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〈 今語られる、福島第一原発の地獄 〉 〈第3回〉[ 福島の50人 ] (星の金貨プロジェクト) 
http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/194.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 2 月 08 日 01:32:01: igsppGRN/E9PQ
 

【 今語られる、福島第一原発の地獄 】〈第3回〉[ 福島の50人 ]
http://kobajun.chips.jp/?p=8601
2013年2月8日  星の金貨プロジェクト


「事故が作り出した影の中で、ひっそりと生きてきた『福島の50人』」

ジャスティン・マッカリー / ザ・ガーディアン(英国) 1月11日

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▽ 喪・失

危機が始まって最初の二週間、現場の作業員は2日分の水として500mlのペットボトル1本だけを与えられました。
「2週間ぶりでカップ一杯のコーヒーを飲むことが出来ましたが、何とも素晴らしい味がしました。」

長時間労働、貧しい食事、そして慢性の睡眠不足が、現場にいる人々の健康を徐々に蝕んでいきました。
吉澤さんも急激に体重が減り、血圧が異常に高くなりました。

2011年12月、政府が福島第一原発の事故を起こした原子炉が『冷温停止状態』に到達したと宣言するまで、吉澤氏と彼の同僚が以前と変わらぬ規則的な勤務を行った日など、1日もありませんでした。

事故発生から約2年、福島第一原発の現場に留まり続け、事態がそれ以上悪化しないよう懸命の戦いを続けてきた男は、福島第一原発の事故後この国を支配する微妙な空気の中で、居心地の良くない思いをしています。

2010年に発生し、暗い穴の中に69日の間閉じ込められ、生き延びたチリの鉱山労働者は英雄とたたえられました。
一方、福島第一原発の現場で戦った多くの労働者が、目には見えない事故後の影の中でひっそりと生きてきました。

東京電力はインタビューの申し入れのほとんどを却下します。
これまで公の場でコメントをしたのは、大勢の関係者のうち、たった2人だけでであり、それも匿名が条件でした。
ほとんどの関係者が口をつぐむことを選択しました、一緒に戦った仲間たちが暮らす世界からひとり追放されることを恐れて。
彼らは懸命の戦いを挑みましたが、一帯を放射能汚染にまみれた場所にしないための戦いに勝つことはできませんでした。
今後数年間、否、数十年間、この場所は汚染されたままの状態が続くでしょう。

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吉澤氏には人々の怒りが解っていました。
「概ね日本の人々は、私たち東京電力が事故を起こしたと考えています。私たちもそれを心にとどめておく必要があります。私たち東京電力の職員は、今回の事故の責任を取らなければなりません。そして2度と事故が起きないようにしなければなりません。それが人々の信頼を回復するための道のりです。そのためにはしかし、ずいぶんと時間がかかるでしょう。」

「振り返ってみれば、私たちの備えは充分なものでは無かったかもしれません。
しかし、事故が発生してからは、私たちはできる限りのことをしてきたつもりです。」

福島第一原発における不適切な運営により事故が起き、事故の収束にもずいぶん手間取っている、そんな認識が日本社会の隅々にまで浸透してしまっているようにも感じられます。

事故後1年8カ月たって、当時の野田首相が福島第一原発の現場を訪れ、『福島の50人が日本を救ってくれた』ことに対し、公的に謝意を表しました。
そして今年の1月にも、安倍新首相が同じパフォーマンスを繰り返したのです。

▽ 感謝

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フクシマの50人に対し感謝を表すためのメッセージが、世界中から長きにわたり寄せられつづけ、福島第一原発で戦い男たちを支えてきました。
そうした感謝の言葉が書き込まれた巨大な日本の国旗が、中央制御室の壁にも貼られています。

昨年10月に訪れた野田首相が福島第一原発にとどまっていた時間は、わずかに1時間でした。

吉澤氏はこう語ります。
「私自身は自分を、ヒーローだなどと考えたことはありません。でも世の中の人々が私たちのしていることに感謝してくださっている、それを聴いたときは素直にうれしいと思いました。」

彼が事故後急きょ福島第一原発の現場に戻り、一カ月余りを過ごした際の報告は、『フクシマの50人』の知られざるヒロイズムについての最も信頼すべき情報かもしれません。

家族と2、3日を共に過ごすために、他の何人かの作業員とともに福島第一原発を後にした際、吉澤氏は彼に来ているものを脱ぎ下着姿になり、義務づけられた放射線量の測定を行いました。
そして体に合わない、彼には大きすぎる上下揃いの運動着に着替えました。
彼の髭は伸び放題で、4週間もの間ふろにも入らず、シャワーも浴びることが無かった髪の毛はもつれあったまま、皮膚にべったりと貼りついていました。

数時間後に、彼らの乗ったバスが東京駅に到着しました。
それから彼らはめいめいの自宅へ向かう電車へと乗り込んでいきました。

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「我々の姿はきっと胡散臭いものに見えたにちがいありません。長いあごひげと見るからに不潔な髪の毛、体に合わない運動着を着てバスから降り、多くも無い荷物をビニール袋に入れてぶら下げて歩いていましたから。」
「私たちが駅構内に入ると、一度私たちの方を見た人は、二度と視線を向けようとはしませんでした。まるで福島第一原発の事故など無かったかのように、東京駅の構内は普段と変わらない様子でした。電車に乗って座席に着くとすぐ、誰も私の隣に座りたがらないことに気づきました。」

吉澤氏は自身の累積被ばく線量を明かそうとはしませんでした。

彼は被ばく線量が異常な値であることは認めましたが、福島第一原発で2度と働けない程高い訳ではありません。

「私は自分の健康について心配することはもう止めました。」
吉澤氏は福島第一原発を離れた後、たった一度だけカウンセリングを受けただけです。
「他の人はもっと頻繁にカウンセリングを受けているようですが、大事なことはだれか隠し立てする事無く、話ができる相手を持つことだと思います。」
「でも私は自分を欺くことはできないし、もう以前と同じ自分には戻れないでしょう。東京電力の社員として、また同じ生活に戻ることは不可能です。」

日本の人々の意識の中から、『フクシマの50人』の姿がゆっくりと消え去ろうとしています。

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しかし、もし彼らが事故の真っただ中に留まり続けることが無かったら、福島第一原発はさらにひどいことになっていた可能性がありました。

『フクシマの50人』がそこで過ごした時間について忘れることはありえない、彼はそう語りました。
「私たちの間には、特別な絆が出来ました。」
吉澤氏が語りました。

「言葉で表現することはできませんが、互いを強く思いやる、同じ戦場で戦った戦友同士のようなものだったと思います。」

「私たちの場合、敵は原子力発電所でした。私たちはその敵に、力を合わせて立ち向かったのです。」
〈 完 〉

http://www.guardian.co.uk/environment/2013/jan/11/fukushima-50-kamikaze-pilots-sacrifice?INTCMP=SRCH
   + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

全文を訳し終えたとき、かつて好きだったイギリスの作家、アラン・シリトーの小説を読み終えたときのような感動を覚えました。
そして次にあげる二つのセンテンスが、私には非常に意味深く思えるのです。

「でも私は自分を欺くことはできないし、もう以前と同じ自分には戻れないでしょう。東京電力の社員として、また同じ生活に戻ることは不可能です。」
But I don’t kid myself that life will ever be the same. As a Tepco employee, returning to a normal life is impossible.

「私たちの場合、敵は原子力発電所でした。私たちはその敵に、力を合わせて立ち向かったのです。」
In our case, the enemy was a nuclear power plant. And we fought it together.”


 

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コメント
 
01. 2013年2月08日 02:25:21 : IwihJDvI5Y
原発は敵で,事故収束にあたった東電社員は英雄だという美談にされそうで,
ちょっと本質を外しているルポルタージュだと思いますね。

その原発という敵は,東京電力株式会社がつくったものだという,
最も本質的な事実をお忘れではないでしょうか。

東電が,さまざまな部署で職階で,外部からの地震・津波の影響に対する警告を
軽視していなければ,これほどの被害にはならなかったはずでしょう。
少なくとも,非常用ディーゼル発電機を高台に置けたはずでしょう。

「私たち東京電力の職員は、今回の事故の責任を取らなければなりません。」

そう思うのであれば,最大の責任の取り方は,現在の東京電力株式会社を
破綻処理して,経営責任・株主責任を明確にすることと,
火力主体の新電力に,現在の東電のもつ送電網を売却して,賠償原資の一部にでも
充当することだと思います。

「責任あるものは,辞める」のが,もっとも世論の納得する責任のとり方でしょう。
にもかかわらず,責任をとらなければいけない,といいながら,収束作業の努力を誇示して,
組織を温存させようとするのは,正反対の態度ではないかと思うのです。

それは,致命的な事故を起こした者が,事故処理には命をかけたのだという,
論理のすり替えにすぎません。このような論理のすり替えには,
事故処理の努力がいかほどであろうとも,責任は厳然とあることを認めさせるしか
ありません。

感情に働きかけようとする美談は,責任の所在を曖昧にするだけです。


02. 2013年2月08日 06:33:33 : 7QNEsHlAaY
現場の人は確かに、この人の言うように最善を尽くしただろう、
英雄と称えられても何の違和感もない。

ただ、組織としての東京電力を含む原発村はどうであろう、
現場とは真逆の方向で動いてないだろうか?

それがゆえに英雄として現場の人が称えられないのでは?

日本人はありがたいという感謝の言葉を忘れているのでは?
電車が時間通り着くのが当たり前だと思っている、
それがどれだけありがたい事なのかと。

まぎれも無く、あそこで現場の人があそこで
踏みとどまって命の危険を顧みず最善を尽くさなかったら
もっと酷い事になったのは確実なのだから。

それを当たり前だで済ますのはあまりにも冷酷だろう。


03. 2013年2月08日 06:38:26 : 7QNEsHlAaY
台湾の匿名企業が、原発作業にあたる50名宛てに1億5000万円を寄付していた
何故、日本人自身の中からこのような動きが出てこないのか?

04. 恵也 2013年2月08日 10:30:04 : cdRlA.6W79UEw : xu5ZcIxkrs
>> 「振り返ってみれば、私たちの備えは充分なものでは無かったかもしれません。
>> しかし、事故が発生してからは、私たちはできる限りのことをしてきたつもりです。」

これには感謝してるよ。
福島の50人には感謝し、菅直人に感謝してもそれは、東電に感謝してることと
はまったく違う。経営責任と事故対応責任は意味が違う。

東電が1号機の耐震性をもっと向上させるか、廃炉にしていてくれたらとジクジ
たる思いを持ってるし、海水投入をケチらずにもっと早く決断してくれてたら
まったく日本は変わっていたでしょう。

コストカッターの清水社長みたいな臆病な方が、東電社長でなかったら決断も
速かったろうに・・・
だいたい社長や会長が同時に、連絡もロクに取れない場所で休暇をすごすとは
言語道断だよ!


05. 2013年2月08日 11:19:51 : ReABgBgI96
想像を絶するような非常に困難な状況の中、補給も受けられず、必死でそれぞれの職務を果たした現場の方々に敬意を表し、感謝することに100%異論はない。彼らの懸命の作業と幸運によって最悪の最悪は避けられたというのも紛れもない事実でしょう。

しかし、戦場で戦士が勇敢に戦って最悪の結果は避けられたからといって、戦争そのものが正当化されることがないように、彼らへの敬意や感謝と、事故に対する責任問題は全く別の話と思う。むしろ、彼らにそんな困難な状況と英雄的な奉仕を強いてしまった反省と償いのために、事故の責任問題はうやむやにされることなく、きちんと追求されなければならない。

東電経営層に彼らに対する感謝と敬意の気持ちがほんの少しでもあるのならば、まず彼らへのかん口令を一切止めて、何が起きたかを彼らに自由かつ正直に語らせるべき。それが彼らに対する償いだと思う。

06. 2013年2月08日 12:43:42 : 7QNEsHlAaY
なんに対する責任か?
起こった事自体の責任か
起こった事にどう対処するかしているかの責任か?

私は起こった事自体の責任は不問にきすべきだと思うよ。
大事なのはどれだけ被害を少なく出来るかだから、
現状では真逆の方向に向いていると思えるがね。


07. 2013年2月08日 13:19:27 : FvgGuLsnqg
猿が作った原発を猿が運転していた。
猿は猿で無いと言うなら社会人として責任を取らなければならないのは当たり前のことだ。
無能な猿なら、直ちに葬られるべき。

08. 2013年2月08日 17:06:29 : 7oSKGju5kA
"One murder makes a villain; millions a hero. Numbers sanctify"
「一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む。数が神聖化する」アンリ・ヴェルドゥ

チャールズ・チャプリン
殺人狂時代より


心に引っ掛るイガラっぽさの原因は多分これだ


09. 2013年2月08日 17:18:06 : 83rfHnpKBE
英字紙とは言え、このような記事が出てくる背景はなんであろう。
東電の『原子力改革監視委員会』の副委員長には、
英原子力公社の名誉会長が就任している。

『フクイチ』の東電技術者への同情を誘う一方で、
労働者の被曝の実態は、なお闇に包まれ、
長年、原発に反対してきた人々は、社会的に不遇をかこい、
津波の危険を訴える社員は排除されてきた。

残った者は、自らが創出に加担した安全神話に自ら洗脳され、
これらの一端を、寧ろ積極的に担ってきたのではないのか。


10. 2013年2月08日 23:37:03 : FfzzRIbxkp
福島の50人の掲載ありがとうございました。

写真も拝見しましたが、現場にいらっしゃる方々から疲労も汗もにじみでて、
こちらも涙が出てきます。

いつまでも終わらない仕事と、自分の命をはかりにかける現場。
作業員の皆さんから、一人あたり1000人分くらいの仕事量がかもし出てます。

うわあ。
この現実を、現在他の原発で働いている方々が共有できるかどうか。

フクイチの収束だけでもこの先最低でも40年、多くの方のご尽力が必要ですので、新たな原発事故が受け入れられません。

人間が地震や津波を制御できないのですから、原発事故を2度と起こさないのは不可能です。

こんなひどい経験は自分たちの世代で最後にしなければと、強く感じました。


11. 2013年2月09日 10:09:20 : FQ2e1J8f43
「福島の50人」の中に東電の職員はほんの少ししかいなかったといわれる。
事故前にはあ東電の職員は被曝量が下請け作業員よりはるかに少なかったと言われる。
この事故のあとで一時的に被曝量が東電職員も増えたそうだが、最近また大きな格差が
つきだした。

東電の職員をヒーローとして描き、過大に美化している。この記事の著者は東電から金を
もらっているのではないかと思わせるくらいだ。吉沢氏はなんども「東電の職員として」
と語っている。協力企業の作業員へのおもいはないのだろうか。少なくともこの記事からは
それは読み取れない。くそ東電のちょうちん記事だと断言する。


12. 2013年2月09日 15:55:20 : 7QNEsHlAaY
地獄への道はアホな正義で埋まっとるby宮崎学

なんか、こんな言葉がしっくり来るような気がするね。
アホな正義が通るなら破滅してもいいって、

震災以後、福島第一原発事故の対応がアホとか間抜けな対応しか出来ないのは、
日本人独特のアホな正義感からかもな。

台湾の匿名企業が、原発作業にあたる50名宛てに1億5000万円を寄付していた
何故、日本人自身の中からこのような動きが出てこないのか?

東電原子力行政機関はじめ原理力村の間抜けな面々が罰せられようがドーデもいい事、
やれる事を最大限やって被害を少しでも減らす事を節に願うのだが、
まあ、卑小なアホな正義感が満たされる事に血道をあげる者がおおいからな。


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