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日本経済新聞12月3日の円城寺次郎記念賞受賞者論文 「正社員制度改革が不可欠」への反論
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/313.html
投稿者 taked4700 日時 2015 年 12 月 03 日 15:45:33: 9XFNe/BiX575U
 

http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13566575.html
日本経済新聞12月3日の円城寺次郎記念賞受賞者論文 「正社員制度改革が不可欠」への反論

 川口大司一橋大学教授の書かれた論文が今日の日経に載っていました。ネットでも、日経新聞のサイト(http://www.nikkei.com/article/DGKKZO94674210S5A201C1KE8000/)で読めます。確かに論理明快であり、それなりに筋も通っているのですが、本来考慮するべき社会的な要素を無視していると思います。

 そして、結果的にいわゆるトリクルダウン理論と同じく、階層化社会を推し進める議論になってしまっていると思います。以下、そう考える理由です。

1.12月3日の紙面に載っている論文の前半は女性の就業率が低く、また非正社員の割合が高いという指摘です。そして、次のように続けています。「女性の正社員としての就業率を向上させるには、20歳代で働いている職場で出産しても正社員として就業継続しやすい環境を整えるとともに、再就職の際に正社員として就業できる環境を整備することが大切である。この点で長期雇用を前提としたいわゆる日本型雇用慣行は女性の就業と家族形成の両立を妨げる方向に作用する。長期雇用保障を前提とするがゆえに、正社員への賃金支払いは固定費としての性格を持つ。そのため、企業はできる限り正社員雇用を抑え、正社員では賄いきれない部分を、非正社員の雇用で柔軟性を確保しつつ賄うことになる。」この後も、ほぼ同じような議論が続きます。性別役割分担とか保育所の拡充などの話が出てきますが、あくまで論点は正社員の解雇ルールの明確化、つまり、正社員を金銭解雇できるようにしろということなのです。これは、明らかに論理が途中ですり替わっていて、正社員解雇ルールの明確化が女性の正社員化に結びつくかどうかは全く不明です。

2.論文の最後の部分を、かなり長いですが、引用します。「定年退職があるのは、定年退職前の高年労働者の賃金が生産性を上回っているためだと考えられる。高年労働者の賃金が生産性を上回る背景には、若年労働者の賃金を生産性よりも低く設定して企業が蓄え、それを中高年労働者に払い戻すことで労働者のやる気を引き出すという巧妙に設計された雇用管理制度がある。そのため、定年退職の廃止は現行の雇用管理制度の全面的見直しにつながり、副作用も大きい。時間はかかるが、賃金カーブを平たん化し、定年年齢を引き上げることが望ましい対応策である。定年延長への抵抗が強い背景には、定年だけが、企業が法的リスクを冒さずに正社員との雇用契約を終了できる機会となっていることが挙げられる。不当解雇の金銭解決制度の導入などにより解雇ルールが明確化されれば、定年年齢引き上げに対する抵抗は弱まるであろう。定年年齢を引き上げ、高齢労働者の正社員就業を促進するという観点からも、解雇ルールの明確化は避けて通れない課題だ。労働市場制度改革に当たり、最も重要なこの問題に正面から向き合う必要がある。」この部分が最も典型的に、現代の経済学者の考え方の問題点を露わにしていると思います。労働の意味、企業の社会的役割といったことがきれいに忘れ去られているのです。引用した文の問題点を一つ一つ指摘して行くと、まず、筆者は「巧妙に設計された雇用管理制度」と呼んでいますが、単に生産性だけが賃金の意味ではないことを無視しています。人々が結婚して家庭を持ち、子供を育てるための資金と言う意味があり、「労働者のやる気を引き出す」ことだけが目的ではないからです。次に、なぜ、「賃金カーブを平たん化し、定年年齢を引き上げることが望ましい対応策」となるのか、まったく理由が述べられていません。年を取るに従って賃金が上がるということがない世界は存在します。例えばプロ野球選手などです。しかし、賃金カーブが平たん化している世界はあまりありません。現状で、賃金カーブが平たん化しているのは非正規社員の方たちなのです。つまり、川口教授が述べているのは、現状の正社員を非正規社員並みの待遇に引き下げろというようにも取れてしまいます。同様に、定年延長も、それがどのような意義があるのか、少なくとも、女性の非正規社員を無くし、正社員化に役立つかどうかは全く不明です。

 こういった論文、最近と言うか、この10年程度を見ると非常に多くなっていると思います。きちんとした論理はなく、きれいごと(つまり、性別役割分担とか保育所の拡充など)をところどころにちりばめてはいますが、結局主張していることは既得権益層の保護と、その意向に逆らう人々を合法的に駆逐することが出来るようにしようという主張なのです。

 背後にあるのは、アメリカ軍産複合体のチーティング文化、つまり、「ずるをして得すればそれでいい」文化であり、入試・試験不正のはずです。結局、こういったやり方では社会は持続できず、一定のところで一気に破滅するでしょう。

2015年12月03日15時35分 武田信弘   

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