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たけしくんの投資日記 10年目-1 調査報告書 ストック1 銅投資>ザンビア>三菱商事
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投稿者 たけしくん 日時 2026 年 1 月 06 日 07:46:40: IjE7a7tISZsr6 gr2Cr4K1gq2C8Q
 

(回答先: たけしくんの投資日記 9年目 とりあえずまだ生きている。過去最高の投資収益も出ている 投稿者 たけしくん 日時 2025 年 12 月 17 日 09:10:43)

投資調査レポート:三菱商事 (8058) — 2026年戦略的展望と銅事業を中心としたリスク・メリット分析
1. イントロダクション:2026年の投資環境と三菱商事の立ち位置
2026年1月、世界の資源市場と日本の株式市場は、過去数年間の激動を経て新たな均衡点を探るフェーズにある。本レポートは、三菱商事(証券コード:8058)の投資価値を、2026年初頭の市場環境、特に同社が「中期経営戦略2027」において成長の要諦と位置付ける銅事業、およびその最重要フロンティアであるザンビア共和国の地政学・マクロ経済情勢に焦点を当てて分析するものである。

1.1 グローバルマクロ経済と資源スーパーサイクル
2026年の世界経済は、インフレの沈静化と金利の正常化が進む中で、地域ごとの成長格差が鮮明となっている。米国経済はソフトランディングの様相を呈しつつあるが、中国経済の構造調整は継続しており、資源需要の牽引役は従来の「中国のインフラ投資」から「世界的な脱炭素化(Electrification)」へと完全にシフトした。

特に銅市場においては、2025年から供給不足が顕在化し始めている。ゴールドマン・サックス等の主要金融機関は2026年の銅価格見通しを引き上げており、AIデータセンターの急増による電力インフラ需要と、電気自動車(EV)普及による構造的な需要増が、供給の伸び悩みを上回る「スーパーサイクル」の到来を示唆している。チリやペルーといった伝統的な銅産出国では、鉱石品位の低下や水不足、地域コミュニティとの対立により生産が停滞しており、新規供給源の確保が焦眉の急となっている。

1.2 日本市場における商社セクターの再評価
東京証券取引所(TSE)における2026年1月の三菱商事の株価は3,586円前後で推移しており、上場来高値圏にある。この強気相場の背景には、2020年代前半から続くウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイによる日本の総合商社への投資拡大と、それに追随する海外投資家の資金流入がある。商社はもはや単なる「資源ブローカー」ではなく、グローバルなサプライチェーンを構築・維持し、地政学リスクを管理しながら安定的なキャッシュフローを生み出す「戦略的コングロマリット」として再評価されている。予想PER(株価収益率)は約19.4倍と、かつての「万年割安株」の面影はなく、成長期待を織り込んだプレミアムなバリュエーションが付与されている。

2. 三菱商事の企業戦略:「中期経営戦略2027」の深層分析
三菱商事は2025年4月に「中期経営戦略2027」を発表し、2027年度に向けた新たな成長ロードマップを提示した。本戦略は、不確実性が高まる世界情勢の中で、同社の「総合力(Integrated Strength)」を結集し、企業価値の持続的な向上を目指すものである。

2.1 定量目標と進捗状況
新戦略において設定された主要な定量的目標は、投資家に対して明確なメッセージを送っている。特に重視されているのは「成長性」と「資本効率」の両立である。

指標 目標値 (2027年度) 2026年1月時点の進捗評価
基礎営業キャッシュフロー 年平均成長率 10%以上
資源価格の高止まりと北米・豪州事業の堅調さにより順調に推移

ROE (自己資本利益率) 12%以上
自社株買いの継続と資産入替により、目標達成に向けた軌道に乗っている

Net DER (純負債資本倍率) 0.6倍程度を上限
財務健全性を維持しつつ、銅事業等へのレバレッジ活用余地を確保


アナリストコンセンサスでは、今後3年間のEPS(一株当たり利益)成長率は年率16%と予測されており、市場平均の9%を大きく上回る成長が見込まれている。これは、同社が既存の化石燃料資産から得られるキャッシュを、高成長が見込まれるEX(エネルギートランスフォーメーション)およびDX(デジタルトランスフォーメーション)領域へ効率的に再配分できていることの証左である。

2.2 株主還元政策のコミットメント
投資家にとっての主要なメリットの一つは、同社の強固な株主還元方針にある。三菱商事は「累進配当」を基本方針として掲げており、これは減配を行わず、利益成長に合わせて配当を維持または増額することを意味する。2026年3月期の配当予想は1株当たり55円(分割考慮後)とされており、前年比で増配となる見通しである。配当利回りは約3.0%から3.1%の水準を維持しており、インカムゲインを重視する投資家にとっても魅力的な水準にある。

加えて、総還元性向(配当+自社株買い)を30%〜40%とする方針の下、機動的な自社株買いが実施されている。これは、株式需給を引き締めると同時に、ROEの向上に寄与する。特に、資源価格の下落局面において株価の下支え要因として機能するため、ボラティリティの高い資源セクターへの投資リスクを一定程度緩和する効果がある。

3. 銅事業戦略:グローバルポートフォリオの再構築
三菱商事の成長戦略の中核をなすのが「銅」である。世界的な脱炭素化の流れの中で、銅は再生可能エネルギー設備、EV、送電網の拡充に不可欠な戦略物資となっている。2026年以降、需給逼迫が深刻化すると予測される中、同社は北米とアフリカという新たな地域への投資を加速させている。

3.1 北米戦略:Hudbay Mineralsとの戦略的提携
2025年8月、三菱商事はカナダのHudbay Minerals社が保有する米国アリゾナ州の「Copper World」プロジェクトに対し、6億ドル(約900億円)を投資し、30%の権益を取得することに合意した。

この投資には複数の戦略的意義がある。第一に、カントリーリスクの分散である。後述するザンビア等の新興国への投資には固有のリスクが伴うが、地政学的に安定し、法制度が整備された米国(アリゾナ州)に資産を持つことで、ポートフォリオ全体のリスクプロファイルを最適化している。第二に、米国市場への直接的なアクセスである。米国のインフレ抑制法(IRA)などの政策支援により、米国国内で生産される重要鉱物の価値は高まっており、「Made in America」の銅供給能力を持つことは、将来的なオフテイク(引取権)の価値を最大化する。

Copper Worldプロジェクトは、最終投資決定(FID)を2026年頃に予定しており、2020年代後半の需要逼迫期に生産を開始できるタイムラインにある。また、Hudbay社との提携は、同社が持つ高い鉱山運営ノウハウと、三菱商事の資金力・グローバルネットワークを補完し合う関係にあり、プロジェクトの成功確率を高めている。

3.2 既存資産の収益貢献とポートフォリオ管理
三菱商事は、チリ(Escondida、Los Pelambres等)やペルー(Quellaveco)にも世界最大級の銅資産権益を保有している。2026年時点では、これらの既存鉱山が安定的なキャッシュカウとして機能しており、新規プロジェクト(Copper World、Mingomba)への投資原資を生み出している。特にQuellaveco鉱山は生産量を増加させており、銅価格上昇の恩恵を直接的に享受している。

一方で、チリ等の既存産出国では、鉱石品位の低下や環境規制の強化によるコスト増が課題となっている。三菱商事は「Value-Added Cyclical Growth Model(価値付加による循環型成長モデル)」に基づき、資産の入替や操業効率化を進め、ポートフォリオの質の維持・向上を図っている。

4. ザンビア:フロンティアへの回帰とリスク・リターンの構造変化
本レポートにおいて最も詳細に分析すべきは、三菱商事が新たな成長の柱として注力するザンビア共和国である。同国はかつての世界的な銅産出国であり、2026年現在、劇的な経済的復活と鉱業投資ブームの只中にある。

4.1 債務再編の完了とソブリンリスクの劇的低下
ザンビアへの投資を検討する上で、最大のリスク要因であった「債務問題」の解決は決定的な転換点となった。2020年にアフリカ諸国で初めてデフォルト(債務不履行)に陥ったザンビアだが、2024年から2025年にかけて、G20の「共通枠組み(Common Framework)」の下で公的債権者および民間債権者(ユーロボンド保有者)との歴史的な債務再編を完了させた。

再編の詳細と投資家への含意: 再編合意において、債権者は約18%から22%の名目価値削減(ヘアカット)を受け入れ、旧債券は新たな2つの債券(Bond AおよびBond B)に交換された。

Bond A (2033年満期): 通常の償還スケジュールを持つが、初期の金利負担は抑制されている。

Bond B (2053年満期): 0.5%という極めて低いクーポンレートが設定され、ザンビア政府の短期的なキャッシュフロー負担を大幅に軽減している。

アップサイド・トリガー: ザンビア経済が予想以上に好転した場合、債務返済が加速される「状況依存条項(State-Contingent Clause)」が組み込まれており、これが政府の経済改革へのインセンティブとなっている。

この再編の成功を受け、2025年11月、S&Pはザンビアの格付けを「選択的デフォルト(SD)」から「CCC+」へ、Fitchは「B-(安定的)」へと引き上げた。Fitchの「B-」格付けは、同国がデフォルト状態を脱し、通常の経済活動が可能な状態に戻ったことを意味する。債券市場においても、新発の2053年債の利回りは3%台で取引されるなど、カントリーリスクプレミアムは劇的に縮小している。

このマクロ経済環境の正常化は、三菱商事が行うような大規模な長期投資にとって不可欠な前提条件である。為替(ザンビア・クワチャ)の安定化や、海外送金の規制緩和、そして何より政府との契約の予見可能性が高まったことは、投資リスクを大幅に低減させる要因である。

4.2 政府の強力なコミットメントと鉱業政策
ザンビアのヒチレマ政権は、2030年代初頭までに銅生産量を年間300万トン(現在の約3倍)に拡大するという野心的な目標を掲げている。この目標達成のため、政府は鉱業税制の安定化や投資環境の整備を積極的に進めており、First Quantum Minerals(FQM)やBarrick Goldといったメジャー各社も数十億ドル規模の拡張投資を発表している。三菱商事の投資は、この国家戦略と完全に合致しており、政府からの強力な支援が期待できるポジションにある。

5. ミンゴンバ(Mingomba)プロジェクト:AIが拓く銅の未来
三菱商事のザンビア戦略の象徴が、米国の探査スタートアップKoBold Metals(コボルド・メタルズ)を通じたミンゴンバ鉱山の開発である。

5.1 プロジェクトの概要と規模
ミンゴンバ鉱山は、ザンビア北部のカッパーベルトに位置し、過去100年間で同国最大の未開発銅鉱床と評価されている。

埋蔵量と品位: KoBold MetalsのCEOであるKurt House氏は、同鉱床を「世界でも類を見ない高品位かつ大規模な鉱床」と表現している。推定資源量は、現在の銅価格(約9,000ドル/トン)換算で数百億ドル規模に達する潜在力を秘めている。

生産計画: 2030年頃までに年間30万トンから50万トンの銅生産を目指している。この規模は、世界的な銅鉱山の中でもトップクラス(Tier 1)に位置づけられる。

開発スケジュール: 2026年から2027年にかけて立坑(シャフト)の建設を開始し、2030年代初頭の本格生産を目指す。

5.2 KoBold Metalsのテクノロジー優位性
本プロジェクトの最大の特徴は、KoBold Metalsが駆使するAI(人工知能)技術にある。同社はビル・ゲイツ(Breakthrough Energy Ventures)やジェフ・ベゾス、そして三菱商事が出資するユニコーン企業である。

KoBoldは「地殻のGoogleマップ(Google Maps for the Earth's Crust)」を標榜し、過去数十年分の地質データ、衛星画像、物理探査データをAIに学習させることで、地下深くに眠る鉱脈を高精度で特定する技術を持つ。ミンゴンバにおいても、過去2年半で120kmに及ぶ掘削調査を行い、従来の地質学的手法では見逃されていた高品位エリアを特定することに成功した。 三菱商事にとって、このプロジェクトは単なる銅権益の獲得にとどまらず、次世代の資源探査技術へのアクセス権を確保するという意味でも極めて戦略的価値が高い。AIによる探査は、開発期間の短縮と成功確率の向上をもたらし、投資効率を飛躍的に高める可能性がある。

6. ザンビアにおけるオペレーショナル・リスク分析
投資メリットが明確である一方で、ザンビアでの事業運営には依然として重大なリスクが存在する。2026年1月時点で最も懸念されるのは「電力」と「物流」である。

6.1 電力危機(Power Crisis)と気候変動リスク
ザンビアは電力供給の80%以上を水力発電に依存しているが、気候変動による降雨パターンの変化が深刻な影響を及ぼしている。

カリバダムの水位低下: ザンビアとジンバブエの国境に位置し、両国の電力供給の心臓部であるカリバダム(Kariba Dam)は、2024年のエルニーニョ現象による歴史的な干ばつにより、2025年初頭には水位が3%台まで低下した。2026年1月時点でも回復は途上であり、発電能力は定格の1,050MWから200MW以下へと激減している事例も報告されている。

鉱業への影響: 電力不足により、ザンビア国内では1日21時間に及ぶ計画停電(ロードシェディング)が発生した実績がある。鉱山会社は生産維持のために高コストなディーゼル発電や輸入電力に頼らざるを得ず、これがキャッシュコスト(C1コスト)を押し上げる要因となっている。

緩和策: 政府と鉱山会社は、太陽光発電(Kariba Floating Solar等)の導入や、石炭火力への一時的な回帰を進めているが、安定供給の確保には数年を要する見込みである。ミンゴンバ鉱山が稼働する2030年までに、十分なベースロード電源が確保できるかが最大のリスク要因である。

6.2 物流インフラのボトルネック
内陸国であるザンビアにとって、銅を港まで運ぶ物流コストは競争力を左右する。

現状: トラック輸送への依存度が高く、国境での渋滞や道路劣化が課題となっている。

ロビト回廊(Lobito Corridor): 米国、EU、アフリカ開発銀行が支援する、アンゴラの大西洋岸(ロビト港)とザンビア・コンゴ民主共和国を結ぶ鉄道改修プロジェクトが進行中である。これが完成すれば、輸出ルートが劇的に改善され、輸送コストと時間の削減が期待できる。ミンゴンバ鉱山はこの回廊の恩恵を直接受ける位置にあり、リスク要因が将来的な競争優位性に転換する可能性がある。

7. 財務分析とバリュエーション (2026年1月時点)
7.1 業績コンセンサスと成長性
2026年3月期(FY2025)および来期(FY2026)に向けた三菱商事の業績見通しは堅調である。資源価格のボラティリティはあるものの、円安基調の定着(1ドル=140円〜150円レンジでの推移想定)と、非資源分野(自動車、食品、電力)の収益積み上げが寄与している。 アナリスト12名によるコンセンサスでは、今後3年間のEPS成長率は年率16%と予測されており、同業他社や市場平均と比較しても高い成長期待が寄せられている。

7.2 バリュエーション評価
現在の株価(約3,586円)に基づく予想PERは約19.4倍である。

割高か適正か: 日本の商社セクターの歴史的なPERレンジ(8倍〜12倍)と比較すると明らかに高い。しかし、グローバルな資源メジャー(BHPやRio Tinto)や、商社の中でも特に成長性の高い企業と比較すれば、このプレミアムは正当化され得る。市場は三菱商事を「オールドエコノミーの商社」ではなく、「EX/DXを牽引する成長企業」として再定義しつつある。

配当利回り: 約3.1%(55円配当)という利回りは、株価の下値抵抗線として機能する。高配当とキャピタルゲインの両方を狙える銘柄としての魅力は依然として高い。

8. 結論:投資判断とシナリオ分析
8.1 総合評価
2026年1月時点における三菱商事への投資は、**「長期的な買い(Long-term Buy)」**と判断される。 同社は、世界的な銅供給不足というメガトレンドに対し、北米(Copper World)とアフリカ(Mingomba)という最適なポートフォリオで応えており、特にAIを活用した探査技術への先行投資は他社に対する明確な差別化要因となっている。ザンビアのカントリーリスクは、債務再編の完了により「危機」から「管理可能なリスク」へと変質しており、同国への早期参入はファーストムーバー・アドバンテージをもたらすだろう。

8.2 想定されるリスクシナリオ
ダウンサイド・リスク: ザンビアの干ばつが長期化し、電力供給が崩壊する場合、ミンゴンバ鉱山の開発遅延やコスト超過が発生する。また、世界的な景気後退により銅価格が急落すれば、株価は調整局面に入るだろう。その場合でも、累進配当政策が株価のフロアとして機能する公算が高い。

アップサイド・シナリオ: 銅価格が構造的な供給不足によりトン当たり12,000ドルを超えて上昇し、かつザンビアのインフラ改善が進む場合、三菱商事の利益水準は切り上がり、株価は4,000円台後半を目指す展開が期待できる。

8.3 投資家への提言
投資家は、三菱商事を単なる配当狙いの銘柄としてだけでなく、脱炭素社会のインフラ構築に不可欠なコモディティへのエクスポージャーを提供する「成長株」としてポートフォリオに組み入れるべきである。ただし、ザンビアの電力情勢や銅市況の変動には留意が必要であり、長期的な視点での保有が推奨される。

詳細分析セクション:データとコンテキストの統合
以下では、上記の結論に至る背景となった詳細なデータ、メカニズム、および市場環境について、専門的な視点から深掘りを行う。

9. マクロ経済環境と銅市場の構造的欠乏
9.1 「銅の時代」の到来
2026年、銅は産業用金属の中で最も重要な戦略的地位を占めている。その背景には、エネルギー転換(Energy Transition)という不可逆的な潮流がある。

需要の構造変化: 従来の建設・家電需要に加え、EV(内燃機関車の約2.5倍の銅を使用)、風力発電(火力発電の数倍の銅を使用)、そしてAIサーバーファーム向けの送電網需要が急増している。IEA(国際エネルギー機関)のシナリオでは、2035年までに年間60万〜70万トンの新規供給が毎年必要とされるが、現状のパイプラインはその半分にも満たない。

供給の断絶: 2024年にパナマのCobre Panama鉱山が閉鎖されたことや、Anglo Americanの生産見通し下方修正など、供給サイドのショックが相次いだ。2026年以降、既存鉱山の減産と新規需要の急増が交差(クロス)し、需給ギャップが決定的になると見られている。

9.2 価格見通し
市場関係者の間では、銅価格が現在の9,000ドル/トン前後から、2020年代後半には12,000ドル〜15,000ドル/トンへ上昇するとの見方が強まっている。三菱商事の業績は銅価格への感応度が高く、価格上昇はそのまま純利益の押し上げ要因となる。

10. ザンビア債務再編の技術的詳細とインプリケーション
ザンビアの債務再編は、単なる金融イベントではなく、同国の主権と経済運営能力の回復を象徴する出来事である。

10.1 ユーロボンド交換のメカニズム
2024年の再編合意は、極めて洗練された金融工学に基づいて設計された。

Bond A vs Bond B: 投資家は、より確実な返済が見込める短期・高金利のBond Aと、超長期・低金利のBond Bの組み合わせを受け入れた。Bond Bの0.5%クーポンは、実質的な債務救済(NPV reduction)を意味する。

同意報酬 (Consent Fee): 再編に応じた債券保有者には、額面の1.5%(総額最大4,500万ドル)の同意報酬が支払われた。これにより、90%以上の高い参加率を実現し、再編プロセスを円滑に進めることに成功した。

トリガー条項: 「ザンビアの債務担持能力が『中(Medium)』に改善する」等の条件が満たされた場合、債務返済が加速される。これは、経済成長の果実を債権者とも共有する仕組みであり、モラルハザードを防ぐ工夫がなされている。

10.2 信用格付けと市場評価
Fitchによる「B-(安定的)」への格付け引き上げは、ザンビアが「デフォルト国」という汚名を返上し、「リスクはあるが投資可能なフロンティア」へと復帰したことを宣言するものである。2053年満期の国債利回りが3%台で取引されている事実は、市場が同国の長期的な存続と支払能力を一定程度信頼していることを示している。 三菱商事にとって、この環境変化は、現地での資金調達コスト低下や、プロジェクトパートナー(他国企業や金融機関)の誘致において追い風となる。

11. KoBold Metalsとミンゴンバ鉱山の深層
11.1 地質学的ポテンシャル
ミンゴンバ鉱床は、FQMのカンサンシ(Kansanshi)鉱山などと同様、ザンビア・カッパーベルトの延長線上に位置するが、その深さと品位において特異である。

掘削実績: 2年半で120kmという驚異的なペースでの掘削が行われた。これは、ザンビアの鉱業史においても類を見ないスピードであり、KoBoldの資金力と技術力を物語っている。

Dumbwaターゲット: 具体的な探査成果として、Dumbwaターゲットでは地表近く(5m以深)で13.5m幅、銅品位0.77%の鉱化帯が確認されるなど、有望なデータが得られている。

11.2 開発体制と社会的インパクト
KoBoldは「Zambia-USA partnership」のフラッグシップとして、米国政府の外交的支援も受けている。また、現地雇用の促進(従業員の99%がザンビア人)や、地元サプライヤーの活用を通じて、社会的ライセンス(Social License to Operate)の確立に努めている。これは、政情不安や暴動のリスクを低減させるための必須の戦略である。

12. エネルギー・ロジスティクスの詳細リスク
12.1 電力ポートフォリオの転換
ザンビア政府は、カリバダムへの依存度を下げるため、エネルギーミックスの多角化を急いでいる。

マアンバ(Maamba)石炭火力: 既存の300MWに加え、拡張計画が進められている。

太陽光: 100MW級の太陽光発電所建設が複数進行中であり、鉱山会社も自社敷地内でのメガソーラー設置を検討している。 三菱商事は、自身のEX戦略の知見を活かし、ミンゴンバ鉱山向けの再生可能エネルギー供給ソリューション(蓄電池併設型太陽光発電等)を自ら構築する可能性もある。これはコストセンターをプロフィットセンターに変える動きとなり得る。

12.2 ロビト回廊の戦略性
ロビト回廊は、中国の一帯一路に対抗するG7の「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」の象徴的プロジェクトである。米国とEUが資金を出し、アンゴラ〜ザンビア間の鉄道を整備する。これにより、銅の輸出リードタイムは数週間単位で短縮される可能性がある。三菱商事の投資は、この西側諸国の地政学的支援という「見えざる資産」にも支えられている。

13. 競合比較:FQM、Barrickとの位置関係
企業名 ザンビアでの主要資産 戦略・状況
First Quantum (FQM) Kansanshi, Sentinel
ザンビア最大の銅生産者。債務削減と流動性確保が課題だが、生産基盤は盤石。税収貢献度No.1

Barrick Gold Lumwana (Super Pit)
Lumwanaの拡張(Super Pit)に20億ドルを投資し、生産量を倍増(24万トン/年)させる計画。2028年完成予定

三菱商事 (KoBold) Mingomba 開発段階(Greenfield)。生産開始は2030年頃。最新技術と高品位が武器だが、キャッシュフロー化には時間を要する。

三菱商事は、FQMやBarrickといった先行する生産者(Brownfield拡張)とは異なり、新規開発(Greenfield)のリスクを取っている。その分、成功時のリターンは大きく、最新の採掘技術や環境対応設備をゼロから導入できるメリットがある。

14. 結論:ポートフォリオにおける三菱商事の役割
投資家にとって、三菱商事の株式を保有することは、以下の3つの要素を同時に保有することを意味する。

インフレヘッジ: 商品市況連動型の収益構造。

インカムゲイン: 累進配当による安定利回り。

グロースオプション: ザンビア銅事業や北米EX事業による非連続な成長。

2026年1月現在、ザンビアのリスクが構造的に低下したことで、3つ目の「グロースオプション」の価値が顕在化しつつある。電力危機という短期的なノイズはあるものの、長期的なエネルギー転換の潮流と、そこにおける三菱商事の優位性は揺るぎない。よって、本レポートは同社に対し、強気(Bullish)の見解を維持する。

引用文献
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Zambia Sovereign credit ratings - data, chart | TheGlobalEconomy.com, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.theglobaleconomy.com/Zambia/credit_rating/
Zambia drought makes investors 'wary' as new bonds start trading - GlobalCapital, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.globalcapital.com/article/2dcw1izqnds2ebg3hhr0g/emerging-markets/zambia-drought-makes-investors-wary-as-new-bonds-start-trading
Barrick's Lumwana Mine Fuels Zambia's Economic Growth With Major Expansion on the Horizon, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.barrick.com/English/news/news-details/2025/barrick-lumwana-mine-fuels-zambia-economic-growth-with-major-expansion-on-the-horizon/default.aspx
$2 Billion Copper Mine in the Lobito Corridor Could be the Largest "Discovery" in 100 Years in Zambia, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.lobitocorridor.org/post/2-billion-copper-mine-in-the-lobito-corridor-could-be-the-largest-discovery-in-100-years-in-zambi
How Kobold Metals Found 300000 Tonnes of Copper Using AI (That Traditional Geologists Missed), 1月 6, 2026にアクセス、 https://chiefaiofficer.com/blog/kobold-metals-ai-copper-discovery-537m-gates-bezos-investment/
Mingomba Mine Set to Transform Zambia's Copper Industry by 2026 - YouTube, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=WnkYBanHGeM
KoBold Metals, 1月 6, 2026にアクセス、 https://koboldmetals.com/
Gates, Bezos-backed KoBold Metals raises $537 million in race for critical minerals, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.mining.com/gates-bazos-backed-kobold-metals-raises-537-million-in-race-for-critical-minerals/
Kariba Dam Water Levels Rise to 6%,Boosts Power Generation Hopes - Equity Axis, 1月 6, 2026にアクセス、 https://equityaxis.net/post/18243/2025/2/kariba-dam-water-levels-rise-to-6-boosts-power-generation-hopes
'Levels are dropping': drought saps Zambia and Zimbabwe of hydropower - The Guardian, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.theguardian.com/global-development/2024/nov/11/levels-are-dropping-drought-saps-zambia-and-zimbabwe-of-hydropower
As Drought Shrivels Hydro, Zambia Pivots to Solar -- With multiple utility-scale arrays now in the works, the country is betting on solar to increase its power capacity by a third. - Reddit, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.reddit.com/r/OptimistsUnite/comments/1i8as9s/as_drought_shrivels_hydro_zambia_pivots_to_solar/
Zimbabwe, Zambia Press Faster Hydro and Solar Projects | POA News - Pulse of Africa, 1月 6, 2026にアクセス、 https://pulseofafrica.info/news/1346
Zambia and Zimbabwe commit to $4.2 billion hydro plant to boost power supply, 1月 6, 2026にアクセス、 https://africa.businessinsider.com/local/markets/zambia-and-zimbabwe-commit-to-dollar42-billion-hydro-plant-to-boost-power-supply/5679b46
CLARIFICATION ON $45 MILLION CONSENT FEE PAYMENT AS PART OF ZAMBIA'S EUROBONDS RESTRUCTURING AGREEMENT - Ministry of Finance and National Planning, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.mofnp.gov.zm/?p=7810
Paying our fair share - First Quantum Minerals, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.first-quantum.com/insights/paying-our-fair-share/
CONDENSED INTERIM CONSOLIDATED FINANCIAL STATEMENTS | First Quantum Minerals Ltd., 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.first-quantum.com/wp-content/uploads/2025/04/Q3-2022-FQM-Financial-Statements-FINAL.pdf
Lumwana Expansion In Full Swing As Barrick Builds Tier One Copper Mine, 1月 6, 2026にアクセス、 https://www.barrick.com/English/news/news-details/2025/lumwana-expansion-in-full-swing-as-barrick-builds-tier-one-copper-mine/default.aspx
 

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