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「適正評価を免れる者(特定秘密保護法)」
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/141.html
投稿者 カッサンドラ 日時 2013 年 12 月 26 日 17:25:45: Ais6UB4YIFV7c
 

 特定秘密保護法はそんなに長い法律ではない。 それに煩わしい括弧書きの部分を消せばかなり読みやすくなる。 法案の段階で突っ込み所が満載だったのだから、改正などされる前にぜひ一読してほしい。 下手をすると3年後には廃止になるかもしれないし。 さて今回は、特定秘密を扱っていながら特定秘密保護法ではあまり触れられていない人たちについてである。


>特定秘密保護法
>第七章 罰則
>第二十三条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。・・・・

 確かに恐ろしい罰則である。 しかし対象者は 「特定秘密の取扱いの業務に従事する者」 であり、しかも特定秘密を漏らした場合という条件が付いている。 では 「対象者」 とはどんな人なのか?  次の条文の通り、適正評価に合格した公務員や民間事業者である。


>第十一条 特定秘密の取扱いの業務は、当該業務を行わせる行政機関の長若しくは当該業務を行わせる適合事業者に当該特定秘密を保有させ、若しくは提供する行政機関の長又は当該業務を行わせる警察本部長が直近に実施した次条第一項又は第十五条第一項の適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者でなければ、行ってはならない。


 これで漏洩に対しては万全であろうか?  しかし特定秘密にアクセスできる人の中には、この適正評価を免除された人たちがいる。 それが次の人たちだ。

>第十一条 ・・・・・ただし、次に掲げる者については、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることを要しない。
> 一 行政機関の長
> 二 国務大臣
> 三 内閣官房副長官
> 四 内閣総理大臣補佐官
> 五 副大臣
> 六 大臣政務官
> 七 前各号に掲げるもののほか、職務の特性その他の事情を勘案し、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることなく特定秘密の取扱いの業務を行うことができるものとして政令で定める者


 これらの人たちは適正評価を受けることなく特定秘密にタッチできる。 仮にお喋りで頭の軽い、しかし当選回数が多い国会議員が 「行政機関の長(大臣)」 になってしまっても、国民にはどうすることもできない。 さらに悪いことに、適正評価の中の
> 六 飲酒についての節度に関する事項
> 七 信用状態その他の経済的な状況に関する事項


に問題があってもチェックはされないのだから、漏洩の危険性は公務員より格段に高くなる。 それに政治家は選挙で応援してくれた業界や団体には頭が上がらないだろうから、なおのこと始末が悪い。 しかし罰則の項目には、彼らについては述べられていない。 この法案を可決したのは国会議員たちだから、自分たちだけは 「そんな事はない」 という自信を持っていたという訳か?  そういうのを 「自信過剰」 というのだが。


 もっとも政治家まで罰則の対象に入れたなら、役人に葬られる大臣が多数出るのではないか、などと危惧したりもして。 私がスパイだったら、こういう脇の甘い大臣に近づくがどうだろう。 大臣の不始末は与党としても極力庇うだろうし。 逆に役人側からしてみれば、こういう大臣には 「極力特定秘密の核心には触れさせない」 方法を取るしかない。 しかし 「特定秘密を指定」 するのは、この 「行政機関の長」 だからどうするか?  すぐに決裁マシンに仕立て上げられることは火を見るより明らかだと、少し考えればわかることだ。 大臣本人の意気込みとは無関係に。  

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コメント
 
01. カッサンドラ 2013年12月27日 17:29:08 : Ais6UB4YIFV7c : JMM8VytInE
 本気で機密漏洩を防ぐつもりなら、政治家たちも「もしかしたら自分もその恐れがあるかもしれない」 と考えなければ片手落ちだ。 公務員については以前から公務員法で、守秘義務は当然のことだったのだから。 何を守秘すべきかは特に定めはなかったものの、うっかり外部に漏らして後で問題になれば「喋った者」 は組織内で必ず見つけ出される。

 もし特定秘密保護法がスパイを捕まえることよりも、漏洩の防止に主眼が置かれているのなら、家中の窓という窓に鍵をかけても肝心の玄関のドアに鍵がなかったら泥棒対策には完璧とはいえまい。 大臣以下の特定秘密に関わる者たちの「第三者による」 適正評価は必須だと思う。

 もっともそうなると、気軽に内閣改造などできなくなるが。 「この大臣候補者は適正評価で不適当と判断されました」 などと発表されるとしたら、大臣候補に手を挙げる者もいなくなるだろうし。 しかし部下に縛りをかけるなら、自分でもそのぐらいの覚悟は必要だろう。


02. カッサンドラ 2013年12月27日 21:10:46 : Ais6UB4YIFV7c : IdtwI4hLv2
 自由民主党広報本部が12月24日に発行した 「The Jimin NEWS(No.167) 特定秘密保護法―3つのポイント―」 の中にこんな文章があった。

>22 一般の方の生活には、全く影響はありません。
>≪一般の方は政府の「特定秘密」に触れることはありません≫
>法律により、このような安全保障についての政府の重要情報は、特定秘密としてより厳格に管理されますので、一般の方が、偶然触れるということはあり得ません。
>何が特定秘密に指定されているか知らない人が、この法律により責任を問われることは一切ありません。

 論理的に考えてみよう。
@重要情報は特定秘密としてより厳格に管理される。
A従って一般人は偶然に触れることはまったくなく、何が特定秘密かは知り得ない。
Bだから一般人は、特定秘密保護法ではそもそも処罰の対象になりえない。
という論理展開である。 なるほど特定秘密を知らない一般人なら、たとえ特定秘密に当たるものを 「教えてくれ」 と言ったとしても特定秘密保護法では罪に問えない、と言いたいらしい。 賛成した与党が正式に広報していることだから、一応信じてみよう。

 ここからは仮定だが、正真正銘のスパイが特定秘密を狙い一般人Aを使って公務員Bに働きかけた、とした場合に特定秘密保護法は適用されないのだろうか?  スパイは陰にいて姿を現さない。 捜査対象者はAとBだけである。 一般人Aは何が特定秘密だか知らないはずだ。 この場合先の論理では公務員Bだけが特定秘密保護法に該当し、一般人Aは該当しないことになる。 これでいいのだろうか?

 仮定その二、一般人Aは○○大臣の地元での基調講演会のおりに 「特定秘密らしきもの」 の話をたまたま聞いた。 それで知り合いの公務員Bにその内容を尋ねた。 この場合一般人Aは 「漏洩を教唆」 した罪で五年以下の懲役の判決を受けるのだろうか?  先の論理では、一般人は特定秘密について絶対に知ることはない、と太鼓判を押していた。 では捜査対象にさえならないということでいいのだな?

 仮定その三、特定秘密の項目を探り出した誰かがインターネットでその情報を公開した。 誰かとは国内人とは限らない。 その情報により日本人はすべて 「何が特定秘密」 かを知ることが可能だった、とした場合でも 「一般人だから」 特定秘密保護法の対象外と考えて差し支えないのだな?


03. カッサンドラ 2013年12月28日 14:27:38 : Ais6UB4YIFV7c : aoIHrnz1Tk
 「特定秘密を知るはずのない一般人」 を利用すれば、スパイが表に出なくとも機密を漏洩させることが可能なことは推理小説マニアでなくとも察しがつく。 そして外部に出てしまった機密情報は瞬時に本国へ送られてしまう。 「マイクロフィルムをタバコの箱に隠し飛行機で・・・」 などははるか昔の話だ。

 だから機密が漏れた時点でもう取り返しがつかない。 いかに罰則を厳しくしようとも、肝心のスパイは日本を去っているだろうし。 スパイの母国に 「容疑者を返せ!」 と言って素直に渡すだろうか。 かといって未遂の段階で 「スパイらしき外国人」 をはたして引っ張れるかどうかは疑問だ。 冤罪と紙一重の行動を、特定秘密保護法があるからといって日本の警察が取れるだろうか。 下手をすれば国際問題になりかねない、としても。

 結局、特定秘密保護法は 「守り」 の法律に過ぎないのだ。 特定秘密を盗もうとするスパイに対しては、厳罰など何の脅しにもならない。 せいぜい建物の窓に鍵をかけるぐらいのことしかできないのだから、あえて屋上屋を重ねなくとも良かったように思う。 しかし特定秘密保護法は成立したのだから、賛成票を投じた議員たちにはうかがい知れない 「狙い」 が何かあったのか?


04. カッサンドラ 2013年12月29日 13:18:13 : Ais6UB4YIFV7c : vfE4Rn8f7g
 特定秘密保護法に大賛成の諸氏の言い分は
@日本は「スパイ天国」で情報の機密保持がなっていない。
Aだから外国からの情報提供も制限されてしまう。
Bよって特定秘密保護法により機密保持を厳重にし、かつスパイを逮捕しやすくする。

 こんなところだろうか。 @の「スパイ天国」 かどうかについては、私は現場を知らないのでなんとも言えないが、ただ大概の秘密情報はわざわざ優秀なスパイの手を煩わさなくとも、政治家とか民間企業あたりから比較的容易に手に入るのではないか?  かつてのウィーンのように 「各国スパイのたまり場」的な危機感を抱いての発言だろうが、Aのように諸外国にとって重要情報が危なくて与えられない我が国では、かえって家業が暇だと思うのだが如何か。

 「暗号」や「衛星写真」のような最重要機密は、もとより厳重に管理されて然るべきものであって、特定秘密保護法が出来たから管理を厳重にするのでは筋が違う。 「衛星写真」 は他国を覗き見している 「証拠写真」 なのだから。

 とにかく賛成派が前面に掲げるのは@〜Aの現状認識なのだ。 だから反論するなら、この点に真っ向から切り返さないと相手は痛くも痒くもない。 前のコメントまでで、特定秘密保護法は外国人スパイ掃討にはあまり役に立たないことを述べてきた。 抜け道は無数にあるのだ。

 さらにAの外国からの情報提供については、 「漏らそうと漏らすまいと自国に有利な情報しか提供しないよ」 が万国共通だから、特定秘密保護法が出来たからといって格段に情報量が増えると考えるのは認識が甘い、と別の投稿で述べた。 要するに、冒頭の賛成派の主張は単なる 「看板倒れ」 に過ぎなかったことになる。 さて今後は何を看板にするのか?  それとも、まだ同じ看板で巡業を続けるのか?


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