたのだが、西側の有力メディアはペルシャ湾岸の西側と友好的な関係にある国々の好ましくない姿は報道していない。そこで2011年にアップロードした映像を再度、流したようだ。

イランは遅くとも1991年の段階でネオコンから攻撃の対象だとされていた国のひとつ。元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官のウェズリー・クラークによると、この年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランの体制を殲滅するとしていた。(​ココ​や​ココ​)そのうちイラクは2003年3月にアメリカ主導軍が先制攻撃して破壊され、シリアはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主体とする傭兵部隊の侵略を受け、ロシア軍の支援でその侵略部隊を退ける寸前までたどり着いたところだ。

シリアでアメリカは新たな侵略の手先としてクルドを使い始めているが、その一方でイランへの侵略を本格化させている。イスラエルでの報道によると、​昨年(2017年)12月12日にイスラエルの安全保障顧問のメイア・ベン-シャバートがワシントンDCでアメリカのH・R・マクマスター国家安全保障補佐官と会談、イランの問題について話し合った​という。また、ハーレツ紙によると、​アメリカ政府はイスラエルに対し、イラン革命防衛隊のカッセム・ソレイマニ司令官の暗殺を許可した​とも伝えられている。この司令官はシリアにおいてアメリカなどが送り込んだアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)と戦ってきた人物だ。


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57. 中川隆[-5675] koaQ7Jey 2018年1月08日 15:21:36 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018.01.08
シリアでクルド、イラクでバース党、イランでCIA工作員を使い、米国など侵略勢力は逆転目指す


アメリカの国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを5年で殲滅すると口にしたのは1991年のことだった。これは2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が語った話。(​3月​、​10月​)ウォルフォウィッツを含むネオコンにとってこの3カ国は戦略上、特別な存在だ。

しかし、ウォルフォウィッツの「予言」は実現しなかった。1993年1月に大統領となったビル・クリントンがネオコンの多くを政府から排除したからだ。有力メディアはユーゴスラビアをはじめ旧ソ連圏での戦争を煽ったが、そうした戦争に政権は消極的だった。その第1期目、クリントン大統領はスキャンダル攻勢にさらされる。

クリントン政権が戦争へ突き進むのは第2期目に入ってからだ。そうした流れの変化を象徴する出来事が国務長官の交代。1997年1月にウォーレン・クリストファーからマデリーン・オルブライトへ入れ替わったのだ。1998年にオルブライト長官はユーゴスラビア空爆を支持すると表明し、99年3月に欧州連合軍はユーゴスラビアを先制攻撃した。

オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子、父親であるジョセフ・コルベルの教え子にはコンドリーザ・ライスがいる。またスーザン・ライスはオルブライト自身の教え子。本ブログでは何度も書いてきたが、ブレジンスキーはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心に侵略部隊を編成、アル・カイダの生みの親とも言える人物である。

そうした中、1997年10月にはモニカ・ルウィンスキーなる女性のスキャンダルが浮上した。リンダ・トリップなる女性がルウィンスキーと大統領との電話による会話を録音、公表したのだ。このトリップにルウィンスキーとの会話を録音するように勧めたルシアンヌ・ゴールドバーグは1972年の大統領選挙では戦争に反対していたジョージ・マクガバンをスパイしていたことで知られている。

クリントン政権にはオルブライトのほか、ネオコンとして知られているビクトリア・ヌランドが国務副長官の首席補佐官を務めている。オルブライトとヌランドはふたりともヒラリー・クリントンと親しい。ヒラリーが好戦派を閣内へ引き入れたと言えるだろう。

その後、ジョージ・W・ブッシュ政権下の2003年3月にアメリカ主導軍はイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒し、フセイン自身は処刑した。攻撃の口実とされた大量破壊兵器の話が嘘だったことは当時から指摘されていたが、強引に戦争を始めている。

2009年にアメリカはカラー革命を仕掛けたが失敗、11年にはリビアとシリアへサラフィ主義者やムスリム同胞団を主力とするアル・カイダ系武装集団を投入する。リビアはその年のうちに破壊され、今では無法地帯化して奴隷売買が横行する破綻国家になった。中東や北アフリカの中でも最も文化水準が高く、平和な国をアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする勢力が侵略した結果だ。

シリアはリビアより社会の一体感があり、政府軍も協力で侵略は難航した。しかもリビアの惨状を見てロシアが侵略に強く反対、2015年9月30日にはシリア政府の要請を受けてロシア軍が軍事介入、アメリカなど侵略勢力の手先として戦っていた武装勢力を壊滅させてしまった。

そこでアメリカは現在、シリアでクルドと手を組んでいる。この勢力はユーフラテス川の北を支配、そこにアメリカ軍は13基地を建設済み。そこで新たな武装勢力「北部シリア軍」が編成され、軍事訓練を受け、出撃基地としても使われているとロシアやイランは主張している。その武装勢力にはSDF(シリア民主軍)やYPG(クルド人民防衛隊)だけでなく、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に所属していた戦闘員も含まれているという。さらに、​アメリカ政府はクルドの支配地を外交的に承認する動き​も見せている。

クルドを敵視するトルコ政府はSDFを攻撃する動きもあるが、実際に戦闘が始まった場合、アメリカ軍との交戦に発展するかもしれない。そうなると、NATO加盟国同士の戦いということになってしまう。

トルコでの報道によると、イランへはCIAのマイケル・ダンドレアが約900名の工作員を送り込んで暴動を扇動、またイラクではイスラエルとサウジアラビアの支援を受けたバース党が権力の奪取を狙っていると伝えられている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801080000/


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58. 中川隆[-5867] koaQ7Jey 2018年1月20日 10:29:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

2018.01.20
世界制覇を目指す米国のウォルフォウィッツDに基づいて安倍政権はイージス・アショアを導入する


安倍晋三政権は地上配備型の「イージス・アショア」を日本へ導入するが、このシステムが使用するランチャーは攻撃型の巡航ミサイルであるトマホークと同じで、ソフトウェアーを変更すれば攻撃用の兵器になるという。そこでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は1月15日に懸念を表明したのだが、それに対して日本側はこのミサイルシステムについて、このシステムは日本が独自に管理し、国民の生命と財産を守る純粋に防衛的なものだと反論したと伝えられている。

言うまでもなく、日本のあり方を決めているのはアメリカの支配層。システムを日本人が操作するかどうかに関係なく、アメリカの戦略、戦術に従って運用される。ヨーロッパの場合、アメリカ支配層はロナルド・レーガン政権時の約束を無視してNATOの勢力圏を東へ拡大、ロシアの国境線近くにミサイルを配備した。ミサイルを配備する理由はイランの脅威。説得力は全くない。日本のイージス・アショアや韓国のTHAAD(終末高高度地域防衛)も同じことが言える。

日本がロシアに「心配するな」と言った16日、​アメリカ軍はグアムにB-52を配備し始めた​。アメリカ本土のルイジアナ州バークスデール空軍基地から6機のB-52と300名の兵士が移動してくるようだ。グアムにはそのほかB-1爆撃機の部隊が存在、ミズリー州のホワイトマン空軍基地からは3機のB-2ステルス爆撃機が派遣されている。

1990年代から日本政府は急ピッチで自国をアメリカの戦争マシーンに組み込んできた。ジョセフ・ナイ国防次官補(当時)が作成、1995年2月に公表された「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」が幕開けだ。

このレポートが公表される前年の8月に日本では防衛問題懇談会が「日本の安全保障と防衛力のあり方(樋口レポート)」を発表している。委託したのは細川護熙首相(1993年8月〜94年4月)だが、提出されたのは村山富市首相(1994年6月〜96年1月)だった。

この報告書は「国際平和のための国連の機能強化への積極的寄与」を掲げていたことからアメリカ支配層の怒りを買うことになる。細川首相は武村正義官房長官の更迭に向かって動いたが、これはアメリカからの圧力、あるいは命令があったからだと言われている。

樋口リポートを読んだアメリカの好戦派は「日本が自立の道を歩き出そうとしている」と反発、国防大学のスタッフだったマイケル・グリーンとパトリック・クローニンがカート・キャンベル国防次官補を介してジョセフ・ナイ国防次官補やエズラ・ボーゲルに会い、ナイ・レポートにつながったと言われている。

人脈的にも内容的にもナイ・レポートの基盤は1992年2月に作成されて国防総省のDPG草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。作成の中心が国防次官だったポール・ウォルフォウィッツだったことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。

ウォルフォウィッツに協力していたのが彼の教え子でもあるI・ルイス・リビー、考え方の基盤はアンドリュー・マーシャルに負っていた。当時の国防長官はリチャード・チェイニーだ。

1991年12月にライバルだったソ連が消滅、ロシアを属国化することに成功したことからウォルフォウィッツたちはアメリカが唯一の超大国になったと認識、比較的大きな中国を潰すために東アジア重視を打ち出すと同時に、潜在的なライバルを破壊しようとする。そうした潜在的なライバルが出現する可能性がある地域としてヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が挙げられ、ラテン・アメリカ、オセアニア、サハラ以南のアフリカにもアメリカの利権があるとしている。全世界を支配したいということだろうが、こうした目的を達成するため、アメリカは単独行動を辞さないとも宣言している。つまり国連を軽視するということで、樋口レポートの考え方と衝突する。

ウォルフォウィッツ・ドクトリンの第1草稿が書かれたのは1991年9月のことだが、その頃、ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

この第1草稿が書かれる2カ月前、ロンドンでG7首脳会談が開かれ、そこにはミハイル・ゴルバチョフも招かれていた。ここでゴルバチョフは新自由主義の導入を要求され、難色を示したと言われている。その翌月にソ連ではクーデター未遂があり、西側の完全な傀儡だったボリス・エリツィンが主導権を握って12月にソ連を独断で解体してしまった。

そして1992年2月に作成されDPG草稿が今でもアメリカでは戦略の基本になっている。大統領選挙中、ドナルド・トランプはこれから離れる姿勢を見せていたが、今ではしっかり結びついた。日本もこの戦略に従って動いている。経済が破綻し、ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうなアメリカは窮地に陥っている。世界の覇者になるためには中国とロシアを屈服させるか、破壊するしかない。そうした状況の中、日本はイージス・アショアを導入したのだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801200000/


59. 中川隆[-5873] koaQ7Jey 2018年1月23日 09:47:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.23
アメリカ支配層がシリアで続ける侵略戦争の始まりは1991年だということを忘れてはならない


言うまでもなく、シリアでの戦争は「内戦」でなく「侵略」だ。その戦争の始まりは1991年のことである。

1991年7月にロンドンで開かれたG7首脳会議に出席したソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領は西側の首脳から新自由主義の導入を求められて難色を示し、その後、失脚する。替わって主導権を握ったのが西側の傀儡だったボリス・エリツィン露大統領。このエリツィンが独断で1991年12月にソ連を消滅させたわけだ。

それを受け、1992年2月にネオコンの中心グループに所属するポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心として国防総省のDPG草案が作成される。ソ連消滅でアメリカが唯一の超大国になったと認識、アメリカに屈服しきっていない国々を制圧して世界制覇を実現するというプランを作成した。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンである。このドクトリンに基づき、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。

ソ連を消滅させ、ロシアを属国化したアメリカの支配層が中国に目を向けるのは必然。そこで東アジア重視を打ち出し、潜在的なライバルが実際のライバルへ成長することを防ぐために潰そうとする。

そうした潜在的なライバルが出現する可能性がある地域としてヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が挙げられ、ラテン・アメリカ、オセアニア、サハラ以南のアフリカにもアメリカの利権があるとしている。目的を達成するため、アメリカは単独行動を辞さない、つまり国連を軽視するとも宣言している。

このドクトリンは最初の草案でなく、第1草稿が存在する。それが作成されたのは1991年9月だ。その頃、ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

1990年代に入ると有力メディアは戦争熱を煽るが、93年に大統領となったビル・クリントンは戦争を始めない。メディアがターゲットにした国はユーゴスラビアだ。

その扇動に乗らないクリントン大統領はスキャンダル攻勢で苦しめられ、第2期目には戦争へと舵を切る。その象徴的な出来事が1997年の国務長官交代だった。戦争に消極的なクリストファー・ウォーレンから好戦的なマデリーン・オルブライトへ交代したのだ。オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。オルブライトの教え子の中にはスーザン・ライスも含まれている。なお、コンドリーザ・ライスはオルブライトの父親の教え子だ。

ウォルフォウィッツの予告通り、2003年3月にアメリカはイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒し、今も破壊と殺戮は続いている。そして2011年3月にシリアに対する侵略戦争が始まる。イラクを攻撃する際には大量破壊兵器が口実として使われたが、全くの嘘だった。シリアでは独裁者による民主化運動の弾圧、あるいは化学兵器の使用といったことが宣伝されたが、これも嘘だということが明らかになっている。(この話は本ブログで何度も書いてきたことなので、今回は割愛する。)

2013年の夏になるとアメリカが強引にシリアへ本格的な軍事介入を始めるという話が伝えられ、9月3日には地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されている。そのミサイルは途中で海中へ落下、後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だったと主張したが、実際に攻撃を始めたとも見られている。事前に通告はなく、発射実験だとする主張に説得力がないからだ。ジャミングなど何らかの手段で落とされたと推測する人もいる。

その9月、​駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレン​がバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだと語っている。オーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近で、この発言は首相の意思でもあると考えられた。その当時、アメリカではマーティン・デンプシー統合参謀本部議長やマイケル・フリンDIA局長はアル・カイダ系武装集団を危険だと考え、シリア政府と接触していたと言われている。

シリアに対する自国軍の直接的な攻撃を始めることにアメリカは失敗、そして売り出されたのがダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。2014年1月にファルージャでダーイッシュは「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧した。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れている。

その際、アメリカ軍はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人からの情報などでダーイッシュの動きを把握していたはずだが、反応していない。パレードしている車列などは格好の攻撃目標のはずなのだが、アメリカ軍は何もしていないのだ。

ダーイッシュとアメリカとの関係はアメリカの軍人や政治家も口にしている。例えば、空軍の​トーマス・マッキナニー中将​は2014年9月、アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語った。また​マーティン・デンプシー​統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月には​ジョー・バイデン​米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。2015年には​ウェズリー・クラーク​元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べた。

そして2015年8月、マイケル・フリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演した際、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、その情報に基づいて政策を決定するのはバラク・オバマ大統領の役目だと指摘している。つまり、​オバマ政権の「穏健派支援」がダーイッシュの勢力を拡大させた​というわけだ。

ロビン・クック元英外相が指摘したように、​アル・カイダとはCIAから軍事訓練を受けたムジャヒディンのコンピュータ・ファイル​。こうした訓練は1970年代の終盤にジミー・カーター政権の大統領補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが考えた戦略に基づいて始められた。

アル・カイダ系武装集団にしろ、ダーイッシュにしろ、アメリカの敵とは言えない。侵略の道具であり、アメリカが介入する口実として使われているだけだ。

2012年5月、シリア北部ホムスで住民が虐殺された際、西側の政府やメディアは政府軍が実行したと宣伝していたが、現地を調査した東方カトリックのフランス人司教はその話を否定する。虐殺を実行したのは政府軍と戦っているサラフィ主義者や外国人傭兵だと報告、その内容はローマ教皇庁の通信社で伝えられた。

「​もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。​」とその司教は書いているが、これは現在でも通用する。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801230000/


60. 中川隆[-5858] koaQ7Jey 2018年1月23日 19:32:01 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.23
自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その1:ウォール街の利権)


日本にはアメリカを「自由と民主主義の旗手」と呼ぶ人もいるが、そのアメリカを支配してきた人々は民主的に選ばれた政権を軍事力、あるいは破壊活動で破壊してきた。つまり「自由と民主主義の破壊者」がその実態であり、彼らのターゲットのひとつがシリアにほかならない。アメリカによる侵略、破壊、略奪は大統領の個人的な資質によるのでなく、構造的な問題なのである。大統領を交代させても問題は解決しない。公的な情報の全面公開、巨大企業や富豪から特権を剥奪し、資本の移動を制限、オフショア市場を禁止するなど民主的な「レジーム・チェンジ」が必要なのだ。

シリアに限らず、欧米諸国は世界規模で植民地化を進めていた。言うまでもなく植民地は露骨な略奪の仕組みであり、その仕組みがなければ欧米の資本主義体制は維持できなかった。当然、植民地では人々の意思が暴力的に封印され、富は奪われていく。

植民地化は戦争から始まる。そこで、アメリカ海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将は戦争を不正なカネ儲けの手段だと言ったわけだ。有り体に言うなら、押し込み強盗だ。

しかし、アメリカでは1932年の大統領選挙でこうしたカネ儲けに反対する人物が当選してしまう。ニューディール派のフランクリン・ルーズベルトだ。そこでウォール街の住人たちはニューディール派を排除するためにクーデターを計画する。この計画を議会で明らかにしたのがバトラー少将。クーデターを成功させるためにはバトラーを抱き込む必要があったのだが、その工作に失敗したということだ。バトラーはクーデター派の中心はJPモルガンだとしている。

接触してきたクーデター派に対し、バトラーはカウンター・クーデターで対抗すると警告、またバトラーの話を聞いて取材したポール・フレンチは議会によると、クーデター派は「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」と答えたという。

JPモルガンは関東大震災以降、日本の政治経済に大きな影響力を持った巨大金融機関。そのJPモルガンの総帥と結婚した相手のいとこ、ジョセフ・グルーをハーバート・フーバー大統領はアメリカ大使として日本へ送り込んだ。その前年に日本軍の奉天独立守備隊に所属する河本末守中尉らが南満州鉄道の線路を爆破、いわゆる「満州事変」を引き起こし、1932年には「満州国」の樹立を宣言している。

当然のことながら、植民地やファシズムに反対する姿勢を見せていたルーズベルト政権が日本の中国侵略に対して厳しい姿勢で臨むことになる。日本はアメリカの情勢変化に対応できなかった。日本の支配層はウォール街の傀儡だからだ。

植民地やファシズムに反対していたルーズベルトはドイツが降伏する前の月、1945年4月に急死、第2次世界大戦が終わると欧米諸国は植民地の継続支配と目論むのだが、それに異を唱える人物がアメリカの上院に現れた。1957年7月にジョン・F・ケネディ上院議員がアラブ世界の自己統治とアラブ諸国に対する帝国主義的な介入の終焉を訴えたのだ。

ケネディは1961年に大統領となり、軍や情報機関の好戦派が目論んだソ連に対する先制核攻撃を阻止、63年6月にはアメリカン大学の学位授与式(卒業式)でソ連との平和共存を訴える「平和の戦略」を宣言する。

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、1960年10月から62年9月までJCS議長を務めたリーマン・レムニッツァーやSAC司令官だったカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりに奇襲攻撃を実行する予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。そのために偽旗作戦のノースウッズも作成されたが、この目論見の前にもケネディ大統領が立ちはだかった。そのケネディは1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺される。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801230001/


61. 中川隆[-5852] koaQ7Jey 2018年1月24日 14:30:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.24
自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その2:シリアのクーデター)


ジョン・F・ケネディ大統領(1961年〜63年)の甥、ロバート・F・ケネディ司法長官(1961年〜64年)の息子にあたるロバート・F・ケネディ・ジュニアはアメリカがシリアの体制転覆を目論む理由としてパイプライン建設の問題があると指摘している。民主的に選ばれたシリアの初代大統領シュルクリ・アル・クワトリは1949年3月、サウジアラビアの石油をシリア経由で運ぶトランス-アラビアン・パイプラインの建設に反対する。この建設計画の背後にはロックフェラーの利権が存在していた。

そこでアメリカはアル・クワトリの排除を決断、CIAがクーデター計画を始動させ、その月の29日にはフッスニ・アル・ザイムの独裁体制ができあがるが、パイプライン建設を承認する前、1949年8月にこの体制は倒された。再び民主的な政権が誕生するのは1955年のこと。この時もアル・クワトリが大統領に選ばれた。

それに対し、CIAは新たなクーデター計画を作成、1957年4月に指揮官としてカーミット・ルーズベルトとロッキー・ストーンがダマスカスへ入る。この際、ストーンはシリアの軍人や政治家を買収するために300万ドル持ち込んだという。クーデターにはムスリム同胞団が協力した。

ところが買収工作は失敗、シリア軍はアメリカ大使館を襲ってストーンを拘束、テレビを通じてイランでのクーデターやシリアでのクーデター計画について「告白」させられている。ドワイト・アイゼンハワー政権はストーンの話を拷問による虚偽の告白だと主張したが、後に事実だということが判明している。その後、シリアでは親米派の政治家がパージされ、クーデターに加担した軍人は処刑された。

1958年にはエジプトとアラブ連合共和国を結成するが、61年に分離。混乱を経て1970年に無血クーデターでハーフィズ・アル-アサドが実権を握り、71年3月に行われた国民投票でアル-アサドの大統領就任が承認された。この政権は宗派や民族の宥和を図り、体制は安定する。その息子がバシャール・アル-アサド。現在、シリアの大統領は選挙で選ばれている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240000/



自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その3:イランのクーデター)


シリアでCIAがクーデターを目論む4年前、1953年にカーミット・ルーズベルトとロッキー・ストーンはイランでクーデターを成功させている。同じことをシリアでも行おうとしたわけだ。

イランはイギリスにとって重要な植民地で、ここでの略奪は国を支える重要な柱だった。そのイランで民主化が進み、イギリスの重要な利権だったAIOC(アングロ・イラニアン石油)の国有化をイラン議会は1951年に決定する。

それに対し、イギリスではアン・キャサリーン・スウィンフォード・ランプトンという学者が1951年3月22日付けのタイムズ紙に匿名で、AIOC国有化はイラン国内で高まっている緊張を外に向けるために行われたとする記事を書いた。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

そうした圧力もあってムハマド・モサデク首相は7月16日に辞任、アーマド・カバム・サルタネーが後任になる。これは国民の意思に反することだったことから5日間で色を辞することになる。21日にはモサデクが再び首相に選ばれた。

当時、ソ連は中東を中立地帯にし、アラブ人に統治させようと提案していたが、これをアメリカやイギリスは拒否する。自分たちの利権を手放すことになるからだ。

それに対し、イギリスはクーデターを計画、秘密工作を始める。その責任者としてランプトンが推薦した人物はオックスフォード大学で講師をしていたラビン・ゼーナー。1943年から47年までテヘランのイギリス大使館で広報の仕事をしていた。イギリスの対外情報機関MI6はブート作戦を作成、都市部の組織や南部の族長たちを使ってテヘランを支配下におこうとした。

その一方、イギリスは単独でクーデターを成功させることが難しいと考え、アメリカに接触する。イランの利権が欲しいアメリカは協力することを決める。米英両国がモサデクの後継者と考えた人物はファジオラー・ザヘディ将軍。第2次世界大戦中、ナチスとの協力関係が問題になり、イギリスによって拘束された経歴の持ち主である。(Richard J. Aldrich,"The Hidden Hand," John Murray, 2001)

計画が動き始めるとモサデク派と見られていた主要な将校が誘拐され、殺害され、7月19日にになると、カーミット・ルーズベルトが「ジェームズ・ロックリッジ」の名前でイラクからイランへ入り、山間部の隠れ家から作戦を指揮することになった。

アメリカでイランでの秘密工作を主導したのはジョン・フォスター・ダレス国務長官とアレン・ダレスCIA長官の兄弟。ふたりともウォール街の大物弁護士だった。

1953年3月にアレンはNSC(国家安全保障会議)で革命の危機を訴え、それを阻止しないと全世界で算出されている石油の60パーセントをコミュニストに握られると主張したのだが、出席者の約半数はクーデター計画に反対する。アイゼンハワー大統領もモサデクの政策に反対していなかったようだ(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015)が、ダレス兄弟の意思は固く、3月中にアイゼンハワー大統領は計画を承認、5月中旬にアレン・ダレスは部下をキプロスに派遣して現地のMI6要員と情報交換させている。

ダレス兄弟にはモサデクを排除しなければならない事情があった。ふたりはサリバン・アンド・クロムウェルという法律事務所の共同経営者だが、この法律事務所の顧客リストにはAIOCも含まれていたのである。アメリカという国ではなく、法律事務所の利益のためにクーデターを成功させる必要があった。

6月25日にモサデク政権を転覆させる準備の許可を弟のアレン、そしてカーミット・ルーズベルトに出している。モサデクを倒す目的で「エイジャクス(アイアース:トロイ戦争の英雄)作戦」が練り上げられたのはこの頃である。(Richard J. Aldrich,"The Hidden Hand," John Murray, 2001)

このクーデターはきわどいところで成功、米英の傀儡だったムハマド・レザー・パーレビを国王とする独裁体制を復活させることができた。1954年にAIOCは社名をBPに変更している。このパーレビ体制は1979年にイスラム革命で崩壊するまで続く。

このイランをアメリカはイスラエルやサウジアラビアと共同で属国化、略奪の場にしようとしている。2011年にシリアへ侵略部隊を送り込んだ勢力の中にはこの3カ国以外に、サイクス-ピコ協定(オスマン帝国の領土分割などを定めた秘密協定)の中心だったイギリスとフランス、オスマン帝国の復活を夢見たトルコ、天然ガスのパイプライン建設をシリアに拒否されたカタールなどが含まれる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240001/


62. 中川隆[-5834] koaQ7Jey 2018年1月25日 09:00:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.25
自由と民主主義を破壊し続けるアメリカが中東に執着する理由(その4:世界制覇)


イランで王制が崩壊した1979年、アメリカのジミー・カーター政権はアフガニスタンで秘密工作を始めていた。計画の立案者は国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキー。ソ連軍をアフガニスタンへ引き込み、CIAが編成、武器/兵器を供給し、戦闘員を訓練した武装勢力と戦わせるという内容だった。この目論見通り、1979年12月にソ連軍の機甲師団がアフガニスタンへ入ってくる。​CIAから訓練を受けた戦闘員、いわゆるムジャヒディンのコンピュータ・ファイルがアル・カイダ(データベース)​だ。「自由の戦士」も「テロリスト」も編成時にはこのファイルが活用される。

地政学的な側面からイラクを重視していたのがネオコン(シオニスト)。イラクに親イスラエル体制を樹立、トルコ、イラク、ヨルダンの親イスラエル国帯を築いてシリアとイランを分断、中東をイスラエルの支配下に置こうというわけだ。

そのネオコンで中心的な存在だったポール・ウォルフォウィッツが1992年2月に作り上げた国防総省のDPG草案はそうした戦略が反映されている。本ブログでは何度も書いてきたが、そのウォルフォウィッツは1991年にウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)

イギリスやアメリカで作成された世界制覇プランはウォルフォウィッツ・ドクトリンの前にも存在する。中でも重要なものが1904年に発表されたハルフォード・マッキンダーのハートランド理論。彼は世界を3つに分け、ひとつはヨーロッパ、アジア、アフリカの世界島、ふたつめはイギリスや日本のような沖合諸島、そして最後に南北アメリカやオーストラリアのような遠方諸島と名付けた。世界島の中心がハートランドで、具体的にはロシアを指している。

また、ユーラシア大陸を囲むように、西ヨーロッパ、パレスチナ(1948年にイスラエル建国を宣言)、サウジアラビア(サウード家のアラビアを意味するサウジアラビアが登場するのは1932年)、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯が、またその外側に外部三日月帯が想定されている。イギリスと日本は内部三日月帯の両端にある外部三日月帯とされている。イギリスが明治維新を支援した理由を考える場合、この戦略を無視することはできない。時期的にマッキンダーの理論は後から発表されているが、考え方としては存在していた可能性がある。イギリスにとって日本はアジア侵略の拠点であり、日本人は侵略の手先ということ。現在の中東に当てはめるならば、日本はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに近い。

アメリカがアジア侵略の拠点にしたのはフィリピン。1898年にキューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインが爆沈、アメリカはスペインが爆破したと主張して宣戦布告、スペインと戦争を始めた。

この戦争で勝利したアメリカはスペインにキューバの独立を認めさせ、プエルトリコ、グアム、フィリピンを買収することになる。つまりこうした国々を植民地化した。ハワイも支配下におく。

1901年に出版された『廿世紀之怪物 帝国主義』の中で幸徳秋水はアメリカの行為を帝国主義だと批判している。「米国にして真にキュバ叛徒の自由のために戦えるか、何ぞ比律賓人民の自由を束縛するの甚だしきや。」「それ他の人民の意思に反して、武力暴力をもって強圧し、その地を奪い富を掠めんとす。」

この記述は基本的に今でも通用する。アメリカは帝国主義の国であり、フランクリン・ルーズベルトやジョン・F・ケネディは例外的な人物だった。現在のアメリカにこうした例外的人物が登場することは不可能に近いだろう。アメリカは「自由と民主主義の旗手」でなく、「民主主義の伝道師」でもない。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240002/


63. 中川隆[-5792] koaQ7Jey 2018年1月28日 19:08:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.28
シリア侵略に失敗した米国は新たな武装集団を編成中だが、それに反発したトルコが軍事作戦


ここにきてアフガニスタンでアル・カイダ系武装集団やダーイッシュの攻撃が激しくなっているともいうが、​本ブログでも指摘​したように、ロシア軍の攻撃で敗走していた戦闘員をアメリカの軍や情報機関は救出、その一部をアフガニスタンへ運んだと報道されている。アフガニスタンには希少金属が存在、しかも近くを中国が推進する一帯一路のうち、陸のシルクロードが通っている。資源を支配し、中国の戦略を壊すために傭兵を使うことになるのだろう。

アメリカの好戦派は遅くとも1970年代の終盤からイスラエルやサウジアラビアと手を組み、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする戦闘集団を編成している。CIAから訓練を受けた戦闘員のリストがアル・カイダだということは本ブログで再三再四書いてきた通り。リビアやシリアへの侵略でもそうしたリストを利用して編成された戦闘集団が利用されてきた。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)もそうした集団だ。

しかし、2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍によって壊滅的な打撃を受け、アメリカは新たにクルド勢力を利用して戦闘集団を編成、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの生き残りが合流している。そうした戦闘集団の一部でアメリカは国境治安軍を編成する意向のようだが、そこへ1万から1万5000名の元ジハード戦闘員が参加しているとも伝えられている。

1980年代にアメリカのネオコン(シオニスト)はイラクのサダム・フセイン体制を破壊するべきだと主張、この体制をペルシャ湾岸産油国の防波堤だと認識していた非ネオコン派(ジョージ・H・W・ブッシュ、ジェームズ・ベイカー、ロバート・ゲイツなど)と対立している。ネオコンの戦略はイラクに親イスラエル派の傀儡体制を樹立、トルコ、イラク、ヨルダンの親イスラエル国帯を築いてシリアとイランを分断するというものだった。

フセイン大統領もそうした視点からイランと戦ったが、湾岸産油国は戦費について考慮しようとしなかった。しかもイラクとクウェートは石油採掘をめぐって対立、交渉が進展しないことに業を煮やしたイラクは1990年8月にクウェートへ軍事侵攻した。その直前、アメリカ政府は軍事侵攻を黙認するかのようなサインを出していたが、翌年1月にアメリカ軍主導の軍隊がイラクへ攻め込んでいる。

ここまではネオコンと非ネオコンの間に対立はなかったようだが、ブッシュ大統領はサダム・フセイン体制を倒さないまま停戦しています。そこで起こったのがポール・ウォルフォウィッツ国防次官などネオコン。そしてウォルフォウィッツの口からイラク、シリア、イランを殲滅するという言葉が出てくる。

ネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュ大統領(HWの息子)は2003年3月にイラクを先制攻撃してフセイン政権を倒し、フセイン本人は処刑した。次にシリアへ攻め込むのはネオコンの戦略だが、ここでロシアが立ち塞がったわけだ。シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力が送り込んだ傭兵部隊は崩壊、新たな手先としてクルドを軸にした戦闘集団を編成中だが、そのプランをトルコ政府が叩いている。

シリア政府はクルドをシリア人だとしてトルコの軍事攻撃を非難しているが、ロシア政府は黙認している。裏で話が付いている可能性があるだろう。イラクのクルドはムラー・バルザニとマスード・バルザニの親子によって支配されてきたが、ムラーはイスラエルの情報機関、モサドのオフィサーだと言われる人物。イラクのクルドは遅くとも1960年代からイスラエルの影響下にあった。マスードも同じだろうと見られている。

そのマスードが主導してイラクのクルド組織は昨年(2017年)9月25日に独立を問う住民投票を実施、圧倒的な90%以上が賛成したとされているが、重要な油田があるキルクークが反マスード派クルドとイラク軍によって制圧されてしまい、破綻した。シリアのクルドもアメリカへの従属で意思が統一されていない可能性がある。イラクで反マスード派クルドがアメリカやイスラエルに反旗を翻した理由のひとつは油田を押さえても石油を消費国へ運び出すことが困難だということにある。シリアでも状況は同じだ。クルドの一部はトルコの攻撃を押さえるようにロシアへ働きかけているとも伝えられている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801280000/


64. 中川隆[-5790] koaQ7Jey 2018年1月29日 10:19:26 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.01.29
自分たちが中東を支配するための重要な拠点であるトルコを刺激したくない米国にクルドが反発か


アメリカとクルドとの関係が微妙になってきた。1月20日からトルコ軍がアフリンのクルド勢力に対して「オリーブの枝作戦」を開始したが、トルコとの関係をこれ以上悪化させたくないアメリカの動きは鈍く、クルド側は裏切られたと感じはじめているようだ。シリア政府はトルコの軍事侵攻を批判しているが、シリア北部に居座っているアメリカ軍も侵略者にほかならず、やはりすみやかに撤退することを求めている。

トルコはNATO加盟国であり、アメリカの中東支配にとって重要な拠点。シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力がサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団などで編成された傭兵部隊を使ったシリア侵略を本格化させた2011年3月当時から、トルコにあるインシルリク空軍基地は重要や拠点だ。

アメリカがクルドと連携した最大の理由は、言うまでもなく、送り込んだ傭兵部隊、いわゆるアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)がシリア政府の要請で2015年9月30日に軍事介入したロシア軍によって壊滅に近い状態になったからだ。アメリカの軍や情報機関はそうした戦闘員の一部をヘリコプターなどで救出し、一部はアフガニスタンへ、一部はクルドを中心に編成されている武装集団へ参加させている。

どのようなタグが付けられているにせよ、今の状態で傭兵部隊が真の意味で壊滅することはありえない。シリアなどを侵略している戦闘員は傭兵にすぎず、そうした戦闘員を雇い、命令している本体が健在だからだ。言うまでもなく、その本体はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟。

アメリカもクルドと組めばトルコ政府が怒ることを見通していただろうが、その前にアメリカの描いていたシリア侵略プランはロシア軍の介入で完全に狂っていた。2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は15年11月24日のロシア軍機撃墜を謝罪し、16年7月13日にトルコ首相はシリアとの関係正常化を望んでいることを示唆していた。トルコで武装蜂起があったのはその2日後のことだ。このクーデター計画を失敗に終わらせた一因はロシアからの情報提供にあったと言われている。

このクーデター未遂に関し、エルドアン政権はその首謀者をアメリカへ亡命中でCIAの保護下にあるとも言われているフェトフッラー・ギュレンだとしている。蜂起の背後にはアメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官がいたとも主張、これ以降、トルコとアメリカとの関係は悪化する。ロシアへ接近していたことだけでなく、侵略軍の主力をクルドへ切り替えるためにもエルドアン政権を倒す必要があったのだろうが、これは裏目に出た。

エルドアンだけでなく、例えばリビアのムアンマル・アル・カダフィやイラクのサダム・フセインは、少なくとも一時期、アメリカと緊密な関係にあった。シリアのアサド政権もアメリカに敵対しようとはしていない。それでも従属度が足りないと判断されれば破壊と殺戮の対象になる。エルドアンもそうした現実を認識、ほかの国々の支配者も同じように感じただろう。

ウクライナでネオコンがネオ・ナチを使ってクーデターを実行したあたりから中国もアメリカが信頼できないことを認識してロシアとの関係を強めている。韓国もアメリカを信頼しているようには見えない。ひたすらアメリカに従属しようとしている日本の支配層は異様だ。アメリカに従属していれば自分たちの理不尽な言動も許され、日本が破壊されても自分たちだけは地位と富を保証されていると考えているのだろうか?
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801290000/


65. 中川隆[-5678] koaQ7Jey 2018年2月07日 15:36:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.02.06
米国がシリアで新たな戦争を目論む中、MANPADSでロシア軍機が撃墜された(前半)

シリア北西部のイドリブで2月3日にロシア軍機Su-25がMANPADS(携帯型防空システム)で撃墜され、脱出したパイロットは地上での戦闘を経て死亡した。攻撃に関わったと見られるジャブハト・アル・シャム(ジャブハト・アル・ヌスラ)の戦闘員約30名はロシア軍が巡航ミサイルで殲滅している。

アル・シャムやアル・ヌスラというタグが付けられた武装集団はアル・カイダ系。つまり、サウジアラビアが雇い、CIAが訓練、イスラエルが協力してきた傭兵が源流で、​2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が作成した報告書​によると、反シリア政府軍の戦闘員はサラフィ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団が中心で、その実態はイラクで活動していたAQIと同じ。バラク・オバマ大統領が主張していた「穏健派」は存在していなかった。

DIAの報告書はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告しているが、これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。このダーイッシュも源流はアル・シャム、アル・ヌスラ、AQIと同じだ。

アル・シャムがMANPADSをどこから入手したか調べるためにシリアの特殊部隊がイドリブで活動中だというが、少なからぬ人はアメリカを頭に浮かべたはずだ。それを感じたのか、アメリカ軍はMANPADSの供給を否定している。

アメリカはシリア北部、トルコとの国境近くに3万人規模のシリア国境軍を編成するとしているが、その主体はSDF(シリア民主軍)/YPG(クルド人民防衛隊)。イスラエルでは、アメリカがこの勢力にMANPADSを提供していると伝えられている。

2011年にシリアへの侵略が始まった当時、その背後にはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心に、イギリス、フランス、トルコ、カタールなどが参加していた。侵略に使われた傭兵は三国同盟系、トルコ系、カタール系などに分かれていたようだが、当初は連携していた。

ところが、2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で軍事介入して戦況が政府軍優位になると侵略勢力の結束が弱まり、トルコやカタールは離反した。その結果、傭兵集団も内部対立が生じる。イドリブの主要武装勢力はトルコ系とアメリカ系で、今回の撃墜にトルコ系は関与していないと見られている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802060000/

米国がシリアで新たな戦争を目論む中、MANPADSでロシア軍機が撃墜された(後半)


2011年当時、アメリカはシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を樹立させようとしたが、アサド大統領は亡命を拒否して国内に留まった。逃げ出さなかった閣僚や軍人も少なくない。

そこでアル・ヌスラやダーイッシュといったタグをつけた武装集団を利用してアサド体制を倒そうとしたが、これはロシア軍の介入で失敗、今はクルド勢力を中心にして、アル・ヌスラやダーイッシュの戦闘員を合流させて新たな戦争を始めようとしている。

アメリカは当初、ロシア軍が出てこないという前提で直接的な軍事介入を狙っていた。まずリビアと同じように、「独裁者による民主化運動の弾圧」というストーリーを有力メディアで宣伝したが、その嘘は露見してしまう。そこで住民虐殺を演出するが、その実行者は侵略勢力のサラフィ主義者だと判明、次に出てきたのが化学兵器による攻撃という話だ。

本ブログでは何度も書いてきたが、この化学兵器話が嘘だということも明らかにされてきたが、これは繰り返し主張されている。新たなストーリーが思いつかないのだろう。

今月に入り、ジェームズ・マティス国防長官もシリア政府軍によるサリンの使用に関心を持っていると発言したが、その証拠がないことも認めざるをえなかった。有力メディアも「国際社会」の行動を求める記事を掲載している。(例えば​ココ​)

アメリカ政府は侵略を正当化する最もらしい口実を考えることもできなくなっている。それだけ侵略戦争を近い将来に実行しなければならないという強迫観念に駆られているようだ。遅くとも1991年にイラク、シリア、イランを殲滅するプランを立て、92年2月にはそれをDPG草案として文書化したネオコンの戦略を実現しようと必死なように見える。イスラエルやサウジアラビアからせつかれている可能性がある。

それだけでなく、ドルが基軸通貨の地位から陥落するという危機感を持っている人がアメリカ支配層の内部にいるはず。世界をアメリカの巨大資本が支配するファシズム体制を実現し、ライバルとして成長してきたロシアと中国を屈服させるか破壊しなければならないと考えている人もいるだろう。TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)は世界をファシズム化するための協定であり、だからこそ安倍晋三政権はTPPに固執しているのだ。

そうした環境の中、MANPADSによるロシア軍機撃墜が引き起こされた。安倍晋三政権は日本をアメリカの戦争マシーンに組み込もうとしている。日本を「戦争できる国」にするという漠然とした目標に向かっているのではなく、ロシアや中国、特に中国と戦争する準備を進めているのだと考えるべきだ。(了)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802060001/


66. 中川隆[-5650] koaQ7Jey 2018年2月15日 07:51:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.02.15
朝鮮半島の軍事的な緊張を高めている米国が脅している国は脅しに屈しない中国とロシア


朝鮮に対し、アメリカは「鼻血を流す」程度の先制攻撃を計画しているという話が流れている。核兵器を開発していることが攻撃を目論む理由だということになっているが、アメリカは核兵器を保有しているからといって攻撃することはない。そのうえ、アメリカにとって朝鮮は東アジアを不安定化する上で重要な国だ。ジャーナリストのF・ウィリアム・イングダールによると、CIAの幹部でエール大学時代からジョージ・H・W・ブッシュと親しかったジェームズ・R・リリーは、​もし朝鮮が存在しなかったなら、東アジアに第7艦隊を置いておくためにそうした国を作る必要があった​と彼に語ったという。

ところで、現在、核兵器を保有していると言われている国は9カ国ある。アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、インド、パキスタン、イスラエル、そして朝鮮。アメリカの情報機関で分析を担当していた人物によると、日本が核兵器を開発中だとCIAは確信している。核弾頭を保有している可能性も否定はできない。

第2次世界大戦、日本でも核兵器の開発が進められていたことが知られている。理化学研究所の仁科芳雄を中心とした陸軍の二号研究と海軍が京都帝大と検討していたF研究だ。陸軍は福島県石川郡でのウラン採掘を決め、海軍は上海の闇市場で130キログラムの2酸化ウランを手に入れて1944年には濃縮実験を始めたという。

1945年に入るとドイツは約540キログラムの2酸化ウランを潜水艦(U234)で運ぼうとしたが、アメリカの軍艦に拿捕されてしまう。日本側は知らなかったようだが、アドルフ・ヒトラーの側近だったマルチン・ボルマンは潜水艦の艦長に対し、アメリカの東海岸へ向かい、そこで2酸化ウランを含む積み荷をアメリカ海軍へ引き渡すように命令していたという。このUボートに乗り込んでいた日本人士官は自殺、積み荷はアメリカのオーク・リッジ国立研究所へ運ばれたとされている。(Simon Dunstan & Gerrard Williams, “Grey Wolf,” Sterling, 2011)

戦後、1964年に中国が初めて核実験を実施すると、佐藤栄作政権は核武装への道を模索(Seymour M. Hersh, “The Price of Power”, Summit Books, 1983)、65年に佐藤首相がアメリカを訪問してリンドン・ジョンソン大統領と会談した際、「個人的には中国が核兵器を持つならば、日本も核兵器を持つべきだと考える」と伝えている。(NHK「“核”を求めた日本」2010年10月3日)

CIAなどが核兵器開発の中心になっていると疑っていた「動力炉・核燃料開発事業団(現在は日本原子力研究開発機構)」が設立されたのは1967年のこと。1969年に日本政府は西ドイツ政府と核兵器に関して秘密裏に協議、この年に成立したリチャード・ニクソン政権で大統領補佐官に就任したヘンリー・キッシンジャーは彼のスタッフに対し、日本もイスラエルと同じように核武装をすべきだと語っていたという。(Seymour M. Hersh, “The Samson Option,” Random House, 1991)

ジャーナリストのジョセフ・トレントによると、東電福島第一原発で炉心がメルトダウンするという過酷事故を引き起こした2011年3月当時、日本には約70トンの核兵器級プルトニウムを蓄積していたという。そうした状況を生み出す大きな節目になったのが1987年のアメリカにおける予算。

1972年からアメリカではCRBR(クリンチ・リバー増殖炉)計画が進められていたのだが、77年に大統領となったジミー・カーターの政策で計画は中止になる。1981年から大統領を務めたロナルド・レーガンはこの計画を復活させるが、87年に議会は予算を打ち切ってしまう。

そこで登場してくるのが日本の電力会社。その際、日本側から核兵器に関する技術を要求、それは受け入れられた。中でも日本人が最も欲しがっていたサバンナ・リバーにある高性能プルトニウム分離装置に関する技術も入手する。小型遠心抽出機など関連する機器は東海再処理工場のRETF(リサイクル機器試験施設)へ送られている。この施設では高速増殖炉の使用済み核燃料を再処理し、兵器級プルトニウムを取り出すことが可能。また日本から毎年何十人もの科学者たちがクリンチ・リバー計画の関連施設を訪れ、ハンフォードとサバンナ・リバーの施設へ入っている。

ところで、1945年4月に急死したフランクリン・ルーズベルト大統領の後任として副大統領から昇格したハリー・トルーマンは中国に国民党政権を樹立するつもりだったが、大方の予想を裏切る形でコミュニストが勝利してしまう。1949年1月に解放軍は北京に無血入城、コミュニストの指導部も北京に入りし、5月には上海を支配下においた。

中華人民共和国が成立するのはその年の10月だが、そのときに天安門広場でコミュニストの幹部を一気に暗殺し、偽装帰順という形で各地に配置した軍隊に蜂起させて中国を制圧しようという計画があった。

この計画は失敗に終わるが、翌年の1950年3月にアメリカの破壊工作(テロ)部隊のOPCと国民党軍がビルマ(現在のミャンマー)の一部を占領、その年の6月に朝鮮戦争が勃発した。

実は、戦争勃発の3日前、アレン・ダレスの兄であるジョン・フォスター・ダレスが朝鮮半島から日本へわたり、吉田茂と会談した後にニューズウィーク誌の東京支局長だったコンプトン・パケナムの家で夕食会に参加している。日本側から出席したのは大蔵省の渡辺武、宮内省の松平康昌、国家地方警察企画課長の海原治、外務省の沢田廉三だ。

そして1950年10月にOPCはCIAに吸収され、51年1月にはアレン・ダレスが破壊活動担当の副長官としてCIAへ入る。1952年8月にOPCを中心に計画局が設置され、53年2月にダレスはCIA長官に就任した。その間、1951年4月にCIAの顧問団に率いられた国民党軍約2000名が中国へ軍事侵攻、一時は片馬(ケンマ)を占領した。翌年の8月にも国民党軍は中国に侵攻して国境から約100キロメートルほど進んだが、この時も人民解放軍の反撃で失敗に終わった。その後もアメリカは中国支配を目論んでいる。

中国との関係修復に乗り出したリチャード・ニクソン大統領はスキャンダルで失脚、1980年代に中国は新自由主義を導入してアメリカ支配層の影響下に入ったと見られていたが、ネオコンの世界制覇プランを見てロシアへ接近、今では戦略的パートナーになった。アメリカは基軸通貨を発行する特権で支配システムを維持している国だが、その特権が中国とロシアによって揺さぶられている。

世界の覇者になるという1992年2月に立てられた計画に執着するアメリカの支配層としては、中国とロシアを屈服させるか破壊するしかない。ソ連の消滅とロシアの属国化を受けてネオコンは1992年の計画を立てたのだが、21世紀に入ってロシアは独立した。それでも軍事力で脅せば屈服する、アメリカが軍事力を行使してもロシアや中国は出てこないという前提でネオコンは動いた。1991年1月にアメリカ軍を主力とする軍隊がイラクを攻撃したが、その際にソ連軍が出てこなかったことから、そうした考えを持つようになったようだ。

その後、2003年3月にアメリカ主導軍はイラクを先制攻撃、サダム・フセインを排除しているが、この時もロシアは出てこなかった。そして2008年8月にアメリカやイスラエルを後ろ盾とするジョージア(グルジア)が南オセチアを奇襲攻撃する。この時もロシア軍は出てこないと思ったのだろうが、実際は猛烈な反撃でジョージア軍は粉砕された。おそらくそれ以上にアメリカの好戦派がショックを受けたのが2015年9月のシリアへのロシア軍の介入。しかもアメリカが思っていたより兵器の能力がかなり高かった。

朝鮮半島では中国がアメリカに対し、朝鮮への先制攻撃は許さないと警告している。「鼻血を流す」程度なら大丈夫だというのはアメリカ側の希望的観測。現実はそうした推測通りに展開してこなかったが、ネオコンは最初の思い込みから逃れられないようだ。韓国政府が軍事的な緊張を緩和させようと動いているのは当然。そうしたことに異を唱える隣人がいるとするならば、その人は正気でないのだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802150000/


67. 中川隆[-5605] koaQ7Jey 2018年2月24日 16:32:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.02.24
中国を軍事的に封じ込めるために必要なフィリピンで米国はテロリストを使い、再植民地化を目論む



アメリカは2001年10月以降、「不朽の自由作戦」の旗印を掲げながら侵略戦争を続けてきた。その年の9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)への攻撃に対する報復だとされているが、調査をする前に「アル・カイダ」というタグを振りかざし、証拠があれば容疑者を引き渡すというアフガニスタンを先制攻撃、存在しない大量破壊兵器を口実にしてイラクを先制攻撃、破壊と殺戮は今でも続いている。その「不朽の自由作戦」の一環としてアメリカは2002年1月からフィリピンでも軍事作戦(途中、不朽の自由作戦-フィリピンから自由の鷲作戦へ名称変更)を展開した。2015年2月に終了したことになっているが、植民地化という目的を達成するまで終えることはないだろう。

2016年6月からフィリピンの大統領を務めているロドリゴ・ドゥテルテは前任者のベニグノ・アキノ3世と違い、アメリカの言いなりになってこなかった。中国を敵視する政策も軌道修正、ロシアに接近している。こうした行動がアメリカの支配層を怒らせたことは間違いないだろう。ドゥテルテによると、2016年9月に彼は情報機関からアメリカが彼を殺したがっているという報告を受けたという。

2017年5月23日にフィリピン南部、ミンダナオ島のマラウィ市をダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)系の武装集団が制圧した。この地域は以前からダーイッシュが活発に動いていて、市内には500名程度の戦闘員がいると見られていた。こうした事態を受け、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領はミンダナオ島に戒厳令をしいた。

このほか、東南アジアではインドネシア、マレーシア、タイなどでサラフィ主義者が活発に動き始め、ミャンマーでアウン・サン・スー・チー派から弾圧されているロヒンギャと呼ばれるイスラム教徒の居住地へ潜り込み始めているとする話も伝わっていた。

そのマラフィ市へアメリカ軍は特殊部隊を派遣した。アメリカ大使館はフィリピン政府から要請に基づていると説明したが、ドゥテルテ大統領はアメリカ側に支援を頼んでいないとしている。「テロリスト」を侵略の口実にするのはアメリカの常套手段。「不朽の自由作戦」の目的もそこにある。

アメリカがフィリピンを植民地にしたのは20世紀の初頭。1899年から1902年にかけての侵略戦争を経て植民地化に成功したのだ。現地での略奪以上に重要だったのは中国侵略の拠点としての役割。言うまでもなく、アメリカはフィリピンへ「解放軍」として来たわけではない。このアメリカを幸徳秋水は帝国主義国の一つに挙げた。今も実態に変化はないのだが、「自由と民主主義」というタグをつけ、世界を我が物顔に闊歩している。行っていることは侵略、破壊、殺戮、略奪。昔と同じだ。

現在、アメリカ軍は太平洋からインド洋をひとつの行動範囲と考えているが、そこでアメリカに従っているのはオーストラリア、インド、そして日本。オーストラリアはアングロ・サクソン系の国であり、インドの現政権はイスラエルと緊密な関係にある。アメリカはこの3カ国だけでなく、フィリピン、ベトナム、韓国を結びつけて「東アジア版NATO」を作り上げようとしていた。韓国のアメリカ離れはクーデターで軍事政権を樹立させない限り止まらないだろう。ベトナムはかつてアメリカに侵略戦争で破壊された国であり、エリートを籠絡できても全体を屈服させることは難しい。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802230000/


68. 中川隆[-5477] koaQ7Jey 2018年3月09日 09:20:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
2018.03.08
米政権内でネオコンのマクマスター国家安全保障補佐官をネタニヤフ人脈が外そうとする動き

​アメリカでH・R・マクマスターを国家安全保障補佐官から外そうとする動きがあると伝えられている。そうした動きの中心にはカジノ経営者でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいシェルドン・アデルソンがいるのだという。


アデルソンは2016年の大統領選でドナルド・トランプ陣営へ多額の寄付をしていたことで知られ、チャールズ・クシュナーとジャレド・クシュナーの親子ともつながる。チャールズはかつてトランプ大統領の開発業者仲間で、ジャレドはトランプの娘が結婚した相手だ。


マクマスターの前任者であるマイケル・フリン中将は元DIA局長。フリンが局長を務めていた​2012年にDIAはバラク・オバマ政権のサラフィ主義者やムルリム同胞団を支援する政策を危険だと警告​、そうした情報はドナルド・トランプに知らされていただろう。そのトランプは大統領選でロシアとの関係修復を訴え、アメリカの有力メディアから激しく批判されている。フリンがホワイトハウスから追われた後、トランプ大統領は好戦的な政策を打ち出すが、その背後にはマクマスターがいる。


マクマスターはデビッド・ペトレイアス大将の子分として有名。ペトレイアスは中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、CIA長官を歴任した軍人で、リチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントン元国務長官に近いネオコン。この人脈には世界的な投機家として知られているジョージ・ソロスも含まれ、その背後にはロスチャイルドが存在する。(この辺の事情は以前に書いたことがあるので、今回は割愛する。)現在、ソロスはイスラエルでネタニヤフを攻撃しているとも伝えられている。


ペトレイアスは1985年から87年にかけてウエスト・ポイント(陸軍士官学校)の教官を務めているが、その際にエル・サルバドルを訪問、同国で展開された「汚い戦争」に感銘を受けたようで、のちにその手法をイラクでの戦争に持ち込んでいる。


​イラクの特殊警察コマンドを訓練していたジェームズ・スティール退役大佐​は1984年から86年にかけて軍事顧問団の一員としてエル・サルバドルで活動、アメリカ支配層にとって好ましくないと思われる人々を殺害していた「死の部隊」の黒幕グループの一員ということになる。そのエル・サルバドルでペトレイアスはスティールと出会った。スティールはポール・ウォルフォウィッツともつながり、国防長官だったドナルド・ラムズフェルドによってイラクへ送り込まれた。


ラテン・アメリカで猛威を振るった死の部隊の主要メンバーはSOA(南北アメリカ訓練所)で訓練を受けている。この施設は1946年にパナマで創設され、中南米の軍人に対反乱技術、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、軍事情報活動、尋問手法などを訓練していた。そうした軍人は帰国後、軍事クーデターの中心人物になったり死の部隊を編成したりしている。


しかし、1984年にSOAはパナマを追い出され、アメリカのジョージア州にあるフォート・ベニングに移動、2001年には西半球治安協力研究所(略称はWHISCまたはWHINSEC)へ名称を変更した。勿論、その体質に変化はない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201803080000/


69. 中川隆[-7844] koaQ7Jey 2018年4月07日 08:19:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-10006]
2018.04.07
米国の世界戦略をめぐり、ネオコンとジャボチンスキー派の対立が激化している可能性



 ドナルド・トランプ大統領はアメリカ軍をシリアから引き揚げると口にする一方、中国に経済戦争を、またロシアに外交戦争を仕掛けている。ロシアとの国境近くで軍事力を増強、ロシアから「レッド・ライン」を超えたと非難されている。中露に対する挑発は冷戦の成功体験にすがってのことかもしれないが、以前とは状況が違う。アメリカはシリア侵略に失敗、撤退は間違った政策ではないが、石油資源をアメリカ支配層が諦めることはないだろう。つまり支配層との対立が激しくなる。イスラエルやサウジアラビアはイラン攻撃をアメリカへ要求、この方面も撤退には反対だろう。

 1992年2月に国防総省のDPG草案という形で作成された世界制覇プラン、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンからも推測できるように、ネオコンのプランには中東全域の石油資源支配も含まれている。そこでイラク、シリア、イランという自立度の高い体制を破壊しようとしたわけだ。

 何度も書いてきたが、1991年の段階でポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官が2007年に語っている。(​3月​、​10月​)


 クラークによると、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから10日ほどのち、統合参謀本部で攻撃予定国のリストが存在することを知らされたともクラークは語っている。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランの順だったという。2003年3月にイラクをアメリカ主導軍が先制攻撃した後、2011年2月にリビアへ、そして同年3月にシリアへアル・カイダ系武装集団、つまり1970年代の終盤に作られた傭兵システムを使って侵略したわけだ。

 リビアとシリアを侵略した黒幕はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、オスマン帝国の復活を夢想していたトルコ、そして天然ガスのパイプライン建設をシリアに拒否されたカタールなどだ。そのうちトルコとカタールはすでに離脱している。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はNATOとアル・カイダ系武装集団が連携して2011年10月に破壊したが、シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すことはできなかった。シリア政府の要請でロシア軍が2015年9月30日から軍事介入、いまではアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(実態に大差はない)は壊滅状態。そこでアメリカはクルドを新たな手先にしてイラクからシリアにいたる地域に「満州国」を建設しようとしたが、トルコ軍の軍事侵攻でアメリカとクルドとの関係は微妙になっている。

 アメリカ軍は勝手にシリアで基地を建設してきた。トルコ政府によると、アメリカ軍が建設した基地の数は13だが、ロシアの安全保障会議はアメリカ軍は20カ所に基地を作ったとしている。トランプ大統領は自国軍を引き上げると言っているが、アメリカ、フランス、イギリスの3カ国はシリアに展開している特殊部隊を増強中だ。トルコでの報道によると、フランスはシリアの北西部、トルコとの国境近くに5つの秘密基地を建設済み。

 アメリカの場合、特殊部隊はCIAとの関係が深く、統合参謀本部の意向に関係なく侵略戦争を継続する可能性もある。CIAを創設したのはウォール街の大物たちで、トランプの仲間とは言えない。クルドを使うだけでなく、シリア侵攻の黒幕たちは新たな武装集団を編成して侵略戦争を継続しようとする可能性もある。特殊部隊の動きを見る限り、シリアから撤退するようには見えない。

 マイケル・フリン元DIA局長が解任されたあとに国家安全保障補佐官に就任したH・R・マクマスター中将はデビッド・ペトレイアス大将の子分として有名。そのペトレイアスは中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、CIA長官を歴任した人物で、リチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントン元国務長官に近い。この人脈には世界的な投機家として知られているジョージ・ソロスも含まれ、議会はその影響下にある。つまりネオコンだ。

 それに対し、ジョン・ボルトンはトランプ大統領と同じように、シェルドン・アデルソンの影響下にある人物。必然的にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相につながる。以前にも何度か書いたが、ネタニヤフ首相の父親、ベンシオン・ネタニヤフはニューヨークでウラジミール・ジャボチンスキーの秘書として働いている。

 ジャボチンスキーは1925年に戦闘的シオニスト団体の「修正主義シオニスト世界連合」を結成した人物で、1931年にはテロ組織と言われているイルグンを組織した。そこから飛び出したアブラハム・スターンが1940年に創設した新たなテロ組織がレヒ、いわゆるスターン・ギャングだ。スターン・ギャングが作られた年にジャボチンスキーは心臓発作で死亡した。

 ネオコンの思想的な支柱と言われている人物はシカゴ大学の教授だったレオ・ストラウスで、ウォルフォウィッツは同教授の下で博士号を取得している。戦略面はやはりシカゴ大学の教授だったアルバート・ウールステッターが大きな影響を及ぼした。

 後にネオコンと呼ばれる集団の中核を占める人々は若い頃、ヘンリー・ジャクソン議員の事務所で訓練を受けていた。1972年の大統領選挙で戦争反対を訴えていた民主党の大統領候補、ジョージ・マクガバンを落選させるため、民主党内に反マクガバン派のCDM(民主党多数派連合)を編成している。このCDMからネオコンは生まれるが、その集団に「元トロツキスト」も多い。レオン・トロツキーの信奉者だった、あるいはそう名乗っていたということだ。投機家のジョージ・ソロスやヒラリー・クリントンもこの人脈に属している。

 現在、イスラエルではソロスとネタニヤフが戦っているようだが、当然だろう。ボルトンはネタニヤフ側だ。ボルトンがシオニストであることは確かだが、ネオコンと呼ぶべきではないかもしれない。

 トランプ政権はCIAやFBIという機関と対立しているが、ボルトンはイスラエルの情報機関モサドの長官と接触していると言われている。モサドはジャボチンスキーの人脈と関係が深い。

 サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子もアデルソンに近く、イスラエルとの同盟関係を隠そうとせず、反パレスチナを公言している。こうした発言やエルサレムへのアメリカ大使館移設は中東の人々を必要以上に刺激すると中東支配という目的にとってマイナスになると考えているネオコンとは意見が違うが、この段階になると、ネオコンは修復できないだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804070000/


70. 中川隆[-10471] koaQ7Jey 2018年4月19日 08:04:14 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-11224]
2018.04.19
軍事的な緊張を高めている英首相、その夫は戦争ビジネスに多額の投資をしている会社の重役


 テレサ・メイ英首相の夫、フィリップが注目されている。アメリカのカリフォルニア州を拠点とする資産運用会社キャピタル・グループの重役なのだが、その会社は戦争ビジネスに多額の資金を投入している。​ロッキード・マーチンの場合、発行済み株式の7.69%(70億ドル相当)を保有​しているという。軍事的な緊張が高まり、戦争になれば大儲けだ。

 そうした会社の重役を夫にするメイ首相は証拠を示すことなくロシアを悪魔化して描いて両国の関係を悪化させ、証拠を示すことなく化学兵器話を広めてシリアをミサイル攻撃した。シリア北部にはアメリカやフランスと同じように特殊部隊を潜入させている。こうした国々がシリアの油田地帯を支配しようと目論んでいることは公然の秘密だ。ちなみに、ヒラリー・クリントンは上院議員時代、ロッキード・マーチンの代理人と言われ、その後は巨大金融資本とも結びついた。

 第43代アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュも戦争を好んでいた。「経済を復活させる最善の方法は戦争」であり、「アメリカの経済成長は全て戦争によって促進された」とブッシュ・ジュニアが語っていたとアルゼンチンのネストル・キルシュネル元大統領は証言している。(Produced and directed by Oliver Stone, “South Of The Border”, September 2009)

 兵器産業や傭兵会社を含む戦争ビジネス、不特定多数の人間を監視したり思想を調べる技術を開発している治安関連の業界、人々の嗜好、思想、行動をコントロールする広告産業だけでなく、こうした戦争が利益に直結している会社に投資している金融資本も戦争の原動力になっている。

 現在、世界を戦乱へと導いているのはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、そしてイギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビだ。日本は三国同盟に従属している。

 三国同盟が結成されたのは1970年代の終盤。ジミー・カーター政権の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで始めた秘密計画に基づいてCIAは1979年4月からイスラム武装勢力への支援プログラムを始める。その武装勢力の中心はサウジアラビアが送り込んだはサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)やムスリム同胞団。そうした戦闘員にCIAは爆弾製造や破壊工作の方法を教え、都市ゲリラ戦も訓練、武器/兵器を与えて侵略戦争を始めたのだ。現地の武装集団とも連携したが、その仲介役はパキスタンの情報機関ISIであり、イスラエルも協力している。そして1979年12月にソ連の機甲部隊がアフガニスタンへ軍事侵攻、ブレジンスキーの作戦は成功した。その後、三国同盟が編成した戦闘集団とソ連軍との戦いは続く。

 サイクス・ピコ協定はオスマン帝国の領土分割などを決めた秘密協定で、イギリスのマーク・サイクスとフランスのフランソワ・ジョルジュ-ピコの協議で原案が作られたことからこう呼ばれている。後にロシアも参加するが、1917年11月のロシア十月革命で実権を握ったボルシェビキ政権によって協定の存在が暴露されている。ちなみに、ウラジミル・プーチン露大統領はイギリスやフランスを含む勢力の中東支配プランに加担していない。

 この協定が結ばれた翌月、つまり1916年6月にイギリス外務省アラブ局はアラブ人を扇動して反乱を起こさせている。その部署にトーマス・ローレンス、いわゆる「アラビアのロレンス」も所属していた。このロレンスが接触、支援したアラブ人がフセイン・イブン・アリ。この人物にイギリスのエジプト駐在弁務官だったヘンリー・マクマホンはアラブ人居住地の独立を支持すると約束している。フセイン・マクマホン協定だ。

 イブン・アリは1916年にヒジャーズ王国を建国しているが、このアリはイブン・サウドに追い出されてしまう。そして1932年にサウジアラビアと呼ばれる国が登場した。サウジアラビア建国の背後ではイギリスが蠢いている。

 サイクス・ピコ協定が露見した2年後、つまり1917年11月に「バルフォア宣言」、つまりイギリスのアーサー・バルフォア外相の名義でウォルター・ロスチャイルド宛てに送られた書簡が書かれた。その宣言の中で「イギリス政府はパレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成する」と約束している。

 イギリス政府が言う「ユダヤ人の民族的郷土」は1948年に作られた。この年の4月4日にシオニストはダーレット作戦を発動、デイル・ヤシンという村をシオニストのテロ部隊であるイルグンとスターン・ギャングは襲い、住民を惨殺する。襲撃の直後に村へ入った国際赤十字のジャック・ド・レイニエールによると254名が殺され、そのうち145名が女性で35名は妊婦。イギリスの高等弁務官、アラン・カニンガムはパレスチナに駐留していたイギリス軍のゴードン・マクミラン司令官に殺戮を止めさせるように命じたが、拒否された。(Alan Hart, “Zionism Volume One”, World Focus Publishing, 2005)

 この虐殺を見て多くのアラブ系住民は避難を開始、約140万人いたパレスチナ人のうち5月だけで42万3000人がガザ地区やトランスヨルダン(現在のヨルダン)に移住した。その後の1年間で難民は71万から73万人に達したと見られている。シオニストが占領した地域にとどまったパレスチナ人は11万2000人にすぎないという。

 イギリスの学者で地政学の父とも呼ばれているハルフォード・マッキンダーは1904年、世界制覇のためのプランを発表した。彼は世界支配を実現するためにカギはロシアにあると考える。広大な領土を有し、豊富な天然資源、多くの人口を抱えるからだ。この理論に基づいてズビグネフ・ブレジンスキーも戦略を立てている。

 そのロシアを締め上げるため、マッキンダーはユーラシア大陸の沿岸地域に広大な弧を想定する。西ヨーロッパ、中東、インド、東南アジア、朝鮮半島をつなぐ三日月帯で、西の端にはイギリス、東の端には日本がある。この三日月帯の上にイギリスはサウジアラビアとイスラエルを作り上げた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804190000/


71. 中川隆[-11464] koaQ7Jey 2018年4月29日 10:17:35 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-12517]
2018.04.29
朝鮮半島を含む東アジアの平和実現を妨害する米国の好戦勢力に米大統領は抵抗できるのか?


 韓国の文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の会談は東アジアの平和にとって良いことだと言えるが、これで平和が約束されたわけではない。似たような光景を以前も見たことがあるが、その後の展開は芳しくなかった。東アジアの軍事的な緊張を高め、あわよくば中国、そしてロシアを制圧しようと考えている勢力がアメリカ支配層には存在するからだ。

 文大統領と金委員長は朝鮮半島の「完全な非核化」を目指すというが、これはアメリカ軍を巻き込むことになる。韓国にミサイルを配備、戦争の準備を進めてきたアメリカ軍が非核化に協力するだろうか?

 もし朝鮮半島からアメリカ軍が核兵器を撤去することを決めたなら、日本へ持ち込むという事態が想定できる。第7艦隊がいなくなるとは思えない。核ミサイルを搭載した原子力潜水艦が東アジアから消えるということもないだろう。日本が核兵器を開発していることはアメリカの情報機関内の常識。いや、日本以外の常識だろう。「完全な非核化」を実現しようとするなら、日本も巻き込まれる。

 ところで、アメリカではすでにドナルド・トランプ大統領と金委員長との会談が行われないのではという憶測が流れ始めている。もし会談が実施されても交渉が失敗に終わった場合、一気に軍事的な緊張が高まる可能性がある。交渉を失敗させようとはかりごとをめぐらす人もいるだろう。

 そうしたはかりごとに加わりそうない勢力の中に日本の支配階級も含まれる。イギリス(後にアメリカ)による東アジア侵略の手先になることで日本の権力者になった彼らは今も日本を支配、そうした勢力にとって東アジアの平和は自分たちの地位と富を危うくする望ましくない状況だ。

 そうした日本人を操るアメリカの勢力も東アジアの平和は望んでいない。平和は中国やロシアを中心とする経済圏を生み出すことになり、アメリカ軍が東アジアに駐留する意味はなくなる。勿論、ソ連消滅で存在意義がなくなったはずのNATOは今でも存在しているので、居座ることもできるが、ヨーロッパよりは難しいだろう。

 そうしたアメリカの勢力には戦争ビジネス、軍、情報機関が含まれるが、こうした集合体へ資金を供給してカネを儲けているのは金融資本。本ブログでも指摘したことがあるが、アメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6を創設する際に中心的な役割を果たしたのは金融資本だ。

 その金融資本は現在、大きな問題を抱えている。これも本ブログで繰り返し書いてきたが、経済活動ではなく通貨を発行するで富を築いているのがアメリカの金融資本。通貨を発行するだけならハイパーインフレになってしまうが、アメリカはそれを回収する仕組みを作り上げた。そのひとつが産油国にドルを集めての回収(ペトロダラー)であり、もうひとつが規制緩和で肥大化した投機市場へのドル吸い上げ。こうしたことができるのはドルが基軸通貨だからだ。

 ドルが基軸通貨の地位から陥落、石油や天然ガスの取り引きにドルが使われなくなるとアメリカの支配システムは揺らぐ。投機市場が収縮を始めたなら、システムは短時間に崩壊するだろう。

 現在、ドル体制を揺るがしているのは中国とロシア。シリアでの戦争を見てアメリカに対する恐怖は世界的に薄くなり、中国とロシアとの存在感が強まっている。この両国を屈服させるか破壊しようと必死なのがアメリカの好戦派だ。こうした勢力が朝鮮半島を含む東アジアの平和実現を妨害することになる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804290001/



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