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アメリカの帰還ー冷戦の意味
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投稿者 影の闇 日時 2015 年 10 月 15 日 22:20:45: HiXvZf/FmwPNU
 

まぁ、恐らくは、これによって、こと志と異なり、維新主体勢力自ら明治維新の幕引きを演じることとなるのでしょうが、ここで一番大事なポイントは、繰り返しますが、彼等の運命は我等の運命ではない、ということー我らから彼等(維新主体勢力)を切り離し、彼等に歴史の舞台からのお引取りを願うこと、です。

その為には明治維新の神話を剥ぎ取ることが何よりも重要になって参りますが、明治維新とは本当は何だったのか?についてもまた稿を改めて論じようと思っておりますから端折るとして、その神話の中心に在る「列強による植民地化を防いだ」というのはデタラメもいいところであり、むしろこの先日本が滅びるとしたらそれは「明治維新」によってである、と言っておきます。
何故なら、上記の「承認欲求」は何も戦後に固有のことではない、つまり従属しているが故、ではない。
「承認欲求」の底には「関係欲求」或いは「帰属欲求」が在り、その角度から観れば、近代日本の歴史は『承認をめぐる闘争』と概括出来ますが、それは「明治維新」を契機にしているということ。 詰まりは、「やらなくてもいい戦争」の発端には戊辰戦争が在り、するべきではなかった「脱亜入欧」という<選択>がその元凶だった、ということです。 そして、「脱亜入欧」が日本の「承認をめぐる闘争」へと赴かせ、「日清戦争」(1894)「日露戦争」(1904)「第一次大戦」(1914)と、ほぼ10年毎の戦争へと駆り立てて行った訳ですが、この事を理解するには、その日本以上に戦争ばかりしているアメリカについて考えてみればいい。 同じ大英帝国の植民地であっても、今でも英連邦に残る他のアングロ諸国とアメリカとを分かつのはこの<独立>ということですが、それが彼の国に他とは異なるダイナミズムをもたらしている事は確かだとしても、隣国のカナダと比較しても分かる様に、それが、内に外に、様々な紛争や軋轢を生み出し、特に第二次大戦以降、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク・アフガン戦争(その間のグレナダ侵攻やパナマ侵攻も含め)と、殆ど10年毎の、本来彼の国にとってやる謂われのない対外戦争へと向かわせているのです。
それは、彼の国を特徴付けるものとしてある、“フロンティア・スピリット(開拓者精神)”なるものを考えてみればいい。 フロンティア(frontier)とは、字義通りには「最前線の」という意味ですが、もちろん、それは「文明の最前線」という意味であり、同時にそこには「野蛮に直面している」という含意が在ります。
そうして、自らの立ち位置を文明の最前線に居り、(それ故に)自らを「文明化の使命」を帯びた存在として、その眼差しを未開・野蛮に向ける時に、自らの存在理由とその「使命」が分かち難く結び付くことになる。 しかしながら、未開・野蛮(人)に対する行動=「文明化する」とした時、二律背反の、大きなアポリアに逢着します。 当然のことながら、アメリカはその「文明」の初発でもなければ根源でもない。 もちろん、文明の代表者として、ヨーロッパから承認されたわけでもない。 自ら(勝手に!)根拠付けているだけです。 元より、自らの存在とその理由に絶対の自信を持っている間はこの問題は無視されるでしょうが、一旦それが揺らぐと、直ちにこの問題は死活的に重要なこととなって来る。
即ち、ヨーロッパ=「旧世界」と峻別し、自らを「新世界」として、独り立つという時、「未開の」名付けられない世界に対するに、自らを命名し、根拠付け、正当化してくれるのが別物と排除したはずの「(ヨーロッパ)文明」であった、ということーアメリカを正当化するのは(アメリカではなく)ヨーロッパである!ーこれは決定的なポイントと言わなければならない。

何故なら、これから導かれる結論は、ヨーロッパは必ずしもアメリカを必要としないが、アメリカはヨーロッパを必要とするー独立とはそれを自己欺瞞的に隠蔽したものーということになる。

そして、この角度から見た冷戦の意味は明らかでしょう。 恐らく大戦直後の欧州の惨状は、欧州の人々には「西洋の没落」(シュペングラー)がいよいよ現実になったという感懐をもたらしたでしょうが、もしかしたら当の欧州以上に、それを深刻に受け止めたのがアメリカだったのかも知れません。 何故なら、アメリカにとっては、ヨーロッパ取り分け西欧は、単にユーラシア西端の地域を言うのではなく、「文明の本拠地」であり、それ故その没落は、あれ程強大を誇り、普遍と信じられて来た「文明」の没落であり、信用失墜―即ち自らを根拠付ける事の薄弱化―を意味する。 (ヨーロッパという)自らの拠って立つ基盤を喪うことへの恐怖、「文明」という名の自らを飾り立てていた装いが虚飾となり、<独立>という自己欺瞞が顕わになる、それは、<裸の王様>さながらに、荒野に放り出されることへの不安に晒されることを意味するのです。 本来であれば、自分も含めた非西欧勢力の台頭と「文明の没落」は裏腹の現象なのに、ドイツの次はソ連と、その責を他に転嫁し、その相手を否定することによって、自己欺瞞的に自らの意味を隠蔽する。 しかも自分(達)とは異質なそのライバルが「文明の本拠地」に迫り、しかも、あろうことか、自らにとっては死活問題のフロンティア(中国)を奪われる!

この時アメリカが感じた危機とは、斯かる文明的不安に加え、それと密接不可分のレーゾン・デートルを喪って仕舞うかも知れない!という存在と直結する不安―それは、薄々感じて来た(が抑圧してきた)そういったものが虚妄であることが白日の下に晒され、自ら<永遠><普遍>と信じていた(信じた振りをしてきた)ことが、あたかも“砂漠の蜃気楼”の様に、儚いものと映り、残されるのは、それまで同じ様に覆い隠されてきた「文明の名の下に原住民(インディアン)を殺して、その土地を不当に奪い取った」という事実―原罪(意識)のみ。
世界の冨の半分を占め、史上最大・最強の軍事大国として登場し、繁栄の極みにあった当時のアメリカが、何故ヨーロッパ近世の“魔女狩り”を想わせる“赤狩り”=マッカーシズムの如き集団ヒステリーに取り憑かれ、神経症的不安―存在の不安に襲われたのか? −上述の様に観て、初めてその意味が解ると思います。
そうして、此処からすればアメリカの取る行動の意味は明らかでしょう。
即ち、西欧の運命はアメリカの運命であるーそこから自己欺瞞的に居直って、アメリカの運命は西欧の運命であることを、他ならぬ西欧に認めさせるーこれこそがアメリカにとっての<冷戦>の意味なのです。 そうして、西欧もまた、経済的繁栄と引き換えにアメリカの<妄想>を受け入れ、(自らの)正義や道義を葬り去るー<冷戦>を欧州の側から捉えた傑作に『老婦人の帰還』(デュレンマット)という戯曲がありますが、西欧もまた、日本と同様、自己欺瞞的にアメリカの要求を受け入れたわけです。  

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コメント
 
1. 2015年10月19日 20:50:01 : hTWlzbaISI
>彼等の運命は我等の運命ではない、ということー我らから彼等(維新主体勢力)を切り離し、彼等に歴史の舞台からのお引取りを願うこと

表に出る発言からは、今上天皇の明仁氏が完全にこれを念願してるように見えます。歴史的経緯からも天皇家は維新に巻き込まれたという立場なので、さらに無理心中にまで巻き込まれるのはごめん被るということなのでしょう。

>その為には明治維新の神話を剥ぎ取ることが何よりも重要になって参ります

そのような意味で、以下のような話はもっと知られるべきですね(影の闇の人には先刻承知の話でしょうが)

>『欧米列強の帝国主義に徹底した平和路線で善戦した幕府の外交力』
>歴史教科書では、日本は開国して自主関税権を失い、第一次世界大戦の少し前の日露戦争の勝利で日本はやっと不平等条約を改正する。
>ところが本物の歴史は教科書の記述とは大違いで、一番最初に幕府が外国と結んだ1858年(安政5年)の日米修好通商条約など『安政五カ国条約』では、なんとヨーロッパ諸国間の貿易と同じ20%以上の関税率だったのである。
>(ところが明治維新の美しい神話が崩れるので、これ程大事な事実は学校では決して教えない。まさに悪質な歴史修正主義の見本)

※逝きし世の面影『NHK大河ドラマ史上最低視聴率更新が確実な「花燃ゆ」』
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/a355b4fd5c920faf42048b0e77f651b0
より


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