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前植民地時代への回帰を望む伝統主義者に加え近代の重要な変化の一つはイスラーム主義者の出現である/ジャマール
http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/320.html
投稿者 仁王像 日時 2015 年 12 月 12 日 10:02:30: jdZgmZ21Prm8E
 

(回答先: イスラームの神はムスリムにとって、(西欧の学者と違い)神の…性格は、まさに慈しむような慈悲と憐みをもつものだ/ジャマール 投稿者 仁王像 日時 2015 年 12 月 11 日 20:50:12)

第5章 現代世界のイスラーム思想
≪伝統と改革≫
 伝統主義者とは、ムハンマドの時代以降、ヨーロッパ植民地主義によってイスラームの社会構造が分解されるに至るまで、イスラームの思想と文化に一連の継続性があると見るムスリムである。
 彼らは、伝統的なイスラームの教育や社会制度、政府機構、宗教的ヒエラルキーに代表される前植民地時代や当時のイスラーム社会に回帰することを望んでいる。
 極端な場合、伝統主義は自らのすべてをかけて、電気、近代医療、鉄道を含む技術進歩に敵対する(20世紀初頭のサウジのワッハーブ運動がそれ)。
 近代の重要な変化の一つはイスラーム主義者の出現で、彼らはイスラーム法の原理に則り、自らの信じるイスラーム法とイスラーム的価値によって統治される社会建設を行う必要を感じている。
 この場合留意すべきは、イスラーム主義者が近代主義者ではないが、近代世界にいることを意識し、それに積極的に参加しようとする点で近代人だということである。

第6章 将来の展望
 西欧からの激しい攻勢から身を守るため、イスラーム諸国から一斎にイスラームを強化したいという願望が湧き起った。この思いが20世紀のイスラーム思想を支配し、さまざまなイスラーム集団の姿勢に決定的な影響を与えた。
 圧倒的多数の近代ムスリム思想家は「現在の不本意な情況から逃れる最良の方法は、イスラームの正当的な状態に再び戻ることである」と議論している。「正当性」とはいったい誰にとってのものか。

≪サルマン・ラシュディー(「悪魔の詩」)論争≫
≪西欧におけるムスリム・マイノリティー≫

≪さまざまな情況下でのイスラーム≫
 近代主義的ムスリムや西側世界の批評家は、とかく伝統的かつイスラーム主義的宗教解釈が、人類の進歩にたずさわる一切の事業に不寛容で攻撃的なものと見なしがちだ。彼らは、イスラームの法的・儀式的伝統を、トラブルの種となる反動的なものとなし、イスラームを全面的に拒否するか、そのかなりの部分は現代世界のニーズに合わせてつくり変えられるべきだと考えている。
 対照的に、イスラーム主義者や伝統主義者は、ともに全く違いのない保守派として一まとめにされている。…しかし、最終的には、その中心課題は、一体誰が真のイスラームを体現するか、ということに帰結する。
 …
 未来のイスラーム〔の繁栄〕は、その豊かな遺産を新たな形で正しく認め、それを吟味し、活気溢れるこの宗教の現代的展開をすすんで引き受けることの中に存在しよう。  

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